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味覚の不一致

ところで、いつも上機嫌で発言といえば冗談ばかり、さすが80近くても女友達がいる人らしく、空港で出迎えた時には「あれ、お義父さんてこんなにハンサムだったっけ?」と思ったくらい、身だしなみのよく気持ちのいいお義父さんだが(ただし体型は雪だるまである、念のため)、唯一困っているのが食べ物の好み。息子雪だるまと好みがほぼ反対なのだ。


ご承知のとおり息子雪だるまはベジである。鶏卵、乳製品は食べるが、肉、魚、海鮮は食べない。しかしお義父さんはごく普通のミートイーターで、牛も鶏も豚も羊も兎も何でも食べる。もちろん卵も乳製品も食べる。
また味付けの好みは、息子雪だるまは超薄味である。野菜なんぞはたいてい生のまま、何もつけずに食べる。サラダもたいていはドレッシングなしで食べる。味が濃いのは嫌いなのだ。
しかしお義父さんは、食卓に塩と胡椒がなくては食事が始まらない人だ。私が「けっこう味が濃いな」と思うものにでも、ガリガリと塩・胡椒を挽いて食べている。
ついでに息子雪だるまはアジア暮らしが長いせいで、醤油味、みそ味も大好きとまでは行かないまでも受け入れ可能だが、お義父さんにとっては醤油味はエキゾチックなソイソース味、みそに至っては発酵した豆味である(いや、まさにその通りなんですけどさ)。カレー味も好きではない。ナンプラーなど、言うに及ばず。


おかげで初日の夕食は無惨に失敗した。カテージチーズを使ったキャセロールは薄味すぎて物足りず、涼拌茄子は醤油味と上に振った摺り胡麻がエキゾチックすぎてアウト。サラダも味が薄く、お義父さんは食べられるものがなかった。


全然減らなかった皿を見て反省し、2日目はバター、クリーム味を増やして鋭意調整したが、まだ食が進むというほどではなく、お義父さんがぱくぱく食べてくれたのは3日目のベジ・ミートボールから。このミートボールは北米人向きに、酸味も甘味もかなり強いレシピになっているので、お義父さんのお気に召したらしい。


別に料理に命を賭けているわけではないが、まあまあ「おいしい」と思える食事と暖かくて清潔な寝具を供すのはホステスの最低限の務めだろうと思っているので、客人の食が進まず、食事の後、皿に料理が大量に残っているのを見せられると、意気阻喪する。
お義母さんは大変な料理上手だったが、お義父さんの現在の女友達は料理上手というほどではなく、したがって私の料理が今ひとつでもお義父さんが全然気にしないことはわかっているのだが、せっかく20時間以上も飛行機に乗って遠路はるばる来てくれたのに、毎日の食事が「・・・」ではかわいそうだ。息子と違い食べることが好きな人だけに、よけいかわいそうだ。


というわけで毎日あれこれ考えているのだが、父子ともに満足する食事を按配するのは結構むずかしい。まあ今夜はジム近くのベジ・レストランで食事することになっているから、少しは気が楽だが。
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HK観光団

金曜夜にお義父さんを空港に迎えに行って以来5日間、春節(旧正月)で土日と合わせて5連休だったのをいいことに、連日HK観光団と化していたのだが、きのうは失敗した。


午後から3人でオーシャン・パークに出かけたのだが、もう入り口からすごい人出。とりあえず中には入れたが、どこもかしこも夏の隅田川花火大会時の白髭橋付近並みの混雑。イルカのショーも、水族館も、くらげ館も、パンダ館も入り口付近で入場待ちの人たちが渦を巻いており、通路というか遊歩道も人でぎっしり。一応、各館のそばまでは行ってみたのだが、台の上に立った職員がメガホンで「約1時間待ちでーす!」と声を張り上げているのを聞いて、ともにせっかちな雪だるま父、雪だるま息子は「冗談じゃない」と、あっさり見学、見物を放棄。


未練がましかったのは私だけで、せっかく一人209元の入場料払ったんだから、せめてせめてケーブルカーだけでも乗ろうよと、ケーブルカー乗り場に誘導してみたが、当の乗り場に着く前に「お待ちのお客様が多く大変混雑しておりますので、乗車希望のお客様はしばらくケーブルカー乗り場先の休憩所でお待ちください」とのアナウンスが流れるに及んで、父子は「もう、いい」とギブアップ。太陽が出てきて気温が上昇してきた中、ぎっしりの人ごみを、隣の人とくっつき合って歩くのにも嫌気が差していた二人は、「帰ろう!」と言って、さっさと山腹の急勾配エスカレータを降り始めてしまった。
入場してからわずか1時間弱。見たのは“○×館はあっち→”という看板と、アジア的なにおいを漂わせつつさまざまな食べ物を売る屋台(遊歩道にやたらいっぱいあった)と、それに群がる大量の観光客だけ。やれやれ。


それでも出口付近に鳥園があり、オーシャンパークに来て鳥を見ようという人は少ないのか、すんなり入園でき、擦れ違う人も少なくゆっくり鑑賞できたのだけは救い。なにしろ5日間のうち3日は鳥を見ていたくらい、雪だるま父子は鳥を見るのが好きだし。
ついでに鳥園の出口付近にはなぜかカワウソやイグアナもいた。カワウソは飼育員さんにご褒美を貰いながら、ピンポン球拾いの芸をしていた。世界で一番小さい種類のカワウソとかで、大変かわいらしかった。


話が元に戻るが、色とりどりの鳥たちが地面に撒かれた虫(ある斜面にだけ、長さ2センチほどの薄茶色のミミズ状の虫が大量にいた。他の斜面にはいなかったので、自然に生息しているのではなく、エサとして特定の斜面に撒かれたとしか思えない)を、せっせとついばんでいるのを見ているのは面白かった。その前に、同じ鳥たちが半月型に切られたパパイヤや瓜を食べているのを見たときには「ああ、食べてるねえ」としか思わなかったのだが、鳥が生きて動いている虫を呑み込んでいくのを見るのは、いかにも“生態系”とか“食物連鎖”という感じがして、生々しくて面白かった。


ちなみに一応記録のために書いておくと、1日目に行ったのは又一城のショッピングモール(これは私たちの都合)と太子の花市(ここもすごい人出。チューリップ20150元)、2日目は午後お義父さんが睡魔に襲われてしまったため、夜、廟街に行っただけ。3日目九龍公園。園内を散策し、鳥園で鳥を見る。獅子舞に遭遇す。4日目九龍寨城公園。魔窟「九龍寨城」(日本では普通、寨が抜けて“九龍城”と呼ばれているみたいだけど)は取り壊された後、跡地は公園になった。HKにしては寒い日だったせいもあり、訪れる人はほとんどなし。閑散とした園内をゆっくり散策し、きれいに整えられた中国式庭園、池、ややしょぼい盆栽と園内に生息する鳥を見る。入り口付近にあった「九龍寨城」の模型が面白かった。窓もろくにないような唐楼(古いタイプのビル)が隙間なく立ち並んで、路地はまるで迷路。いかにも「三不管」(中国政府、英国政府、香港政府ともに手を出さない無法地帯)と言われた戦後の香港の魔窟という感じ。あの模型、欲しいなあ。いや置く場所ないから、模型のまた1/12くらいの模型でいいんですけど。


5日目が失敗のオーシャンパーク。話されている言語から察するに、大部分は大陸からの観光客と思われたが、それにしてもすごい人数。人気のないディズニーランドとはえらい違いだ。前回オーシャンパークに行ったのは10年ほど前で、その時はごく普通の週末だったので、どこもゆっくり見学でき、ケーブルカーにも乗れて楽しかっただけに、今回お義父さんになーんにも見せてあげられなかったのは大変残念だった。中国の休日になんか、観光地に行くもんじゃないと肝に銘じた。 今週末は日帰りでマカオに行こうかと思っているのだが、また人がいっぱいだったらどうしよう? 大陸の偉い人たちが博打に打ち込み過ぎるため中国政府が渡航制限しているから、だいじょうぶかなとも思うけど、マカオまで人だらけだったら雪だるま父子は着いたとたんに「帰ろう!」と言い出しかねない。人口密度の低い土地から来ているせいか、二人とも人ごみが大嫌いなのだ。どうせ父子とも賭博には興味ないのだから、カジノには近づかず、できるだけ人のいなそうなところを案内しよう。タイパ島の住宅博物館なんか、どうかしら?

そうじ完了

  • 2009/01/22 13:53
  • Category: 雑記
そうじ終った。できなかったのは、ブラインド洗いだけ。そのほかリストアップした事項については、すべて済んだ。ついでにカビ取り剤買ってバスルームのカビ取りしたし、ヒヨコマメ煮て冷凍したし、パン焼いて冷凍したし、つまり予定以上のことをやったので、やり残したブラインドについては無視で行こう。お義父さん、ブラインドの埃は見ないでね。


そういえば日本の古いドラマでは、嫁の至らなさを暗示する典型的手段として、姑が障子の桟に指を走らせ、ついた埃に眉をしかめるというのがあったな。最近は障子も少ないことだし、指を走らせるとしたら窓枠か。陽がさんさんと差し込む大きな窓だったりすると、障子と違って陰湿さが少し和らぐ気がするな。大きなフレンチウィンドウだったりしたら、どうするんだろう。身を屈めて、床と同じ高さにある窓枠に指を走らすんだろーか。大変だな。


というようなことをぐだぐた書いていることからもわかる通り、私は一般的な日本人の水準から見ると、極めて清潔度の低い日常生活を送っている。拙ブログを読んでくださっているのは全員日本人だと思われるので、いちいち具体例を挙げて読者諸兄姉の脳裏に不穏な像を結ばせ、平穏なる日常生活をかき乱すことは控えるが、きれい好きな人だったら「えっ・・・」と言ったきり絶句するようなことを多々やっている。


でこのあいだ雪だるまに「ウチって、あんまり清潔じゃないよねえ?」と言ったら「だからばい菌に対する抵抗力がついて、風邪も引かないし、病気にもならない。いいことじゃないか」という答えが真顔で返ってきた。そ、そういうものだろうか? 確かに子どもでも、過保護に育てられすぎるとちょっとしたことで病気になりやすいとは聞くが、ウチのはそういう「過保護」とか「お蚕ぐるみ」、またそれが亢進した「潔癖症」とか「不潔恐怖」レベルをはるかに下回った水準での話であるような気がしてならないのだが。



関係ないが、反省1件。私は昨日カビ取り剤を買うついでに「わさび豆」の小袋を1つ買い、1日でぜーんぶ食べてしまいました。買った「わさび豆」が期待したほど辛くなく、失望のあまり「下の方にはちゃんと辛いのが入っているのでは?」と次々探索したため、1袋ぜんぶ完食してしまったものです。次回はこのようなことのないよう、ブランドを確かめ、ちゃんと鼻につーんと来て涙が出るような真っ当な「わさび豆」を選んで、1日で1袋完食なんて事態が発生しないよう努力します。

水曜は掃除だ!

  • 2009/01/19 14:30
  • Category: 雑記
お義父さん来港まで1週間を切った。今週金曜の夜には、トーキョー経由で当地の空港に着く。雪だるまと二人で迎えに行く。
お義父さんに会うのは、そういえば3年半ぶりか。子どもではないので3年半会わなかったからといって、姿を見間違えることはないと思う。何しろ雪だるまとすごくよく似てるし。前にも書いたが、あの一族はだいたい全員、雪だるまなのだ。ことに女性陣の雪だるま度が高い。M叔母さんや、Y叔母さんは、エコノミークラスに乗るのは大変だと思う。お義父さんは彼女たちに比べれば雪だるま度が低いので、ちゃんとエコノミークラスで来る。20時間近く乗って来る。時差13時間なので、しばらくは昼夜逆転で過ごすことになると思う。


で問題はその前の掃除だ。実は水曜に会社を休んでフラットの掃除を敢行する。人形道楽に打ち込むあまり、週末の掃除をさぼっているので、とてもお義父さんを迎えられる状態ではないのだ。したがって余っている年休を使い、朝からきりりと鉢巻姿で各部屋に掃除機をかけ、モップで床を拭き、棚や置物の埃を払い、冷蔵庫を掃除し、ガスレンジを磨き、バスタブ&トイレを磨き、シャワーカーテンを換え、居間のブラインドだけは洗うが、他の部屋のブラインドは無視し、台所の窓だけ磨いて、お義父さんが台所に立った時「なんだ、この不思議な曇りガラスは?」と思わないようにし、そこここに点在する不要品を捨て、市場で花の一鉢でも買って、仕上げとするのだ。
(書いてるだけで、ハアハア息が上がってきた)


お義父さんは別に極端なきれい好きではないが、お義母さんがなくなってからも家は適度に片付き、気持ちのよい状態を保っている。したがって初めて訪問する息子1のフラットが「はあ?」な状態では気の毒なのだ。せめて身を横たえるのをためらわずに済む程度まで、清潔度を上げなくては。

ん? 寝具? 寝具はだいじょうぶよ。なにしろ全部新品だから。

新聞記事

  • 2009/01/16 17:32
  • Category: 仕事
5年間香港紙の翻訳を続けてきたが、いまだに香港紙の論旨の展開にはなじめない。
記事をそのままベタに翻訳すると、日本人にとっては非常に読みにくい文章が出来上がる。上段で述べたことと全くつながりのない情報が突然出てきたり、結論に至る論拠が希薄だったり。


昨日もある自動車メーカー(仮にA社とする)の優位性を分析する記事を訳していたのだが、A社に有利として紹介された新政策は、実のところどの自動車メーカーにとってもプラスとなる政策で、A社にだけ有利なわけではない。たとえばガソリン価格の値下がりは、基本的に全自動車メーカーにとって有利だろう。それがなぜA社にとってのみ、有利となるのか私にはわからない。
逆にガソリン価格が高騰し、しかしA社は他社に比べ燃費のいい車を作っているので有利、というのなら、わかるのだが。


また記事は「A社は競争力がある」と述べているのだが、その根拠はまったく記されていない。次席に聞いたら「A社に競争力があるのは周知の事実だから、根拠を書かなくてもHK人にはわかる」というのだが、販売実績を見る限りそうとも言い切れないし(昨年1月〜11月の販売台数順位では、トップ5にすら入っていない)、またたとえ事実競争力があるのだとしても、「競争力がある」とだけ書いて、根拠を示さないのはいかがなものか。「美味い」とか「美しい」などの全く主観的な判断ならいざしらず、競争力というのは数字に裏打ちされた客観的なデータとして記述されるべきものだろう。「競争力がある」とだけ書いて済ませてしまわず、根拠のひとつくらい欲しいところである。


さらに最終段では「A社の高級車Aの販売台数は、同じくA社の中級車Bを上回り、中国高級乗用車市場のトップに立った。だからA社の先行きは期待できる」というのだが、なぜ比較の対象が同じA社の中級車Bなのだ? 車に詳しくない私は最初、Bというのは別メーカーの高級車で、それに勝って高級車市場のトップに立ったから先行き安泰!という論旨なのかと思ったら、どっちもA社の車だった。わけわからん。


しかしながら私のこうした疑問は次席には全く通じず、上記「競争力があるのは周知の事実」やら「中級車より高級車の方がよく売れたなら、当然利益も多いだろう。だから先行き安泰」と、「何が問題なのかわからない」といった表情。
わたしとしては経済記事である以上、せめて高級車Aの粗利益率は△%、中級車Bの粗利益率は○%、だから高級車Aがたくさん売れると、よけい儲かる!という風に論旨を展開して欲しかったのだが、次席に言わせると「そういうのはリサーチ部のリポートみたいで面白くない」そうで。経済記事に対する好みの違いといってしまえばそれまでだが、なんだか不毛な議論でやや疲れた。この件で昨日はひとしきり反省。以降、かみ合わない議論を吹っかけるのは止めよう、と思った。

ジム服

  • 2009/01/15 16:39
  • Category: 仕事
朝からジム用パンツにタンクトップ&フリースパジャマのトップ、スポーツシューズという格好で出社。身体を縛るものなく楽ちんな上、ジムで着替えなくてもよい。怠惰かつ軸足完全私生活の勤労婦人とは思えない服装である。こんなことでいいのか、自分。


上司殿、出張で不在。こうなると次席と私の二人だけ。名刺の所属名称は○×金融△△部となっているが、二人で“部”? なんだかなあ。社内の他の部に比べ、規模小さ過ぎのような気がしてならない。お客さんだって、ウチの“部”に3人しかいないと知ったら驚くのではないだろうか。張ったりをかますのが商売のブローカーとはいえ、△△グループか、せめて△△課くらいに変えた方がよいのでは?と、謙虚なわたしは思う。だって何しろ事務服ならぬ、ジム服でご出勤だし。 

フリースとか

  • 2009/01/14 15:15
  • Category: 雑記
きのうお客様の一人から「HKの某銀行からネットで送金しようとしているんだけど、うまくできない。どうやるのか教えて」という電話があった。最初はウチの口座に送金しようとしているのだがうまくできなくて、それで電話してきたのかと思ったのだが、よーく聞いてみたら送金先は日本の某行だそうである。??? それでなんでウチに電話してくるわけ? ウチ全然関係ない○×証券なんですけど。それってまるで、三○東京UFJから三○住友へのネット送金ができなくて、野○証券に電話して聞いてるようなもんですがぁ?、と思ったが、まあ、そのHKの某銀行には日本語を喋れる人がいないのだろうと思って、わかる範囲で出来るだけ丁寧に答えておいた。といっても、自分は使ったことのない銀行のネットバンキングの方法なんて、ほとんど全く知らないが。
役立たずで申し訳ないが、その後電話がなかったところを見ると、送金できたのだろーか?

この冬、初めてフリースというものを買った。
定番タートルのトップと、パジャマ。
知らなかった、フリースって暖かいのねー!
毛糸のセーターより暖かいことを発見し、「うおお!」である。
ユ○クロ・フリースの爆発的ヒットから8年、今ごろ何を言っているんだと思われるかもしれないが、老人というのは流行に疎いものだし、まして普段は暖かい(というか熱い)HK、フリースの出番は少ない→買う必要性が低い、であったのだ。


でちょっとユ○クロさんの売上高などチェックしてみたら、088月期で約5800億円くらい。GAPとか、H&Mとか、インディテックス(ZARAなど)と比べると、ほぼ3分の1。来年(20108月期)には売上高1兆円を目指すそうだが、日本ではともかくHKでの品揃えは今ひとつ面白みに欠ける。中国市場での展開は、日本市場とは異なり「ちょっと高級な海外ブランド」という位置付けだそうだが、派手好き中華圏で、ユ○クロのベーシックに徹した地味さ(シックとも言えるが)は受けるのか? ようわからんである。わたし? わたしはZARAの方が好きよ。ZARAにフリースはないけど。

  • 2009/01/09 17:21
  • Category: 雑記
毎日、仕事→幽霊話翻訳の内職(報酬はハーゲンダッツと勝手に決め込んでいる私)→ジムで、格別なことなく、書くことなし。
しいて言えば、ジョゼ&ブライアン組が一足早いリタイアに向け、家を買ったことくらい。
ヒトんちのことではあるが、その値段に雪だるまともども「へー」と驚く。ウチが家を買うのは、都市から車で2時間、人口2万強の田舎、彼らが買った家はカナダ一の大都市の、しかも高級住宅地にある邸宅とあって、お値段ウチの予算の約10倍。素直にびっくりである。


ただジョゼもブライアンも趣味のいい人なので、高いばかりで不必要に豪華な、これ見よがしの家を買うはずはなく、それでこの値段となると、どんな風に凝った家なのか見せてもらうのが大変楽しみである。


さあて、わたしも人形買いすぎて住宅資金に手をつけないよう、気をつけなくては。何しろ住宅資金は私の担当だからな。2年半後、フタを開けてみたら資金は全部人形に化けてました、なんてなったら雪だるま、憤死してしまう。そしたら私は未亡人。気をつけよう。

小事

  • 2009/01/06 14:39
  • Category: 雑記
ガザへの爆撃が続いても「今日の中国語、テキストは何にすべか」とか「お義父さんが来る前に、あれとこれとこことあそこ掃除せにゃ」と、身の回りの小事にのみ目と脳(あるのか?)が向いているわたし。
昨年の年始の日記を読み返してみれば、“今年の目標”にあと2キロの減量と、フランス語の学習なんぞが挙げてある。確かに2月ごろはフランス語のCDを聞いておりましたが、んな目標、年の半ばには忘れ転げておりましたわ。おまけに8月以降は人形道楽を始めてしまい、以後まっしぐら。一昨日もつい魔が差して、黒人美女のドールをポチってしまった。人気がなくて対抗者がいなかったので、かなりの安値で落札。いいのか、こういうことで。


一昨日、知り合いから日→英の翻訳を頼まれた。テキストは日本の雑誌。当然ながら私がてきとーな英語にした後、雪だるまがまともな英語に校正するのだが、問題はそのテキストが怪談話で、訳してて馬鹿馬鹿しくて仕方がないこと。
犠牲者がたくさん出た火災現場に幽霊が出るって、そりゃ出るかもしれんが、だったら何なのよ? わたしだって出張に行く飛行機が墜ちて死んだら、「ちくしょー、もっと遊びたかったのにぃ!」と恨みのあまり幽霊になってウチに現れ、人形抱えてすたこら逃げるかもしれんが、だからって記事にしてくれなくてもいいぞ。HKの場末のアパートに幽霊が出るなんてこと知ってどうする? くだらん。


しかしまあ引き受けてしまったからには、とりあえずやるが。A46段組で計10ページの記事、意味のはっきりした日本語で書かれているので手間はかからないが、あんまりくだらなかったらアイスクリームくらいご馳走してもらおうか。ハーゲンダッツ食べたい。

謹賀新年「プライム・サスペクト」

  • 2009/01/02 15:33
  • Category: 映画
2日、お仕事始め。てか、31日も仕事で元旦しか休みじゃないんじゃ、日本的な“正月気分”には全然なれませんが。当然ながらおせち料理など全くなく、昨夜のメインディッシュはかぼちゃ。冬至と間違えてるか?てなもんである。


そのかぼちゃを食べながら何をしたのかというと、ヘレン・ミレン主演の「プライム・サスペクト」の第1話を見たのである。3時間余りの長丁場だったが、見る側をまったく厭きさせない、なかなかよい出来の映画だった。犯人と目される人物はハナから登場しているので(なんたってタイトルが「プライム・サスペクト」だし)、楽しむべきは謎解きではなく主役のヘレン(役名ジェーン・テニスン)をめぐる人間ドラマだろう。私自身、第一容疑者が本当に犯人かどうかより、ロンドン・サザンプトン・ロー署初の女性主任警部として、周囲の強烈な男性優位主義、恋人や家族との個人的生活(家庭と仕事の両立という、あの永遠に消えてなくならないうんざりするテーマ!)との軋轢の方に目が行っていた。


何しろ制作が90年代初めということもあって、周囲の男性優位主義がすさまじい。もともとケイサツはタフでマッチョな男社会だし、その中でも殺人課はことに“女なんかお呼びじゃない”ところ。しかも急遽トップに立つことになったジェーンの前任者は、課員全員に慕われていた太っ腹でさばけた男。その男が勤務中に心臓発作で急死しての後釜となれば、課員は最初からジェーンに好感は持ち得ない。情報を伝えない、命令に従わないなどは序の口で、陰であれこれ足をひっぱるなりふりかまわなさは相当なものだ。
こうした扱いは当然署内だけではなく、部下の男性と地方に行けば、相手は当然男性の方が階級が上だと思い(たとえその男性刑事が、頬ににきび跡が残っているような若い男の子でも)、部下の方に挨拶するし、被害者の父親は「女なんかじゃ話にならん。男を出せ!」と息巻く。


家に帰っても同じだ。主任警部になってから昼も夜も仕事に没頭しがちのジェーンに、同居の恋人のピーターは大いに不満で「君は自分のことしか考えていない」となじり、ある日地方での捜査が長引き、ピーターの大事な取引先を招いてのディナーに遅刻しかけたことをきっかけに、家を出てしまう。9時−5時勤務、残業なしの事務員じゃあるまいし、刑事稼業のパートナーにどうしてディナーパーティの料理人兼ホステスとなることを期待できるのか、私にはこのピーターの頭の中がわからない。昔からの男と女の役割分担概念は、いったいいつになったら消えるのだろう。ジェーンとピーターが男女ではなく同性同士のカップルだったら、ピーターは相手にそこまで期待しただろうか。男と女の二人組の場合、どうして女の方だけ常に仕事をした上に家事もすることを期待されるのだろう。いい加減、変わってくれよ、である。(ちなみにローリー・キングの探偵小説シリーズでは、刑事ケイトとセラピスト、リーの女同士のカップルは、ケイトが約束したディナーの時間に遅れるとリーは怒るが、出て行ったりはしない)


その“いいかげん、変わってくれよ”という、うんざりした思いは私一人だけではなかったのか、「プライム・サスペクト」の約15年後、2005年のL.A.が舞台の米のテレビドラマ“Closer”では、新任の殺人課チーフ、ブレンダは最初こそ“外から来た女”ということで課員の反感を買うが、プライム・サスペクトのジェーンほど足を引っ張られたりはしない。周囲も女が序列第2位(deputy chief)に立つことを、さほど違和感なく受け入れているように見える。恋人のFBI捜査官フリッツに至っては、ブレンダにいいようにあしらわれている。ブレンダのために料理する分でも、同僚を招いてのディナーパーティのためにブレンダが料理をするとは、夢にも思っていない感じだ。


TVドラマや映画、小説などは現実ではないが、現実をある程度映す鏡ではある。だからそうしたバーチャルな世界の中で、男や女の役割・立場や社会のありよう、人々の考え方が変わって行くということは、現実の世界でもそうした変化が起きているということなのだろう。50年代の映画、80年代の映画と今の映画を比べれば、社会が変化しつづけていることは明白だ。ある部分、あまりに歩みがのろいとは言える分でも。


新年早々こんなに長々書いたのは、仕事が午前11時で終ってしまったためだ。それでも5時半までは会社にいないと給料もらえん。学生と違って、途中でフケるわけにはいかんのだ。

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らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、米朝、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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