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天ぷら

ふと思い立って、天ぷらを作った。タネは人参と玉ねぎとじゃがいもと紫蘇の実。
最後に天ぷらを作ったのは日本にいた時だから、30年ぶりくらいである。衣の作り方も揚げ方も天つゆの作り方も、もちろんぜーんぶ忘れていたので、ネットで検索してメモってから作ったのだが、カラりサクサクではなく、もちもちフリッターのような、たっぷり肉厚の天ぷらになった。

でもいいのだ。どうせ食べるのは「野菜でありさえすれば文句は言わない」雪だるまと、天ぷら食べるのは10年ぶり(自分では作らなくても、出張の時とかに食べる機会はあった)くらいで、評価基準が滅茶苦茶甘くなっている私だ。もちもちだろうと、べちゃべちゃだろうと、天ぷらは天ぷらだ。それにそういうフリッター天ぷらでも、紫蘇の実を揚げたのはおいしかったし、生姜を入れた天つゆもおいしかった。これで大根おろしがあればもっとおいしかったと思うが、大根はなかったのだから仕方がない。

食べ終わってから反省して、YouTubeで天ぷらの作り方動画を4本くらい見た。泥縄どころか、泥棒が逃げてから縄をなうようなものだが、“次回”というのがあるかもしれないから、見ておいた。鍋に揚げ油残ってるし、“次回”は近そうだ。

それにしても、いよいよ菅氏が総裁か。まったくもう、ため息しか出て来ない。安倍内閣の官房長官だったのだから当たり前だが、この人もまた日本会議の会員だ。そもそも出馬した3人全員会員なんだから、誰がなったってその点では同じだが、なんでよりによって一番なってほしくなかった人がなるのか…。
日本会議の理想とするところが今の日本の人たちの理想なら、私のそれとはまったく相容れない。そろそろ本気で国籍考えた方がいいかも。
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メイソンジャー

来週あたりから朝晩の気温が10度以下まで下がりそうなので、この金、土の休みに畑をほとんど全部片づけた。もういくら待ってもトマトは赤くならないし、キュウリは大きくならない。スイスチャードも寒さに立ち枯れてしまうか、あるいはナメクジに食われて穴だらけになるか。土の中のニンジンはまだだいじょうぶだが、これも来週中には片付ける。

トマトを植えていた大きな植木鉢4つは、洗って干して乾かした。地下の物置にしまって、来年までさようなら。

収穫したキュウリはピクルスに、トマトはレリッシュにした。小さいのも大きいのも、まだ緑のも赤いのも全部採ったので、こうでもしないと食べきれない。キュウリのピクルスの方は、甘酢漬けか?と思うほど砂糖の入るレシピで作ってみたが、食べてみたらさほど甘くなかった。作ったばかりだからかもしれない。4、5日すると味がなじんで甘さが出てくるのかも。もうひとつ、砂糖が入らない作り方も見つけたので、この次はこちらを試してみよう。エジプトの人のレシピで、ピリリとスパイスが効いて爽やかに美味しそうである。

砂糖入りバージョン

砂糖なしバージョン

レリッシュはこの間お義父さんが2瓶届けてくれたので、別に作らなくてもよかったのだが、グリーントマトを無駄にしないために、少しだけ作った。夏にルバーブのジャムを作り、この間ビーツ10ポンドをピクルスにし、と、せっせと保存食づくりに励んだので、このレリッシュ2瓶で、うちのメイソンジャーの空きはゼロになった。お義父さんによると今年はカンニング用のメイソンジャーが品薄だそうなので、少し残しておきたかったのだが、まあ仕方がない。

レリッシュを作っていたお義父さんは、ジャーの数が足りなそうなのに気づき、近所のスーパーに走ったのだが見つからず、ホームセンターでも見つからず、ダラーショップでやっと3つセットのを見つけたそうである。普段の年ならスーパーでもどこでも、たいていは6個とか12個とかのセットで売っているのに。Covid-19のせいでパンを自家製する人が増えたように、保存食づくりに励む人も増えたのだろうか。あるいは普段から作っている人が、例年より多くの量を作るようになったのでジャーが足りなくなり、店に買いに走り、それで品不足になったのか。

いずれにしても、うちもジャーの空きがゼロというのは少々心細いので、次の買い出し日にはスーパーでチェックしてみよう。

手間

レモン・パウンド・ケーキのレシピに、「レモンゼスト:きっちり詰めて大さじ2杯分」
と書いてあったので、オーガニック・レモン1袋買ってきて(この時は不思議とオーガニックも
非オーガニックも同じ値段だった)、おろし金でガリガリ、ガリガリ、レモンの皮をおろし始めたのだが、
これがどう頑張っても、ちっとも貯まらない。

私が使っていたのは、手の中にすっぽり入るくらいのミニミニおろし金で、
生姜やニンニクを擂り下ろす時には何の問題もなく普通に擂り下ろせる。
が、なぜかレモンの場合はカリカリこすれるばかりで、一向にゼストがたまらない。
レモン本体の方は、黄色い部分がこすれて白くなっていくのに、
おろし金の上には、申し訳程度にしか黄色いゼストがたまらないのだ。
なぜ? レモンの皮は、どこに消えるのだ? 空中か? おろし金の下の異次元空間か?

それでも辛抱強くかつ忍耐心がある私は、営々とレモンの皮をおろし金でこすり続けたが
大き目のレモン5個が因幡の白兎状態になったも、たまっているゼストは、ほんのちょっぴり。
あんまりはかが行かないので、「レモンケーキがこんなに手間のかかるものだったとは・・・」と
作り始めたことを後悔したが、後の祭りである。

結局40分以上かかっても大さじ2杯分のレモンゼストを擂りおろすことはできず、こすり取れたのは1杯半だけ。
半杯分足りないが、どうせ焼きあがった後にレモンシロップをぬり、その上にまたレモンアイシングをかけるのだから
レモンの香りは十分なはずだと高を括って、そのまま続行。
実際、焼きあがってすぐ、夕ご飯のデザートに食べた時には、ちゃんとレモンのかおりがしたし、
1日経った翌日には、もっと香りが増していた。

それにしても、レモンゼスト如きにこんなに手間暇をかけるのは業腹である。
何かもっとうまい方法はないのかと、ネットで検索してみたが、みな普通におろし金でおろしていて、
しかし私とは違って、ちょっとこするだけで魔法のようにレモンゼストが出現していた。
うーむ、違いはおろし金か? 
考えてみると、うちのおろし金は使い始めてからすでに20年以上。いい加減、歯がすり減っているのかもしれぬ。
そろそろ新しいのを買うべきか?

手間暇といえば、もやしのヒゲ取りも、かなり面倒くさい。
もやし1パックのヒゲを取るには、やはり20~30分はかかる。
スーパーで見かけても、もやしに手が伸びないのはそのせいだ。
お義父さん始め、このあたりの人はいちいちもやしのヒゲを取ったりせず、買ってきたのを洗っただけで
そのまま炒め物などに使っているようだが、やっぱりヒゲはない方が、歯ざわりがいいと思う。
そして、ヒゲ根だけでなく豆の部分もきれいに取れば「銀芽」になるようだが、私は普通はそこまではしない。
客用に見場のいい一皿にしたければ、することもあるけれど、私と雪だるま用なら豆はついててもいい。





 

動物性蛋白離れ

china study


「やっぱりこの本は絶対読んだ方がいい」と雪だるまが私に薦めて来た。最近、雪だるまが再読していた本である。大きなタイトルだけ見ると、中国関係の研究書?みたいだが、小さい活字の副題『The Most Comprehensive Study of Nutrition Ever Conducted and the Startling Implications for Diet, Weight Loss and Long-term Health』を読めばわかる通り、これは食べ物と人間の健康との関係について研究した本である。雪だるまは2~3年前にこの本を読んでから、それまで結構飲んでいた牛乳をぴたりと止めて豆乳に替え、以前は好きだったヨーグルトやチーズもあまり食べなくなった(ベジなので肉、魚、海鮮はそれ以前から全く食べない) 動物性蛋白は長期的に見ると健康によくないと、この本に書いてあったかららしい。サプリメントとして飲んでいるプロテインも、植物性のものに替えた。

一方私は、雪だるまと一緒に生活していてもベジではない。肉でも魚でも何でも食べる雑食派だ。ただ2人しかいない家で、食事を肉ありと肉なしと2種類作るのも面倒なので、たいていは雪だるまと同じ肉なし、魚なし、海鮮なしの食事をしている。たまーに食べたくなると、肉を焼いたり、ツナ缶を開けたりしているが、頻度は高くない。

その元々あまり高くなかった肉ありメニューの頻度が、最近また一段と低くなった。『The China Study』のせいではなくて、1か月ほど前に見た動画の影響である。大規模養豚場で肥育される豚の実態を写した動画で、1頭、1頭、身動きもできない程狭いケージに押し込められ、運動もせず、ただひたすら餌を食べ続け、ぶよぶよに太っていく豚、あるいはケージはないものの、詰め込めるだけ詰め込んだといった様子の超過密状態の畜舎で、押し合い圧し合いしている豚、病気か怪我か、脚が変形した豚が、よろよろ歩いている様子などが映像になっていた。

全ての養豚場がこうだ、というわけではもちろんないが、私がスーパーで安さに釣られて買うような肉は、こういった食肉生産工場のような大規模養豚場から来ている可能性が高い。こうしたところの豚は病気を防ぐために大量の抗生物質を与えられているそうだし、その結果生まれてくる耐性菌の脅威については、すでに何十年も前から警告されている。

それに問題は養豚場だけでなく、その後の屠殺場(食肉解体工場)でも、状況は悲惨だ。こちらは動画ではなく、covid関連の記事で読んだのだが、移民が多く働くこうした工場は、劣悪な作業環境、低補償、低賃金と、昔「3K」といった「きつい、きたない、きけん」がそのまま当てはまるような職場で、ことに悲惨なのが屠殺、解体部門。毎日毎日、何十頭、何百頭という動物たちを殺し続けなければならないので、中には精神を病む人も出てくる。冷蔵状態の部屋で刃物を握って作業を続けるので、怪我が多いのはもちろん、身体の不調を訴える人も多い、等々。

こんな映像を見たり、記事を読んだりして、それでも肉を見て食欲がわく、という人は、かなりの強者である。私は映像と記事以来、スーパーで肉類の冷蔵ケースにふらふら近づくたびに、脳裏にケージの中のぶよぶよの豚や、変形した脚でよろよろ歩いていた豚が浮かんで、とたんに食欲が減退。何も買わずに、すごすごと別の売り場に移動している。

それでもうちの冷凍庫には、2か月以上前に買った豚肉少々と、魚の切り身がまだあるので、このままベジに移行できるとは思えないが、これで『The China Study』なんか読んだりしたら、ますます動物性蛋白離れが起きそうではある。地球76億の人口で肉食を続けることは、動物にも環境にもやさしくないことはわかりきっているのだし。

コゴミ

ケベックはここ1週間ばかりずっと暖かくて、特に昨日、今日は30度超えの暑さ。
春から一気に夏にすっ飛んだ感じ。
そのくせこの暖かさはあと2日ほどで終わりで、日曜には13度に下がるというのだからやってられない。
天気予報をよく確かめずに、今日毛布やらフリースやら洗ってしまった私は、どうしたらいいのだ?
昨日からパジャマもフリース止めて薄手のに替えたのに。
13度じゃ、またフリースパジャマと毛布に逆戻りだよ。

ところで昨日はその30度超えの暑さの中、ジェリーと二人で fiddleheads を採りに行った。
場所はジェリーお気に入りの散歩コース、川沿いの森。
冬場は雪で埋もれるので、クロスカントリースキーやスノーシューイングくらいしかできないが
雪が融け、草木が芽を出し始めると、 fiddleheads の季節である。
森のところどころにシダの群生地があって、そこに fiddleheads が出てくるのだ。


こんな感じ (すみません、写真は借り物です)

kogomi 1


fiddleheads、フランス語で tête de violon は、シダの1種、草蘇鉄の若芽で、日本語ではコゴミというらしい。
日本にいた頃、ゼンマイやワラビは知っていたし、食べたこともあったが、コゴミは知らなかった。
ウィキによれば、草蘇鉄は日本各地に自生しているらしいから、なぜうちの食卓に上らなかったのかは不明。
うちの母は山奥育ちで山菜好きだったし、私自身だって田舎住まいだったのだが・・・

それはともかく、このコゴミはゼンマイやワラビと違ってアクがないので、ゆでてそのまま食べられる。
うちはベジなので、さっとゆでた後、ハーブバターか何かでソテーしてそれだけで食べているが
肉食のジェリーによれば、バター炒めにしたのはステーキやポークソテーに大変よく合うそうである。
また全部食べきれない時は、茹で時間を半分にして冷凍し、食べる時に再加熱も可、だそうだ。

野山で採る時の注意点としては、1つの株から取る若芽は2、3本にとどめ、若芽全部を採ったりしないこと。
全部採ると株は枯れてしまい、来年生えてこない。
来年またおいしいコゴミを食べるためにも、根絶やしにするような採り方をしてはいけない。
ついでに、ジェリーによれば、コゴミは先端がきっちり固く巻いているものの方がおいしいそうだ。
私はコゴミ採りは今回初めてだったので、最初巻きがゆるいのも採ってしまい、
捨てるのも勿体ないので、まあいいや、と思いつつ鍋に入れたら、茹でているうちに巻きがさらにゆるみ、
シダの葉っぱそのまんまになって、鍋から出て来た。
シダの葉っぱ状でも支障なく食べられが、きれいに巻いていた方が見場がいいのは確かだ。


kogomi 3



もう2、3日すると別の大群生地が採り頃になるとのことなので、そうしたらまた行く。
採るのも、洗うのも手間だけど(薄い茶色の紙のようなものがくるくるのまわりにくっついている)、
この時期しか食べられない春の味だから。


食料自給率ってなんなんだろ

さっきちょっと外に出たら、ぷんと堆肥のにおいがした。南側の農業地帯で耕作準備が始まったらしい。ありがたいことである。今年はどうなることかと、いろいろ心配していたのだ。家族だけでやっている小規模な農家なら、ソーシャルディスタンスも何も関係ないだろうが、このあたりには外国人労働者を雇って、大規模に商品作物を生産しているところもある。カナダ政府は、外国人労働者の入国は認めているし(もちろん14日間の隔離期間はあるが)、夏休みのバイトは農業分野で!と学生たちに勧めてもいるけれど、いつもの年と勝手が違うのは明らか。人手不足で、あるいは他の理由で、今年は1年耕作を止めようという農家が出るのではないかと、少々心配だったのだ。私は食い意地が張っているので、何かあるとすぐ食料の心配をする。武士は食わねど高楊枝なんていう境地には、どう頑張ってもなれない。

ところで、日本の農林水産省の統計によると、生産額ベースのカナダの食料自給率は121%で、世界第2位だそうである(2009年、1位はオーストラリアで128%。日本はスイスと並んで70%)。
この「121%」という数字だけ見ていると、なんだかカナダは食料豊富、自国産食料だけで充分まかなえ、国民が飢える心配はない、みたいに思えるが、本当にそうだろうか? 確かにカナダは農業国で、かつ酪農国でもあるだろうが、毎日の食卓に上る食べもの、スーパーに並ぶさまざまな食料品を眺め渡すと、カナダ産でないものの方が圧倒的に多いように思えてならない。うちが先週買ったものだけを見ても、アイスバーグ・レタスとセロリは米国産だし、アボカドはメキシコ産、クレマンティーヌはモロッコ産で、オレンジはまた米国産、バナナはグアテマラ産だ。カナダ産だったのは、たぶん豆腐と豆乳と牛乳とりんごとじゃが芋くらいか。つまり、うちで日常的に食べている食品の大半は輸入品だということだ。したがって輸入が止まれば、姿を消す。

これは別にカナダに限ったことではなく、今は世界のほとんどの国がこの状態だということだろう。ヨーロッパ随一の農業国フランスですら、モロッコ産のインゲン、スペイン産のトマトなど、さまざまな国から入ってきた野菜、果物等々が市場で売られているそうだ。いまや紛争その他で輸入が途絶えている国、外貨不足で輸入ができない国を除き、自国産の食料だけで食卓を満たしているような国は、どこにもないということだ。

そういう風に考えてくると、「食料自給率」というのは、いったい何のための数字なのだろうと不思議になってくる。たしかに、例えばカナダの場合、麦類と大豆とトウモロコシとジャガイモとリンゴだけ食べることにすれば、食料の「自給」はできるだろう。カナダはこれらの作物を、それこそ売るほど作っている。しかし開拓時代ならともかく、今時、パンとベイクドビーンとジャガイモの食事で満足するカナダ人が、一体何人いるだろう? 一日二日ならともかく、1週間も続いた日には「オレは家畜じゃねえぞ!」と言い出すに決まっている。いまさらバナナもオレンジもメロンもチョコも(!)ない生活には戻れない、ということだ。

というわけで、食べ物を無事、食卓に乗せるためにも、世界は平和な方がよい。食物を生産するためには、土地と適した気候だけでなく、肥料もいるし労働力も要る。家畜には飼料が要る。農業機械や温室のためには燃料が要る。これらを輸入に頼っている国も少なくない。作った食物を食卓に乗せるためには、流通機構も必要だ。これらのうち、どれが欠けても食卓に食べ物は乗らない。ついでに言えば、まっとうな政府も必要だ。スーパーで食べ物売ってても、金がなければ買えないからね。日本、だいじょうぶか? 早く10万円、支給せよ。もひとつついでに、#検察庁法改正法案に抗議します。これブログで、ツイッターじゃないからカウントされないけど。

ぶどう豆

雪だるまも私も好きなので、うちでは時々、ぶどう豆を作る。
名前の由来になった黒豆バージョンの方ではなく、大豆バージョンの方である。
レシピは栗原はるみさんのを基にさせていただいている。
これ
砂糖だけで煮たものより甘みが上品で、大変けっこうなお味に仕上がるが
いかんせん、このバージョンだと“味醂”が大量に要る。
大豆2カップに対し、味醂1カップなのである。
(ほかに水1カップ、砂糖大さじ8、薄口しょうゆ大さじ1)

然るに、当地では味醂は貴重品である。
確実に手に入れるには、モントリオールのアジア系スーパーまで行かねばならない。
アマゾンでも買えるが、296mlの小瓶が約6ドル、500ml入りの大瓶(?)が
18ドルくらいする。お安くない。
味醂は日本酒と砂糖で代用可能だということは知っているが
その日本酒も当地では貴重品なのである。
手に入りがたい貴重品を、別の、同様に手に入りがたい貴重品で代用するのは、
全く意味がない。

で、どうしたかというと、わたしは味醂をケチった。
大豆2カップに対し、味醂1カップのところ、半量の125mlにしたのである。
それに比例して、水、砂糖、しょうゆの量も半分にした。
要するに、豆がゆったり沈む量の、たっぷりの煮汁でほっくり煮る代わりに、
豆がかぶるかかぶらないかのぎりぎりの量の煮汁で、
ケチケチ、しみったれに煮たのである。
その代り、火を止めてからの煮汁を含ませる時間は長めにした。
そうしないとほっくりと甘いはずの“ぶどう豆”が
ただの“大豆の水煮”になってしまう。
うちは、大豆の水煮は、別に好きではない。

この“しみったれぶどう豆”、大胆に味醂をけちったわりには
味はさほど遜色なく仕上がり、私をにんまりさせたが
そこで発生したのが、今回のcovid-19 である。
去年の秋、モントリオールに行った時、私は味醂を1瓶しか買ってこなかった。
どうせまた雪が融けて春になったら買いに来るんだからいいや、
と思ったのである。
それがcovid-19のおかげで、春になってもモントリオールへは行けない。
この分だと夏になっても行けるかどうかはわからない。
手元の味醂は、あと、ぶどう豆3回分しかない。
さて、どうしよう?

ひとつ思いついたのは、メープルシロップである。
メープルシロップにはアルコール分はないが、甘みはある。
しかも味醂と違い、当地ではメープルシロップはどこでも手に入る。
値段も500ml入りの缶が、セールなら5ドルくらいとお手頃。
そもそも当地には豆のメープルシロップ煮という伝統料理が存在し
春のカバナシュクル(シュガーシャック)では絶対登場する定番、
スーパーでは缶詰にしたものを1年中、売っている。
インゲン豆と大豆と、種類は違うとはいえ、豆は豆。
インゲン豆でいけるなら、大豆でいけないことはあるまい。
と思うのだが、如何?

この次、ためしてみよ。

結局、火曜日は授業をした。
昼まで様子を見たが、熱っぽい感じは変わらないものの
別に咳も鼻水も出てこなかったので、そのまま「授業へGO!」

ついでに年明け初回の授業だったので、何か正月めいたことをしたくなり
(何のかんの言っても、正月は日本では年間最大のイベントである)
昼前思いついて餅を作り、やってきた生徒さんに振舞ったりしてみた。

火曜の生徒さんは、私と同年配の大人なので
2人とも神妙な面持ちで、もぐもぐと磯部巻きを食していたが
さて、餅がお気に召したかどうかは不明である。
礼儀正しい大人が言う「おいしい」は、まったく当てにはならぬ。
真に受けるわけには行かない。

まあ餅そのものはスライスした食パンと同じで、さほど強い味のあるものではない。
ただ、そこに砂糖醤油(珍妙な甘塩っぱさ)と海苔(わけのわからん黒い紙)
が加わっているし、粘りつくような食感もある。
彼ら二人が普段食しているであろう食品とは、かけ離れたものであるだけに
正直な感想は「世の中にはこういう食べ物もあるのか」ではなかったかと想像する。

が、懲りない私は水曜にまた餅を作り、木曜の生徒さんたちにも振舞ってみた。
木曜の生徒さんたちは、ワカモノ2人、大人1人である。
ワカモノの1人は、以前、甘い餅(あんこ餅らしい)を食べたことがあるとかで
この甘塩っぱい磯部巻きも臆せず食べていたが
もう1人のワカモノは「海苔は苦手」と言って海苔を剥がし、
真ん中の餅だけを食べていた。
残る一人の大人は、典型的ケベッコワーズではあるものの
いろいろなところを旅して、いろいろ違ったものを食べているので
餅も海苔も「おもしろい」と言って、勇敢にもぐもぐ。
家族用にいくつか持たせた餅を「スープに入れてみる」(=お雑煮ケベック版)
と言っていたが、さて御夫君ピエール氏はいかなる反応をみせるか。

そして本日、土曜日。
私は午後にやってくる海ちゃんにも食べさせてみるつもりで、昨日また餅をつくった。
少々シャイだがスポーツ好きの海ちゃんは、いつも溌溂と健康的だが
食べ物はけっこう好き嫌いがあるようで、背は高いが細っこい。
にちゃにちゃした食感と、慣れない砂糖醤油味の餅を食べられるかどうかは疑問だが
まあ、ものは試し。一口食べて嫌なら、そこで止めればいいんだし。
そういえば彼女はいつだったかの授業で「K-POPが好き!」と言っていた。
日本の餅じゃなくて、トックの方がいいかもな。
この辺では、売ってないけど。

ちなみに、餅は10年くらい前に買ったパナソニックのホームベーカリーで作っている。
もち米と水を入れスイッチを押すと、1時間ほどでピピピと鳴って出来上がり。
私がやるのは、出来上がった餅を容器から取り出して適当な厚さに伸ばし、
ほどよく冷めたら、四角く切ることだけである。(私は関東人なので切り餅派)
かんたーん。

日本の実家にいた頃、一晩水に漬けたをもち米をへっついで蒸し
それを臼と杵で搗いていたのとは、比較にならないお手軽さである。
まあ、あの頃は正月用に切り餅と餡餅、合わせて3臼くらい搗いていたのだから
餅つきが1日がかりの大仕事だったのも、当たり前なのだが。

SUSHI

先日のブログに「江戸前だと思って入った鮨屋で
カリフォルニアロールを出されたような・・・」と書いたせいでもあるまいが
木曜日、「今年最後の授業だから」と言って、
生徒さんの1人が、寿司を1折下さった。

「教える側の人間に、贈り物などする必要はないのだよ」とは思ったが
「せんせーは寿司が好きかも」と考えてくれた生徒さんの気持ちが嬉しかったし
せっかく用意して下さったものなので、有難く頂戴した。
(食べ物をくれる人はいい人<動物のお医者さん)

「折」とは書いたが、日本の鮨屋のような平たい箱ではなくて
クラフトペーパーで出来た横長直方体に黒のフラップ型のふたがついた
なかなか凝った作りのおしゃれなパッケージで
そこに丸い棒のような箸が添えてある。
表記は当然「SUSHI」である。
ダウンタウンあるすし屋「Sushi Taxi」の品らしい。
寿司が1折入っているだけとは思えない巨大な袋に鎮座ましまし
底には保冷剤まで添えられていた。
外気温マイナス13度でも、保冷剤は要ると見える。
車のトランクに入れておけば、冷えは十分のような気もするのだが・・・

それはともかく授業が終わり、家に帰ってからわくわくと包みを開けた。
授業前に夕食はすんでいるので、翌日食べようかと思ったのだが
雪だるまが「寿司はなるべく早く食べた方がよかろう」と言うので
お言葉に従って、夜食に戴くことにしたのである。

で、包みを開けて思わず声が出た。
「SUSHI」の文字とモダンなパッケージにたがわず
中身は典型的な北米のSUSHIであった。

握りではなくて、このあたりでは“Maki”と言われている巻きずし、
具を海苔で巻き、その外をシャリで巻く。
外側はマサゴがまぶされているので、きれいなオレンジ色。
具は何やら緑色のものとピンク色のものと、白っぽいものとで、彩り豊か。
その上にマグロのタタキならぬシャケのタタキのようなものと
これははっきりそれとわかるアーモンドスライスがトッピングされていた。

そして傍らには3つの小さな透明カップに、
醤油、サウザンドアイランドソース、ガリ+わさびが、それぞれ別々に添えられていたが、
私は寿司を(たとえそれがSUSHIであっても)マヨネーズ系のソースで食べようとは
思わないので、当然ながら醤油にちょいとつけて口に運んだのだが
私が生醤油と思ったものは実は醤油ではなかったようで
味醂でも入っているのか、なんだかそばつゆのような甘い味がした。
「居残り佐平次」かいな、ここんちは。

が、すしそのものはなかなか美味しかった。
トッピングのアーモンドスライスがパリパリと歯触りよく砕け
具の方も何だかわからないがカリカリしたものと
とろりとしたシャケ、アボカドがほどよく混ざり合って変化をつけ
ついでに周りのマサゴがぷちぷち。
“寿司”だと言って出されれば「嘘をつくな!」と言いたくなるが
“SUSHI”だと言われれば、「大変結構」である。

このすし屋(SUSHI屋というべきか)、ネットで他のメニュも見てみたが
なかなか瞠目に値するお品書きであった。
まず店名にSUSHIと入ってはいるものの、料理は日本のみならず
中華あり、ライスペーパーを使ったベトナム風あり、
タイ風ココナツスープあり等々、およそ何でもあれ。
ことのついでか、ハワイのポーク(poke)まであった。うーむ。

私は言語に関しては保守的だが、食べ物に関してはアレンジ歓迎、
フュージョン結構。美味しくて安全なら、たとえそれが正統の作り方や
材料から逸脱していても「まあ、いっか」と思うタイプなので
この店の大幅にフュージョンしまくっているメニュも、
「ひょー」と声は出ても、別に「邪道!」とか、「こんなん寿司じゃない!」とか
言おうとは思わない。
このメニュでここの人たちが楽しく食べられて、店が繁盛しているなら大いに結構。
寿司のトッピングにアーモンドスライスが使われようが、
具にクリームチーズやクランベリーが入っていようが、別にどうでもいいである。
Makiの上に、缶詰の蜜柑と思しきものが乗っているのを見た時には
さすがにちょいとびっくりしはしたが・・・

マルシェ・ド・ノエル&シュクル・ア・ラ・クレーム

世の中の様々な動きを他人事として生活の外に置き
日々、ひたすら私事に勤しんでいる。

日曜の Marché de Noël は終わった。
ギフト・ラッピング係として、朝8時過ぎから赤いサンタ帽をかぶって待機し
客が通りかかるごとに「ラッピングしますよー。包装紙もリボンもありますよー」と大変に愛想よく宣伝したのだが
みな、にこにこと「あら、きれいねえ」とは言ってくれるものの、1日中、ひとりの客もなし。
同役のシュザンヌと「来年はこの係は要らんね」と話し、
後半は横に展示された手作りクリスマスストッキングを売って過ごした。
こちらも人気は今ひとつだったが、それでも時々、ぽつりぽつりと売れた。

他の、専門業者が出店したジュエリーショップや、小さい鉢植えの植物を売る店、
手作りせっけん屋、木工製品屋、たくさんの編み物小物屋、キャンディー屋などは
なかなかの盛況で、1日で結構な売り上げがあったもよう。
主催側としては喜ばしきことなり。
客が来なくて、業者さんたちに「来年は出店はやめよう」と思われては
この日まで計画を練り、あれこれと準備し、段取りしたエディットやシルヴィが気の毒である。
なにしろシルヴィなど、当日はすでに声が枯れて、囁き声でしか喋れなくなってしまっていたほど
連日、各方面との調整、手配に東奔西走していたのだから。

私自身も売り上げに貢献すべく、キャンディーを買った。
エディットの夫君ピエール氏が作った sucre à la crème である。
同量の白砂糖と黒砂糖、生クリームで作るファッジのような菓子で、このあたりでは大変ポピュラー。
エンプティ・カロリーの塊のようなものなので、健康にはよくないかもしれないが
それでもよく出来た sucre à la crème は、ねっとりとした強い甘みがなめらかに口中に広がり
こちらをうっとりとさせてくれる天国のような菓子である。
作り方は至って簡単で、上記材料を火にかけて溶かし、固めるだけだが
単純であるがゆえに人によって出来に差が出る。
なんとなくぼそぼそした、滑らかさに欠ける sucre à la crème もあれば
やけに固い、キャラメルのような sucre à la crème に遭遇することもある。

その中で、ピエール氏の作る sucre à la crème は、私が今まで食べた中ではまずNo.1。
どうしてだかわからないが、彼のは真ん中がねっとりとなめらかで、クリームのような口当たり。
ぼそぼそしたところが少しもなく、最後までとろりと溶けていくのである。
絶品なり。
店番の合間、シュザンヌに「5分、時間をくれ」と断って2時過ぎに買いに行っのだが
私が買ったのが最後の1袋。それで売り切れだった。

家に持ち帰り、雪だるまに「お土産」と言ってあげたが
1袋は、その夜のうちになくなってしまった。
私が食べたのは1つだけ。あとは全部、雪だるまの腹の中に消えた。

Sucre-à-la-crème

*写真は借り物。私が買ったやつは、写真を撮ろうと思った時には、
 すでに跡形もなかった。

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プロフィール

らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、米朝、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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