当地の新聞によると

  • 2005/05/31 14:39
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新聞で「当地のオフィスやショッピングモールの冷房温度は、世界に冠たる低さ。エネルギーの節約、環境保護のためにも、もっと設定温度を上げるべき」と批判していた。
読んだ私は「まさにそのとおり!」と膝を叩き、この馬鹿馬鹿しい冷房の無駄に
当地の人間もやっと気付いたか、これで少しは常識的温度に近づくかと思ったが、
そんなのは全くのぬか喜び。獲らぬ狸。
オフィスに行ったらいつもと同様冷房はぎんぎんに効いており、
新聞の批判などどこ吹く風だった。
やはり習慣は一朝一夕には変わらぬか。

新聞によると当地の冷房は多く21度から22度に調整されており、
甚だしくは17.6度(正気か?)という例もあるという。
わが事務所も例外ではない。温度計がないので正確なところはわからぬが
半袖では寒さに震え、ジャケットを着て人心地という事実から考えて
おおかた世間並みの21−2度に設定されていることは間違いない。

まだ当地に来たばかりの頃、死にそうに寒いオフィスに恐れをなした私は
同僚に、なぜこんなに冷房を効かすのかと問うたことがある。
同僚は真顔で「だって、冷房かけてないと空気の中にバイキンが繁殖するのよ」
とのたもうた。
言われた私は「じゃ何かね、当地のバイキンは、22度では繁殖しないが、
28度になると突然狂ったように繁殖を始めるのかね」と二の句が継げなかったが、
この“冷房しないと、バイキンが繁殖する”という考えは、当地の常識
であるらしく、その後、他の人たちからも聞いたし、現在の同僚の1人も
この考えを支持している。
冷房の冷たい空気を循環させてはじめて、オフィスの衛生が保てるのだそうである。
まあ確かに空気を循環させることには、一理あるのかもしれぬ。
窓を開けることのないオフィスビルで、空気が循環していなかったら
室内の空気はあっという間によどみ、人々の吐き出した二酸化炭素だらけになって
息苦しくなる(少なくとも心理的に)ことは、間違いないだろう。
しかし、一般に食中毒などを引き起こす細菌が繁殖する危険温度は5℃から60℃で
22℃でも28℃でも、繁殖の危険に大差はない。
そんなにバイキンが心配なら、冷凍庫をオフィスにしろといいたいくらいだが
無用の争いを好まぬ私は、そんな言葉は間違っても口にせず、
セーターを着て、ひざ掛けをかけ、パソコンに向かうのである。
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“Team America”

  • 2005/05/29 17:14
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週末に見た映画3本。
そのうちの1本。“Team America − World Police”
子供向けアニメなのに過激すぎるブラックユーモアで物議をかもした
“South Park”の監督兼プロデューサー Trey Parker の新作。
今回はアニメではなく、操り人形が演技する。
昔懐かしい“サンダーバード”とかをご想像いただければ、一番近い。

“Team America”というのは、テロリストの攻撃から世界を守るために
結成されたアメリカ人によるSWATで、5人のメンバーそれぞれが
特殊な技能を持っている。
物語の始まりは、パリ。さわやかに青い空の下、人々は買物したり、
街をぶらついたり平和な日常を楽しんでいるのだが、そこに登場するのが
アラブ人のテロリスト。白昼の公園で爆弾の入ったアタッシェケースを
やりとりしている。偶然それを見てしまった母子と、見られてしまったことに
気付くテロリスト。当然取り出させるマシンガン。
あわや、という刹那、機体いっぱいに描かれた星条旗も派手派手しく
“Team America”の戦闘機が急降下してきて、テロリストに向かって
マシンガンを連射する。テロリストも応戦。勝負はつかない。
焦れた“Team America”は、ミサイルを発射。
しかしなぜかねらいがそれ、ミサイルはエッフェル塔を直撃。
塔は真ん中からぽっきり折れ、セーヌ川にむかって倒れ込む。
ルーブルに逃げ込んだテロリストを追って発射されたミサイルは、
見事命中しテロリストは死んだが、同時にガラスのピラミッド周辺もこっぱ微塵。
負けじとテロリストもマシンガンを乱射するので、通行人は撃たれ、
子どもは泣き叫び、建物は吹っ飛んで、周囲は阿鼻叫喚の地獄となる。
そしてその全部崩壊した瓦礫の中で“Team America”の面々は、
「やったわ!」「テロリストを全部倒したぞ!」と誇らしげにガッツポーズ。
背後には彼らを称える歌が高らかに流れる。

というように実にストレートに今のアメリカを皮肉っているので
ソフィストケイトされたさりげないブラックユーモア、
刺したのかどうかわからないような、かすかな皮肉の棘、
が好きな方には全く向かないが、“South Park”を見て楽しめた人なら
まず間違いなく笑い転げられると思う。

ところで、この映画には、悪の枢軸として北朝鮮の金正日総書記が
そのまんまで登場するのだが、(髪型、メガネ、あの変ちくりんな
ジャンパースーツ、上げ底の靴まで全部そのまんま)
こういうことして、だいじょうぶなのかな。
“Fahrenheit 911”に不快を表明したブッシュ大統領のように
“Team America”に金正日総書記が不快を表明して、
テポドンの発射ボタンを押したり、北鮮の核兵器開発に
拍車がかかったりしたら、やぶへびかと思うのだが。
それとも彼は太っ腹なところを見せて、さっそくこの映画のDVDを取り寄せ、
3万本以上あるという自身の映画ライブラリー「国家映画文献庫」に
収めたりするのだろうか。

多言語の泥海

  • 2005/05/27 14:59
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私がこのブログを始めたのは、日本語を書く練習をしたかったから、
そしてそれにより“考える”という行為を、生活の中に取り戻したかった
からである。

ほぼ日本語だけの世界から、この多言語地域に移り住んで10年。
毎日、毎日、日本語を含め4種の言語を聞き、話し、読んで生活している。
しかし私はこの4種の言語を同じようにこなせるわけではない。
まともに使いこなせるのは、母語の日本語だけ。
当地の第一言語は、実は4種の中で一番不得手である。
その一番不得手な言語が生活の中でメインを占めているということは
意思の表現、伝達において常にハンディキャップを背負っているということで
私は当地においては、常に“私であって私ではない人間”、日本語世界での私を
100%等身大の自分とするなら、当地での私は常に40%以下の人間であり続ける。
そしてその40%以下の人間として、“ままならない”日常の中で生活し続けると、
だんだん考えることをしなくなるのである。
言葉は意思伝達の手段であると同時に、思考の道具でもあり
その道具が機能しなくなると、思考もできなくなるのである。

もちろんこれは言語だけの問題ではないのかもしれない。
たとえあのまま日本語世界の中に居続けたとしても、毎日毎日会社に行き、
本来の嗜好とは相容れない業務に一日の三分の一以上を費やし、
家に帰って掃除やら洗濯やら料理やらの家事をこなし、という日常生活にあれば、
それが商売であり、生活であり、業である哲学者や物を書く人などは別として、
“考える”ことなど生活から消えていくのかもしれない。

しかし日々の生活の中で、それでも考え続ける人々、
思考することを放棄しない人々を知るにつけ、
多言語の泥海の中で溺れて、何一つものにすることができず
ただ徒に日々を過ごしているだけの自身が悲しいほど情けなく、
またふがいなく思われ、せめて私の唯一の思考言語−日本語−を
取り戻し、それにより“思考”を取り戻さなければと、
“書く”ことを再開したのである。

欲を言えば、多言語地域で自身を、思考を表現するためには
英語や、当地の言語でも書けたほうがいいのだが
いかんせん私の水準では、外国語で書くということは
その言語の語学的練習にはなっても、思考の訓練には
− 残念ながら全く −ならない。
したがってしばらくは日本語のみである。

なにしろ、練習、訓練なので、面白くもない文章が延々続くことになると思う。
偶然か、または何らかの理由でこのページに迷い込んでしまった
読者の方にはお気の毒だが、ご容赦願いたい。

口笛おじさん

  • 2005/05/26 16:26
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同じ階の向かいのフラットには、60代と思われるご夫婦が住んでいる。
奥様はたぶん専業主婦。土日には時々、キャスター付の買い物籠を引いて、
市場に買い物に行く姿を見かける。
ご主人の方は、会社勤め。出勤時間が違うらしく、朝会うことはないが
夜は時々会う。古くて重そうなかばんを提げ、小太りの身体を引き摺るように
ゆっくり、ゆっくり歩いている。
薄くなった髪をきれいになでつけて、いつも少し疲れているようすであるが
会うと“Hello!”と言葉をかけてくる。
なかなか流暢な英語を話し、礼儀正しく控えめな態度で、
半分はにかんだような、親しみのある笑顔を見せる。
なのでこちらも丁寧に「今お帰りですか」「今日は暑かったですね」
というような、ご近所会話を交わす。
そしていっしょにエレベーターに乗り、同じ階で降り、
”Bye, bye”と手を振って左右に別れるのだが、
ちょうど私がバッグから鍵を取り出し、がちゃがちゃやっているあたりで、
背後からやわらかい口笛の音が聞こえてくる。
振り返ると誰の姿も見えないのだが、どうやらさっき別れたご主人が吹いているらしい。
最初は「? おじさん、なんでここで口笛吹くの?」と思ったが、
口笛が聞こえるとガラガラと鉄門が開く音がし、
(当地のアパートは防犯用か、木のドアの外側にもうひとつ
金属製の門扉のようなものがついていることが多い)
奥様が「お帰りなさい」とご主人を迎えている気配が聞こえてくる。
どうやら口笛が帰宅の合図になっているらしい。
ドアをあけるだけなら、自分で鍵を開けてもいいし、
チャイムを鳴らしてもいいし、ノックしてもいいのだろうが、
おじさんはいつも口笛を吹く。

おじさんの口笛は、毎日夜8時半少し前に聞こえる。
土曜もフルタイムで働いているらしく、いつも同じ時間である。
夫と二人ソファに座ってテレビを見たりしている時も、
テレビの音声の合間を縫って、おじさんの口笛が聞こえてくる。
私と夫はよく「あ、口笛おじさんが帰ってきたよ」と言い交わす。

ふつうは2−3フレーズ口笛が流れると、鉄門が開く音がするのだが
ある夜、いつまでたっても、鉄門をあける気配がしないことがあった。
おじさんは口笛を吹き続ける。
私と夫は「どうしたんだろ。奥さんいないのかな」と顔を見合わせ、
ちょっと食事の手を止めて、外のようすを伺った。
おじさんはまだ口笛を吹いている。
「奥さん留守なのかも。おじさんは鍵持ってないのかな」
「そんなことないでしょ。聞こえてないだけなんじゃない?」

おじさんの息が切れ始めた頃、やっとがらがらと鉄門が動く音がし、
奥さんが「ごめん、ごめん。電話してたのよ」とおじさんに言っている声が
聞こえた。おじさんは別に文句を言うでもなく、いつもと同じように
静かにフラットに入って行った。

C.S.I.

  • 2005/05/25 16:43
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火曜の夜はC.S.Iの日。
ほんとは月曜の夜に放送しているのだが
時間が遅すぎてリアルタイムで見られないので
録画しておいて、翌日見ている。

C.S.I.には何種類かあるが、私が好きなのは
オリジナルの Las Vegasが舞台になっているシリーズ。
CSIチームのヘッドであるGil Grissom の性格設定が
なんとも言えず私好みなのである。
ワーカホリックで、昆虫とクラシック音楽をこよなく愛し
文学書からの引用がお得意の、根暗でペダンチックで不器用な
50代の独身男。
6’1ある割には背が低く見え、だぶだぶのパンツで内股気味に歩く。
その丸い背中には哀愁が漂っていると思うのは私だけか。
部下のSaraが自分に好意をもっていることに気付いてはいるが
自ら一歩を踏み出すことはしないし、相手を積極的行動に誘うこともしない。
常に冷静で、感情に溺れず、黙々と証拠の分析にいそしむ。
このGrissom、第4集からは頬ひげと顎ひげをたくわえるようになった。
最初は何だか違和感があってなじめなかったのだが、今は平気。
むしろより渋さが増した感じで、大変結構。

もう1人、Warrick役のGary Dourdanもかっこいい。
NYPD BlueのHenry Simmons と双璧。

いす

  • 2005/05/24 12:18
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近所の安売り家具屋に頼んでいたパソコン机用のいすが届いたので
ジムの帰りに取りに行った。
今までは丸い木のスツールを使っていたのだが、
ブログなんか始めてパソコンに向かう時間が長くなると、
背もたれのないスツールでは、背中と肩がもたない。
「ちゃんとしたいす、欲しいなあ」とは思っていたのだが、
私の私室はなにしろ狭く、ベッドとたんす、本棚大小各1、
プラス机でもういっぱいいっぱい。
第一もともとベッド、たんす、本棚でいっぱいだった部屋に、
無理やり机を入れたものだから、机の片側の脚はつけられず、
本棚の棚板で代用している始末。(机は本棚に直角に置いてある)
で、そこへいくら必要とは言え、スツールよりはかさ張る
デスクチェアを入れていいものかどうか、
狭い部屋がますます狭く見えて、いらいらするのではないか、
毎朝ベッドから出ようとするたびに、いすに足をぶつけるのではないか
(本棚と直角の机の横が、すぐベッド)等々、随分考えたが、
背中と肩が毎日「いす、買ってよ」「なんで買わないのよ」と言うので、
「ま、いっか。他の家具に合わせて白いカバーでもかければ、
そんなには目障りでもないだろう」と買うことにした。

安売り家具屋なので、なにしろ安い。
キャスター付き、ガススプリング高さ調整付きのいすが、邦貨1500円弱。
持ち帰って早速組み立ててみたが、座り心地は上々。
会社で使っている×万円相当のいすと較べても遜色はない。
うれしくて、しばらく座ったままリビングの床をガラガラやって遊んだ。

超ネガティブ?

  • 2005/05/23 16:16
  • Category:
先週金曜、上司Xは自分で立てた7月のツアーの日程を見ながら
「完璧。こんな盛りだくさんのツアーは他社では絶対やれない。
最高のツアーだ」と顔を輝かせた。
差し出されたツアー日程を見ると、4泊5日の日程で、華南の3都市を回り、
訪問先は9ヵ所、研修あり観光あり美食あり、
希望者はなんと早朝6時半!からゴルフまでできるというすごいプラン。
ひぇー、5日で3都市!? 1日に4ヶ所訪問して研修?
中年対象のツアーにしては、少々盛りだくさん過ぎませんか。
第一訪問先の了解は取ったのかいな。
最終日の朝からゴルフって、研修でさんざん連れまわされたあと、
そんな元気の残ってる人、何人おりますの?
移動時間や参観時間をぎりぎりで組んでるけど、
これってひとつ遅れたら全部将棋倒しに崩れるってこと?
えっ、添乗員はつけない? ってことは、参加者のお世話をするのは、Xと私?
勘弁してよ。私はガイドでも添乗員でもありませんがな。
と、数々の疑問と抗議が浮かんだが、Xがあまりに自信満々で得意そう、
かついい日程を組めて嬉しそうなので、これら疑問が頭に浮かぶこと自体、
私自身のやる気の無さ、物事に対するネガティブさを表しているように思えてきて、
結局非常に遠まわしに「ちょっときつそうな日程ですけど、だいじょうぶですか」と言うに留めた。
Xの自分自身、および自己の仕事に対するこの自信は、誠にうらやましい。

私なんて卒業以来20×年、いくつかの会社で働き続けてきたが、
いまだかつて自分のやった仕事を「うーん、完璧!」なんて思えたことはない。
せいぜい「まあまあかも」と思う程度である。
この自信のなさはどこからくるのだろう。
それだけでなく、新しいビジネスの話を聞けば「危ない」と思い、
儲け話を聞けば「あやしい」と思う。
慎重といえば聞こえはいいが、嬉々としたXを見るにつけ、
「私って超ネガティブな人間かも」となんだか暗くなる今日この頃である。

Teri Hatcher

  • 2005/05/21 15:38
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Desperate Housewives’ に出ているTeri Hatcherの昔の姿を見たくて、
‘Tomorrow Never Dies’ を見る。
この映画は前に一度見ているのだが、女性はMichelle Yeohしか記憶にない。
Teri Hatcherなんて出ていたっけと思って見直したのだが、
なるほど冒頭、世界制覇をたくらむメディア王の妻役として、あでやかに登場。
しかしあっという間に死んでしまい、総登場時間は10分にも満たない。
これでは記憶に残っていないのも当然である。
確かに美人でスタイルもいいのだが、美しい顔+肢体のゴージャスな美女
なんてのは、ハリウッドには掃いて捨てるほどおり、
それだけでは印象にも残らないし、生き残れもしない。
‘Tomorrow−’のTeriは「ふーん」という程度の美女でしかなく、
その後鳴かず飛ばずだったのもうなずける。
DHではくたびれたようなTシャツにジーンズで、
近所のSlutに圧倒され気味の気弱なシングルマザーを演じているが、
この方が007のオートクチュールに宝石、完璧な化粧の彼女よりは魅力がある。
40歳の時の方が、33歳の時より魅力的というのは結構なことである。

ところでPierce Brosnanは前回のDie Another Dayを最後に
ボンド役を降りるようだけど、次は誰がボンドを演るのだろう。
願わくはSean Connery、 Timothy Dalton 、Pierce Brosnan の系譜を継いで、黒髪の俳優がやってくれますように。
間違ってもRoger Moore 系列のブロンドはやめてほしい。
ブロンドでは画面が締まらないのである。

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プロフィール

らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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