運動

  • 2017/10/11 03:15
  • Category: 雑記
新しいジムに通うようになって、車でないと行けないとか、
マシンの使い勝手が今一つだとか、いろいろ不自由な点もあるが、
逆にいいところもある。

まず、車で行くので寒くない。
毎年、雪が降るまでは自転車でジムに行っていたのだが
朝の、顔が痺れるような冷気の中、寒風に立ち向かい
自転車をきこきここいでジムに行くのは、寒がりの私には結構きつかった。
耳あてをつけ、帽子を被り、ダウンにスノーパンツをはいていても
顔は無防備。頬と鼻がキーンと冷たくて、一二、一二とペダルを踏みつつ
「さぶいよー、なんでこんなにさぶいんだー?」と不平たらたらだったものだ。

それが今年は車でぬくぬく。
耳あても、帽子も、スノーパンツもなしで、ジムに行ける。
もちろん真冬になれば、ダウンとスノーブーツは必須になるが
それでも雪の中、30分かけて歩いてジムに行くのに比べれば
ヒーターの入った車での15分なんて、たとえ外は零下20度だろうと
30度だろうと、平気の平左。
極楽、極楽。
ガソリン燃やして車で行くのは地球環境にはあまりよろしくないだろうが、
寒がりの年寄りには有難い移動方法である。

そしてもうひとつ、車で行って車で帰って来るので
当然、行きも帰りも雪だるまと一緒。
今までは私は自分の運動プログラムが終わると、さっさと一人で家に帰っていたのだが
車ではそうはいかない。雪だるまの運動が終わるまで待たねばならない。
ジムの入り口にはベンチや休憩用の椅子が置いてあるが
せっかくジムにいるのに座って待っているのも馬鹿馬鹿しいので
自然、何か運動しながら待つことになる。
おかげで1回の運動量が増えた。

たとえば昨日は、暇に任せてミリタリー・エアロビクスというのをやってみた。
エコノにはグループエクササイズ用の部屋があって、
だいたい30分刻みで、ヨガやらエアロビクスやらのクラスが組まれ、
自由に参加できるようになっている。
ただしインストラクターはバーチャル。
生身の人間ではなく、前面に設置された大型スクリーンにインストラクターが現れて
こちらにああしろ、こうしろと指示を出す。
なるほど、これなら1回ビデオを作ってしまえば、どこでも、何回でも使えるわけで
生身のインストラクターより、ずっとお手軽、安上がり。
さすが、エコノ!というところか。
ただ、みなさん、バーチャルなインストラクターでは面白くないのか
利用者はほとんどいない。昨日も部屋には私だけだった。
だから下手くそでも、インストラクターの動きについていけなくても、
全く気にせず、お気楽にバタバタやっていられたのだが
動きそのものは“ミリタリー”というだけあって、なかなかきつかった。
おかげでいまだに脚が痛い。

ついでにストレッチも毎回するようになった。
たとえ年寄りでも毎回やっていれば柔軟性は向上するようで
以前より身体が楽に曲がるようになった。
うまくいけば、そのうちお相撲さん並みに、開脚前屈(股割りですね)が
できるようになるかもしれない。
筋力と柔軟性を維持して、寝たきり老人にならないよう頑張らねば。


土俵の上で股割りを披露するお相撲さんたち。
いや、見事なものです。

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ジムがつぶれた

  • 2017/09/15 09:05
  • Category: 雑記
なんとまあ、行きつけのジムがつぶれてしまった。
日曜に行った時はなんともなかったのに、
昨日(火曜)、いつも通り二人で自転車で出かけたら
ふだんなら少なくとも数台の車が停まっている駐車場に車が1台もなく、
屋内に明かりも見えない。
「あれ、何かの理由で臨時休業かな。珍しいな」と入り口を見れば
紙が1枚、ぺたりと貼ってあって、臨時休業どころか永久休業、
ジムは閉鎖だと書いてある。日付は9月10日。

しかし9月10日というのは日曜日、私たちがいつもと同じにトレーニングし、
顔なじみの人たちと雑談を交わした日で、
カウンター内の従業員、ジェシカもアントニーも普段と変わりなく働いていたし
他のメンバーもふつうにトレーニングに励んでいて
その日で営業は終わりだという気配は微塵もなかった。
それが一夜明けたら、貼り紙1枚で廃業とは・・・

まあ確かに、以前から赤字だという噂は聞いていたし、
ことに2年ほど前、隣町にエコノ××という格安フィットネスチェーンが出来てから
そこに客の何割かを取られたようすではあったが
同時にオーナーは他にも事業をしていて、税金対策にジムを続けているのだ
という話も聞いていたし、つい2、3か月前にも新しいマシンを入れたりしていたので
まあそうすぐすぐつぶれることはあるまい、と高をくくっていたのだったが
豈図らんや、青天の霹靂的につぶれてしまった。

雪だるまは入り口の貼り紙を前に、盛んに「Sxxx」だの何だの罵っていたが
怒ってみても始まらない。
近所のSジムがつぶれてしまったのは実に災難だが
私たちの場合、ジムなしの生活は考えられないので
早急に代わりのジムを探さなければならない。

で、その日の午後、早速ジム探しに出かけた。
確かダウンタウンの目抜き通りに1つあったはずだ。
Sジムがつぶれた今、一番近いのはそこだと車で行ってみると、
表に看板だけはまだあるものの、ドアには錠が下ろされ、中は空っぽ。
なんとここもつぶれていた。

次、うちから十数キロ離れている隣の隣の町のMジム。
中を見せてもらうと、設備はそこそこ整っているが古くささは否めず、
窓が小さいせいか全体に薄暗く、陰気な感じがするのも気になる。
運動するのに雰囲気は関係ないだろう?と思われるかもしれないが
私の場合、もともとのモチベーションがあまり高くないので
広々と明るく、楽しい雰囲気でないとやる気が出ないのである。
それに何しろ遠い。

雪だるまは「でもここは、ウェブ情報によると、
このあたりでベスト3に入る設備のよさなんだ」というが
そもそもこのあたりには目ぼしいジムは3か所(Sジムがつぶれたので、
今は2か所)しかないのである。
3つしかないところでのベスト3に何の意味がある?
ベスト3もワースト3も同じことではないか。あほくさ。

雪だるまはMジムに決めたそうだったが、
私は遠いのと雰囲気が暗いのとが、どうしても好きになれなかったので
渋る雪だるまを説得して、例のエコノ××も見に行った。
ここはケベック州内に50か所以上展開しているジム・チェーンで
その名の通り、会費が安い代わり、提供されるサービスは最低限。
タオルの貸し出しはないし、シャワーも有料である。
出来た当時、Sジムメンバーの何人かが見に行ったが
ダンベルが75ポンドまでしかないとか、××マシンがないとか、
評判は今ひとつだった。

が、行って中を見せてもらうと、人が言うほどマシンの揃えは悪くない。
私たちが普段使っているもののうち無いものもあるが
それを言うなら、香港のCフィットネスからここのSジムに移った時も
Sの設備に合わせて多少ルーティンを変更しなければならなかったわけで
最初は少々不便に感じても、慣れてしまえば何ということはない。
それに何より、ジム内が広々と明るく、開放的な雰囲気なのが気に入った。
これなら楽しく運動できそうである。

雪だるまに「どうだ?」聞くと、見る前の否定的態度はどこへやら。
「うん、悪くない」というので、その場でここに決めて申し込みを済ませた。
さすがエコノ××というだけあって、年会費はSの半額以下(約130ドル)だった。
道理で客を取られるはずである。

遠くなったので、もう自転車で行くことはできず、冬場、歩いていくこともできないが、
実のところジムまでの所要時間はあまり変わらない。
自転車で15分が車で15分に変わっただけである。

そして、これからエコノに行くようになると、Sジムで顔見知りになった
エレンやそのパートナー、いつもガムを噛みながらトレーニングしているギイおじさんや
マルセルおじさん、セルジュ#1や#2等々に会えなくて寂しいなあ、と思っていたのだが
なんと水曜の朝、いつもSに行っていた時と同じ時間にエコノに行くと
エレンとそのパートナーが駐車場にいて、中に入ると元Sジムメンバーが3人いて、
しばらくしたらギイとセルジュ#2もやってきて、またしばらくしたらマダム・アウディ
(本名ではない。いつもアウディに乗って来るので私が勝手にこう呼んでいる)も来て
なんのことはないSジムがそのまま移動したような塩梅になった。
もちろん全員がエコノに移ったわけではなかろうが、
それでも顔見知りに引き続き会えるのはうれしい。
モチベーションも上がろうというものである。

道に迷うなら、田舎は車、都会は徒歩

  • 2017/09/12 10:48
  • Category: 雑記
田舎で道に迷うなら車、都会で道に迷うなら徒歩がいいというのは
田舎は何しろ建物と建物、家と家の間が広ーく開いていて
歩いてなんぞいたら、いつまでたってもどこにも着かない。
田舎は徒歩で移動するようにはできていないのである。
それに道幅に余裕があり、車通りも少ないから、
うろうろ迷ってのろくさ走っても、後ろから警笛を鳴らされることもない。
急いでいる人は、黙って追い抜いていくだけ。
こちらは焦ることなく道路標識や家の地番を確かめつつ、
ゆっくり好きなだけ迷うことができる。

が都会ではそうはいかない。
前にも横にも後ろにも車がいるから、ここかあそこかなどと迷っている余地はない。
迷ってぐずぐずした運転などしようものなら、情け容赦なく警笛が鳴らされる。
ついでに1本の道路に2、3車線あったりするから、右折/左折したいなら
早くからそれなりの車線にいなければならない。
「あ、行き過ぎた!」と思っても、Uターンできる場所は限られているから
涙を呑んで延々まっ直ぐに走り続けるしかないし、
GPSが頼りにならず地図を見たいと思っても、
田舎のようにひょいと路肩に車を寄せて、おもむろに地図を広げ、
ということもできない。
ちょっと思い浮かべてみればすぐわかるとおり、
都会の道路にはぼうっと広がった路肩など存在しない。
古い街であればあるほど道幅には余裕がなく、道のぎりぎりまで
店舗や住宅がせり出している。
たまに空きスペースがあると思うと、それはだいたい有料の駐車場で、
しっかりメーターがついていたりする。
つまり、都会には気軽に車を止めて今後の走路を検討できる場所がなく、
よって迷ったが最後、ひたすら走り続けるしかないのである。
(私と雪だるまは一度、ケベック市でこれをやった。なかなかしんどかった)

が、歩きなら、状況は一変する。
都会は人が歩いて移動できるようにできている。
人がたくさんいるし、店もあるし、日本なら交番もあるから、
誰かに道を聞くこともできる。
歩き疲れたら、スタバやカフェ付きの本屋に寄り込めばよい。
陽気のよい時なら、公園で休むという手もある。
そうやってお気楽に歩いていると、そのうち迷っているんだか、
ただ散歩しているだけなのか、自分でもわからなくなるかもしれない。
誰かと待ち合わせをしている場合は困るが
そうでなければ都会で徒歩で道に迷うのは、さほど悪いものではない。

道に迷うなら一人がよい

  • 2017/09/09 11:09
  • Category: 雑記
この前、アートフェスティバルに行こうとしてGPSに遊ばれた、
と書いたが、そもそもケベックの住所はGPSに入れづらいのである。
その昔、カソリックの影響がたいそう強かったおかげで
町の名にも通りの名にも、やたら Saint(Sainte)の付くものが多い。
で、これをGPSに入れようとすると、“Saint”とフルに綴るか
“St”と略すか、次の語との間にハイフンが付くか付かないか
ついでに次の語(名)が女性名詞なら“Sainte”と、
語尾に“e”をつけねばならないし、そうなると省略形も“Ste”で・・・
と、もう考えるだに面倒くさい。

でアートフェスティバルの会場も、その難儀な“Ste”付きの村で
しかも通りの名も Ste 付き。ダブルパンチである。
ためにいくらGPSの指示通り、地番、街路名、村名と入れて検索しても
出てくる答えは「該当なし」ばかり。
いつまでたっても、目的地設定ができない。

それでも家の車庫前でGPSと格闘していたのだったら、
家にとって返して地図を持ってくれば済んだのだが
生憎その時は出先からアートフェスティバルに行こうとしていたので
手元には地図もなーんにもない。
あるのは会場の住所を書いた自筆のメモだけ。

仕方がないので、フルに綴ったり、略して綴ったり、ハイフン付けたり、取ったり、
日英仏ごちゃまぜで罵り言葉を吐きながら
すべての可能な組み合わせを順番に試し、ああだこうだと20分近く頑張ってみたのだが
GPSのお答えは常に「該当なし」
ほとほとうんざりし、もう諦めて帰ろうかと思ったが、
せっかくその気になって出てきたのに途中で諦めるのも癪なので
近くのドラッグストアからウチに電話し、雪だるまに
会場近くで、St/Ste の付いていない通りはないかと聞き
その通りの名をGPSに入れて(この時は一発で入った。いえい!)出発した。

が、結果はこの前書いた通り、到着したのは何にもない山の中。
いや正確には、私が走ってきた当の道があるし、その両側には
木々の生い茂った山があるので、「何にもない」わけではないのだが、
どう考えても、こんな鬱蒼とした山の中でフェスティバルをやっているはずはない。
しかも道端の標識には「××村 〇km」と、目的地の村よりずっと先にあるはずの村の名が
記されている。つまりこの先ずっと走っても、目的地には着かないということである。

これはもう人に聞くしかないと、私は走ってきた道を何キロか戻って人家を探し、
運よく、ちょうど庭先で花の手入れをしている人を見つけたので
車を止めて「こんにちは」と近寄り、アートフェスティバルに行きたいのだが
道に迷ってしまったというと、その人は仕事の手を休め
はっきりかつゆっくりしたフランス語で、親切に会場への行き方を教えてくれた。

幸い田舎のこととて道はだいたい一本道。
その一本道と交差する道もたまーにあるだけというわかりやすさなので
教えられたコンビニやレストランを目印に右折、左折したら
ちゃんと会場に着いた。そのまま取って返して道を教えてくれたおじさんに
お礼を言おうかと思ったくらいうれしかった。

で、この時思ったのだが、道に迷うなら一人で迷うに限る。
一人なら車の中で好き勝手に悪態をつきながら
自分の判断であっち行ったり、こっち行ったりできる。
同じところをぐるぐる回る羽目になっても、自分自身に「ばーか」
と言っていれば済む。気楽である。
しかし同乗者がいる場合は、そうはいかない。
うろうろと道に迷って同乗者に心配をかけるのは気の毒だし
戻るか進むか、右か左かなどの判断には、その人の意見もきかねばならない。
あげく余計に迷ったりしたら、こちらもあちらも気ぶっせい。
なかなかに気骨が折れる。一人なら、そんな気遣いは全く要らない。
お気楽、らんらん。

そしてもうひとつ気付いたのは、田舎で道に迷うなら車、
都会で道に迷うなら徒歩がよいということ。
理由はまた次回。

リハビリ

  • 2017/09/07 10:19
  • Category: 雑記
あれやこれやで1か月近くブログを放置してしまい
おかげで日本語の書き方をすっかり忘れてしまった。

しかし文章を書くことのできる唯一の言語を失うわけにはいかないので
リハビリ開始。
呆れるほどたどたどしい文章で、文の繋がりがおかしくても、
慣用句が出てこなくても、“てにをは”がへんちくりんでも、とにかく書かねば。

8月半ば、近くの村で開かれた美術展というかセミプロ画家作品展というか、
まあアートフェスティバルみたいなものに出かけた。
今年で15回目だというこの催しは“Rendez-vous des peintres”という名で
鄙びた村のメインストリートに沿って設置された50以上の小さなテントに
各画家が自作を並べ、ついでに画家本人もいて、
訪れた人々と談笑し、欲しい人がいれば作品を売り、
というようなのんびりとしたものだ。

出かけた理由は、ここに来た当初から話に聞いていたこの催しが
どんなものだか見てみたかったのがひとつ。
もうひとつは、うちに日本語会話の練習に来ていたV君の母上が
去年に引き続き出展されるというので、これはご挨拶にいかねば、と
思い立ったのである。

で、ある土曜日ひとりで車で出かけたのだが、
途中GPSに遊ばれて、何にもない山の中に連れて行かれたりしたものの
最終的には何とか会場にたどり着いて、無事地元画家諸兄姉の作品を
鑑賞することができた。

何しろ半分お祭りみたいなものなので、正直なところ作品そのものには
面白いものは少なかったが、夏の午後、メインストリートとはいえ
レストランやカフェなどの店舗は数えるほど、
ほとんどは思い思いの花々が咲き乱れる普通の住宅の庭先で、
その後ろに目をやれば、遠景は緑に霞む山。
牛でも「もぉー」と鳴きそうな風景の中、のんびり歩きながら絵を見て歩くのは、
けっこう楽しかった。

それに、ぶらぶら歩きながら探し当てたV君の母上のテントには
ひまわりの花のようにあでやかなV君の母上がいらして、満面の笑み。
しかもその作品は、去年までの作品とはがらり表現法が変わり
以前よりずっと面白くなっていて、お世辞でなく心から「面白い」「好きだ」
と言えて本当にうれしかった。

いつから変わったのか、はっきりとは伺わなかったが
去年の夏に作品を見せていただいた時は、風景画にしろ静物にしろ
ごく普通の油絵としか言いようのない、これと言って特徴のない作風で
可もなく不可もなく(失礼!)といった感じだったから
変わられたのはそれ以降だろうと思うが、今の、黒い細い線で囲まれた
横長の長方形を積み上げて色と形を描いていく表現法は
リズミカルで、踊るような光の燦爛が感じられて、
見ていてなんだかとても楽しい気分になった。

作品の中のひとつ、草原で牛が遊んでいる作品は特に気に入って
「これはいいですねえ」と言ったら、それはモントリオールの美術展で
入賞した作品だそうで、なるほどと納得。
一応値段を聞いてみたが、私に手が出る額ではなかった。
誠に残念。
もっとも、たとえ買えたとしても、うちには掛けられる場所がないのだけれど。

それにしても、V君の母上は私と同い年。
絵で食べているわけではないから、職業画家というわけではないのだけれど
それでも日々描き続け、表現法を考え、新しいことを試し、
試行錯誤して成長していけるのだと知って、
正直、目から鱗の思いだった。
私は今まで傲岸不遜にも、絵にしろ他の芸術にしろ
素人の進歩/成長には限りがある、
ある程度までは伸びても、あとは同じことの繰り返しになる
と思っていたのだが、どうやらそれは間違いだったらしい。
これはなかなかうれしい発見である。

どうせならもっと人の役に立つ職業に就くがよろし

  • 2017/06/14 11:33
  • Category: 雑記
先週の水曜、いつものようにネットで調べ物をしていたら
突然、画面いっぱいに「あなたのコンピュータ内に、ゼウスウィルスが発見されました。
このウィルスはコンピュータ内のデータやソフトウェアを破壊する可能性があります。
コンピュータをシャットダウンしてはいけません。すぐに下記のマイクロソフト・サポートセンター
(通話料金無料)に電話してください」というポップアップが現れた。

「はあ?」と思って、一応そばにいた雪だるまに見せると
「電話しろというのだから、マイクロソフトに電話してみなさい」という。
英語で、あまりよくわからないコンピュータ用語を聞きながらやりとりするのはめんどくさいなあ
とは思ったが、PC内のデータがなくなったり、壊れたりするのも困るので
仕方がない、指示された番号に電話した。

すると、南アジアなまりの英語を話す若い男の人が応えて
「どうしました?」と聞くので、PC内にウィルスが発見されたというメッセージがポップアップした。
マイクロソフトのサポートセンターに電話しろというから電話したと言うと
「ではこちらからあなたのPCにアクセスし、問題を調査して解決法を探します。
アクセスするためにはあなたの許可が必要ですので、これからこちらが言う通りに
コンピュータを操作してください」と言って、ウィンドウズ・ロゴ+r から始まる一連の操作を
次々とこちらに指示してきた。

私は聞き取りにくい電話の声を聞きながら、わけもわからず相手の指示のまま
コンピュータを操作するという作業の面倒くささと、
コマンドの羅列で自分が一体何の操作をしているのか皆目わからないという、
目隠しされたまま迷路の中を引き回されているような心許なさに相当苛々し、
「こんな作業は英語ネイティブで、しかも私よりは余程コンピュータに詳しい雪だるまに
代わってやってもらいたいものだ」と思ったが、
生憎ちょうどお義父さんたちが「こんばんはー!」と訪ねて来て、
私に代わってPCの前に座ってもらうわけにもいかない。

そうこうする間にも、電話の相手はこちらを煙に巻くかのように画面にさまざまなタブを表示し
そのうちの一つはウィルスアタックの履歴で、それによると我が愛しのPCは昨日以来、
ほとんど分刻みでアタックを受けていて、そのあまりの数の多さにほとほとげんなりした私が
「つまり、PCショップとかでクリーニングしてもらわない限り、私はPCを使えないわけですね?」と言うと
電話の相手は、「いいえ、街のPCショップではだめです。この状況を解決できるのは、
公認のオンラインエンジニア(つまり彼だ)だけです」と言い切り、その料金を提示してきた。

それによると、クリーニング料金はUSD149.99、ついでに私のPCには全くアンチウィルスソフトが
インストールされていないので、仮にアンチウィルスのサポートを希望するなら、
1年USD180、2年でUSD210等々。(注:この辺の数字はうろ覚え)
そう言っては何だが、結構高額である。

なんだか胡散臭くなってきたなあと、それでも一応、お義父さんたちと歓談中の雪だるまにその表示を見せると
「スペルミスだらけのひどい英語だ。マイクロソフトがこんなひどい英語を出すはずがない」と言うので
私もこれ幸いと「そんなお金はありませんから」とサービスを断った。
すると相手は「では仕方がありません」と、にわかに今まで画面に表示していた様々なタブを次々と閉じ、
あっという間に過去20分間の痕跡をきれいさっぱり消して、真っ黒な画面だけ残して消えて行った。
残された私は、ただの黒い箱になってしまったPCを前に、声も出ず。

振り返ってコトの顛末を眺めてみれば、これは明らかにマイクロソフト・サポートを騙った詐欺である。
PC使用中に「ウィルス発見!」などとポップアップが出れば、みな一応ぎょっとするし、
マイクロソフトに電話しろと指示されれば、電話する人の方が多かろう。
(ネットで本当にマイクロソフトの番号かどうか確かめようにも、画面はフリーズしているのである)
まったくよくできた引っ掛けである。

それでも英語ネイティブなら、相手とのやり取りの中で、その話し方や言葉の使い方などから
「何だか怪しい」といった嗅覚が働くだろうが、いかんせん私は非ネイティブ。
表情、態度の見えない電話で、声と話し方だけで相手の資質を判断するのは相当難しいのだ。
おかげで最後まで引っ張られてしまった。
ケチな根性が幸いして金を払うところまではいかなかったが、PCを壊されたのは大損。

翌日私はお馴染みのジミー君のところへPCの修理を頼みに行ったが
彼もそれは詐欺だろうとの意見で、騙されて彼らにサービスを頼んだりすると
また別なウィルスを植え付けられ、カード情報や銀行情報など盗まれることになりかねないと言う。

まったく、生きていくためには金が必要で、金を稼ぐためには何らかの仕事に就かねばならないのはわかるが
コンピュータウィルス詐欺にしろ、振り込め詐欺にしろ、なにもわざわざ人を騙して金を取るような職業に就かなくとも
よさそうなものを。
人を騙せるだけの話術とコンピュータ技術があるのなら、もちっと人の役に立つ職業に就き給えよ、青年!


えー、というわけで、読者の皆様、今後同様の状況に遭遇されることがありましたら
間違っても偽の“マイクロソフト・サポートセンター”などにはお電話なさらず
信頼できるコンピュータショップにご相談ください。
ちなみに今回使われたウィルスの名前は“zeus virus”でした。

先日の収穫

  • 2017/04/19 10:52
  • Category: 雑記
先日、久しぶりに中古屋さんに出かけた。
そして大収穫にほくほくして、大満足で帰ってきた。

今回の目玉は、なんと言っても手芸用品。
まず、レース糸が10玉くらいあった。
もちろん全部使いかけだが、その代り値段は1玉25~75セント。
新品を買うと、1玉4~5ドルはするのだから、
たとえ半分くらいしか残っていなくても、この値段ならお買い得だ。
色は今回は生成りというかベージュばかり。
でも前回、白、緑、ピンク、黄などが出ていた時、
それらをあらかた買い占めたので、今回はベージュばかりでも文句なし。
ちょうどちょっとくすんだ色で、昔風のものを何か編みたい
と思っていたところなので、ちょうどいい。


レース糸。太さは♯3~10

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その他、青系のパイピングテープがあったので
これもあるだけ買い占めた。
こちらはレース糸とは違い、ちょっと古そうではあるが、封は切られていない新品。
ひとつ25セント。

そして、その下にはファスナーばかり大量に入った大籠。
その中から具合のよさそうなのを3本。
1本10セント。
何かに使う予定があるわけではないが、
こういうものは見つけた時に買っておくと、
いざという時、買いに走らなくて済む。


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そして棚の隅で見つけて「わあ!」と嬉しくなったのが、
タティングレースのシャトル(50セント)と大型のラッチフック(25セント)。
以前からタティングレースをやってみたいと思っていたのだが
新品でシャトルを買うだけの決心は付きかねていたところだったので
中古屋さんでの遭遇は、まさにめっけもの。
これを買わずしてなんとしよう?

ラッチフックは、本来は文字通りラッチフッキングに使うものだが
私は編み物で5目一度とか、7目一度の玉編みをするとき
かぎ針の代わりに使っている。
先っぽに小さなレバー状のものがついており、
向こうへ押すとこれが開き、手前に引くとこれが閉じるので
糸を引っかけて目の間を通すとき、かぎ針よりも楽に引っかかりなく
糸を引いてこられるのだ。
私はもともと編み機か何かの付属品で、小さいラッチフックは持っており
便利に使っているのだが、いかんせん小さいので中細以上の糸には向かない。
並太~極太の糸に使える大きさのが欲しいなあ、と思っていたところだったので
これもまた渡りに船。迷うことなく、カゴに放り込んだ。


ラッチフック(左)とタティングレースシャトル

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その他、ギフト用の紙袋とか、果物の絵柄の小皿とか
(この手のものには珍しく made in China ではなく
made in England だったので買った。25セントだったし・・・)

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この間、歯が欠け始めて困っていた髪を留めるための櫛とか
クッションとか、人形用のスカーフとか、
あれこれ散々買い込んで、それでもお代は9ドル15セント。
つまり1000円程度。
これだから中古屋さん通いは止められない。

通りの名

  • 2017/04/12 03:07
  • Category: 雑記
私が住んでいるあたりのストリートネーム、通りの名は、
9割方、人の名だ。
たとえば、ウチがある通りは rue Hector Dupont だし、
それが丁字路になってぶつかる通りは Arthur Dery、
その先は Émile Deschênes、
それを右に曲がると、Ovila Demontigny といった具合だ。

たぶん、それぞれ歴史上の有名人か、
町に貢献のあった人の名なのだろうが、
祖父母の代からこの町在住というわけではなく
かつカナダ史に詳しいわけでもない私には、
これらの名が、まったく覚えられない。
(上に挙げた名は、ウチの通りを除き、すべて地図を見て書いた)

過去5年間、これらの通りを行ったり来たりして
街路名表示のプレートはしょっちゅう見ているはずのに
ちっとも記憶に残らない。
なので、例えば何かの案内に住所が記されていても、
それがどこなのか、地図を見ない限りまったくわからない。

もっともこれは外国人である私に限ったことではなく
一応ケベッコワである雪だるまも同様で、
たまにジムの帰りなどに、通りかかった人に道を聞かれることがあるが
一度として教えてあげられたことはないそうである。
どうやら“覚えられない”という点に関しては
フランス語ネイティブか否かという点は、関係ないらしい。

覚えられない理由は、全く知らない人の名であることと、
一つ一つの名が結構長くて、ぱっと一瞬見ただけでは
読み取りづらいこと、の2つであるように思う。
なぜなら、たとえ綴りは長くても、マクシミリアン・ロベスピエールとか
クロード・レヴィ・ストロースとかなら、即座に人物が浮かんで一発で覚えられそうだし
逆に全く知らない人でも、“ジャン・ボン”とか“ルイ・マル”とか
綴りが短くて発音が簡単なら、折に触れ見ているうちに
何とはなしに記憶に残り、「これはあの辺」と見当がついてきそうだから。

まあ今はGPSもあるし、通りの名など覚えていてもいなくても
日常生活に支障が出るわけではないが
どうせ通りに名をつけるなら、覚えづらい人の名前などより
花の名とか木の名とか、あるいは鳥、動物の名とか
連想が働いて記憶に残りやすい名にしてくれればいいのに、と個人的には思う。

そう思うのは私だけではないようで、
たとえば隣の町には、Bégonias(ベゴニア)、 Campanules(桔梗)、Dahlias(ダリア)など
通りはすべて花の名という一角があるし、
隣の市には、Hibou(フクロウ)、 Clibris(ハチドリ)、 Pics-Bois(キツツキ)など
鳥の名ばかりの一角もある。
こういうのは、なかなか楽しくていい。
「そうかなあ?」と疑問に思われる方は、日本語で想像してみればよろしい。
たとえば住所を書く時、少なくとも“安倍晋三通り34番地”なんていうのより
“たんぽぽ通り125番地”の方が、書いていて気分がよくはないか?

あるいはそういう種々の思惑が面倒だというのなら
まったく機械的に、1から順番に番号を振っていくのでもいい。
うちの町も、旧町内はだいたいこの形式だ。
これならよい名を考えてあれこれ思い悩まなくてもいいし
外から来た人が、通りを探し当てられないということもない。
7番街は、6番街と8番街の間にあるに決まっているのだから。
面白みはないが、簡便にして実際的なり。

いろいろ

  • 2017/03/17 09:17
  • Category: 雑記
■ 今週、学んだこと:
   「たとえ道路が乾いていても、零下11度の時にふつうのスポーツシューズで散歩に出てはいけない」
   歩いている間は、お尻が冷たかったり、寒風にさらされて鼻が凍りそうだったり、
   マダムたちのフランス語を聞き取るのに苦労したりで気が付かなかったのだが、
   散歩が終わって家に帰り着き、ほっと一息ついたら、とたんに両足の指が猛烈にかゆくなって困った。
   どうやら我が足指は、防寒性のない靴の中でしもやけ寸前だったらしい。
   路肩には雪が山積みでも、道路表面は乾いてきたから普通の靴でもだいじょうぶだろうと思ったのだが、甘かった。
   優秀なブーツのおかげで、ふだん「足が冷たい!」という思いをしていなかったのですっかり忘れていたが
   冬のブーツには、防水だけでなく、防寒/保温の機能もあったのだ。
   次回は必ずブーツで行こう。スポーツシューズは気温が0度以上になるまでお預けだ。

■ 先日、「道路の穴ぼこに激突して、フレームが歪んでしまった」と書いた車輪。
   その後また電話があって、実は歪んでいるだけでなく、ヒビが入っているので修理不能と言われてしまった。
   修理できないとなれば、自転車ではあるまいし、前後1つずつの車輪では走れないから
   新しいのを買わなければならない。
   200ドル以下で直るだろうと踏んでいた雪だるまは、新しいマグ2本の値段を聞いて肩を落としていた。
   世の中、不時の出費というのは、あるものである。

■ お散歩マダムの一人が「こういう催しがあるけど」と、お試し太極拳クラスの案内をくれたので
   私も行ってみることにした。お試しなので、日曜の午前、2時間くらいの1回だけの講習会。
   講師は地元ケベックの人らしい。姓も名も、どうみてもフランス語の名前なので、中国人ではないと思う。
   太極拳は、人がやっているのを見たことはあるが、自分でやったことは一度もない。
   ふだんやっている筋力トレーニングやストレッチとは全く違う動きと思われるので、
   どんな感じになるのか、とても楽しみである。


太極拳といえば、やっぱりこんなポーズ?

taiji.jpg

“抗菌石けん”という名前が紛らわしいのだ

  • 2017/03/07 11:58
  • Category: 雑記
前回書いた「 OC Cleaners」の番組を大量に見てしまったせいで
台所用の手洗いせっけんが切れた時、つい殺菌剤入りのせっけんを買って帰ったら
雪だるまに「アンチバクテリアソープは効果が実証されていない上に
人体、環境に有害な可能性もあると言われているのに、
なんでそんなもの買ってきたの?」と言われてしまった。

えー!と、今更ながらチェックすると、確かにFDA(米食品医薬品局)は去年、
「通常のせっけんより殺菌効果があるという根拠がなく、
長期使用の安全性も検証されていない」として、トリクロサンなど
19種類の殺菌剤を含む抗菌せっけんやボディーソープなどを販売禁止にしていた。
なんとまあ・・・
そうとも知らずにわざわざ抗菌せっけんを買ってきた私は、かなりのお馬鹿である。

幸い、成分をチェックすると、私が買ってきた液体せっけんには
トリクロサンなどFDAが販売を禁止した成分は入っていないようで
取りあえず手洗いに使っても問題はなさそうだが
なんだか手を洗うたびに、己が無知と阿呆さを思い知らされるようで、少々気が滅入る。

私は別にきれい好きでも潔癖症でもなく、多少の汚れやばい菌には平気の平左、
日常的にある程度の雑菌、ばい菌に接していた方が、免疫力がついてよろしい
くらいに思っているので、今まで特に殺菌や抗菌や除菌を気にかけたことがなく
よって、そうした製品やニュースに関心を向けたこともなかった。
それが今回の失敗につながったとも言えるのだが、
それにしても“抗菌剤入り”なんて書いてあると、よけい殺菌効果がありそうで
そんな石けんで手を洗うと、より清潔になるような気がして、紛らわしくていけない。
どうせなら私のような無知でおっちょこちょいの阿呆向けに、
「抗菌剤入りですが、効果のほどは定かではありません」くらいの文言を、
堂々パッケージに書いておいてくれればいいのに・・・

ちなみに、FDAの言う「長期使用の安全性が検証されていない」というのは、
1. 殺菌剤を使うことで耐性菌が増えるリスクがある
2. ホルモンの働きを阻害する可能性がある
という研究結果が報告されているからだそうである。

抗生物質の濫用により耐性菌が増えたと言われていることを考えれば
殺菌剤の大量使用が耐性菌の増加につながることは大いにありそうで
そうなると、より強い薬剤→より強い耐性菌→さらに強い薬剤と
いたちごっこというか悪循環というか、スパイラルが止まらないということになるので
ここはやはり人間、病み上がりの人や、何らかの理由で免疫力が落ちている人は別として
日常的には適度なばい菌の中で暮らしているのが一番いいのかもしれない。
私も次回は、ふつうの石けんを買おう。
買ってしまった抗菌石けんが「詰め替え用 1.18リットル入り」なので
次回がいつになるかは不明だが・・・

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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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