お間違い

先々週の日曜から、トップダウン、Vネック、ラグラン袖のセーターを編み始めたのだが、1玉以上編んだ火曜になってやっと、増やし目の場所を間違えていたことに気付いた。首から編み始めるトップダウンセーターなのだから、ラグラン線の両側で均等に増やし目していくに決まっているのに、なぜか私は(k1、yo、k1/表目、掛目、表目)の最後のk1で増やし続け、結果ラグラン線の片側だけ異様に増えていく、何が何だかわからないがとにかくセーターには絶対になり得ないぞ!なものを編んでしまい、しばし呆然。50段近く編んだ後だったので、何とかこのままほどかずに軌道修正する方法はないかとあれこれ考えたが、そんなうまい話があるはずはなく、結局「ばか、ばか、ばか!」と自分を罵りながら全部ほどいた。

増やし目の位置を間違えたのは、編み方のどこにも「ラグラン線の目印であるステッチマーカーは、増やし目の後、yoした目の次に移動させること」という指示がなかったからで、たぶんあまりに当たり前のことなので書いてなかったのだろうと思うが、この手のセーターを編むのは初めての私はそれがわからなかった。ために1段目でラグラン線の目印に入れたマーカーは、以降、奇数段で(k1、yo、k1)の増やし目のたびに移動されることなく最後のk1の次に置かれたままになってしまい、よってラグラン線(yoの目)の両側ではなく片側だけが倍の勢いで増やし目されて扇の如く広がり、回転するプロペラのような“セーターではないもの”に変貌を遂げた次第。

間違いがわかった今から見れば「あほかいな、まったく・・・」のお間違いなのだが、初心者とはそんなもの。それに同じRavelryのフリーパターンでも、日本の方がお書きになったパターンは親切で、懇切丁寧にrm、pm(=remove marker、place marker)の指示がある場合が多い。このセーターの前にそうしたパターンのひとつ、violettaさんの“Hinagiku Hat” を編んでいた私は、マーカー移動が必要な場合は指示があるものだと思ってしまっていたことも敗因のひとつか。(ちなみにこのHinagiku Hatは3目1度のデイジーステッチの編み地が楽しく、しかも大変暖かい。カナダで暖かいと感じるのだから、日本だったら十分以上に暖かいと思う。お薦めである) 

何にしても1玉経過時点で気づいてよかった。まあ、いくらのろまな人でもVネックの片側だけ異常に大きく広がっていたら、気づかずにはおれないだろうけれど。
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机、確保

  • 2012/11/23 08:55
  • Category: 雑記
考えて、迷って、財布と相談し、また考えて迷って1年、やっと決心がついて自分用の机といすを買った。机は60×115cm、引出も何もない一枚板、椅子も高さ調整はできるが肘掛はついていない、布張りのごく簡素なデスクチェアである。

実を言えば私は机といすを全く持っていないわけではなく、引っ越し当初「お願い、お願い、これを買わせて」という雪だるまの懇請とPuss in boots並みのうるうる目に負けて、


Puss in boots のうるうる目 ↓

puss in boots2


お揃いで買ったコンピュータデスクと椅子が地下の仕事部屋にあるのだが、何しろ雪だるまの使い勝手&体格に合わせて選んだので、しばらく使ってみたら私の使い勝手と体格には微妙に合わないことが判明。デスクトップ型PC用に作られた机は、ラップトップを置くと物を書くスペースはほとんど残っていないくせに、机の下にはラップトップには無用の長物のキーボード用引出が鎮座しているし、椅子は椅子で、革張りの大きな肘掛付きデスクチェアは見た目にはいかにもゆったりと楽そうだが、155センチの私が座ると床に足が届かず(店で試した時にはウェッジソールのサンダルを履いていたので気が付かなかった)、また座面が深すぎて背と背もたれとの間に隙間が開く。足元に足置き台、背中にクッションなど微調整は試みたが、サイズの合わなさは隠しようがなく、長時間仕事をすると背中と腰が痛くなり、ついでに足がしびれることがわかったので、今年になってからは両者ともにお払い箱。仕事は居間のソファでし、コンピュータデスクは単なる物置台、雪だるまのデスクの延長と化している。

しかし小学校入学から40余年、常に“自分の机”を持っていた私としては、使える机がないのは余りに不便。ことに仏語教室に行き始めてからは、夜、書き物ができる机がないのは大変不便で、それでなくとも支障がある学業に更なる支障を来すので、「ええい、金は使うためにあるのだ!」と日頃の、じわじわと減りつつある貯金に対する不安には一時目をつぶり、ついに大枚はたいて自分サイズの机といすを買ったのである。

そして夜、家の中で一番明るい場所、ウォークインクロゼットに置いた。知らない人が聞いたら「え、ウォークインクロゼットに机ですか?」と一驚する置き場所であることは認めるが、マスターベッドルームとゲストルーム、居間とDK、地下室という間取りのこの家には他に置き場所がないし、家中で一番明るい照明がついているのがここなのである。(2番目に明るいのはバスルームというかトイレの真上なのだが、さすがにここに机を置くのはちょっと・・・) それにどうせ日本風に言ったら4畳半くらいはあるこのウォークインクロゼットをいっぱいにできるほどの洋服は持っていないし、持つ予定もない。窓がなくて外が見えないのはちと残念だが、欲を言えばきりがない。なので、ちょちょいと奥の方を片付け、机と椅子と気に入りの本を集めた小さい本棚を置き、延長コードで電源を確保し、かくて大変明るくて暖かく、こじんまりと居心地の良い私の居場所が誕生した。

机を買って2週間、今は毎日夜になるとPCと本、編みかけの編み物などを持ってクロゼットにこもる。静かで明るくて一人になれる場所を確保して、私は大変満足である。

移民

そういえば毎月目を診てもらっているドクター・Sも移民である。一見してわかる中東系の顔立ちだし、雪だるまによればフランス語も流暢だが微かに訛りがあるそうだし、アシスタント嬢が「仏語と英語とアラビア語が話せる」と言っていたし、北アフリカあるいはレバノンあたりのご出身かもしれない。もうひとり眼科医への紹介状を貰うために診てもらった近所のクリニックのドクターも、やはりアラブ系のお名前&顔立ちだった。かつてフランスの植民地/委任統治領だったアルジェリア、モロッコ、レバノンなどでは今でもフランス語が広く普及しているせいか、フランス語圏であるケベックへの移住に抵抗がないようだ。すでに亡くなったが伯母さんのひとりの夫君もレバノン移民だった。その人は子供の頃に家族と共にケベックに移民した人で、フランス語、英語、アラビア語とあと何か1言語を流暢に話したそうである。

わが仏語教室を見てもわかるように、住民の9割以上をフランス系が占めているような田舎町のこのあたりですら、移民してくる者がいる。況やトロント、バンクーバー、モントリオールなどの大都市においてをや。10月末に発表された統計によれば、カナダ国民のおよそ5人に1人は自宅で公用語(英・仏語)以外の言語を使っているそうで、つまり少なくとも5人に1人は移民一世あるいは二世?、英・仏語圏からの移民と合わせれば、もしかして5人に2人くらいは移民一・二世? 
人口3500万で、毎年約26万人の移民を受け入れているそうだから、そういう比率になったとしてもおかしくはないが、まさに“多様性(diversity)”をその特徴とするカナダらしい現状ではある。(注記:自宅で公用語以外の言語を使っている=公用語は話せないではありませんので、念のため。上記ニュースを読んで誤解したコメントを寄せていた方があったので一応記します)


人は“移民”と聞くと、本国で食い詰め、先進国の豊かさのおこぼれに与ろうとやって来た低能力者集団、あげく(言葉や資格や差別の問題で)スキルの要らない低賃金労働くらいにしか就けず、あるいは全く就業することができず、結果さまざまな問題を引き起こし“社会のお荷物”となる厄介者、くらいに思いがちだが、当然ながら実際の移民の大部分はそうした存在ではない。そもそも移民がそういう社会のお荷物になるような人間ばかりだったら、どこの国も厳しい財政事情の昨今、わざわざビザを発給して受け入れるわけがないではないか。

もちろんどこの国にも不法に入国/滞留しているいわゆる不法移民はいるが、そういう人たちは別として私が個人的に知っている移民の大部分は真面目に働き、子どもを育て、社会の一員として立派にその責を果たしている。仏語教室で一緒のクラスメートたちについては、実のところお喋りがそこまで行っておらず詳しい状況は知らないのだが、家族でコンビニを経営する人、すでに働き始めていて授業を休みがちの人など、皆それぞれ自らの生活のため勤勉である。無料とは言え3時間の仏語教室に通ってくるくらいだから、もともと意欲的かつ勤勉な人たちが集まっているのかもしれないが、授業やゲームでの反応を見ていても皆なかなか頭がよく知識が豊富で、“無能で怠け者の移民”などという固定観念じみたイメージにあてはまる人など一人もいない。

だいたい今さら言うまでもないことだが、カナダは移民で成り立っている国である。早い話、first nationsと呼ばれている先住民の子孫以外、現在この国に住んでいる人たちはみないつかの時点でここに移り住んだ移民およびその子孫なのだ。雪だるまの友達のジョゼやドーン、KCやデイヴィッドなども彼ら自身はカナダ生まれでも、彼らの両親あるいは祖父母は移民だったわけだし、そもそも雪だるまにしてからがフランスからの移民の13代目、親戚一同みな移民の子孫。移民が社会のお荷物の劣等市民であったら、カナダは成り立たない。

ただ年ごとの移民の増加で、現在は以前に比べ状況が厳しくなっていることは事実だ。どこで読んだのだったか失念してしまったが、1980年以前に移民した人に比べ、移民数が増えて競争が激しくなっている現在は、移民後の経済的、社会的成功のチャンスが減っているそうである。したがって今後は、たとえ真面目に努力したとしても苦境から抜け出せない移民が増える可能性はある。もっともこれは移民に限ったことではないけれども。

仏語教室

  • 2012/11/12 01:43
  • Category: 言葉
引き続き月曜の9時-12時、水曜の1時-4時の週2回、仏語教室に通っている。1対1の授業ではないのでそこそこ余裕はあるはずなのだが、毎回3時間の授業が終わる頃にはもうへとへとで、車を運転して帰るのがやっとなくらい疲労困憊する。久しぶりのお勉強になけなしの脳みそが渾身の力を振り絞り、身体に行くはずの分のエネルギーまで消費してしまっているのだと思う。ほら、古い家電と同じで古い脳みそはエネルギー効率わるいから。

しかし授業そのものは楽しい。ジョゼ(先生)は50代、経験豊富らしく授業運びがうまい。3時間びっしりの授業の中、プリントと白板を使った一般的講義が続いて生徒が疲れてきたらゲームを入れてだれた雰囲気を活気づかせる、理解していなそうな生徒にはこまめに声をかける(ジョゼは仏・英・西を話せる)、できるだけ生徒に喋らせ、レベルに合わせ絶対に直した方がよさそうな部分は訂正して言い直させるが、基本的には“完璧な仏語”ではなく“意志疎通可能な仏語”を習得することに重点を置く。これはこの教室の目的が、仏語圏という社会環境の中で最低限機能できるようになること、だからである。総体的に見て、週6時間×6か月弱の無料教室としては、けっこういい線いっていると思う。

もっとも生徒の方も学ぶことに熱心で、飲みたくない馬に無理やり水を飲ませるようなアメ/ムチ指導の授業をする必要がないことも事実。居眠りや内職している生徒はいないし(全員でも10人前後、楕円形に机を並べた授業では内職のしようもないが)、問いかけにもちゃんと反応するし、子どもがやるようなゲームでもわあわあきゃあきゃあと熱心に参加する。先生も教え甲斐があろうというものである。

この授業参加への熱心さは、明るく積極的なラティーノがクラスの半分以上を占めているせいかもしれない。中南米スペイン語圏からの生徒はその後また2人(キューバ1、チリ1)増え、計7人。他言語を圧倒して一大勢力となっている。しかもみんなよく喋る。スペイン語⇔フランス語の類似性のせいだけでなく、仏語がまだよくできない子もスペイン語で怒涛のように喋る。授業中だとか、ジョゼが喋っている最中だとかはあまり気にしない。スペイン語はわからないので何をしゃべっているのかはっきりとはわからないが、推測するに「えー、これどういう意味ぃ?」とか「そういえばこの間・・・」とか、授業に関係あることもないこともごちゃまぜで思いついたことを喋っているように思える。これにはジョゼも時々閉口していて、「ん、っん・・・!」と咳払いして注意を促したり、時には喋っている二人の間に立ちはだかって「こら!」と注意したりしているが、神妙な態度になるのは一時だけである。

と言って、私が見た限りでは、授業を軽視しているとか、先生に敬意を払っていないから喋っているというわけではない。ただ単に授業におけるあるべき態度の規範が違い、授業中喋るのはある程度まで許容範囲だからあまり気にせず喋っているという感じである。口がある人間が喋るのは、咳やくしゃみと同程度の自然現象かね?と思わないでもないが、私はあまり気にしていない。多少うるさくても活気のあるクラスの方が、死んだように静かなクラスよりずっとましである。若い娘たちが小鳥のようにぴーちく喋るのを聞くのは楽しい。たとえわからない言語でも。

編み針

先日、eベイで中国製編み針のセットを買ってみた。ひとつは16インチ輪針のセット(米サイズ0号~15号の15本入り)、もうひとつは5インチのDPNのセット(米サイズ0号~11号、5本組DPN13組入り)である。ともに針の部分は竹製。最近、帽子やら手袋やらレッグウォーマーやら“輪”状の物をよく編むのだが、手持ちの長めのDPN(8インチ/20cmが主)では手袋は編みづらく、また帽子を編むにはDPNよりも輪針の方がずううっと編みやすいので、思い切ってセットを買うことにした。

理由はその値段である。何しろ安かったのだ。輪針セットは約19ドル(本体14.98ドル+送料3.99ドル)、DPNは入札式だったのだが競争者があまりおらず、1.25ドルという作り手に申し訳なくなるような安さで落札。送料4ドルを入れても5.25ドルと、普通の5本針1組分程度の価格で13組を手に入れた。

何しろこの安さだったので、品質については高い期待は抱いておらず「ま、そこそこ使えればいいや」くらいの気持ちだったのだが、なんのなんの。輪針の方は竹針に透明ビニールチューブを繋いだだけという超わかりやすい造りで、チューブが針とほぼ同じ太さなため、細いコードで繋がっている交換式輪針などに比べやや編み地の滑りが悪いが(特に最初の1~2段)、編み進むと滑りの悪さは薄らぐので、ストレスを感じるほどではない。針先は削りがやや甘く、左右で尖り方が違っていたりもするが、十分滑らかで糸が引っかかったり、割れたりすることはない。竹針にチューブを繋いだだけという単純な造りも、無理に引っ張ったりしてチューブが外れたらまた簡単にはめ直せそうで、壊れた場合自己修理は難しそうな交換式輪針より却ってお手軽かも。

DPNの方は、これまた針先の尖り方は1組の中でもシャープに鋭いのもあれば、やや丸めなのもあるという風で失笑を誘うが、13組セットを100円で買ったと思えば文句は言えない。そして3ミリのセットで「右上3目一度」を多用するレース模様のレッグウォーマーを編んでみたが、針先の尖り方の違いが編みづらさにつながるということはなく、十分快適に編めた。複雑な模様編みをなさる方や、今後末永く編み物を続けていこうと考えていらっしゃるお若い方にはお薦めするとは言いかねるが(その場合は、できれば定評あるメーカーの、品質のいいのを買ってね)、私のような“編めてもあと10年”の素人ニッターには十分の品質と思う。

私は輪針セットは「mnft651」さんから、DPNセットは「kashi6688」さんから買ったが、さまざまなセラーがさまざまな値段で、同じような輪針、DPNの単品やセットを販売しているので、ご興味がおありならチェックなさるのもよろしいかと思う。

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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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