余人では代え難き

  • 2005/11/30 21:36
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■ 明日は夫の誕生日。この間から面白いバースデイ・カードがないかと探しているのだが、世のカード売り場は赤いサンタさんやらトナカイさんやらのクリスマス勢に席巻されており、オフシーズン(?)のバースデイ・カードなんぞは、隅の隅に押しやられている。「しまった、もっと前に買っておくんだった…」と思っても後の祭りである。さて、どうしよう? カードなしのプレゼントだけっていうのは、さみしいよねえ、夫君よ

■ 先月から来ている新人嬢とは、うまくいっている。ただしご本人はこの会社を選んでしまったことを、えらく後悔なさっているようす。「今まで余りに好き勝手やり過ぎたから、こうなっちゃったのかもしれませんねえ」と、まるでこの会社に来てしまったことを、天罰が当たったかのように考えていらっしゃる。気持ちはわからないでもないが、そこまで悲観的にならずともよかろうに。
面接の際、我が上司殿が紹介した内容と、実際の仕事の内容が大きく食い違っていることや(私自身も2年半前それでしばし呆然とした)、教えられた知識が間違っていることが多いことや(真に受けて仕事をすると、人様の失笑を買う)、仕事の段取りや種々の日程、予定が大変柔軟性に富んでいること(別名:行き当たりばったり)等、ウチの職場には「えっ、そんなはずでは…」と青ざめることが大変に多い。それをいちいち深刻に受け止め、思い悩んでいては、胃がいくつあっても足りない。だからこそ私自身、先日「考えるな、ただやれ」という標語を机に張ったのである。自己実現だの、キャリアだの、仕事に多くを期待するのが昨今の流行りだが、ほんとのところそんな仕事をしている人が、勤労人口の何パーセントいるというのだろう? 大部分は日々黙々と“誰でもやれる仕事”をやって、生活をささえているのではないか。世の中“あなたでなければできない仕事”なんて、ない。かなり特殊な仕事でも、“暫時代え難い”というだけのことで、“永久に代えられない”わけではない。サラリーマンの分際で、自己実現だの、やりがいだのを求めるのは道を誤るもとだと考えるのは、見方が皮肉に過ぎるだろうか。
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有効率100%って…

  • 2005/11/29 16:07
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■ くくく…… また失敗してしまった。
なぜだ? なぜ私のパンはふくらまないのだ? なぜ私のぶどうパンは、できそこないのスコーンのように白く固まったまま、オーブンの中にじーっとうずくまっているのだ? イーストが古いのかしらん?

■ 今度日本に行く福建の医薬品メーカーの参考資料を読んでいる。それによると、雲南省に多く産する滇橄欖(和名:あんまろく、よかんし、英名:インディアン・グーズベリー)には、明らかなアンチエイジング作用、および発ガン性物質N‐亜硝基化合物の人体内での合成を阻断する作用があり、その阻断率は90.11%以上(すごーい!)。ついでに上海と福建の2病院で、この滇橄欖の処方をB型肝炎の治療に使用したところ、有効率は89.9%(結構な高さだ)、治癒率は46.6%に達したという。そのうえおまけに、この滇橄欖汁の高血圧症、高脂血症治療に対する有効率は、それぞれ82.4%と100%(!!)だというのだけれど、数字が恐ろしいまでに良すぎて、にわかには信じる気になれない。眉唾をはるかに超えている。前後の見境無き誇張と強調は中国文学の十八番だが、これは確か文学書ではなく医学資料のはずなのだが…
ちなみに同社はこの滇橄欖を使って、顆粒状の橄欖茶を作っており、食欲不振や二日酔いに効くと銘打っているのだけれど、もし上記データが本当なら、二日酔いの薬なんかに使うより、抗がん剤でも作ったほうがよさそうに思えるが、なぜここであえて二日酔いの薬なのか? うーん、謎である。

全粒粉電子レンジパン

  • 2005/11/28 15:40
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■ ジムで向うから近づいてくる夫の身幅が細くなったような気がしたので、「やせたの?」と聞いたら、本人は知らないと言う。しかし体重を量ってみたら、なんと3キロ減っていた。きゃー、私がいない間に3キロ! なんて羨ましい!!
もっとも本人は元々90キロ近くある人なので、3キロ減っても別にパンツがゆるくなったりはしておらず「なにも変わってないよ」だそうだが…

■ だからというわけではないが、昨日の夕食にパンを焼いてみた。村上祥子先生開発の電子レンジパンである。誰でも簡単に、失敗なく、40分でパンが焼けるという、巷で評判の電子レンジパンなのだが、私は見事に、ちょこっと、失敗した。何がいけなかったかというと、夫の好みに合わせて 石臼挽きの全粒粉 を使ったのが、敗因。私が買った本には、「全粒粉は使わないでね」とは書いてなかったので、白パン嫌いの夫に合わせて“Stone Ground Whole Wheat Flour”なんてのを買ってみたのだが、これだとふくらまないのである。一次発酵も二次発酵も「うーん、なんだか大きさ変わってないみたい。いいのかなあ。でもちゃんと15分以上置いたし、気温も充分暖かいはずだしなあ」と、変だと思いはしたものの、何しろ初めてなので首をひねりながらも、そのまま焼いてしまった。案の定、パンはオーブンに入れてもふくらまず、焼きあがっても、元のドウの1.2倍くらいの大きさの未熟児パンに留まった。全粒粉なので色は黒っぽく、手にとるとしっかり重い。ドイツとか東欧の黒パンみたいなかんじ。いかにも素朴で腹持ちのよさそうなパンである。しかし姿は今ひとつでも、食べてみると別段まずいわけではない。砂糖が入っているのでほんのり甘く、そのなかに全粒粉の風味と歯ごたえも感じられ、焼きたてということもあって、なんだかおいしい。粉100gで小さいプチパンが6個できたのだが、私が2つ、夫が4つ食べて、あっという間に終わってしまった。夫が失った3キロを取り戻す日も近いと思われる。私が買った本には、他のパンの作り方も載っているので、今夜はぶどうパンかレーズンチョコ・ロールあたりに挑戦してみたいと思う。私はこの手の甘いパンが好きなのである。

■ 全粒粉だとふくらまない理由については、村上先生のウェブサイトにちゃんと 説明 が載っていた。(Q&A 19)小麦を皮つきのままひいている全粒粉は、皮や胚芽が含まれるのでグルテンが形成されにくく、ふくらみにくいのが特徴、なんだそうである。なるほど。でもまあ、ふくらみが悪いだけで、まずいわけではないので、今後も夫用には全粒粉で焼いてあげよう。で、私用のおやつパンには白い粉を使う、と。または村上先生のアドバイスのように3:7 で混ぜて使うか。これでまた楽しみがふえた。ふふふ。

クリスマス・ショッピング

  • 2005/11/27 19:52
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■ 再来週、またツアーに行くことになった。私がぶつぶつ言ったせいかどうかはしらないが、珍しく1週間以上前に決まった。快挙である。しかし同行する客人は、なんと先日参観に行った例の福建の怪しい医薬品メーカー。「えーっ、こんなメーカー日本で宣伝するの、いやだよう」と思い、思わず上司に「だいじょうぶですか!?」と聞いてしまった。工場を見ずに財務数字だけ見ていれば、「お、まあまあじゃん」と思えたかもしれないが、あの工場と生産のようすと、原材料の管理法を見た後で、真面目な顔して“ご紹介”をするのは、かなり苦しい。これで社長氏が、福福しいお顔のいかにも“医薬品メーカーの社長”といった清潔、温厚そうな外貌のお方ならまだしも、そう言っては何だが、やせて小柄で色浅黒く、三白眼の目つきも鋭い、半歩間違うと福建の黒社会の下級幹部か、不法入国を手引きする蛇頭に見えかねないお顔立ちなのである。服装の趣味もそれっぽいし、これで薬作ってます、なんて言ったら、薬は薬でも片仮名の“クスリ”、メディシンというよりはドラッグを作っていると誤解されそうである。ああ。

■ そして再来週出張ならば、クリスマスまではもうまもなく。「あ、お義父さんたちに送るプレゼント買いに行かないと間に合わない!」と、昼頃あわててショッピングに出かけた。ほんとのところ、女の人にあげるプレゼント選びはさほど難しくはないが、男の人にはなにをあげたらいいのか、毎年毎年悩む。ことに航空便で送るとなると、あまり大きいものや、重いものや、壊れやすい物を選ぶわけにはいかず、おのずと範囲が限定される。小さめで、軽くて、郵送しても壊れないものがベスト。夫はいつも考えるのを放棄して「小切手=お金」を送っているが、私までそれをやっては、味気なさ過ぎる。で、毎年悩む。
それでも今年は、お義父さんへはすでにズルができない精密な万歩計を、日本で買ってきた。この夏カナダに行ったとき、お義父さんは腰に万歩計をつけていたのだが、それは何かの景品でもらったオモチャのような万歩計で、ちょっと振動が伝わっただけで、すぐ1歩とカウントされる。お義父さんは「1日1万歩なんて簡単さ」と居間でぽんぽん跳ねて万歩計の数字を上げ、看護婦でもあるGFのフランスにたしなめられていた。なので「ふふん、これならズルはできないよん」と日本でオムロンの製品を買ってきたのである。ただ問題は表示と説明書が日本語なので、これをフランス語か英語に翻訳しなくては。手間がかかるが、しかたない。
残るは義弟のジェリーとフランスだが、実際買い物に行ってみると、これも案外簡単に決まった。山歩きの好きなジェリーにはビクトリアノックスのスイスアーミーナイフ“Mountaineer”。フランスには金色のビーズのパーティバッグ。別に必要な品ではないだろうが、どうせ“必要なもの”はすでにみんな持っているのだ。邪魔にならずにちょっと楽しめる物を贈るしかない。私側の家族もそうだが、夫側の家族も、およそ物質主義的な人たちではないので、“I love you”という気持ちが伝わりさえすれば、いいのである。
バタイユは「贈与の本質は贈られる側を心理的に威圧すること」と言ったけど、この場合はちょっと、少なくとも表面的には、当てはまっていないと私は思う。心の奥の奥では、さてどうかな。でもとにかく、最大動機は“I love you”

夕やけだんだん

  • 2005/11/26 12:28
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先週の土曜日、朝のミーティングがキャンセルになって時間が空いたので、前から行ってみたいと思っていた谷中、根津、千駄木のあたりへ出かけてみた。お目当ては“夕やけだんだん”の猫たちである。どういうわけかは知らないが、この日暮里駅から谷中銀座商店街へ抜ける途中の坂にある石段“夕やけだんだん”のあたりには、猫が集まるのである。街ぐるみで猫を大事にしていて、えさをやっているからという話も聞いたが、真偽のほどはわからない。しかし写真集が出るほどに、猫が出る。犬猫馬豚好きのわたくしとしては、大いにそそられる場所である。

“夕やけだんだん”というからには、やはり夕方行かなくちゃね、と昼過ぎに千駄木に着くようにホテルを出、まず根津神社を参拝してひまつぶしをしたあと、本屋やたいやき屋をひやかしながら不忍通りを千駄木方向にもどる。そして団子坂を左に見て四つ角を右に折れ、よみせ通りから谷中銀座商店街へ向かった。午後も3時を過ぎ、秋の陽はそろそろ傾きかけている。“夕やけだんだん”に向かうには頃合である。谷中銀座商店街は夕飯の買い物をする近所の人たちと、谷根千歩きが目当ての私のような観光客(?)とでけっこうにぎやか。私も夕ごはん用にコロッケやら、焼鳥やらを買った。そしてお目当て“夕やけだんだん”。いる、いる。食糧事情よろしくぼってりと太った猫たちが、あちらこちらでぼーっと座っていたり、丸くなったり、せっせと身づくろいにいそしんだり、はたまた猫甲が猫乙を追って店から飛び出してきたり、とトラ猫、ぶち猫、単色猫がよりどりみどりでうろうろしている。そしてその猫目当てのお客さんも、たくさん。中には本格的な一眼レフカメラをかまえた男の人もいたりして、どうりで写真集まで出るわけである。
私もデジカメでねらってみたが、猫たちはさほどカメラ好きではないらしく、近づくと迷惑そうな顔をしてよそを向いたり、のそのそ場所を移動してしまったりして、なかなか撮れない。それでもむりやり3−4枚撮ってみたが、どうもピンボケ気味である。



秋の陽射しの中にたたずむ猫たち




このもようは、三毛か茶トラか黒トラか





風邪気味かはたまた老猫性痴呆症か、たらーっとよだれをたらしていた猫



夕陽が傾いて、影が長く伸び始めたし、お腹も空いてきたので、来た道を帰ってホテルに戻った。その夜は谷中で買ったコロッケと焼鳥、ローソンで買ったサラダと吟醸酒でひとり楽しく宴会をした。好きな本があって、おいしいものがあって、ひとり。私がいちばん和める組み合わせである。ああ、極楽。

うろうろと本屋にでかけ

  • 2005/11/25 22:34
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■ 日本にいる間、夜の会食がキャンセルになったり、土曜朝のミーティングがなくなったりして、ちょろちょろ、ちょろちょろ時間が空いたので、ついちょろちょろ、ちょろちょろ、本屋に出かけて本を買ってしまった。ホテルと本屋の距離が近いのも、考え物である。最近のお気に入り内田樹先生のご著書を除いては、今回はなぜかロバート・B・パーカーが多かった。80年代初めに読み始めて以来、早20年。長い付き合いだし、20代の頃はスーザンが大好きでなめるように読んでいたので、ストーリー展開や寒いジョークなど、いまさら新味はないのだが、文庫新刊が出るとやはり買ってしまう。1974年に37歳だったスペンサーは、今年2005年には68歳のはずだが、お話を読んでいるととても60代の人間のようには見えない。軽快に走り、悪漢を倒し、まるで脂の乗り切った40代のようなご活躍。まったくたいしたものである。同様にホークとスーザンも“永遠に40代”みたいな若さを誇っており、スペンサーとともに跳んだり撥ねたりしている。スーザンなど今回は道端のレンガを取り上げて、ギャングを殴り倒しているのである。いくらジムで鍛えているからって、銃を構えたギャングを60代のほっそりした女性がレンガで殴り倒すとは…。うーん、私も見習おう。

■ 他には小泉武夫先生のご著書とか、話題の「下流社会」とか、電子レンジパンの作り方とか、せっけんのつくり方とか、夏目漱石の「坊ちゃん」とか、を買った。最後の「坊ちゃん」は、何をいまさらと思われるかもしれないが、実は私は「坊ちゃん」を読んだことがないのである。小・中学生の頃は漱石先生なんていう文部省御用達の超有名銘柄は読む気がしなかったし、その後高校の教科書に載っていた「こころ」はいやいや読んだが、その愚図な辛気臭さに嫌気がさしたし、で以来どうも食指が動かず、漱石については読んでも、漱石そのものは読まず、20数年が過ぎたわけである。

■ で、読んでの感想は、漱石先生には誠に申し訳ないが「は、これだけ?」
「こころ」の愚図愚図と内省ばかりして自ら人生をめんどくさくしている“先生”のような人物もなんだが、“坊ちゃん”のようにまったくモノを考えない人も、それはそれで困ったものである。直情径行といえば聞こえはいいが、要するに考えたことではなく、感じたことを基にぱっと行動に移っているわけで、平たく言えばお馬鹿である。しかるにこのお馬鹿がなぜにこのように長期にわたり、人気を博しているのであろうか。また、全編松山の中学校の生徒および教職員の悪口の言い放題ともいえるこの作品を、なぜにご当地の松山の人々はこのように愛して、「坊ちゃん列車」を走らせたり、坊ちゃんが2皿食べたと言う団子を名物として大いに宣伝したりしているのであろうか。私にはいまひとつ納得のいかないところである。書いたのが100年前の漱石先生だからよいが、今同じことを、他の誰かが書いたりしたらフィクションとは言え、松山の人は喜ぶまい。そして自身、大インテリでありながら、このような直情径行のモノを考えない“坊ちゃん”という主人公を創造した漱石先生は、前世紀初頭の英国で“近代的知性”というものに、よっぽどお疲れになったのだろうか。

帰ってまいりました

  • 2005/11/24 17:27
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■ 昨日の10時過ぎに帰宅。飛行機に乗り込んで席に座り、それから目的地に着いて飛行機が止まり立ち上がることを許されるまで、正味たったの5時間くらいのフライトでしかないのだが、昨日は妙に疲れた。見たい映画でもあれば、結構時間がつぶれるのだが、今回は「これは面白そう」という映画もなく、持ち込んだ文庫本を読み終えてしまった後は、全くすることなし。おまけに疲れた胃が機内食を消化することをしぶり、途中でちょっと気持ち悪くなったりして、いいことなし。ほんとに長い5時間だった。

■ 機内で妙にいらいらしたのは、顧客の一人が私の真後ろの席で、もぞもぞ、もぞもぞ動いていたせいもあるかもしれない。この顧客、ツアーの後半から参加した某社のファンドマネージャーなのだが、独り善がり(←これは彼に苛々していた私の意地悪な見方)の親切を振りまき、食事の帰りなど道を歩きながら、私にキリスト教への入信を勧めるのである!!
自慢するわけではないが、どんな種類の神様であれ、私は神様を信じる必要に迫られたことはない。まして甚だ悪名高いキリスト教の神様など、何が悲しくていまさら帰依しなくてはならんのだ ?! このC氏は、私が天国に行けるよう祈ってくれるというのであるが、私はキリスト教者の行く天国など、死んでも(あ、死なないと行けないんだっけ)行きたくないである。いらんおせっかいに怒った私はつい「私はいいから、上司のために祈ってやってくれ」と頼んでしまった。すると我が上司をよく知るC氏は「おお、そうですね」と納得し、心得た顔で「では彼のために祈りましょう」とのたもうた。全くやれやれである。はたしてC氏の祈りの効果はあらたかであろうか。上司殿が急にC氏みたいなまじめ人間になったりしたらどうしよう?

■ この件を別にすれば、今回のツアーは比較的楽だった。プレゼンの内容も一回やればだいたい頭に入るし、入ってしまえば後はずうっと同じことの繰り返し。子猿でも、子豚でも、私でも覚えるである。で覚えてしまうと、時々本人が言わなかったことまで通訳してしまいそうになる。これはひとつには私が純粋通訳として黒子になる時間(たとえば訪問先との質疑応答)と、その会社なり製品なりの紹介者の一人として、通訳というよりプレゼンテーターとして動く部分とがあるからで、通訳本来の役割からすればまずいのだが、プレゼンテーターとしては逆にそういう風に動かないと、充分に務めを果たせない。お客様にわかってもらってなんぼ、である。硬い顔して顧客が言ったことを逐語訳していたのでは、モノは売れない。と、ここまでは悟ったのだが、ではそれが好きかと聞かれると、ううう…である。この仕事が好きになれるほどには、悟れない。

■ 今回もまた「ナチュラル ローソン」には一方ならぬお世話になった。なかでもエース〇ックの「スープはるさめ チゲ」「おにぎり屋 辛子明太子」「渋皮栗がたっぷり入ったプリン」の3者には、特に敬意を表したい。「渋皮栗がたっぷり入ったプリン」など未練が尽きず、思い余って成田のローソンで2つ買い夫と自身へのお土産にしてしまった。日本にはおいしいものがあるである。

それではみなさま、また来週。

  • 2005/11/15 10:44
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■ 今回のツアー、飛行機は先週の木曜に取れたのだが、ホテルが一向に取れず、往生した。旅行社に聞くと、どこもかしこもいっぱいだと言うのである。前回と同じパターンである。日比谷のTも、新橋のDも、人形町のRも、こないだ泊まった山王のCも、ぜーんぶだめ。「まったくもう、4日前になってツアー決めるからこういうことになるのだ。どうしてもっと早く決められないんだ?」といつものとおりぶつぶつ言っていたのだが、出発3日前になってもホテルが全然ないのにはまいった。成田に着いたはいいが、泊まるホテルがないでは荷物とお客さんたちを抱えたツアコンの私はどうしたらいいのだ? それもこれも、みんな4日前になってやっとツアー決行を決めるクライアントと、それを引き受けてくる上司が悪い!と内心怒りに燃えていたのだが、昨日になってやっと思い出した。
そういえば定宿にしている日比谷のTは、15日はさるやんごとなき姫君の結婚式があるのだった。「あ、だから?」と一瞬納得したが、よく考えたらご両家のみなさまや報道関係者がTに泊まるわけはなく、やっぱりなんで混んでるのかわからない。11月って、都内でなにか大きな会議とか、ありましたっけ?

■ 「ホテルないなら、行―かないっと。ふん、ざまあみろ」とわけのわからない悪態をついていたのだが、残念ながら昨日、Tが取れた。上記式典?のため、チェックインは午後7時以降だそうだが、どうせ飛行機が成田に着くのは、夜8時過ぎである。ホテルに着くのはどんなに早くても10時だろう。関係ないである。

■ というわけで本日から9日間ほど留守になります。一時はノートブックを持って行くことも考えましたが、資料と防寒着(東京が寒いのが悪い。12度なんて私にとっては厳寒よ。もう厚いコートなんて持ってないのに。泣)だけでスーツケースがいっぱいになったので、止めました。みなさまの記事が読めないのは大変残念ですが、土日に時間があったらホテルのビジネスセンターでも行って見ます。それでは、また来週。お元気で。 (実はプレゼンの内容、まだ頭に入っていない。焦る)

どうしていつもこうなるの

  • 2005/11/14 17:57
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日本ツアーを明後日に控え、大学入試前の受験生のように落ち着きを失っている。水曜から資料の翻訳を始めたのだが、まだ終わらない。いくらパワーポイントでも150ページ近くある資料を正味3日で翻訳というのは少々きつい。しかもそれだけに専念できるのではなく、訪問のアポ取りや他の事務レターを書きながらである。「間に合わない」とあせると頭が加熱して、テキストの意味がとれなくなってくるし、タイプミスが増える。それでよけいイライラする。悪循環である。

やっつけ仕事のように翻訳した資料を持ってプレゼンしに行くのは本当にいやだが、最近の依頼はこんなのばっかりである。持って行く資料の翻訳を間に合わせ、アポ取りするのが精一杯だから背景資料を探して読む暇などなく、売り込みに行く会社のことなんてパワーポイントに書かれたことしか知らない。これではいいプレゼンなんかできるわけがない。考えれば考えるほど、いやになる。

********** と、ここまでは昨日の夜、家で愚痴愚痴と書いた **********

ここからは、今日の記述。今朝はパワポ資料が夢に出てきて、ぎょっとしたあまり5時に目が覚めた。まったく身体に悪いツアーである。

それにしても、なんでご当地の会社は4−5日前にならないと意思決定ができないのだろう。1ヶ月前になんて言っても夢のまた夢なのはわかっているからそんな無理は言わないが、せめて2週間前に「やる、やらない」を決めることはできないのだろうか? そうすれば少しはましな準備ができるのに。やっつけ仕事ばかりしてると、気持ちがすさむ。

2−3ヶ月タイのビーチあたりでぼーっとしながら考えたい気もするが、そんなことしていたらここの家賃が払えんし、老後の生活費も貯まらん。自力更生の場合、付けは全部自分に回ってくるからなあ。って、みんなそうですよね。泣き言を言っている場合ではないのであった。

中国の医薬品メーカー

  • 2005/11/13 16:37
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福建省福州市から車で1時間半ほどの某市にある製薬会社を見学してきた。
どの国のものにせよ、製薬会社と名のつく企業を見学するのは初めてなので、他社との比較でものを言うことはできないが、それにしても何と言うか、大変「おおらか」な管理に、ちょっとびっくりした。

この会社は主として病院で使用される、注射液や点滴用の薬を製造しているのだが、その他に街の薬局で処方箋なしで買える風邪薬や解熱剤のたぐいも作っている。そのうち私たちが見学したのは、注射液製造工場と点滴用薬の製造工場、市販薬製造工場および倉庫の一部である。医薬品を製造しているのであるから、工場を見学するとは言っても、当然中のラインにまで入れるわけではなく、見学用の外の廊下から見学するのだろうと思っていたら、あにはからんや、一部ではちゃんと中まで入れ、ロート状の投薬口に白い粉状の薬が入っていて、それが下に流れてパックされていくのを、機械に身を乗り出して10センチの距離から見ることができた。見学者として製造の様子を間近に見られたことを喜ぶべきか、消費者のひとりとしてこの会社の衛生・安全管理に対するおおらかさを遺憾に思うべきか、よくわからなかった。ちなみに私たちは工場提供の白衣を着、帽子をかぶってはいたが、髪は帽子からはみ出していたし、中に入るにあたって別段消毒も滅菌もしなかった。実を言うと、手を洗いすらしなかった。下がその時の写真である。



薬は上から入れられ




機械を通ってパックされ、下に出てくる。出てきた薬は、下の洗面器に落ちる。


またパックされた薬は、同社従業員によって手作業で箱詰めされていた。下がその写真である。この女の子二人は、薬の山から10包ずつ数えて取り、説明書をつけて箱詰めしているのである。大変に家庭的な製造工程である。



なお、薬の原料は別の部屋の隅に無造作に置かれていたが、ビニール袋で二重に包まれているから、衛生・安全に問題はないはずである。



ちなみにこれらの写真は、別に小型カメラで盗み撮りしたわけではない。同社社長、幹部はすぐそばに立っており、私たち見学者(中には新聞記者も含まれていた)が写真を撮るのを嬉しそうに、また誇らしそうに眺めていた。したがって彼らは、私から見ると「人びとの命を預かる製薬会社ともあろうものが、こんな杜撰な安全管理でいいわけ?」と思える状況を、自慢に思いこそすれ、問題があるとは露ほども思っていないことは明白である。

他の製薬会社を見たことがないので、中国の製薬会社としてはこれが普通なのか、そうでないのか、私にはにわかに判断できないのだけれど、日本や欧米の製薬会社の人が見たら、多少はびっくりするのではないだろうか。
日本や欧米の製薬会社でも、日常的にはいろいろ杜撰な管理が行われ、また大規模な不正(血液製剤の事件は記憶に新しい)も行われているとしても、床にじか置きされている原料等を見学者に見せることはあるまいし、そうした状態を“望ましい”とは考えないだけの倫理観はあるだろう。あって破るのと、もともとないのと、どっちがいいかと言われると答えに困るが…。
しかし機会があったら、ぜひ日本の製薬会社を見てみたい。その上で、どっちがましか考えてみたい。

大陸製の薬は嫌いよ

  • 2005/11/09 22:43
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■ 「11日間ぶっ続け日本ツアー」が2日短くなって9日間になった。ラッキー…

■ しかし、ツアー決定にともなってタイピングの量が増え、またまた腱鞘炎気味。ドラッグストアにトクホンもサロンパスも売ってないので、仕方なく「精工提煉 薬力特強 特効活絡鎮痛膏」というのを買ってみた。なんかいろんな漢方成分が、これでもかっていうほど入っているようだけど、張ろうとして透明シートをはがそうとしても、強力にくっついたまま一向にはがれず、痛い親指関節がますます痛くなった。まったくこれだから大陸製の薬は嫌いだ。

■ といいつつ、金、土の出張先は、福建の医薬品メーカー。パンフレットを見ると、いろんな薬を製造しているようだが、それが万金丹のようにあらゆる病に効く。これが本当なら、とっくの昔に世界の医薬品メーカートップ10入りしているはずだが・・・

ううう・・・

  • 2005/11/08 15:50
  • Category:
■ 昼頃から、人材派遣会社の某Hさんに電話しようか、どうしようか迷っている。Hさんは華やかな巻き髪が肩あたりで揺れる豪快な美人で、私などがぐしゅぐしゅと愚痴をこぼすと、「なーに言ってるんですか! ぱしーん!!」と背中を張られそうなお人である。張られたら少しは元気が出るかしら。なんだかほとほと上司殿に愛想が尽きましたのよ…。わたしこの仕事辞めたい。田舎行って鶏飼って、野菜つくりたい。

■ 昨日貼った標語は、今朝の上司殿の“11日間ぶっ続け日本ツアー”計画を聞いたとたん、ハラリと落ちました。

■ そのうえ今週金、土も出張だよん。中国だよん。君には家庭生活というものがないのか、上司!! 君にはなくとも、わたしにはあるぞ!!

■ 生活費をとるか、心の安寧をとるか。ううう…

おもしろいところだけ書き抜いて

  • 2005/11/07 16:45
  • Category:
■ 内田樹さんのブログのおもしいろところを抜書きしている。いっぱいあるので、1999年分から始めて、まだ2000年にたどり着いていない。(今日の夜にはたどり着くと思うけど、普通話が休みなので、友達とご飯を食べに行く予定だし、余り進まないかも)
■ 人のブログなんか抜書きして、どうすんの? とお思いになる方もいらっしゃるかもしれないけど、いい文章とか、うまい表現とか、思わずはたと膝を打つような、眼からうろこの知見は、集めてそばにおき、折にふれて楽しみたいじゃありませんか。
■ 昨夜はたと膝を打っていたのは「バタイユは、贈与の本質は「愛他的動機から有用なものを与える」ことではなく、「贈られる側を心理的に威圧すること」であるという興味深い結論を導いている」という一文。そっかー、だから私、好きじゃない人からものをもらうのが嫌いだったのねー。相手から威圧される、相手に優位に立たれるのが、いやだったんだわ。納得、納得。(ちなみにこれは2000年2月の記述。抜書きを始める前に読んだの)
■ それにしてもパソコン上の文章の抜書きって、ほんとに簡単。ドラッグして、ハイライトして、コピペすればいいんだもん。昔、いちいち紙にペンで手書きしていたことを思うと、ほんとに隔世の感ですな。(って、そのときからすでに四半世紀以上経っているな。“隔世”しているのも当然か…)
■ ついでに会社の机の前に、「考えるな、ただやれ」という標語を張ってみました。これでしばらく乗り切れるでしょうか?

あと何ができるだろう?

  • 2005/11/06 11:10
  • Category:
胸と脳に迫る圧迫感、不快感、厭世観を追い払うべく、掃除と洗濯に精を出している。

昨日は増えすぎて本棚に入りきらなくなり、並べた本の上に積み重ねられるだけ積み重ねていた本を、今後も参照しそうな本と、参照しそうもない本に分け、参照しそうもない本は、ベッド下のプラスチックケースに追いやって、平積み本をなくした。
本棚に残った本は、分野別に大きさをそろえ、一列に並べた。
これでだいぶ視覚的にすっきりした。大学者の書斎ならいざ知らず、ただの勤労中年の狭苦しいアパートの狭苦しい部屋の本棚がぐちゃぐちゃなのは、文字通り見苦しい。できればついでに日除けと目隠しを兼ねて、本棚前面に白い布でもかけたいところだが、白い壁、白い床、白い家具、白いブラインド、白いベッドカバーとシーツの部屋で、唯一色のある本棚の前面にまで白い布をかけたら、それこそ病院か、霊安室か、潔癖症、不潔恐怖の人の部屋みたいである。過激すぎるので、まだやっていない。

次に洋服箪笥の引き出しを整理し、秋に向かって余り着そうもない薄手の服は、ケースに入れてハンガー部分の下に入れた。引き出し部分の服はくるくる丸め、きちんと3列に並べた。

小物を入れた小箪笥の上においてあるティッシュボックス、化粧水、目薬、タルカムパウダー、本のしおりをいれたフローリスの箱も、きっちり1列に並べた。

雑誌も整理し、必要部分だけ切り取って、後は捨てた。

バスルームの床をクレンザーで磨き、トイレットボウルもクレンザーで磨いて、拭きあげた。

夫の部屋と私の部屋とバスルームに掃除機をかけた。出窓をぞうきんで拭いた。

支払うべき請求書は、期限ぎりぎりまで引き伸ばしたりせず、さっさと支払うことにしてバッグに入れた。

電動歯ブラシで念入りに歯を磨き、デンタルフロスで歯間も掃除した。

最後にシャワーを浴び、全身をがしがし洗い、シャンプーで髪も洗った。

あと何ができるだろう?

あと5年

  • 2005/11/05 11:05
  • Category:
肌寒くなってくると、だんだん気分が落ちる方向に向かってくる。秋はものを思う季節なのである。
だが、いい気になってその流れに身を任せ、ついでにその気分を助長するような音楽および文章なんかに親しんでいたりすると、どどーーん!!と破局がやってくる。

それで昨日は大きなミスをやらかした。引き起こした損失は、私が被らねばならぬ。2日間の稼ぎがパア。痛いが、被れる程度の損失でよかったとも言える。一昨年の上司殿などは、私の月給なら7年分にあたるくらいの損失を被っていたからな。

Downer系音楽ではなく、Upper系の音楽に変え、思索を誘う文章は読まず、仕事の内容や、疑問点については深く考えずに、淡々と言われたことに従ってこなし、この時をやり過ごすしかない。
問題点から目をそらしている? おう、その通りだ。しかし私は仕事をして生活費を稼ぎ、生きていかねばならないのだ。ポジティブ・シンキングなんてのは、状況を客観的に判断できない、あるいは現実を正面から見るだけの勇気がない人間が、自分と他人をごまかすために使うまやかしの大嘘に過ぎない。あるいは生まれつき脳内にエンドルフィンが大量生産される、根っから脳天気な人間で、天性ネガティブな思考、感性と縁がないか。
いずれにせよ、私はポジティブ・シンキングを信奉するには性格が天邪鬼に過ぎ、脳内エンドルフィンは、生産されてもすぐシュルシュルっと消えていってしまう。ならば他の方法で生き延びるしかないではないか。

川風も厭はじ

  • 2005/11/03 22:06
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 内田樹さんのサイト をチェックしたら、今日は冒頭に謡いと仕舞の稽古の話が振られており、光芒一閃、目の前にぱっと、鏡板に描かれた緑の松、磨きこまれた床が現れ、そのひんやりとした感触が足裏によみがえった。

謡いや仕舞の稽古をしなくなって、すでに20年以上経つ。声はとっくの昔に出なくなっているし、仕舞の型も忘れた。それより何より、今ではきちんと座ることすら出来なくなっている。
それでも今でもふとした折に、思いがけなく謡いの一節がよみがえることがある。
昨日の朝も、ビルの中庭につながる会社のエレベーターから出たとたん、さっと海風が吹き付けて来、その瞬間 「川風も厭はじ 逢瀬の向かいの 岸に見えたる 人影は それか 心うれしや 頼もしや …」と謡う声が頭の中に響いた。
片方は川風だし、片方は海風だし、恋が成就せぬまま死に、成仏できずに妄執の鬼となった男と、勤労意欲を失って「行きたくないなあ」と思いながら、新聞抱えて会社に向かっている女では、比較のしようもないほど時空も境遇も隔たっているのだが、海から吹き付けた、湿った冷たい風は、一瞬にしてその隔たりを埋めて、新聞を抱えた疲れた女に「船橋」の亡霊を見せた。

あの風は、能の始まりに空気を切り裂いて鋭く響く能管の最高音、ヒシギと同じだった。見るものはあの笛で、世界が変わったことを知る。現し世から神、死者、亡霊の棲む“異界”へと移ったことを知る。思えば不思議なことである。なぜ音ひとつで、違う世界へ移れるのか。この世とあの世、現世と彼岸、日常世界と異界は、そんなにも近いのか。いやそれとも実は“異界に移る”というのは、自分の外に出て行くことではなくて、自分自身の内側に入り込んで行くこと、内側にめくれ込んでいくことなのではないか。

なんてことを考えながら、着いた先はいつもの職場。上司殿がかかかと笑う「儲けてなんぼ」がすべてのやくざな世界。ああ、ギャップで一気に力が抜ける。

野良犬が2匹仕事場で

  • 2005/11/02 22:12
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実は先週から人員が一人増えている。しかも日本人である。嘱託や顧問でない、私と同じ「社員」という身分で、日本人の、しかも女性を迎えるのは久しぶりなので、少々緊張している。
なぜなら、あるグループの中で、ひとり異分子でいることは、ある意味とても楽なことなのだ。なにしろ“人と同じ”を強制されなくて済むから。男の人たちの中に、ひとり女で入ったり、若い人たちの中に、ひとり中年おばさんとして入ったり、中国人の中に、ひとり日本人として入ったり…。ひとり仲間はずれ、ひとり異分子、ひとり例外、ひとり鬼っ子でいることは、私にとっては、とても楽なことなのだ。

なので、同じカテゴリーに分類される人がもうひとり入った今、私はもぞもぞ動きながら、自分の新しい居場所、新しい落ち着き場所を探している。
幸か不幸か、新しく入ってきた人も一人でうろうろする野良犬というか野良猫タイプらしく、飼い犬のようにはなから人懐っこく、こちらの顔を舐めに来たりはしていない。私たち2匹は今、野良犬(猫)の仁義を守り、ある程度距離を置いた状態で相手の出方を探りながら、なんとかテリトリーを侵しあうことなく、共存していけるよう自分の巣の周りをうろうろしている。飼い犬タイプと共生するよりは楽であろうと、私は踏んでいる。

洗牙

  • 2005/11/01 22:47
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きのう普通話のクラスのあと、歯医者さんで定期健診と歯石取りをしてもらった。もともとは夏カナダでやってもらう予定だったのだが、夫同様わたしも3週間休みだと勘違いしたお義父さんが、3週目の某日に予約を取ってくださっていたので、休みが1週間ちょっとだった私は行けなかったのだ。なので代わりに先週、普通話の先生の家の近くの歯医者さんに予約を入れた。

中国語では「歯」は「牙」だから、歯をきれいに洗ってもらう(?)スケーリングは、意味そのまんまで「洗牙」と言うんだけど、改めてこう漢字で書いてみると、なんか妙。「洗牙」なんて、なんだか巨大なブラシで、トラの歯かなんかゴシゴシやってるみたい。
しかしもちろん実際にはそんなことはなくて、スケーラーでカリカリしたあと、すごく塩辛い味がする「噴漬 Air Polishing」で表面をきれいに磨いて(たぶん磨いているのだと思う。実際には何をやっているのか見えないので、わからない)お終い。ただこれも歯医者さんによって違うようで、前回別の歯医者さんでやってもらった時には、こんなに塩辛いAir Polishingではなかったように思う。ま、どちらにしても、痛くなくて、ちゃんと歯石が取れてさえいれば、私は文句はないのだが。

しかし歯医者に行き、すばらしい歯並びでにっこり笑うポスターや、数々の治療前、治療後の写真、矯正前、矯正後の写真を見るたびに、昔、昔、大昔の10歳の時に、通っていた小学校のまん前にあった歯医者さんの「矯正したら?」というありがたいお誘いを言下に断った自身の不明を恥じる。あの時断らずに受けていれば、今このどうしようもなくぐちゃぐちゃの歯並びで、歯磨きに苦労したり、虫歯に悩まされたりはしなかったろうに。それより何より、にっこり笑える、きれいな歯並びでいられたろうに。(ちなみに断った理由は“歯医者こわい”ではなく、家の経済を心配したためである。昭和40年代の10万円は大金だった。当時からケチくさい子どもだったのだ)

カナダの歯医者さんには、「4本抜いて矯正すればきれいになる」と言われたが、仕事しながら矯正歯科に通うのも容易ではない。それに矯正しないまますでに30×年が過ぎた。あと何年生きるかわからないのに、50過ぎてから矯正するのもなんである。それに第一、そうこうしているうちには、総入れ歯になれるやも知れぬ。健康にはよくないかもしれないが、4本も抜いて、ブレイセスつけての矯正より、そっちの方がよっぽど簡単だ。そうなれば生まれて初めて、きれいにそろった白い歯でにっこり笑える。歯だけジュリア・ロバーツ並にぴかぴかの70ばあさんてのも、乙なものだろう。

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らうとら

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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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