実は私が思っていた以上に、低水準だったのか・・・

  • 2011/01/31 10:30
  • Category: 言葉
先週某日、某書類を貰いに日本領事館に行ったら、お客さんの中に日本語も英語も大変きれいに話すお嬢さんがいて、大変うらやましかった。わたしなんか日本語はともかく、英語も中国語も、そしてこれから勉強するフランス語も、一生日本語なまりを色濃く残したブロークンのままだろう。書く方も同様。

この間も私が○大あてに書いたメールを見た雪だるまに「君がこんなに中国語を書けるとは知らなかった。英語よりうまいじゃん」と言われ、がああああん!としばらく背中を丸めた団子虫状態になったくらい落ち込んだ。

「褒められて落ち込むことないじゃん?」と思われるかもしれないが、私の認識では書き言葉に関しては、英語の方が中国語よりややましなはずなのである。それなのに雪だるまが「中国語の方がまし」と言ったということは、英語ネイティブの雪だるまから見て、私の英語は私が思っている以上に下手(私が低水準だと認識している中国語以上に低水準)だということである。これが、があああん!でなくてなんであろうか。

「中国語うまいじゃん」にしたところで、そもそも雪だるまは中国語ネイティブではない。私同様、中国語の文章の上手下手に関し、正確な判断力などないのだ。彼の言う「うまいじゃん」なんか、全然意味ないのである。したがって冒頭の雪だるまの発言からわかる事実はただひとつ。「私の英語は、実は私が思っている以上に下手!」だけである。失意体前屈。
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必要なのは忍耐、というか何事にも動じないいい加減さ

  • 2011/01/26 16:10
  • Category: 雑記
つまらないことだが、なぜ電話の数字の並びは電卓やテンキーの数字の並びと逆なのだろう。どちらかというとテンキーに慣れている私は、電話をかけるとき3を押すつもりで9を押してしまったりして、どうも間違えやすい。なんで統一されてないのかなあ。


↑ と思ってググったら、テンキーの並びはISO(国際標準化機構)、電話の数字の並びはCCITT(国際電信電話諮問委員会)で規格が統一されているので、並びが違うのだそうだ。理由はわかったが、不便なことに変わりはない。


2週間ほど前、やや違う名前で発行された○大の証明2通、再発行をお願いしていた返事が一昨日やっと来た。無事正しい名前で再発行されたのはよいが、○大は旧正月で215日まで休みだそうである。


発行を依頼したのが11月半ば。航空書留便であるにもかかわらず、HKに届いたのが112日。名前が間違っていたので再発行を依頼し、返事が来たのが2週間後。しかし旧正月の休みに入り、実際に受け取れるのはそれからまた3週間後。最初の申請から数えると3カ月がかりだよ。ほんと、気長でないとやってられない。

しかし割合せっかちの雪だるまは、私のビザ申請事務が遅々として進まないのでいらいら。720日の離港までにビザが下りなかったらどうするんだ? もっと気合を入れてやりなさいと叱られたが、んなこと言ったってねえ。


別に行くところがないわけじゃなし、ビザ下りなかったら日本に行くからいいもん!と憎まれ口をきいたが、3分の1くらいは本音だ。そりゃ家は買ったし、カナダはいいところだろうが、冬長すぎだよ。1年の半分以上、“冬”だもんねえ。まあHK1年の半分以上“夏”だから、一生で考えれば釣り合いが取れるのかもしれないが。

ヒッチコック3本半

  • 2011/01/24 22:09
  • Category: 映画

この前の週末見た『北北西に進路を取れ』が予想外に面白かったので、昨日、おとといはヒッチコックを3本半見た。『裏窓』『鳥』『トパーズ』と『マーニー』を途中まで。

 

サスペンスとしての面白さというより、あの時代のファッションと、それを着たヒロインたちが面白くて見ていた。ヒッチコックのお好みなのだろうけど、『裏窓』の裕福なガールフレンド(グレース・ケリー)や『鳥』の有閑お嬢様はもちろん、ファム・ファタールであるべき女スパイや女泥棒ですら、“今”のそうした役柄に比べエレガントでクラッシィ。

 

フレンチツイストにきちんと整えられた髪、シンプルで仕立てのよいスーツ、肌色のストッキングにハイヒールのパンプス、そしていかにもハンドバッグ的なハンドバッグ! この服装でヒロインたちは、立ち居振る舞いも上品に動き回るのだ。歩く時は背筋を伸ばして直線の上をきびきびと進み、椅子には浅く腰掛けて脚を斜めに流す。『鳥』のメラニーはボートを漕ぐ時ですら、きちんと脚をそろえている!(今のヒロインならたとえミニスカートでも、がっと脚を広げて漕ぎそうだ)

 

 

こういう動きのひとつひとつが新鮮で面白い。同じようなことは、たとえば『昼顔』あたりのカトリーヌ・ドヌーブや、50年代、60年代のオードリーの映画にも言えるが、ヒッチコックのヒロインたちは(そう思って見るせいかもしれないが)ヨーロッパ的な陰影がなく、わかりやすく上品なのがいかにもアメリカ的だ。たとえて言うなら、カール・ラガーフェルドの“上品”とラルフ・ローレンの“上品”の違いというか。

 

ついでにいうなら男性陣も上品。ジェームス・スチュワートもケーリー・グラントも、なんとまあ折り目正しくジェントルマンであることか!「ほんとにいい時代でしたねえ」と感心したくなる。そういえば最近の俳優さんで、こういう風に上品な人はあまり見ない。みんなどこかに下衆っぽさがある。たぶんそうでないと人気がでないのだろう。ディカプリオ然り、ブラッド・ピット然り。女優さんも同様。上品さで売った最後の女優は誰だろう?

今日はよい日

  • 2011/01/21 17:07
  • Category: 雑記
今週は諸般の事情で月曜にジムに行ったきり、火水木とサボったので肩痛し。肩こり解消のため今日こそ行きたいが、4時過ぎに来るはずの某お客さん、5時近くなってもまだ来ない。あんまり遅くお出でになると残業になってしまって、またジムに行けないんですけどぉ?


昼休み時代広場のBOSEに行って、IE2とかいうヘッドフォンをもらってきた。アジアマイルのポイント交換。BOSEのショールームはシンプル&スタイリッシュで、人が少なくて好き。ついでに応対してくれた青年がHKポリース並みに礼儀正しく親切だったので、ますます好き。たいへんよい気分でにこにこと長い吹き抜けのエスカレータを降り、会社に戻った。今日はよい日だ。


私もお客さんに「今日はよい日だ」と思ってもらえるような応対を心がけたいものだが、いかんせん性格がそのようにできておらず、あまり成功しない。顧客各位よ、わが不徳をお許しください。

HKポリース

  • 2011/01/20 17:39
  • Category: ビザ
きのう行ったHKポリースは、受付のおじさん警官も、担当の若者警官&女性警官もみんな大変親切だった。土曜に健康診断に行ったクリニックの看護士どのとは雲泥の差。それでいて料金は病院の10分の1169元!)なのだから、言うことなし。(いや、やることが違うんですから、料金を比べるわけにはいかないことはわかっていますよ。いますけど、でもつい比べてしまうです)


ところでHKポリースでは、生まれて初めて10指全部の指紋を採った。HK用は備え付けのスキャナーのような機械で電子的に、日本用は指に黒インクをつけて古式ゆかしく。途中で手数料を払いに別の階に行ったりしたが、全部で30分もかからなかった。窓口は4つほどあったが、お客は私のほかにもう1組だけ。一応電話で予約してから出かけるようになっているから、そんなに混んでるはずもないのだけれど、それにしても閑散としたオフィスで、閑古鳥があがあ。HKであんなに人の少ないオフィスって珍しいと思うのだけど、どうだろ?

さむい

  • 2011/01/19 15:18
  • Category: 雑記
日本も冷え込みが厳しいらしいが、こちらもここ数日HKとしては珍しい寒さで、ヒートテックと電気ストーブと電気毛布が手放せない日々。しかし先週の金曜、ヒートテックを買い足すつもりで行った会社近くの湯に黒はもうすっかり春仕様で、ヒートテックはすべて消えてサラファインの行列になっていた。うむ、残念。これでもう来シーズンまでだめだな。それともネットで買って妹のところに送り、次に行くまで保管しておいてもらおうか。うむむ。


ついでにお手ごろ値段の割りに肌触りが柔らかく着心地のいいタートルセーター(こちらは湯に黒ではなく、じょるだーのれいでぃす)も、今日行ったらすでに売り切れていた。残っていたサイズはXSXLの両端のみ。やっぱ真ん中は売れ筋か。


上司殿はなんとか新しい就職先が決まったもようだ。本格始動は旧正月明けからだろうが、まとりあえず居場所が決まって何より。彼は仕事大好き! 仕事生きがい!の人なので、行き先が決まらない間は哀れを催すくらい元気がなかった。これで少しはましになるかな。


さて本日はこれからHKポリース。日本&HKの分の無犯罪記録証明の申請。湾仔の警察本部と聞いていたので、わたしはてっきり税務大楼とか入境事務所とかのそばにあるのかと思っていたが、住所をよくみたらもっと金鐘寄り、もとのオフィスのそばだった。そうかあのビルは警察だったのか。そばを通っても別に警官の姿も見かけないし、入り口に警備の警官も立っていないから、わたしはてっきり某欧州系自動車メーカーのオフィスビルかと思っていたよ。

英国版 『Wild Target』

  • 2011/01/18 16:12
  • Category: 映画
長年愛読させていただいているおっとせいさんのところで、先日こういうかるたがあることを知った。http://www.gentosha-edu.co.jp/products/post-80.html


これ欲しい。




先々週末、比較のため2010年英国版の『Wild Target』を見た。1993年フランス版に1票!」と思った。雪だるまも同意見。主役を演ったBilly Nighyは悪くないし、女の子は英国版のEmily Bluntの方が美人で見ていて楽しいが(ただし雪だるまの意見では、演技は仏版のMarie Trintignantの方がうまいそうだ)、仏版に比べ“微妙なおかしみ”が少なく、なんだか平板な印象になっている。これはたぶん、主人公の強迫神経症ぶりの描き方が足りないせいだと思う。


仏版の方では、主役のヴィクターは自分が決めたルールに病的なまでにこだわる、人付き合いに不器用な人物として描かれる。細身の身体つき。きちんと整えられた髪と口ひげ。目立たない、しかし一分の隙もないグレーのスーツにきっちりと結ばれたタイ。家の中はすべてのものが定位置に置かれ一筋の乱れもなく、使わない家具にはプラスチックのカバーがきちんとかけられている。食事も曜日ごとに決まっており、それに応じて食品棚には月〜日までのラベルが貼られていて、買う物も決まっている。間違えて違う曜日の品を渡した肉屋は、ヴィクターに「今日は○曜日だ」と凍るような目で指摘され、慌てて品を包み直す。ひとりの時のヴィクターの日課は、テープに合わせ英語の学習をすることで、机に端座し動詞の変化を繰り返す。実のところ映画も英語の動詞の変化を暗誦しながら“仕事”に行くヴィクターのショットから始まるのだ。


こうした描写が重なることで、ヴィクターの“ちょっと変わった”パーソナリティー、秩序に対する異常なまでのこだわりと、人付き合いに対する臆病さと不器用さが強調され、だからこそやむを得ず?共に過ごさざるを得なくなった美術品詐欺を生業とするルネ(英版ではローズ)や、弟子のアントワーヌ(英版トニー)とのぎくしゃくした関係がおかしみを生むのだが、英国版はその辺の描写が足りない。足りないからヴィクターは割合ふつーの人になってしまい、ふつーの人だからルネやアントワーヌに感情的に巻き込まれてじたばたする理由が見えてこないし、じたばたぶりがおかしくない。この映画、一応はコメディなんだから、おかしくなかったら意味ないのだ。


ついでに言えば、ヴィクターの代わりに雇われる殺し屋その2も、仏版の方が役者が上だし、弟子アントワーヌに至っては、(ルパート・グリントさんには悪いが)ギョーム・ドパルデューの方がずうううううっと美貌&魅力的だ。ドパルデューの美貌なら、アントワーヌを殺し損ねてついつい弟子にしてしまったヴィクターが「私はホモか?」と悩むのにも説得力があるが、ルパートさんでは、こちらは「は?」と思うばかりだ。

健康診断

  • 2011/01/17 17:23
  • Category: 雑記
土曜日、健康診断のためカナダ政府指定の医者のところに行った。全然おもしろくなかった。


まず担当の看護士どのが機嫌の悪い時の私以上に愛想のないお方で、にこりともしない。受付で私の申請書を見て「連絡先の電話番号はひとつだけです。どっち?」「こちらは自宅で、こちらは会社です。どちらが便利かは、かける時間によります」「記入できるのはひとつだけです」口元ひきしめ、白の修正テープを構えている。なるほど、灰色の領域はないのだな。OK。では自宅のほうにしときましょう。


「このガウンに着替えなさい。前開きです。腰でベルトを結びます。荷物はこのロッカーに入れ、鍵をかけなさい」はいはい。「お小水の検査です。トイレはここ、検査容器はここに入れなさい。済んだら手を洗いなさい」わざわざ手洗いを指示するのは、不潔なるバイキンを医者殿につけないためかね?「X線の検査です。私の注意をよく聞きなさい。まずこのクリップで髪を頭頂部に上げなさい。ここにあごをつけ、両手は腰です」


万事この調子。途中、質問しようとしたら「Listen to me!」と一喝されてしまったし、昨年受けた手術の検査結果を入れた透明ホルダーを持ち歩いていたら「(荷物は全部ロッカーに入れろと言ったのに)これは何ですか」と咎められてしまったし、まるで刑務所の女看守か、セーラがびんぼーになったあとのミンチン先生みたいである。


めげずに愛想良く応対していたら、終わる頃には少し無駄口をきいたり、にっこり笑ったりしてくれるようになったが、やはり質問は許してくれなかった。胸に影があるとかでX線を2回撮ったので、2回目の画像には異常はなかったのかどうか聞きたかったのだが、私の質問は途中で遮られ「検査結果は来週木曜午後4時以降、電話で聞きなさい」という答えを繰り返されてしまった。ちぇ、不快。看護士には答える権限はないのはわかっているが、も少し愛想のある表現にしてくれてもいいんでないの?


腹立ちのあまり、帰りは店をひやかしつつウチまで歩いた。


ちなみに移民手続き案内によると、HKには島側に2人、半島側に2人、計4人の指定医がいる。しかし日本には指定医は全国に6人しかいない。東京に3人、仙台、神戸、福岡に各1。これでは地方在住者は、最寄の指定医のところに行くだけで1日がかりだ。まあ需要が少ないからだろうけど。


HKはなにしろ中国への返還が決まった一時期、怒涛のような移民ブームが起きたし、いまでも移民の数は少なくないから、たかだか600万の都市に4人も指定医がいるのだろう。もっとも私が行ったとこは、全然混んではいなかったけど。

脱力

  • 2011/01/12 17:44
  • Category: ビザ
広州の○大が去年の1116日に郵送してくれた書留国際郵便、今日の午後やっと、やっと受け取った。「ついに、ついに来たか!」と嬉し涙を流しそうになったが、中を開けてみたら証明書の中の私の名前、ローマ字のつづりが間違っており、別人とは言えないまでも、やや違う人になっていた。


嬉し涙から、一気に脱力した。


ああ、中国って・・・

覚えとらんがな、そんなこと!

  • 2011/01/10 17:13
  • Category: ビザ
上司殿がいなくなって以来、毎日の翻訳は自分で資料を選んでいる。面白そうなのを好きに選べるので、楽しいし翻訳しやすくてよいが、まじめに背景情報などを当たるとけっこう手間がかかり、前より暇な時間が少なくなった。また腱鞘炎になったりしないよう、気をつけなくては。


12月は出張やら上司殿のすったもんだで、移民に向けた書類獲得が余り進まなかったので、年明けから心を入れ替え、書類作成を進める。本日は健康診断のための医師とのアポを取り、昼休みには申請書類に貼る写真も撮り(出来上がりは疲れた表情の蓬髪のおばさん。美容院行って化粧してから撮り直した方がいいかしらん? 蓬髪のおばさんと身だしなみよいおばさんなら、身だしなみよいおばさんの方が、移民局の心証がいいんだろうな、たぶん)、ついで『配偶者用質問表』とかいうフォームに記入を始めたのだが、これがすこぶる面倒くさい。


(移民の保証人=スポンサーである)配偶者と最初に接触した年月日は? →雪だるまと最初に電話で話した日なんか、覚えとらんがな! 最初に会った年月日は? →覚えてなーい! でもインディアン・レストランに行って、カレーを食べたのは覚えている。あのレストラン、もうないよな。最初の出会いから二人の関係がどのように進展したか説明してください。二人で行った場所、参加した活動など記載してください。関連した写真や資料があれば添付してください。 →いつ、何をしたかなんて、もう覚えとらんがな。写真? 写真は撮らないの、私たち! 雪だるまが撮るのは植物と鳥、私が撮るのは風景と人形。スナップはなし。以上、おわり!


その後、結婚式はしたか(してない)とか、披露宴はしたか(パーティはした)とか、保証人である配偶者は、あなたの家族や親しい友人に会ったか? 会ったとすればその年月日は? とか、いろいろ質問があるのだが、私はなにひとつ明確に日付を覚えていない。


豪華ホテルで盛大な結婚式&披露宴をした人なら、十何年経っても日付ぐらい覚えているだろうが、タイレストランで友達呼んでやったパーティの日付なんか、だれが覚えてますかいな? おまけに家族や友達と最初にあった日? 家族の方はパスポートの日付を当たれば特定できるかもしれないが、友達なんか無理!ぜったい無理!

そもそもこういう質問は、出逢って間もない、あるいは結婚して間もない、あるいは偽装結婚の人のみ答えうる質問であって、10年以上いっしょに暮らしているふつーの夫婦は、こんなこといちいち覚えちゃいないである。勘弁してくれ。




でもフォームは埋めなきゃだめなんだろうなあ。あー、めんどくさ。

レニ

  • 2011/01/07 17:04
  • Category: 映画
昨日は腕時計を忘れ、昼休みのお出かけには机の上に置いている小型目覚まし時計をバッグに入れて携行。折々にバッグから目覚ましを出して、時間を確かめている図は我ながらおかしい。


さて先日の続き、レニの映画だが、この映画の中でレニは「政治と芸術は、2つの異なるもの」という意味のことを言い、芸術は芸術、政治は政治だ。2つは別々に考えるべきだと言っているけれど、これは難しいのではないか。政治状況というのはその“時代”の一部であり、芸術分野、作品によって影響の多寡はあるにせよ、“時代”とまったく無縁に創作活動を行うのはけっこう困難だと思う。


まあたとえば今の日本のような政治がほとんど力を持たない状況下であれば、政治に影響を与えない、政治から影響を受けない創作活動は可能だろうが、いかんせんレニが張り切って創作活動に励んでいたのは、政治の力が滅法強かった時代だ。感性鋭い芸術家が影響を受けないわけはないし、プロパガンダに熱心な政治家が、その鋭い感性を自己の利益のため利用しないわけがない。


それに検閲という問題もある。それが保身のため自分に都合の悪い創作活動者/物を取り締まるものであれ、あるいは高邁な理想に燃えるあまり、自身が“低劣にして公序良俗を乱す”と判断した創作活動者/物を取り締まるものであれ、古来為政者は下々の民による表現活動を野放しにしたりはしなかった。為政者(政治)はいつだって、芸術に干渉してきたのだ。

政治に利用されるにせよ、政治に取り締まられるにせよ、創作活動が政治から自由になるのは難しい。人の目の届かない辺境で、誰にも注目されずにたった一人で制作に励み、生み出した作品を発表しないのならともかく、作品を発表したり、その結果多少は人に知られるようになったりすれば、時の政治と関係なく創作活動を行えるはずなんかないと私は思う。


レニがナチを称揚することを意図したかどうかは別として、『意思の勝利』の映像は素晴らしく見るものを高揚させ、「もしかしたら祖国ドイツを救うのはナチスかも!」と思わせるだけの力があるのは本当だ。よく偶然、犯罪や事故にまきこまれてしまったひとのことを“in the wrong place at the wrong time”、まずい時にまずい場所にいたのが運の尽き、みたいな言い方をするが、レニの場合も当てはまりそうだ。溢れんばかりの才能を持って、あの時のドイツに生きたのが身の不運。フランスにでも生まれてド・ゴールあたりのドキュメンタリーでも撮ってれば、同じ戦意高揚映画でも生涯弾劾され続けるようなことはなかったろうに。

あるいはあの時代のドイツに生きたとしても、才能がなければ『意志の勝利』は駄作に終わり、鼻も引っ掛けられない代わり、ナチス称揚映画として戦後囂々たる非難を浴びることもなかったろう。才能があるのも良し悪し?

○○の公安にはつかまりたくなし

  • 2011/01/05 17:27
  • Category: 中国
次席には引っ越し前に新しい名刺が来たのに、私の名刺は来ないなあと思っていたら、ウチの部のダイレクター氏が「ま、ちょっと待って」と言ったのだそうだ。そうか、やはりそうか。クビにする気だから印刷してくれないんだな。そんならそうと、さっさとDismissal Letterをおくれ。


地元紙によると、何度か一緒に仕事をしたことのある某中国企業トップが、昨年12月中旬“○○市公安局”を名乗る人物2名に突然事務所から連れ去られ、まだ戻ってこないという。会社が雇った弁護士も面会を許されないそうで、会社としても詳細不明。“業務上横領”容疑だというけれど、会社の内部調査&独立第三者の会計事務所の調査でも、資金移動に重大な異常は発見されていないそうで、なんのこっちゃら。


一緒に仕事をした時の印象では、どちらかというと真面目で潔癖な感じで、業務上横領などしそうな人物には見えなかった。もちろん人の“印象”など当てになるものではないが、それにしても弁護士すら面会を許されないとは一体どういう取調べか。HK警察ならともかく、本土の公安には絶対捕まりたくないな。

謹賀新年 今日から仕事

  • 2011/01/03 16:20
  • Category: 映画
本日より通常勤務。元旦が土曜日にあたってしまったため、新年の休みは土日の2日間のみ。これでは通常の週末と変わらない。つまんねー。


昨年末の31日、私は会社から解雇通知が来るものと予想し身構えていたのだが、案に相違してし通知の“つ”の字もなし。「んじゃ、今日かな」と思ったが、今日も何もなし。ちょうど23日から旧正月休暇に入るので、解雇するなら1月末が絶好の機会と思っていたのだが、どうもそういう風にはならなそうだ。なんでかな? よくわからんけど、まあいいや。給料1カ月分、儲かった。


本年最初の映画は『Wild Target』 2010年の英国版ではなく、1993年のフランス版『Cible Emouvante』の方。『髪結いの亭主』で亭主役を好演したジャン・ロシュフォールが、強迫神経症気味の殺し屋をこれまた好演。弟子役のギョーム・ドパルデュー(ジェラール・ドパルデューの息子)の美青年ぶりも佳(37歳で死んでしまって実に残念) 1時間半楽しく鑑賞し、そのまま“私のお気に入り”棚に移動。新年最初の映画がハズレでなくてよかった。


次に『Die Macht der Bilder: Leni Riefenstahl』、レイ・ミューラーによるレニ・リーフェンシュタールについてのドキュメンタリー風映画。続きはまた明日。

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らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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