歯ごたえゼロメニュ

最近どうも、夕食会をしたりお出かけをしたりすると
その疲れから回復するのに少なくとも3、4日はかかるようで
今回も合同お誕生会と翌日のお出かけの後は
ぐったりして疲れが抜けず、当然ながら気力も萎え萎えで
“ブログ更新”態勢に入れるまでに、1週間近くかかってしまった。
まるで70婆さんみたい。ああ・・・

それでも私の場合、歯と胃袋はいまだ丈夫で
ばりばり、むしゃむしゃ、硬いものでも、些か消化の悪そうなものでも
大抵のものは食べられる。
むしろ、むやみと軟らかいものよりは、ある程度歯ごたえのあるものの方が
好きだったりする。

そんなものだから、会食の時でもつい歯ごたえを楽しむようなものを
メニュに入れてしまいがちなのだが、今回の合同お誕生会では
極力そのようなことのないよう、注意して献立を作った。

実は前回、9月の義弟ジェリーの誕生日の時に失敗して懲りたのだ。
主賓(?)であるジェリーが私とほぼ同年配で、何でも食べられるものだから
ついうっかり付け合わせの野菜に、ぱりぱりした歯触りを楽しむべく
さっと茹でただけのさやえんどうと、これまたどちらかといえば歯ごたえのある
皮付きのままオーヴンで焼いたじゃがいもを選んでしまったのだ。

私としては、青々と茹で上がったさやえんどうは、夏の陽光の最後の名残
のようなものだし、皮付きのじゃがいもも、主菜の豚肉の軟らかさとの対比で
組み合わせとしてよろしかろうと思ったのだが、
実際に供してみたら、さっと茹でただけのさやえんどうは、莢が硬すぎて
お義父さんの姉である伯母さんには噛み切れず、
またお義母さんの妹である叔母さんは、少々焦げ目のついた皮付きじゃがいもの消化に
不安を抱いたのか、皮の部分だけそっくり皿に残してあった。

幸いデザートのブレッドプディングが好評だったので、会食はつつがなく終了したが
客人が帰った後、皮やら莢やらがあちこちに残る皿を片づけながら私は、
「いやはや、もうちょっと出席者の年齢を考えるべきだった」と、ふかーく反省した。

考えてみれば、伯母さんは86歳、お義父さんは84歳、叔母さんは73歳。
硬いものや、歯ごたえのありすぎるものを敬遠するのは、当たり前なのだ。
お義父さんが皆との会食の時、マッシュポテトやぐたぐたに軟らかく煮た隠元などを
付け合わせするのは、それなりに理由があってのことだったのだと
今更ながら思い至った。

で、前回の失敗を踏まえ、今回のメニュは主菜はポークフィレ(手でちぎれるほど軟らかい)、
付け合わせは、さつまいもとじゃがいものマッシュ(水分を大目に残した上、バターと牛乳で
かなりやわらかめ)、茹でたグリーンピース(これまた、かなりやわらかめ)、
デザートはトライフル(角に切ったスポンジ+缶詰のフルーツカクテルと桃、ホイップクリーム。
スポンジはラム入りのシロップを浴びてびちゃびちゃ。歯ごたえゼロ)
という、“出席者の平均年齢ほぼ70歳”にふさわしい老人食にしたら
これが思いのほか好評で、ことにトライフルはラムを多めに入れたびちゃびちゃ具合がよかったのか
伯母さんなど「ほんとに、おいしい!」と、お代わりまでして、にこにこ顔だった。

皆に喜んでもらえて、作った方も作り甲斐があったが、
それにしてもこの歯ごたえゼロメニュ、
今はこのくらいで済んでいるが、何年か経って更に出席者の年齢が上がったら
更にやわらかく、細かくしなければならないかも。
ほとんど離乳食の世界だが、ま、流動食よりましか ^^;






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もやし作り

最近のお遊びのひとつは、もやし作り。
もともとは冬場、野菜が値上がりするので、もやしでも作って足しにするかと、作り方などちょっと調べてみたのだが、もやし栽培の専用トレーは20ドルとか結構な値段がついていたため、二の足を踏んでいるうちに春になった。

春は種まきの季節である。で、人参やエンドウ、ケールなどの種を買うついでに、もやしの種も購入。そしてその後の調べで、専用トレーなどなくても、何かの空き瓶とフタにする目の粗い布さえあればもやしは作れるとわかったので、早速ジャム瓶を洗って実行。フタは、最初は木綿の布を切って使ってみたが、朝晩の水洗いの際、水の切れが悪いので、ニンニクが入っていたメッシュの袋を適当に切り、輪ゴムで止めてフタにした。ニンニク袋は目が細かいので、かなり小さいタネでもこぼれ落ちない割に水切れがよくて、なかなか使い勝手がよい。お薦めである。

そしてタネは、最初は市販のもやし用のタネ、スプリング・サラダとかサンドイッチ・ブースターとかで作っていたのだが、少ししか入っていない割に結構高い(2回分くらいで約3ドル)ので、最近はもっぱら緑豆で作っている。大きく育つのでサラダやサンドイッチには向かないが、炒め物にはこちらの方が重宝である。

作り方は超簡単。
1. 緑豆小さじ2杯くらいをジャムとかスパゲッティ・ソースの空き瓶(少なくとも500mlくらいの大きさのもの)に入れ、豆が十分被るくらいの水を入れて、目の粗い布かネットなどを被せ、輪ゴムで止めてフタにして、冷暗所に置く。
2. 6~8時間経ったら水を切って、引き続き、冷暗所に置く。(ちなみに水を切る際、フタはいちいち取らなくてもいい。目の粗い布やネットなら、ふたをしたままで十分、水は切れる。
3. その後は1日2回、朝と晩にフタつきのままジャーと水を入れ、軽く豆を洗ってまた水を切り、冷暗所に置く、を繰り返すだけ。2日目くらいから芽が出始め、5、6日経つと十分食べられるくらいに成長する。

ちなみに緑豆は、別にもやし用ではない、ふつうの緑豆。煮て食べる用に袋入りで売っている(あるいはカナダにお住まいの方なら、bulk barnとかで量り売りで売っている)ごくごくふつうの緑豆。最初は煮て食べる用で本当に芽が出るのか少々心配だったが、やってみるとこれがちゃんと出る。

そして上には“冷暗所”と書いたが、直射日光さえ当たらなければ、特別暗く、冷たい所でなくても大丈夫のようす。私は朝晩の水洗いを忘れないよう、台所の流しの横に置いているが、ちゃんともやしになっている。肝心なのは朝晩必ず水洗いして、カビが生えたり、腐ったりしないようにすることだそうである。カナダより暑くて湿度が高い日本だと、真夏、台所にそのまま置くのはちょっとアブナイかもしれないが、春秋冬は十分いけるのではないか。


これは2日目。少し芽が出始めている。

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そして6日目。瓶いっぱいに成長

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上から見たところ。葉っぱも出て、元気いっぱいです。
このもやしはこの写真のあと、炒め物にして食べてしまいました。ははは


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食事

先月半ば、香港から知り合いが遊びに来て5日間ほど滞在した。お仕事時代、私が“次席”と呼んでいた人が、息子さんの卒業式に出席するためにご主人とともにNYに来、NY⇔モントリオール間は飛行機で1時間と東京⇔大阪並みに近いので、「帰りに寄るわ」となったのである。

ものすごく親しかったお友達というわけではないが、8年間、上司兼同僚として一緒に仕事をした仲だし、その8年間いろいろお世話になり、随分と親切にもしていただいた方なので、せっかく来てくれるなら楽しく過ごしてもらおうと、あれこれと準備を整え、彼女たち(ご主人は仕事が忙しいので先に帰ったが、息子さんは一緒に来た)が着いてからは、ケベック市に観光に行ったり、ナショナル・パークへピクニックに行ったり、最終日には彼女の希望で隣の市の大きな教会へ行ったりと、このあたりの観光スポットをぐるぐる。幸い5日間とも天候に恵まれ、毎日いいお天気で、しかも暖かかったので、青空の下、あちこちで写真を撮ったり、買い物をしたり、それなりに滞在を楽しんでいただけたとは思うのだが、ただひとつ食事だけは、大きく的を外してしまった。

この私、中華圏に20年近く住んで、香港/中国人式の食事についてはよーくわかっていたはずなのに、ケベックでの5年間ですっかりそれを忘れ、初日、プレイスマットの上に一人一皿、主菜に副菜2種、サラダにデザートという欧米式の食事を用意してしまったのである。

客人が内地から来た純粋中国人なら、私もこんなメニュにはしなかったと思うのだが、次席はホテルのブッフェを好むような和洋中華なんでも食べる人だし、息子さんはNYで4年間も生活したのだから、欧米式の食事でもだいじょうぶだろう、それに第一、私には中華の家庭料理なんか作れないし・・・と、ついいつもの通り、お義父さんや親戚の誰彼と食事をする時まんまの会食メニュにしてしまったのだが、しかしこれは大きな失敗だった。

まず初日、上記の主菜+副菜の食事を準備したものの、それでも一応、「ご飯(白飯)あった方がいい?」と聞いたら、大きく頷いて「あった方がいい」というので、急ぎ炊飯器を仕掛けた。そしてご飯が炊ける間、ふと「ん? ご飯+おかずとなると、主菜1品ではマズイ」と気づいて、慌ててもう2品ほど主菜というか、お菜を用意。ここで「そういえば香港の食事は、一人一皿じゃなくて、大皿に盛ったお菜をみんなでシェアして食べるんだった」と思い出して、箸を用意し、盛り付けもそのように変えたのだが、しかし何しろ土壇場での変更。お菜はなんとか3品そろったが、香港人の食事に欠かせないスープ(湯)までは手が回らず、初日の夜はスープなし。なんだか間の抜けた食事になってしまった。

2日目は初日に懲りたのか、次席が「私も手伝う」と言って、野菜スープと鶏蛋西紅柿(トマト卵炒め)を自ら調理。ご飯、スープ、お菜3品で、完全に中華の夕ご飯。

3日目は、ケベック市に出かけたついでに外食。ケベックに来たからにはこれを食べていただかなくてはということで、ケベック名物のプティン(フレンチフライにチーズをのせ、グレービーをかけた料理)をオーダー。この日だけは港式の食事から外れた。

4日目は、また完全中華メニュ。天気がよく暖かかったので、デッキのテーブルで食事。外で食べる楽しさからか、息子さんはご飯を4杯お代わりした。あの細い身体のどこにそんなに入るのか不思議だったが、しかし喜んで食べてもらえてうれしかった。

というように、外食だった3日目を除き、家での食事は毎日、白飯を主食にお菜をシェアする港式ごはん。
いろいろな点で相当程度西洋化されている香港人ではあるのだが、日本人同様、外での食事ではナイフとフォークの横メシを抵抗なく受け入れても、家での食事はやはりご飯とスープにお菜を添えて、箸で食べなければ食べた気がしない、ということらしい。

おかげで1日につき主菜1品、副菜2品で材料を用意していた私の目算は大幅に狂い、2日目ですでにスーパーに追加の食料買い出しにいく始末。それはそうである。お菜を3品作るというのは、主菜を3品作るようなもの。1日で3日分の主菜材料を使い切ってしまえば、2日目で材料が足りなくなるのは当たり前である。

思えばこのケベックに引っ越してきたばかりの頃は、逆に港式の食事方法がすっかり身に沁みついていて、家のお披露目の後、親戚一同20数人でレストランに行った時には、メニュを見ながら「ひゃあ、このメニュでどうやってシェアしたらいいんだろ? これとこれとこれを3品ずつ取って、これとこれを2品ずつ取れば、なんとかなるかな?」なんて算段し(料理のバラエティと量を考え、客の好みを勘案してメニュを決めるのは、主催者の腕の見せ所だったりする)、ついでに会計は主催者が持つに決まっているので、大体の金額まで計算していたら、実際には各人がそれぞれ自分が食べたいものを1品ずつオーダー。お会計も各自がそれぞれ払うと知って、顎が外れそうになった。

「なるほど、ここでは料理はシェアしないのね」と感心し、そうと知ってみれば、その方が簡単で楽ちんで、5年間ですっかりそれに馴染んでしまい、あげく香港人相手にまでそれをやって大失敗、というのが今回の顛末である。お粗末。やっぱり食事は相手を見て考えなくては、と肝に銘じた。

ちなみに今回の港式の食事、雪だるまには不評だった。客人の手前、口には出さなかったが、日に日に不機嫌になっていくのが、隣に座っていてよくわかった。彼、白飯は好みではないし、スープも嫌いなのである。ついでにベジではない客人に合わせて、肉、魚主体のメニュ(野菜料理ももちろんあったのだが)にしていたので、好きではないものばかり食卓に並んでいて、ついついぶー、というわけである。そして実は私自身も、常に主食があり、肉魚がある食事は、胃にもたれて困った。私もどうやら雪だるまに連られ、半ベジ化しているらしい。

春のきざし2 復活祭

私は長い間、復活祭といえば子羊かと思っていたのだが、このあたりではどうやら復活祭=ハムらしい。もちろん家族の好みで他のものを食卓に載せるお宅もおありだろうが、少なくともハムが復活祭の定番メニュのひとつであることは間違いないらしく、そのためか週末に復活祭を控えた先週は、この町にある4軒のスーパーすべてで、ハムを目玉商品のひとつに挙げていた。

ただしここで言うハムは、パンに挟んでサンドイッチにするような薄切りタイプのものではなくて、本来のハムであるところの豚もも肉、どーんと1~2kgはあるような骨付きの固まり肉の方である。これが先週は、スーパー各店で1ポンド1~1.99ドルくらいと超お買い得になっていて、ウチでも買い物のついでに2kg超のをひとつ、仕入れてきた。ベジの雪だるまゆえ、ふだんウチではこういうものは買わないのだが、今年は復活祭の会食をウチでやるのか、お義父さんちでやるのか、この時はまだ決まっていなかったので、念のためひとつ買っておいたのである。

ところが復活祭初日の金曜日お義父さんが来て、会食はお義父さんちでやるという。ただし今日買い物に行ったらハムはすでに売り切れだったので、主菜を何にするかはまだわからないと。ここまで聞いて私は「それならウチにあるハムあげます!」と、にっこり。2kgもある塊り、私一人ではとても食べきれないし、お義父さんに使ってもらえるなら、その方がずっといいからである。

で、お義父さんは日曜、朝10時から調理開始。ハムは低温でじっくり焼くのがコツなんだそうで、オーブンに入れてもだいじょうぶな鍋に、塊りのままのハムとビール2本(小瓶)、メープルシロップ1缶(540cc)を入れて蓋をし、200°Fのオーブンに入れて6~7時間。焼きあがったハムは、メープルシロップのせいかほんのりと甘く、フォークでほろほろと崩れるほどやわらかい。肉塊大好きのジェリー絶賛の美味しさだった。私ももちろん、大満足。「いやー、お義父さんにハムを渡して大正解だった」と、心の中で我が決断を自画自賛。

だってたとえ材料は同じでも、私が料理したのではこんなに美味しくはならなかっただろうから。ハムを焼くのは初めての私と、50年以上ハムを焼いているお義父さんとでは、そもそも勝負にならないのである。それにウチには、オーブンOKの鍋はない。クロックポットで加熱したのでは、やはり出来上がりは違うだろうなあ。

バナナオーツクッキー

今週買った見切り品のバナナの中に、完熟過ぎて生食にはどうも・・・というのが2、3本あったので、前からちょっと気になっていたバナナ&オーツ・クッキーを作ってみた。これはバナナケーキ同様、十分熟したバナナをつぶして作るクッキーで、ピンタレストで見て以来、いつか作りたいと思っていたのだ。

人によって幾通りかの作り方があるが、一番簡単なのは完熟バナナ2本をフォーク等でつぶし、それにクイックオーツ1カップを入れてよく混ぜ合わせ、オーブンペーパーを敷いた天板の上にドロップクッキーの要領でぽとん、ぽとん落として、350°F(180℃)のオーブンで15分焼くというもの。

材料はバナナとオーツだけ。油脂も入らなければ、砂糖も入らない。かなり健康クッキー。
もちろんお好みでチョコチップやレーズン、刻んだ胡桃などを入れてもいいが、入れなくても十分おいしいと作者は言っている。私はちょっと甘く、菓子風にしたかったので、チョコチップを少し入れてみた。

結果は・・・。うーん、可もなく不可もなく。一口めは格別おいしいとは思えない。バナナの甘味はあるが、オーツが少しぼそぼそする。二口めも、特にどうということはない。まずくはないが、「おいしいね、これ♪」と思わず顔がほころぶようなこともない。何とも単純素朴な味わいで、インパクトに欠ける。

が、これ、後を引く。おいしくて止められないというような味ではないのに、つい2つ、3つと手が出る。菓子のようだが材料はバナナとオーツだけで、油脂も砂糖も入っていないという、罪悪感に駆られなくて済む組成が、手を伸ばさせるのかもしれない。

雪だるまにも出してみたが、「まあまあ」と気がなさそうな口調の割には、夕食後のデザートに5、6個食べていた。
完熟バナナまだあるので、また作るかもしれない。

ムング豆

この間から頭にインドの風が吹いていて、おかげで毎日のようにムングダルのスープやら、スパイスを効かせた野菜炒めやらを作っている。どなたもそうだと思うが、いったん何かに取り憑かれると、飽きるまでしばらくはそればっかり作るのである。

で、そうやって作っていたらムング豆(緑豆)の在庫が乏しくなってきたので、補給しようとしたのだが、これが売っていない。街のスーパー4店回ってみたが、どこも扱っていない。レンティルは緑も黄もあるし、インゲン豆系は白、赤、まだら、取り混ぜていろいろあるくせに、ムング豆だけは皮つきも皮なしも、なーんにも売っていないのである。があああん。

理由はわかっている。人口5万のこの町に、インド、パキスタン、ネパール系の人はまったくと言っていいほど住んでいないからなのである。香港時代は庶民的(びんぼーとも言う)な地区に住んでいたせいで、ちょっと道を歩けばあちこちにインド料理屋やネパール料理屋があり、パキスタン移民のおじさんたちが経営する食料品屋があって、インド系の食材確保にまったく不自由しなかったが、当地に来てからはインドの“イ”の字もなし。街で白いサルワール・カミーズを着たおじさんたちも見かけなければ、サリーをまとった美女も見かけない。だいたいこの町には中国、タイ、カンボジアなど東アジア系の料理屋はあっても、インド、パキスタンなど南アジア系の料理屋はないのである。料理屋がないくらいなのだから、より以上の購買人口を必要とする食料品店などあるわけがない。

ウチでダメなら隣はどうだ?と、隣のちょっと大きな市(人口約13万)で検索をかけてみたが、ヒットしたのはインド料理店のみで、食料品店はなし。私がうなっているのを見ていた雪だるまが「ここはケベック。英語じゃなくフランス語で検索をかけてみろ」というので、フランス語(aliments indiens 市の名前)で再度やってみたが、結果は同じ。それどころかヒットしたサイトのいくつめかには“Autochtones du Québec”なんてのがあって、よよよ・・・と力が抜けた。この“Autochtones”というのはネイティヴ、土着といった意味で、つまりインディアンはインディアンでも、アメリカ・インディアン、ネイティブ・アメリカンのことで、インドのインディアンのことではないのである。インディアン違い。やれやれ・・・

まあ隣の市になくても、モントリオールまで行けばあることはわかっているのだが、モントリオールはいささか遠い。たかだか1袋5ドル程度の豆を買うために往復300㎞も走るのは、ばかみたいである。

ただ6月には我が日本国パスポートが失効するので、それまでに更新申請に行かなくてはならない。領事館に行くついでに買い物すれば、一石二鳥ではある。雪でも融けたら、行ってこようか。ついでにアジア食品店に行って小豆も買えば、一石三鳥。300㎞走る甲斐がある。この間のあんこは、しみじみおいしかった。

小豆、至福

この間ファラフェルを作って以来、どうも豆が気になって、近頃豆ばかり炊いている。
ひよこ豆の次には乾燥グリンピースを炊き、黒レンティル(日本では毛蔓小豆または黒緑豆といい、
もやし豆として使われるらしい)を炊き、
雪だるまが「豆乳を作る!」と言うので買ってはみたものの一向実行されず、
すでに4年が経過したヒネ大豆を炊き、と手持ちの豆を次々と鍋に投入。
おかげで冷凍庫の中は今、豆でいっぱいである。

こうなると当然、食卓は豆づくしで、たとえば昨日の雪だるまの夕飯は、
乾燥グリンピースのポタージュに豆腐ステーキ、豆サラダと、あっちを見てもこっちを見ても、豆、豆、豆。
私も似たようなもので、普段だったらシリアルを食べる朝も、
今日は昨日の残りのグリンピースのポタージュにトルティーヤで、
なんだか少しメキシコの田舎の気分。

そしてそうやって朝から豆を食べていたにもかかわらず、今日はその上さらに小豆を炊いた。
2年ほど前、アジア食品店で買ったまま死蔵していた「日本あずき」で、あんこを作ろうと思ったのである。
この小豆、袋には「日本産あずき」とあるのだけれど、なんだか書体(フォント)が中国風で、
「君は本当に日本から来たの?」と思わないでもなかったが、ま、中国産でも小豆は小豆。
味の違いをぴたりと当てられるような優秀な舌は所持していないのだから、別にいいのだ。
それに第一、炊くのは私だし。

小豆餡を作るには、一度豆を炊き、その後また改めてその炊いた小豆に水と砂糖を加えて餡にするらしいが、
ものぐさな私はふつふつと鍋の中で踊っている小豆を見ているうちに、
なんだかこのまま砂糖を入れてもいいような気がしてきて、ついつい戸棚から黄砂糖(yellow sugar)を出して、
大さじで1、2、3、4と適当に投入。味見をして「ま、こんなものかな」というところで止め(都合7さじくらい入れたと思う)、
ちょっとやわらかめくらいに煮詰まったところで火を止めたつもりだったが、
しばらくして鍋を覗いたら、これが結構かための粒餡に変身していて、
「しまった。餡こは冷めるとかたくなるんだった・・・」と思ったが、時すでに遅し。

それでも久しぶりに食べた小豆餡は、なんだかとてもおいしく感じられて、
お昼は作り置きの餅を電子レンジでチンして、お汁粉。
しみじみ小豆餡の甘さを味わった。
そして夕食にも、デザートに小鉢に盛った餡をスプーンで食べた。
格別あんこが好きではない雪だるまは横目でこちらを見ていたが、私は恍惚、至福の表情。
ああ、しあわせ。
体重増加の問題はまた後日考えることにして、しばらくはこの甘い幸福に酔うのだ。

ファラフェル

冷凍庫の中の豆の備蓄が少なくなってきたので
「ひよこ豆でも煮るか」と、夜、1袋(約1kg)を水に漬けておいた。
で翌朝、豆を煮るための大鍋を引っぱり出したのだが
ふと思いついて、2カップ半ほど別に取り分けた。
水に漬けただけの豆を見ているうちに、
久しぶりにファラフェルが食べたくなったのである。

ご承知の方も多いと思うが、ファラフェルというのは
中東のひよこ豆のコロッケのようなもので、
水煮した豆ではなく、水に漬けただけの豆をつぶして作る。
つぶすには、伝統的には石臼(ストーングラインダー)とかを使ったのだろうが
最近ではフードプロセッサを使うのが一般的だ。
パレスチナ出身のモハメッドに聞いた時も、
フードプロセッサを使うと言っていた。
私も当然フードプロセッサ。
戸棚から出すのと、後で洗うのが面倒くさいが
この方が早いし、確実につぶれる。

が実はわたくし、ファラフェルを豆から作るのは初めて。
今までは不精をして、いつも市販のファラフェルミックスを使っていたのである。
なのでネットで検索して、水煮缶を使う簡便型ではなく
ちゃんと煮ていない豆から作る伝統型のレシピを探し
それに従ってやってみた。
一緒にプロセッサにかけたのは、玉ねぎ半分、ニンニク2かけ、
小麦粉大さじ1、塩小さじ1弱、クミン(粉)小さじ1
コリアンダー(粉)小さじ1/2、コショウ、カイエンヌペパー各少々。
ほんとはパセリも入れるはずなのだが、買い置きがなかったので省略。
そして「ハモスではないのだから、つぶし過ぎてはいけません」と作り方にあったので
豆が細かい粒粒になったくらいのところでやめた。

で、このタネを冷蔵庫で1、2時間寝かしてから
ボールに丸めて油で揚げるのであるが、
私はこの「冷蔵庫で寝かす」という工程を忘れ
プロセッサにかけた後すぐ、小判型に丸めて揚げ始めてしまったが
別段支障はなかった。
ちなみにボールではなく小判型にしたのは
その方が油の量が少なくて済むからである。

そしてファラフェルにはタヒニソース(胡麻ペースト)がつきものなのだが
これも手持ちがなかったので省略。ヨーグルトソースで代用。
だいたい突然思いついて作るから、いろいろあれもない、これもない
となるのだが、まあ、思いついた時が作りたい時、なのだから仕方ない。

それでもこの豆から作ったファラフェル、市販のミックスを使ったものより
スパイスが強過ぎなくて、雪だるまには好評だった。
それに、挽き立て(?)の豆を使うせいか
口の中にふっくりと豆の味が広がる感じなのである。
一緒に挽いたニンニクもほどほどに香ばしく
不精にミックスを使うより、ずっとおいしい。

確かに豆を水に漬ける時間(1晩)とか
タネを寝かす時間(1、2時間)とか、ミックスと違い、
夕食の30分前に思いついても間に合うというわけにはいかないが
水に漬ける時間や寝かせている時間は、ただ待っているだけなのだから
実働時間はそう違わず、それでこれだけおいしいなら
これからずっと豆から作るぞ!である。

ちなみに簡便バージョン、水煮缶のひよこ豆を使う場合は
つなぎに粉を多めに入れるとか、卵をいれるとかしないと
揚げる段階でボールが崩れるそうである。
煮ることによって、豆同士がくっつかなくなるのかな?


ピタにはさんだファラフェル。
そういえば私が初めて食べたファラフェルも、この形だったなあ。


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ベジの食卓

雪だるまはベジで、肉も魚も海鮮も食べない、アジア人ではないから米を主食にしているわけでもないと言うと、「じゃあ毎日一体何を食べてるの?」と聞かれることが多い。アジア系でも非アジア系でも、肉/魚/海鮮を一切使わない食事というのは、かなり想像しにくいらしい。

私自身も最初は「さて何を作ったものか・・・」と夕食の献立に頭を悩ませたが、20年近く経って今では、その時そこにあるもので適当に献立をでっち上げられるようになった。もっともこれは雪だるまがベジの中では最も制限のゆるいラクト・オボ・ベジタリアン(肉魚介は食べないが、卵、乳製品は食べる)で、ベジにしては食べられるものの範囲が広いから、というせいもある。これが卵も乳製品も×なヴィーガンだったら、食事作りが大変とまではいかなくても、変化をつけにくくはなるだろう。

試しに日曜から今日までの夕食の献立を主菜と副菜に限って並べてみると
日曜:カテージチーズローフ
マッシュトポテト、甘玉葱のソテー、プランテーン(バナナ)のソテー、サラダ
月曜:カテージチーズローフ(昨日の残り)
マッシュトポテト(同じく昨日の残り)、ビーツサラダ、サラダ
火曜:豆腐ソテー
グリンピースとポートベローきのこのソテー、サラダ
水曜:アボカドとチーズを挟んだトルティーヤ
ほうれん草と玉葱のクリームソテー、ビーツサラダ、サラダ
木曜:野菜春巻き
甘玉葱のソテー、豆サラダ、サラダ

毎日献立に“サラダ”が入っているのは、雪だるまはその日の主菜が何であろうと、毎日小ぶりのサラダボウル一杯の生野菜を食べるからで、この“サラダ”は、ただ野菜を洗って切って並べただけで、ドレッシングもディップも何もなし。中身はレタス、ミニ人参、キュウリ、ピーマン(緑/黄/赤)、フェンネルといったところが定番。夏はこれにセロリやトマトが加わっていたのだが、最近は高くて手が出ない。レタスも高いことが多いので、1個2ドル以上の時は白菜で代用。雪だるまはこの切っただけの野菜を、そのままポリポリ食べる。簡単である。

そして献立にソテーが多いのは、雪だるまが煮た野菜を好まず、そうなると野菜の調理法としては炒めるかオーブンで焼くかくらいしか選択肢がないからである。私自身は煮野菜が好きで、「キャベツのスープ煮なんかおいしいよねえ」と思っているが、雪だるまは煮たキャベツや煮た人参は最低!と言っている。

ちなみに、日曜の主菜カテージチーズローフは、カテージチーズにみじん切りの玉ねぎと胡桃、イタリアンパン粉を加え、つなぎに卵を入れてオーブンで焼いたもの。カテージチーズ約500gに対し、玉ねぎは半個~1個、胡桃は100~120g、卵は3~4個で、パン粉の量は適当。多めに入れれば固くしっかりしたローフになるし、少な目なら柔らかく崩れるローフになる。肝心なのは胡桃をケチらないことで、カリカリした胡桃の歯触りがないと、このローフは間の抜けた出来上がりになる。

そしてプランテーンは、元クラスメート、ドミニカ共和国から来た男の子フェルディナンドが、「好きな食べ物」に挙げてから、ウチの食卓の常連になった。彼はいかにもラティーノらしい陽気で快活、ちょっとセクシーなかわいい子だったので、彼が好きだというのなら食べてみるか、と好奇心が湧いたのである。
この大型のバナナみたいなプランテーン、普通はまだ若い緑色のを薄切りにして油で揚げるのが定番らしいが、ウチは老人二人。ディープフライしたのではカロリー取りすぎになるので、もっぱら薄く油をひいて焼くソテーにしている。そしてソテーの場合は、若く硬い緑色のではなく、皮が黒っぽい茶色になり、身がねっとり融けかけたようになったものの方がおいしい。ウチでは緑色のうちに買って台所に置き、茶色くなるのをじいっと待っている。時々待ちすぎて「ありゃりゃ」ということもあるが、たいていはだいじょうぶである。


バナナとプランテーンの比較。大きさ以外、私にはほとんど同じに見える

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緑のプランテーンと黒くなったプランテーン
このくらい黒くなると、皮をむくのがちょっと大変


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『Tarte aux guimauves, aux bananes et au chocolat』

まだ仏語教室に通っていた頃のある日、クラスメートのファラが
料理の本を2冊、私にくれた。
どちらも御主人からのプレゼントだったらしいが
「他にいっぱいあるし、うちではあんまり使わないから」と言って私にくれたのだが、
1冊は昔の百科事典並みの大きさで、厚さも3センチくらいある
ケベックで定番および人気のメニュを集めたらしい本。
前菜、スープからサラダ、赤身肉、白身肉、家禽に魚介
米、パスタ、ソースにディップにサンドイッチ、ピッツァ、デザートと
あらゆる料理が網羅されているが、アルファベット順の料理名だけで
10ページもあるだけあって、ずっしりと重くて片手では持ち上げられず
ぱらぱら見るにも大部すぎて、使いやすさという点では今ひとつ。
おかげで貰いはしたものの、一度ざっと目を通したきり本棚に置きっ放しで、
中のレシピを試したことはない。
ファラも、この使い勝手の悪さを嫌ったのかもしれない。

そしてもう1冊はチョコレートのデザートばかりを集めた
『Le Chocolat : DIVINEMENT DÉCADENT!』。
こちらはほどほどの厚さで扱いやすく
しかも載っている写真がどれもよだれが出そうにおいしそうで
ついつい熟読玩味し、熟読すると今度は作ってみたくなって
いくつか試した。
私も雪だるまも日ごとに脂肪を蓄積しつつある身なのだから
こんなものを作ってせっせと試食していてはいけないのだが
デザート類の誘惑には情けないほど弱い私たちなのだ。

でその試してみた中のひとつ、先日の合同お誕生会用に作った
『Tarte aux guimauves, aux bananes et au chocolat』が
割合かんたんで、しかもおいしかったので、以下に作り方を記す。
2005年にモントリオールで発行された本で、
ア○ゾン・カナダですら、すでに中古でしか手に入らないので
著作権については、請ご容赦ということで。

マシュマロとバナナとチョコレートのタルト

作り方(注:カナダの1カップは250ml)
1. ボールに細かく砕いたチョコレートビスケット1カップ半、溶かしバター1/4カップ、ブラウンシュガー1/4カップを入れてよく混ぜ、タルト型の底と側面にきっちり敷く
2. 鍋に牛乳175ml、ミニ・マシュマロ3カップを入れ、火にかけてマシュマロを煮溶かす
3. タルトの底に、バナナの輪切り2本分を並べ、その上に煮溶かしたマシュマロを注ぐ
4. 冷蔵庫で3~4時間冷やす
5. 食卓に出す時、表面にコポ(くるんと丸まったチョコの飾り)を飾る

このタルト、実は作ったのは雪だるまで、私は最後のコポを作っただけ。
(うちは料理は私、デザートは雪だるまの担当なもので)
レシピにはないが、彼はタルト生地にジンジャー(パウダー状)を混ぜ、
バナナの薄切りの上にシナモンを振っていたもよう。
スパイシーなのがお好みなら、それもよいかも。
ついでに、菓子にはよくあることだが、味がなじむせいか
作った当日より翌日の方が美味しかった。

ちなみにコポ(copeaux;おがくず、削りくず)の作り方は、以下の動画をどうぞ。
私は作る前にこれを見なかったので、私のコポはくるんと丸まらず、
文字通り単なる削りカスにしかなりませんでした。
ま、味はたぶん同じですがね。

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プロフィール

らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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