型の繰り返し

  • 2010/07/30 16:12
  • Category: 雑記
がさつな性格そのままに、いつも意固地な意見を乱暴に書き連ねているわがブログだが、読むのは心優しい繊細な文章や、柔らかく温かい文章、透徹した明晰な文章が好きだ。


昨日からお茶の稽古をしている方の文章を読んでいる。型の繰り返しの中に何かがあるようである。私は怖いので、なるべく自分の内側は見ないように、物事を深く考えないようにしているが、といって「毎日が楽しく過ぎていけばそれでいい」と思っているわけでもない。(第一、毎日はそんなに簡単に過ぎていかないし、考えまいと思っても考えざるをえないことが出てくるし)
何かを繰り返し稽古すると、何が見えて来るのだろう。
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中古着物

  • 2010/07/29 15:18
  • Category: 着物
相変わらずぼちぼちとベイで着物・帯をポチしている。最初に買った渋い茶系格子柄が雪だるまに不評だったので、その後3枚ばかりは朱橙とか紫とか、派手な色の柔らかものを購入。うち1枚などはこっくりした紅色の地に白梅がぼんぼん咲いている付下げ小紋で、どう見ても50婆さんが着る着物ではないのだが、「知るか」とばかりに常識を無視して購入。


それで届いたのを羽織ってみたら、これが茶系格子よりずっと似合う。茶色では貧相に暗く沈んでしまった顔色が、紅色や朱橙を羽織るとぱあっと明るく見える。まったく、やれやれである。これじゃあ私が好きな、シブ地味路線を歩めぬではないか。万筋とか細かい格子とか、遠目には無地に見えるような着物を、地味な帯でしぶーく着るってのをやりたかったのに、似合うのはハデハデ路線か。まあなー、顔立ちも体つきもキャラも“はんなり、上品”系じゃないからなあ。“常軌を逸した若作り”くらいの方が、キャラに合っているのかも知れぬ。まあ、いいや。どうせ周りに日本人はいないんだから、明るい色の着物を派手に着て、長く寒い冬を楽しく過ごそう。外は積もった雪で灰色、ウチの中でもぞもぞ動いてるモノも暗いカタマリじゃ、同居人も気が蓋がれるだろう。沈みっきりの太陽の代わりに、黄色や紅のカタマリが動いていた方がいいのかもしれない。


ところでこの3枚の着物、みんな1USD1015である。送料入れても13000円しない。確かにちょこっと染みがあったりもするのだが、じいいっと見ない限りわからない程度で、ほとんど気にならない。あんまり安いので、糸から反物、着物にまで仕上げた数多の方々に申し訳なくなるくらいだ。中古だからと言ってしまえばそれまでだが、それにしても有難い。ネットのある世まで長生きしてよかったよ。ついでに言えば、背丈が155センチしかないのもよかった。この背だと中古の着物は大体着られるのだ。三昔前の標準身長の威力。


って、中古の着物がちょうど合うってことはつまり、人間も中古ということだな、その通りだけど。

挙上重量回復

  • 2010/07/28 16:33
  • Category: 雑記
某氏にお願いしていた某書類、2週間以上忘れられた挙句、本日届いてみたらお願いした数種類のうち2種しか入っていなくて、回復不能なくらい力が抜けた。な、なぜ? ふだんはしっかりした仕事をする某氏なのに、なぜ今回に限ってころり2週間も忘れた上、大量に漏れているのだ? 何か別に非常に忙しい案件でもあったのだろうか? 理由はわからんが、私の方は仕事が進まなくて困っている。お願い、お願い、早く送って。


先週あたりから、ベンチプレスでの挙上重量が手術前の水準に戻ってきた。月曜は115ポンドで2回。75ポンドから始めて10ポンドずつ上げて行き、5セットめの115ポンドで2回なので、ウォームアップのあとすぐにマックスをやれば、たぶん120ポンドも挙げられるのではないかと思う。


いずれにせよ、術後4ヶ月ちょっとで元に戻れたのはめでたい。これで横腹のあたりでたぷたぷしているものがなくなればもっとめでたいのだが、これは食事を減らさないとなくならないだろーなー。減らすのはいやだなー。デスクワークでお腹が空くと、「お腹すいた」という言葉しか頭に浮かばず、翻訳ができなくなるのだ。外を動き回る仕事の時は、忘れていられるのだが。


それにしても体重だけを見れば、20代も今も大差はないのだが、脂肪の分布状況は大きく違い、私を感心させる。脂肪さん、脂肪さん、あなたはなぜ、体幹を下へ下へと移動するのだ?

『千と千尋・・』『豪姫』

  • 2010/07/27 17:06
  • Category: 映画
とらちゃんの反物は、あれよあれよという間に36ドルまで上昇し、私の手の届かない彼方に飛び去った。落札された方、おめでとさん。どことなくほのぼのした顔のとらちゃんを可愛がってあげてください。LCさんのおっしゃるとおり、おざぶとかにしたら楽しそう。テーブルクロスとか、タペストリーなんかにもなりそう。着物は・・・うーん、あれは着る人を選びますな。あれを着物に仕立てて着こなせる人って、どんな人だろ?

昨日の続き。『千と千尋の神隠し』、相変わらず説教くさい宮崎駿氏アニメ。でも日本の田舎の風景、風になびく草、生垣と色とりどりに咲く花々、彼方に向かって広がっていく海の美しさは、私の郷愁を強く誘った。あの日本の田舎を見ることは、もう何度もあるまいという思いからの感傷だというのはわかっているが。


そして千が働く油屋! 真ん中吹き抜けだけど、全体としては伝統的日本旅館に見える摩訶不思議な旅館。これで2階しかなければ西麻布の権○そっくり(?)だし、蒔絵つきのエレベータなんて、昔の目黒雅○園ホテルみたい。なーんか全体になつかしくて、ついにやにや。ストーリーは置いといて、そういう細部を楽しんだ。子供向けだからって、いつもいつも教訓を垂れなくてもいいのにねえ、宮崎さん。


『豪姫』は、いやー、宮沢りえちゃん、感動的に大大根!(だいだいこん、ではなく、“おおだいこん”と読んでください) 当時は素人に毛が生えた程度だったのだから仕方ないが、見ているこっちが赤面する。でもその彼女も、ほぼ10年後の『たそがれ清兵衛』では、へえ?という演技を見せるんだから、人間てのは精進すれば成長できるんですな。『トニー滝谷』(2005年)も悪くなかったし。あと30年くらいしたら、きっと素敵な婆さん役者になるんだろうな。私は見られないだろうけど。

『武士の一分』

  • 2010/07/26 17:26
  • Category: 映画
字幕を読むのに疲れたので、この土日は主として日本映画・アニメを見た。「武士の一分」「千と千尋の神隠し」「豪姫」。

木村拓也さんの演技を見るのはこれが初めてだと思うが、なんというか、えー、主役が彼になったのは“諸般の事情”というやつなのだろうか? 藤沢周平さんの原作でも主人公は美男子ということになっているので、不細工な人を選ぶわけにはいかなかったのだろうが、木村さんの場合、演技が見るに耐えないほど下手、というのではないのだが、では感心するほどうまいかというとそういうわけでもなく、と言って(病み疲れという設定もあって)震えるほどの美青年ぶりで演技の中途半端さを補ってくれるわけでもない。どうもどっちつかずなのだ。


たとえば先日再鑑賞した『ぼくの美しい人だから』のジェイムズ・スペーダーは、演技についてどうこう言う以前に、その若さと画面を圧倒する美貌だけで、年増のスーザン・サランドンとの関係の危うさを一目瞭然に見せつけた。役柄が違うのだから仕方がないと言えば仕方がないのだが、演技イマイチ、美貌イマイチでは、見ていておもしろくなし。


一方、壇れいさんの方は、なかなか目に心地よし。下級藩士の妻なので、つましい木綿の着物を、これまたつましい木綿の帯で着ている場面が多かったが、大きな目のかわいらしさで、つましい木綿すら愛らしく見えた。(帯を大きな文庫に結んでるのも可愛い。あの時代、武士の妻は文庫結びがデフォルトか?)日本に行って、金麦のCM見たいよお。


ついでに桃井かおりさん。『さゆり』といい『スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ』といい、最近私が見る映画では着物で現れては蓮っ葉な物言いをしてこちらの不快を誘う役ばかりだが、これは私の映画選択が悪いのか。ふつーに喋ってる桃井さんの映画ってないのかしら?

“バ○ナダイエット”

  • 2010/07/23 14:40
  • Category: 言葉
次席の日本語聞き流し学習は、暫時停止。原因は“バ○ナダイエット”だ。というか正確には“バ○ナダイエット”のパンフレットだ。次席殿、今週初めに「今日はこれ読んで」と、どこかのドラッグストアで買った“バ○ナダイエット”の箱に入っていた説明パンフレットを持ってきたのだが、これがざっと黙読してみたら、てにをはがめちゃくちゃな“なんちゃって日本語”。


「次席―、これ日本人が書いた日本語じゃないよ。間違いばっかりだから、こんなの読んでも勉強にならないよ」と返したら、「えー?私わからなかった。そんなにヘン?」と早速パンフレットにあったホットラインに電話「おたくの製品ていったいどこで作ってるわけ?日本人の友達にパンフレット見せたら、日本語全部間違ってるって言ってるけどぉ?」と追求していた。電話のお答えは「日本で研究して、製造はニュージーランド」だったらしいが、どこまで本当だか・・・。


日本語の書き方から見て、中国人が書いた日本語か、あるいは中国人が中国語の原文を日本語に翻訳したのだと思うが、印刷する前にネイティブチェックをかければいいのに。こんなおかしな日本語では、製品の信憑性すら疑われる。


まあもともと“○○ダイエット”なんて製品に、高い信憑性なんかあるわけもないし、第一中国市場で中国人相手に売る分には、それらしい日本語が書いてあれば十分で、その日本語が正しくある必要性なんて全然ないのかもしれないが。
でこれでがっかりしたのか、以来次席殿から「今日はこれ読んで」の依頼はない。

スタンスの差&とらちゃんの反物

  • 2010/07/22 16:54
  • Category: 仕事
先日上司殿の紹介で某社に入ったA嬢、今週から仕事を始めたのだが、さっき「日本語の翻訳を頼まれたんだけど、全然わかりませーん!」と上司殿に電話で泣きついてきた。


A嬢は本土出身の中国人だが日本の大学を卒業、ついこの間まで日本の金融会社で7年間働いていた人である。日本語も流暢に喋るし、日本語で書かれた決算書の中国語訳なんかお手の物だと思ったのだが、本人泣きそうに緊張してウチの会社にやってきた。(A嬢の勤務する某社とウチは、偶然だが同じビルにある)


締め切りを聞いたら3時間後だというので、仕方ない、私も手伝った。なんで私が上司殿の紹介の尻拭いをせねばならぬのか、ヘンといえばヘンだが、ま困って泣いている子を見捨ててはおけぬ。それに翻訳・通訳業の辛さは骨身に染みている。私も最初は(つーか今でも)訳語がわからなくて、辞書を引いても、ネットで探しても見つからなくて、しかし締め切りは迫り、目の前まっくら、冷や汗たらーりになったことは何度もある。今はさすがにわからなくても何とか誤魔化す術を身に付けたが、入社4日めの試用期間中では、そこまでの心臓はあるまい。


2人で分担して大急ぎで原文に訳語を書き入れ、あとはエクセルに入れるだけにし、A嬢はあたふたと自社に帰っていった。


送り出す時「HKの人けっこう大雑把だから、そんなに緊張しなくてもだいじょうぶよ」と言ってはみたが、A嬢はたぶん20代の終わりか、30代の初め。仕事に対する評価はそのまま自身のこれからの生活につながっていくのだから真剣だ。将来を考えなくてよい、棺おけに片足つっこんだ私とはスタンスが違う。私なんていつ首になってもいいやと思っているから、できそうもない仕事にははっきりと、しかもまるで頼む方が悪いと言わんばかりにエラそうに「できない」と言うが、首になるわけにはいかない人は「できない」は言えないよなあ。


もっとも私だって30代は真剣だった。だから必死でお勉強したんだし。



 
ところでさっきベイでこんなの見つけた。

とらちゃん模様の反物!






素材は綿なので、単の着物用かなあと思うけれど、仕立てたらいったいどんな柄行になるのだろう? すごーく、すごーく興味を引かれる。


走るとらちゃん






鞠を追いかけてるのかもしれない







休むとらちゃん






ただいまお値段 USD2.76

ビッドすべきか、否か。うーーーー。

しかしなあ、これで着物仕立てても着られんよなあ。

それとも虎の毛皮模様の帯と合わせて着るんだろうか。

すげー色物! 芸人まっさお。

HNは「らうとら」だけど、わたしの「とら」は虎とは関係ないのよね。



夏枯れ

  • 2010/07/20 09:40
  • Category: 中国
夏枯れというのは、夏場日照りが続いて田んぼや畑が干からび、作物が首を垂れることかと思ったら、そうではなくて「事業が季節的関係で夏期に不振状態となること。多く都会の商店・飲食店・劇場などについていう」(広辞苑)なんだそうだ。なんだ、商売のことだったのか。わたしはてっきり田畑のことかと思っていたのに。田舎育ちはどうも連想が自然に傾きがちだわね。


ま、ともかく私の頭も夏枯れです。不振状態です。季節的要因というよりも、単に構造的要因かもしれませんが。日々頭働かず、薄ぼんやり状態です。しかしそれでも日々は過ぎていきます。薄ぼんやりしているうちに7月も半ばを過ぎ、あと2週間すると8月。夏休みの時期であります。


今年こそ雪だるまといっしょに、夏休み家探しをかねてカナダに行くつもりだったのだが、飛行機代が2万元(約25万)を超えたので止めた。1週間しかいられないのに25万は払えない。その分来年の巨大出費(家&家具備品)に備えて取っておいた方がいい。


そういえば本日の新聞によると、今北京で家(例として挙がっているのは90平米のアパート)を買おうと思ったら、25年分の可処分所得が必要だそうである。昨年、北京人の収入は約10%しか増加しなかったのに、住宅価格の方は73.5%も上昇したから、一般家庭の支払い能力を激しく超えてしまったのだそうだ。


日本の新聞などでは時々「(現在の)住宅価格は平均年収の何倍か」といった記事を見るが、都内のマンション(約60平米)の場合ここ23年はだいたい10倍くらいで推移しているようだ。北京の方は面積が90平米で、日本の例の1.5倍の広さだし、可処分所得と年収の定義が厳密に同じかどうかも不明なので単純に比較はできないが、それにしても25倍はしんどいだろう。可処分所得というのは、課税前の収入から支出が義務付けられている税金と社会保険料を差し引いた残りだから、25年間飲まず食わず、電気もつけず乗り物にも乗らずでいないと、住宅は買えない計算。つまりふつーの勤労者では無理。


というような記事が出ている一方、政府は現在不動産市場引締めのため実施している3軒めの住宅購入に対する住宅ローン制限を緩和するつもりはないという記事も出ており、つまりオカネモチは1軒どころか、2軒も3軒も家を買っているわけだ。


「中国特色的社会主義」というのは、なかなか面白いものだ。

聞き流し学習

  • 2010/07/16 14:01
  • Category: 言葉
火曜以来、次席の依頼により毎日朗読を録音している。火曜に例のお客様からのメールを朗読&録音した時は、少なくとも23日は繰り返し繰り返し聞くのだろうと思っていたが、どうやら次席の計画は「毎日新しいのを聞く」であったらしい。よって、毎日新しいテキストを34分朗読&録音。いつまで続くやら。


私が学生だった頃は「語学テープ(そう、当時はテープだった)は、擦り切れるまで聞く」が普通だったように記憶しているが、最近は違うのか。語学サイトには“毎日聞き流すだけで○語力アップ!!”なんてコピーも踊っているから、聞き流すのが今の学習法なんかな。学習する方は毎日新鮮でいいかもしれんが、人間録音マシーンの方は、ややしんどいである。おまけにテキストが自分で翻訳した新聞記事だったりすると、誤字脱字やこなれない訳文などに改めて気づいて、げんなり。わたしこんなものをお客様に流してたのか・・・。

びんぼーひまなし

  • 2010/07/15 14:53
  • Category: 仕事
仕事(翻訳するもの)がありすぎて、自分の作文をしているヒマがない。
1日3本やると、右手首が限界である。仕上がり原稿を見るとたいした文字数ではないのだが、私の場合ミスタッチも多いし、最初にざっと訳して、その後推敲という手順でやっているので、完成原稿の3倍くらいの文字数を打っている。出来上がり原稿の文字数=キータッチ数ではない。(ま、これが=で結ばれる人なんて、いるはずないとは思うけど)

そして仕事に疲れて厭きてくると、ミスタッチが増える。漢字の変換間違いも増える。(これはIMEさんのせいも大いにある!とは思うけど) 最初と2回目と違う変換するのはやめてくれよ、IME! “焼く2.5%減”って、どーしてこういう変換をするのかねえ。

朗読

  • 2010/07/13 16:43
  • Category: 言葉
次席に頼まれて日本語の朗読を録音した。次席は日本の某大学卒業だし、日本語はそこそこできるのだが、毎日のお客さんとのやり取りの中で金融方面の語彙不足が痛感されるらしく、語彙の補充&聞き取り練習のために、私に朗読を依頼したのである。


最初、日経の記事でも朗読するのかなと思ったら、渡されたテキストはお客さんから来たEメール。最近の種々の案件についての問い合わせ、回答、要望等々。確かに非常に仕事に密着した内容で、即実践に使える語彙満載ではあるが、読んで面白いとは言い難い。しかしまあ、小説や劇などと違って感情を入れなくていい分、素人には楽である。いろいろなメールを10分くらい読み、ただいま喉イタ。


いくらネイティブとは言え、わたしはプロのアナウンサーではない。発音明瞭とは言い難いし、読み間違いもする。そんな素人が読んだもので聞き取り練習になるんかいな、と思ったが、考えてみると次席がやり取りする相手も素人の普通のお客さんで、なまりがあったり、発音がはっきりしなかったりする人が大半なのだから、その方がむしろいいのだと何秒か後に気づいた。


外国語の勉強し始めはプロが読んだものや、プロによる会話を聞いて聞く力を養うが、そのうつくしー発音だけを聞いていると、実際にその国に行き、その国のふつーの人たちと話そうとした時、相手が一体何を言っているんだか聞き取れなかったりする。中級以降は癖のある発音、喋り方の方が効果的ってか。

  • 2010/07/12 16:37
  • Category:
食卓の上に置きっぱなしにしてあった私の文庫本を手に取った雪だるま「この翻訳はヘン!」と一言。置いてあったのはP.D.ジェイムズの『死の味』。 この間オーディオブックで聞いた『An Unsuitable Job for a Woman』と『The Private Patient』が結構面白かったので、古本屋で同じ作者の文庫本を見た時ためしに買ってみただけで、原題どころか日本語の題もろくに覚えていなかったものだ。「そう? なんで?」と聞くと、原題は『A Taste for Death』で、『A Taste of Death』ではないから、このTasteは“味”じゃなくて、“嗜好”とか“好み”という意味のTasteなんだそうだ。「あ、そう」と納得したけど、だとすると何で出版社は邦題をあえて『死の味』にしたのかな。翻訳者と編集者がそろってこの程度の誤訳をするはずはないから、あえてこの題にしたのだと思うが、『死への嗜好』とかじゃ直接的インパクトに欠けるからだろうか。


それにまあ「タイトルは直訳でなくてはいけない」という決まりがあるわけでもないしな。原題が日本語になじまなければ、ぜーんぜん違うタイトルをつけることも珍しくはないし。今ぱっと浮かんだが、『赤毛のアン』だって原題は『緑の切妻屋根の(家の)アン』で、“赤毛”なんて言葉ひとつも入っていない。本の内容に誤解をまねくようなタイトルをつけない限り、原題から離れていても別に問題はないのだろう。


本だけじゃなく映画でも同じだ。こっちは本よりもっとインパクト命!だから、時として激しく原題とずれる。もっともその点から言えば、日本語より中国語の映画タイトルの方がもっとすごい。四字成語(四文字熟語)の影響か、西洋映画の中国語タイトルは漢字四文字でつけられることが多い。『ダイハード』が『虎胆龍威』で『キル・ビル』が『追殺比爾』、マット・デイモンのボーン・シリーズは『神鬼認証』、『ミリオンダラー・ベイビー』は『登峰造撃』、『マトリックス』は『黒客帝国』(黒客はハッカーのこと)『ゼアウィルビーブラッド』は『黒金風雲』。アクション映画だと、撃とか激とか虎とか龍とかの文字が多用されるので、一見しただけでは何の映画かよくわからない。意味も似たようなものなので、あれとこれとを取り替えっこしても全然困らない。HKの人は、いったいどうやって区別してるんだろうか?

ファイナル

  • 2010/07/09 15:30
  • Category: 雑記
雪だるまの上司兼同僚であるジョゼフ(オランダ人)は、月曜午前会社を休むそうである。ワールドカップのファイナルを見るためである。オランダ人だから当然オランダを応援するんだろうなと思いつつも、一応「どっちを応援してるの?」と聞いてみたら、これがスペインだそうで。なんで?と聞いたら、今回のオランダチームのプレイはディフェンシブ過ぎて好きじゃないからとのこと。私はサッカーを見ないので、ディフェンシブがどういう意味かわからないのだが、慎重すぎるとか受身すぎるということか? ひょろひょろーとした外見からは想像がつかないが、ジョゼフはもっと積極的、攻撃的なサッカーが好きなのだろうか。まあ、あそこの家は乳幼児も含めてお子さん2人とも男の子だから、いっしょになってテレビの前で熱く観戦するのかもしれない。


ウチ? ウチは見ませんです。ウチが観戦するスポーツは大相撲だけ。それも朝青龍がいなくなってから、雪だるまは観戦する意欲をなくしたようで、最近は千秋楽くらいしか見ようとしない。私自身は安馬時代からずっと日馬富士関がご贔屓なのだが、雪だるまが取り組みを録画しなくなったので、自然ご無沙汰。そういえば名古屋場所はどうなったのだろう?

気にしい

  • 2010/07/08 17:05
  • Category: 雑記
仕事やら私生活やらで気になっていることが、全部夢に出てきた。どんだけ気にしてるんだか・・・。私、そんな“気にしい”な人ではなかったはずなんだけど。


↑ と書いたのが、今朝。その後1日かかって、気にかかっていた仕事をほぼ全部片付けた。私生活の方は、今日ジムから帰ってから片付ける。これで安眠できるはずである。


またまた空のかなたに“出張”の暗雲がかかり始めているが、うまくすればこの黒雲は、軟調相場という強風に吹かれてどこかに飛んで行くかもしれないし、今から暗い気分で心配するのは止めよう。

ぼおおっ

  • 2010/07/07 17:22
  • Category: 映画
調子が悪いわけでもないのだが、なにか気分が乗らない。会社とジムと家を行き来して、ぼおおっと日々を過ごしている。合間には着物姿の若い娘を見て、またぼおおっ。背が高いと着物は似合わないなぞというが、そんなことは全然ないね。『桃葉の着物日和』の桃葉さんなど166センチだが、実に色っぽくきれいに着ていらっしゃる。胸から腰にかけての線が大変よろしい。『ツバキ庵』のマミさんも、たいへんセクシー。寸詰まりエンタシスのおばさんとはえらい違い。ため息。


先週末、香港映画『歳月偷神』を見た。1960年代後半の貧しくはあるが心豊かな香港を描いた、『Always三丁目の夕日』の香港版のような映画。登場人物の設定、ストーリーなど、まるっきり“典型的”を切り貼りしたパッチワークみたいなのだが、それをそれなりの映画に仕上げ、ベルリンでクリスタル・ベアを受賞した羅啓鋭(アレックス・ラウ)監督の手腕は見事というべきか。しかし「貧しくもけなげ」とか「身分違いの恋」とか「不治の病に冒される前途ある青年」とか、私は外国人だから、かなりクサイ演出をされても我慢できるが、地元の人間だったら少々鼻につきすぎるだろうと思う。だからネットに載ってた香港仔公国氏の「この映画の舞台が東欧か中東だったら、あるいはわかるようなわからないような日本だったら、すごく好きだったろうし、興味津津で面白くみただろう。ただ如何せん自分は地元香港人で、舞台になった場所を知りすぎているから、話に入り込めなかった」という感想には、大いに同感した。


知りすぎるほど知っているところの話には、人は厳しくなる。異国情緒、エキゾチシズムという甘い目くらましフィルターを通して見られないのだから当然だ。

香港仔公国氏のブログ:http://blog.age.com.hk/archives/3767

VCD整理

  • 2010/07/05 16:33
  • Category: 雑記
残り1年を切ったせいか、雪だるまがVCDの整理を始めた。(VCDというのは、DVDの廉価版。HKや中国、東南アジアではよく見る) 雪だるまは1年ほど前から、以前買ったVCDDVDへの買い替えを進めており、そうなると当然要らないVCDが大量に発生する。それを収蔵棚の山の中から見つけ出し、『救世軍行き』として積み上げるのだ。


買ったきり封も切っていないVCDも大量にあり勿体無い限りなのだが、彼にとって映画は私の人形同様道楽なので、無駄だの何だのは言わないことにしている。これで日本語の字幕もついていれば、日本の友人たちに上げてもいいのだが、いかんせん廉価版なので、字幕は中国語と英語だけだ。時にはそれすらない。しかも買ってから数年のものは画像が劣化している可能性もあり、やはり『救世軍』しか行き場はない。もったいないが仕方ない。

帯をしょった寒ブリ

  • 2010/07/02 14:50
  • Category: 着物

一昨日この間ポチした着物と帯が届いたので、嬉しがって雪だるまに「見て、見て!」と見せびらかしたのだが、案に相違して雪だるまには大変不評だった。着物の色柄が、生成色の地に錆朱と桑茶と青翠の格子という60婆さんでも着られそうな地味さで、帯も堅い風合いの白地の半幅と、ガイジンが想像するキモノ=華やかな友禅という公式から大きく外れていたのが、いけなかったらしい。


ベッドの上に広げた着物を一目見て「お婆さんの着物みたい」と渋い顔。「だって私これからますますお婆さんになるんだよ。若くはならないんだよ」と言い返してみたのだが「カナダで着るのなら、もう少し華やか(flashy)な方がいい」と言う。着物には季節や年齢や着ていく場所によっていろいろ決まりがあるのだ。50過ぎてあんまり派手な着物はおかしいのだと言うと、カナダでは誰も着物のルールなんか知らないからだいじょうぶだと、何日か前私自身が言っていたようなことを言っている。


「そんなこと言ったってねえ」とは思ったのだが、届いた着物を試しに羽織ってみると、確かにかなり地味だ。帯あわせで多少変わるとは思うが、着物自体はこれから20年、いや30年後でも間違いなく着られる渋さである。なんたって遠目にはくすんだ茶色の塊りにしか見えないのだ。普段に着るにはいいが、確かにおよばれとかには向かないかも。


しかも羽織ってみて気づいたが、張りのある生地のせいか広い肩幅と風格ある胴回りが強調され、大変立派な体格に見える。群ようこさんは某誌に掲載された自身の着物姿を「エンタシス」とか「プレーリードッグ」とか自嘲していらしたが、私もまさにプレーリードッグ。着物が茶色のせいか、まんま。ハンティングシーズンに林を歩くのは危険だ!と思えるくらいだ。(いやプレーリードッグを撃つ人はいまいけれど、小熊かなんかに間違われそう)


「これはやはり色柄と素材を考えた方がいいかもしれん」と思い直し、茶系や灰色系の紬なんかばっかりだった『欲しいなリスト』に、明るい色柄の小紋をどさどさ加えてみた。桜色に貝桶を刺繍した小紋なんか「誰が着るんだよ?」と自分で突っ込みを入れたいくらい不似合いな雰囲気だが、まあ検討してみよう。桜色なら間違えて撃たれることはあるまい。


ついでにいえば、風格ある胴回りも何とかした方がいいかも。「補正が要らない♪」なんて自慢している場合ではない。それでなくても着物の胴回りは、最少でも肌襦袢、長襦袢、伊達締め2本+下前のおはしょりを上げた分と、何重にも布が重なるのだ。群さんが「エンタシス」とおっしゃるのも道理、細い人でもそれなりの太さになるのだから、もともと太い私など紡錘形になるのは当たり前である。“帯をしょった寒ブリ”と言われないよう、少し食を控えるべきかもしれん。できそうもないけど。

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らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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