停電

  • 2013/12/30 21:54
  • Category: 雑記
今朝は朝の3時近く(たぶん)に突然家中停電し、私の肝を冷やさせた。
そんな時間に停電していることがわかったのは、ベッドサイドの電気時計の表示が消えたからである。最初は私が枕かなんかを蹴落として、コンセントが緩んだのかと思ったが、反対側のベッドサイドに置いたPCも電源接続表示が消えている。まさか枕を両側に蹴落としたはずはないので、これは停電だとわかった。

確認のため起き上がって電灯のスイッチを入れてみると、案の定反応なし。ふだんは近寄るだけでほわほわと熱気を感じるヒーターも、ひんやりと冷たい。

寒がりの私はここに至って愕然。今まで短時間の停電は何度か経験しているが、どれも夏場で1、2時間停電したからといって即生活に支障が出たわけではなかったが、今は冬の真っ盛り。外気温が零下20度の時に家の暖房が止まるのは、冗談では済まされない。

しかし「電気がない!」と雪だるまを揺り起こしても、半分寝ぼけた雪だるまは意味を理解せず、英語に切り替えたら意味は理解したが、“Ah...”と言ったきりまた目をつむり、“Go back to your bed”と自身また寝入ってしまった。緊張感のないやつ!と思いはしたが、確かにたとえ暖房停止の停電だろうと、夜の夜中に個人ができることはない。さっさとベッドに戻って、まだ体温で暖かい夜具にくるまり、暖気を保持する方が利口である。

で私もベッドに戻って眠ろうとしたが、「さてこの停電が続いたらどうしようか。電気がなければ食事の用意どころか、お茶の湯すら沸かせないし、第一暖房がなければ今は暖かい室内も、いつかは外気温と同じになる。零下20度の家の中を、ダウンコートに手袋、防寒ブーツでうろうろしているのは今いち冴えない。ジェネレータのあるお義父さんちか、暖炉のある叔母さんちにでも避難するのが得策かな」などと考えて目が冴える。

そのうち夜具の下の足が、だんだん冷たくなってきた。私は外気温に敏感に反応する爬虫類のような体質なので、気温が下がるとすぐ手足が冷たくなるのである。「やれやれ、暖房が切れてから1時間以上経つから、室温が下がって来たんだな。仕方ない、起きて靴下でも履くか。あ、でもベッドから出ると寒いよな」とぐずぐず。

そのうち真っ暗な中、ピッ!と何かの電源が入る電子音がし、ベッドサイドの電気時計の表示が戻った。4時55分。反対側のPCの電源接続表示も点灯した。2時間ほどの停電が終わり、電気が戻ったのである。何の理由で停電したのかは不明だが、復旧したのは酷寒の夜中にハイドロケベックの人たちが作業してくれたからに違いなく、衷心感謝。おかげで今はこうしてPC相手にブログ更新もできるし、電子レンジでお茶を温めて飲むこともできる。電気もつき、当然暖房も入っている。ダウン、手袋、防寒ブーツなしでソファに座っていられて、ありがたい。
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休暇明け

  • 2013/12/29 23:35
  • Category: 雑記
クリスマス休暇明けの27日は、みなクリスマスの間、運動もせずにさんざん飲み食いした罪悪感に駆られたと見えて、ジムの駐車場はいつになく車でいっぱい。中もふだんの1.5倍くらいの人がいて、わいわいと満員御礼状態だった。

私と雪だるまも24日からの御馳走攻め&運動不足で、お腹がぼてぼて。体重増加がはっきりわかる身体の重さだったので、メニューを増やして運動に励んた。緩んでしまった筋肉と増えてしまった体重は、1回運動したくらいでなんとかなるものではないが、しないよりはまし。久しぶりに身体を動かすのは、気持ちいいし。

ついでに今は学校が冬休みなので午前中にジムに行け、顔なじみのメンバーにたくさん会えたのも楽しかった。仕事や家事の都合からか、ジムに来る人たちはみな、ある程度決まった時間に現れる。たとえば午前中は近所の奥様方とリタイア後のオジサンたちが多く、午後は時間が自由になる若い男の子たち(時間が自由になるのに空いている午前中に来ないのは、ワカモノは朝寝坊だからである)、夜は仕事を終えた20代~40代の男女という具合。

で私たちは午前の「近所の奥様&リタイア後のオジサンたち」組に属していたのだが、毎日午前中に学校があるようになってからジムには午後にしか行けず、それまで2年間顔を合わせていた人たちに会えなくなって、寂しく思っていたのである。

しかしこの日は午前中に行けたおかげで、例の散歩友達のマダムBと彼女のBFのR氏、いつも冗談ばかり飛ばしているミスター・グッドワイフことセルジュ氏、麦畑に降りていく途中の坂道の大きな家に住んでいるX氏、いつもガムを噛んでいる人相の悪いオジサン、白髪をおかっぱにした私より小柄なマダム・リュネット等々と会え、別に全員を挨拶を交わしたわけではないが、なじみの顔を見られて嬉しかった。

ちなみにセルジュ氏を“ミスター・グッドワイフ”と呼んでいるのは、CBSの番組「The Good Wife」で主人公アリシア(=The Good Wife)の夫役を演じているChris Noth によく似ているからである。ただしセルジュ氏の性格はドラマ内の人物とは全く異なり、口をついて出てくる言葉は冗談ばかりという超明るいお人柄。いつだったかのバレンタインデーには奥さんに「これはマルチ・エクササイズ・メンバーズカードだ」と言ってタンポンを1箱贈り、激怒する奥さんに「だって箱に“これがあれば水泳でもスキーでもジョギングでも何でもできる”って書いてあるぞ」と抗弁したとか。

彼は昨日も雪だるま相手に「今年のクリスマスはサンタに“僕をもっと強くしてください”とお願いしたんだが、どうもあんまり強くなっている気がしない」と言って、頭を振っていた。雪だるまは「効果が出るまでに時間がかかるのかもしれない」と調子を合わせていたが、さてセルジュ氏、来年はどーんと強くなって、プレート6枚、軽く挙げたりするのだろうか。

chrisnoth.jpg

これはセルジュ氏ではなくて、Chris Noth氏。
そう、彼に似ているセルジュ氏は割合ハンサムなんです。

ハウスシッター

  • 2013/12/24 22:20
  • Category: 雑記
トロントに大雪が降って、一部地下鉄が止まったり、停電になったりしたと聞いたので、雪だるまが「君たちのところはだいじょうぶか?」と、この夏泊めてもらったジョゼ&ブライアンにメールを出したら、なんと彼らはブライアンの姪たちにハウスシッターをまかせ、1週間ほど前から南カリフォルニアに滞在中なのだった。実のところ彼らは家族内のいろいろな行事や用事で11月の半ばからトロントにはいなくて、カルガリーやらバンクーバーやらを転々と移動し、最終的に南カリフォルニアにたどり着いたらしい。「No snow here--just sun, sun, sun. 」と、嬉しそうに書いてきた。

どちらかというと学究肌で、南カリフォルニアなんていうお気楽な避寒地に興味があるとは思えないジョゼ&ブライアンが、そんなところで何をしているのかと思ったら、彼ら自身休暇を兼ねて友人のハウス&猫シッターをしているのだそうである。そこの大学で明代の歴史を教えているジョゼの友人から、家族とクリスマスを過ごすために出かける間のシッターを頼まれ、快く引き受けたということらしい。代わりに、その友人もいつかトロントで過ごしたくなったら、ジョゼ&ブライアンのためにハウスシッターをしてくれるはずだそうで、長期に家を空ける場合、まったくの無人ではいろいろと不用心だから、友人や家族の間でハウスシッターをしあうのはなかなかよいシステムである。

彼らは年末まで同地に滞在の予定だそうで、「メキシカンフードとタイの外で食べた中では最高のタイ料理を大いに楽しんでいる」そうである。ろくな料理屋がない当地住まいの身としては、やや羨ましい。ついでに彼らがシッターをしている猫が大変人懐っこくて可愛らしく、いつも人と同じ部屋にいたがって昼は彼らが座っているソファに一緒に寝そべり、夜は夜で彼らが眠るベッドの隅で丸くなってごろごろ喉を鳴らしていたりするのも、同地滞在のハイライトのひとつだそうである。犬猫好きとしては、これもちょっと羨ましい。

しかし何と言っても一番羨ましいのは、雪がないことである。今年はことのほか雪が多く、一昨日も昨日も雪! まだ12月なのに、もう去年1年分くらいの雪が積もっている。スノーブロアーがあるとはいえ、ほとんど毎日のように雪かきをするのにはいいかげんうんざりしてきた。当地で生まれ育ち、もう70年以上住んでいる叔父さんですら、先日「どこか雪のないところに引っ越したくなってきた」と呟いていた。昨日スーパーでもらったフリーペーパーの1面は、雪に埋まった車を掘り出している男の人の写真で、見出しは「Aucun répit !(Without break !)」。燦々と降り注ぐ陽射しの下にいるジョゼ&ブライアンが、心底羨ましい。

クッキー雪辱戦

昨日は1日雪かきと菓子作りに明け暮れてしまい、ために当ブログに書けるようなトピックなし。

先日「菓子でも焼こうか」と書いた時には、真ん中にジャムをのっけたクッキーを焼き、これはけっこう美味しくて、遊びに来たお義父さんなど、小さくもないクッキーをあっという間にぱくぱくっと3つ4つ平らげていったくらいだったが、昨日焼いた3種はどれも今ひとつな出来で、おかげで本日もまたクッキー焼き。雪辱戦である。

ここまでまなじり決してクッキー焼きに励んでいるのは、今日の夜訪問する予定の叔母さんと、例のお散歩友達のマダムBにクッキーを持って行こうと考えているからである。ことにマダムBは毎日午前中、学校に行くようになってから、ほとんど会っていない。借りたまま返してない雑誌もあるし、ここはひとつクッキーでも持って「Joyeux Noël !」と言いに行こうと思ったのである。

でまあクリスマス定番のジンジャーブレッドクッキーとか、アーモンドスライスを乗せたサブレみたいのとか、胚芽入り健康クッキーとか焼いてみたのだが、上にも書いたようになんかちょっと今いち。不味くはないが美味しくもない、という素人によくある出来になってしまった。しかもジンジャーブレッドクッキーは、飾りのアイシングがゆるすぎて描いた模様が流れてしまい、笑ってたはずの顔が泣き顔状態。抜き型を買った店で売っていた出来合いのチューブ入りアイシングを買わなかったことを、激しく後悔した。泣き顔のジンジャーブレッドマンなんて、ありますかいな?

本日は、もうこれ以上失敗している時間的余裕はないので新作に挑戦するのは止め、作り慣れているチョコチップやジャムクッキーなど無難に行く。インパクトには欠けるが、“きれいだけど美味しくない”ものを贈るよりはましだろう。

ちなみに昨日あんなに雪かきをしたのに、本日もまた朝から雪。“Winter Storm Warning”まで出ている。まったく今年はよく降る。ホワイトクリスマス用にはもう十分だから、そろそろ止めてもいいぞ、雪の神様よ。




IR動詞の見分け方

  • 2013/12/19 22:02
  • Category: 言葉
仏語教室、超基本動詞の Avoir(have)や Être(Be)、ER動詞を経て、昨日はIR動詞(第2群規則動詞)に入った。IR動詞というのは、finir(finish)や bâtir(build)のように、不定形の時、語尾がIRで終わる動詞のことである。

で、このグループの動詞は
je finis
tu finis
il finit
nous finissons
vous finissez
ils finissent

注)語学的に正しい語尾は、それぞれ(s、s、t、ons、ez、ent)なのだが、教室では実用に即し、上記のように i 以降を語尾として学習した。


というように活用する、と習ったのだが、まったく面倒くさいことには、IRで終わるすべての動詞が、上記のような活用になるわけではない。たとえば“courir”(run)は、IRで終わってはいるが、活用は以下の如く、ちっとも(is、is、it、issons、issez、issent)にはならないのである。

je cours
tu cours
il court
nous courons
vous courez
ils courent

しかも、例外は“aller”しかないER動詞とは異なり、IR動詞は例外がけっこう多く、見ただけではどれが第2群に属し、どれが属さないのか、全然わからない。

そしてこの見分け方についてジョゼは昨日、「活用してみて、nous ~issons にならない動詞は、第2群じゃないのよ」と宣ふたが、これはまったく「おいおい、勘弁してくれよ」な見分け方である。ネイティブとして小さい頃からフランス語に囲まれて育った人なら、自分でもごもご活用してみて「うん、OK」とか「なんか、ヘン」とか思えるかもしれないが、その単語を知りもしない外国人がいくら活用してみたところで、その活用が正しいかどうかなど、わかるはずがない。私なんか平気で“nous courissons”と活用し、どこがおかしいのかちっともわからないでいると思う。

要するに「例外は一つ一つ覚えるしかない」ということなのだろうとは思うが、それにしても実に役に立たない見分け方である。

20cm輪針

米国感謝祭翌日のブラック・フライデーには、Knit Picksを始めたくさんの毛糸屋さんがセールを実施し、欲しかった糸やお道具が軒並み20~50%offになったりしたものだから、ふだんは財布の紐が固い私も、うかれていろいろと買い込んでしまった。

その中のひとつ、addiの20cm輪針が、昨日届いた。靴下編みのために買ったので、サイズはUS1(2.5mm)である。さすが20cmだけあって、パッケージの中の輪針はもうまるでおままごとの針のように小さくて「こんなんで本当に編めるのかいな?」と心配になるほど。

addi.jpg


しかしネット上では「実に編みやすい」「DPN(両端が針になっている棒針)で編むより、ずっと楽!」と評判の輪針なので、私の期待は大きく膨らんでいる。パッケージから出してみると、金属の針部分はそれぞれ5cm弱しかないがそこそこ持ちやすいし、透明ブルーのコード部分はしなやかでよくしなる。

今現在は今シーズン3枚目のセーターを編んでいるところで、靴下編みを始める余裕はないので、この輪針を実際に使うのはまだ先になりそうだが、ソックヤーンは2、3種在庫があるので、セーター編みが一段落したら模様編みの靴下でも編んで、使い心地を試してみようと思う。

ちなみにこの輪針、私はFiber Wild!さんで買い、お値段は$13.50だった。Addiの20cm輪針を扱っているショップはさほど多くなく、その中では同店が私が欲しいサイズの在庫を持っていた上、“送料無料セール”をやっていたので、他店でさんざん毛糸を買った後ではあったが、チャンス!とばかりにポチったのである。

カナダに住んで米国のショップから買う場合、“送料無料”の魅力は大きい。カナダのショップより扱っている毛糸や針の種類が多かったり、値段が安かったりするので米国のショップは好きなのだが、なにせ郵送料が高い。地続きとはいえ外国なのだから仕方がないと言えば仕方がないのだが、正規の郵送料を払ったのでは、本来お買い得だった品物もちっともお買い得ではなくなってしまい、魅力激減なのである。「××ドル以上買えば、送料無料!」というサービスは米国のショップでもよくやっているが、それにカナダが含まれていることはまずなく、せいぜいディスカウントがある程度。よってFiber Wild!さんの「カナダを含めて送料無料!セール」は大変ありがたかった。またやってくれないかな。

菓子でも焼くか

金曜あたりから急に冷え込みが厳しくなり、昨日はとうとう朝の気温がマイナス29.4℃と、当家史上最低を記録した。外の気温がここまで下がると、さすが暖房完備の家の中でも大きな窓の近くはひんやりと寒くて、定位置がフランス窓前のソファである私は、タンスからごそごそとヒートテックレギンスを取り出し、起毛レギンスの下に穿いて2枚重ねにした。これにひざ掛けを重ねれば、寒い窓前ソファでの手仕事でも、脚はばっちりぬくぬくである。

さて、寒さが厳しくなり、雪もたくさん降って、クリスマスまであと10日。今日はこれからクリスマス用の菓子でも焼こうかと考えている。先日のクラスでのおしゃべりによると、ジョゼは毎年10種類のクッキー類をクリスマス用に用意するのだそうで、もちろんいっぺんに10種類は焼けないから、毎日1種類ずつ焼いて冷凍しておくのだそうだが、聞いて私も何となく焼き菓子が作りたくなった。クリスマス時期には人がよく来るから、手近にいつでも供せる菓子があるのは便利である。

クリスマスのクッキーで一番ポピュラーなのは、なんといってもジンジャーブレッドクッキーだろうが、これはモラセスの買い置きがないので本日は不可。今ウチにある材料で作れそうなのは、定番チョコチップ、バタースカッチチップ、レーズン+オートミール、チョコを溶かしてチョコサンド、パイ生地を作ってチーズスティックみたいなのもできるか。チョコを溶かしたついでに、いろいろ混ぜ込んでチョコレート菓子をつくるのもいいかも。

こういう菓子を焼くと、家中うっとりするようなバターの匂いに包まれて幸せな気分になるし、出来上がった菓子を食べるのも大変楽しいが、ただ一つの問題はバターの量と砂糖の量。北米レシピで焼くと、どちらもものすごい量なのだ。といって健康的に日本レシピで焼くと、「おいしくない」と評価が今ひとつ。焼いても食べて貰えないのでは悲しいので、結局高カロリーの北米版で焼くことになる。雪深く、人肥える・・・になる所以である。

そして実はもうひとつ。クッキーを焼くときには換気扇を全開にしなければならない。これを忘れると、焼き上がってオーブンのドアを開けたとたん、もうもうと煙が上がって、火災報知機が家中に鳴り響いてしまうのだ。1回目は音の物凄さに慌てふためいたためアラームの解除が遅れ、警備会社から電話がかかってしまった。2回目以降は気をつけてはいるが、それにしてもパーチメントペーパーというのは、どうしてこう煙が出るのだろう? 焦げてるわけでも、燃えてるわけでもないのだから、なんで報知器が鳴るほど煙が出るのか、私にはほんとに謎である。

ハムレットがデンマークの王子だった理由

  • 2013/12/13 20:55
  • Category: 雑記
クラスにはいろんな国の子がいるので、時々ふっと興味が涌いて、それぞれの国についてネットで調べてみたりする。この間はデンマークについて、ちょっと読んでみた。今、毎日デンマーク出身のロッテを乗せて学校に行っているので、彼女と話しているうちに興味が涌いたのである。

デンマークという国名は子どもの頃からお馴染みで、長じては“デイニッシュ・ペイストリー”などという結構なものとも遭遇したので、彼の国の印象は悪くはなかったが、他にはこれといった知識はなく、単に北欧にある小さい平和な国のひとつという漠然としたイメージしかなかった。

で、主としてウィキの記述から「国民の所得格差が世界で最も小さい国のひとつ」とか「小学校から大学まで、教育は無料」とか「医薬、海運で有名だが、農業大国でもある」とか「低報酬から医療従事者不足に悩み、皆保険だが診療待ち時間が長く(カナダみたい)、他国で治療を受ける人も多い」とか「婚姻関係にあっても移住許可が下りるとは限らず、移住ハードルは高い」とかを知ったが、一番目からウロコだったのは、デンマークはかつて大国だったということ。

ウィキの記述によれば「11世紀初頭の30年間にはカヌーと大王がデンマークとイングランドを支配した(北海帝国)」「14世紀後半には、スウェーデン、ノルウェーを支配下にしたカルマル同盟を築き大国として存在した」のだそうで。学校でお勉強したことをちゃんと記憶している人には、目からウロコでも何でもないだろうが、聞いたことも読んだことも脳裏に留められるのはほんの一時だけ、後はするすると忘れてしまう私にとっては「へえ、そうだったのか!」という発見で、これでやっと「ハムレットはなんでデンマークの王子なんだろう?」という長年の謎が解けた。

いや、私は長年、シェイクスピアがなぜハムレットを、イギリスでもフランスでもスペインでもポルトガルでもなく、“デンマーク”の王子にしたのか、なぜあえて北海を挟んで隣国といえば隣国だが、さほど近いとも思えない北欧の小国の王子という設定にしたのか、不思議に思っていたのだ。

しかし今や納得。つまりシェイクスピア(1564-1616)の時代には、デンマークはまだ十分大国だったのだ。シェイクスピアが生まれる前、1523年にスウェーデンがカルマル同盟を脱退してはいるが、それでもまだデンマーク本国とノルウェーは残っているし、アイスランドもグリーンランドも支配下にある。デンマークは北の海を支配する大国だったのだ。ハムレットは、その大国の王子。うん、それならわかる。


*と、書きましたが、英文学あるいは北欧史にお詳しい方、「いや、それは違う!」という点がありましたら、どうぞご教示くださいませ。

選択肢

例の先日予約を変更した病院の検診に行って来た。てっきり腸がん検診の続きだと思って出かけたのだが、行ってみたら乳がん検診の続きだった。9月にやったバイオプシー、精検の結果ガンになるかもしれない細胞が複数見つかったので、1月あたりその部分を摘出しましょうというのだ。マステクトミー(全切除)にするかランペクトミー(部分切除)にするかは、疑わしき細胞の位置と分布状況によるので、これからドクターがラジオオンコロジスト(これ日本語ではなんと呼んでいるのだろう? がん専門放射線医?)と相談して決めるが、ランペクトミーの場合は、もれなく4週間の放射線治療つき。毎日、隣の市の病院まで出かけて、照射を受けねばならないのだそうで。

聞いた私は「えー、毎日、隣の市まで片道30km、往復60km通わなくちゃならないのかぁ? ちょーめんどくさー! 第一そんなことしてたら学校行けないじゃない。せっかく1日3時間、フランス語漬けになる習慣が出来かけてるのにぃ」と思ったが、ウチから車で5分の当町の病院では放射線治療はやっていないそうで、要治療の人は全員、隣の市行き。不便なことである。

しかしよく考えてみたら、まだランペクトミーと決まったわけではなくて、もしかしてマステクトミーとなれば、放射線治療は受けなくていいのである。ただし手術による回復期間は当然ながらランペクトミーより長く、よって学校を休む期間も長くなるので、どっちが得かの判断は難しい。いっぱい切る方が痛いしな。それに、いっぱい切るとジムに復帰するのも遅くなって、ベンチプレスの拳上重量も下がる。うーん、どっちがいいだろう?

と、まるで選択肢があるようなことを書いたが、実際のところ部分切除で済むところを全切除に変えることはできても、全切除しなければならないのを部分切除で済ますことはできないわけで、患者側の選択肢はあまりないのだった。

ちなみに「全く治療を受けない」選択肢はあるか?とも聞いてみたが、ドクターの答えは、全く治療を受けないで放置した場合、将来、がんが発症する可能性は非常に高い。その時、治療可能かどうかもわからない。しかし今なら治療できる。したがって治療することを薦める、というものだった。ついでに雪だるまも「あと20年か30年は君が生きていて欲しいから、治療を受けて欲しい」というので、とりあえず「治療を受けない」という選択肢は放棄した。

なんにしても目といい、臓器といい、人間、50を過ぎるといろいろ病気が発症するものである。この間見たアニメ「Ghost in the shell(攻殻機動隊)」のように、技術が進んで身体のパーツ全部機械で置き換えられるようになれば楽ちんでいいのに。同アニメの主人公、草薙素子さんなんか脳と脊髄の一部以外、全部機械だもんね。かっこいいぜ。ああ、私も義体が欲しい。


kusanagimotoko.jpg


草薙素子さん。まあ、ここまで立派な義体が欲しいわけではないが。
もう少し普通バージョンでいいです。

海賊業

  • 2013/12/10 10:06
  • Category: 映画
先日、デンマーク映画「A Hijacking」(原題 Kapringen)を鑑賞。デンマークの船会社が所有する貨物船が、インド洋でソマリアの海賊にハイジャックされる話で、見どころは身代金値切り交渉における会社側および人質である乗組員の心理的葛藤といったところなのだが、面白かったのはその後に読んだ「ソマリア沖の海賊」についてのウィキの記述。

曰く「エイルなどソマリア沿岸の町では、武装した海賊の往来や酒の消費の増加により周辺が物騒になって住民の生活が脅かされる一方、市内には海賊相手の会計士、運転手、建築業(海賊は身代金で豪邸を建てる)、人質への食事供給業者など、さまざまな“海賊周辺ビジネス”が興り、住民の大きな収入源になっている」だそうで。やれやれ、こうなると海賊も立派な“産業”のひとつである。

○○城下町という呼称が存在するように、町に大きな企業がひとつあると、その企業に対する直接的な関連業務だけでなく、その関連業務に対する関連業務、下請けや孫請け業務、そこで働く従業員を対象とした各種業務などが連鎖的に発生し、それら業務が発生することによって当然ながら雇用も発生し、雇用が発生すれば消費も発生するわけで、全体として大きな経済効果が生まれたりするものだが、なんと海賊業でもこのサイクルは発生しうるのか。いやはや目からウロコ。といってまさか町興しに官民一体となって海賊業を誘致!というわけにはいくまいが。

ちなみに船と乗組員を人質に取られた船会社が身代金を値切るのは、別に金が惜しいからではなくて、海賊の言うがままためらうことなく金を払ってしまったら、“リスクゼロのおいしい商売”としてますます海賊業を振興させることになり、そこら中に海賊が横行して各国の船と乗組員をより大きなリスクに晒すことになるからである。この映画でも値切り交渉は数か月にわたって続き、初回の要求1500万ドルに対し、最終的には330万ドルで決着した。

人質という極度のストレス状態に置かれている乗組員にとっては、値切り交渉が何か月も続くのは冗談ではないだろうが、そこはそれ“言われるままに金を払ってお終い”にするわけにはいかない事情があるのである。実際、最初の要求通り金を払ったら、「あれは手付金だ」と言って、さらに身代金額を吊り上げたという事例もあるようだし。海賊もビジネスである以上、ネゴシエーションは避けては通れないのである。



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(2013/04/26)
ヨハン・フィリップ・アスベック、ソーレン・マリン 他

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↑ 邦題は「シージャック」のようす。
船を乗っ取るのだからシージャックの方が適切か

名前

日本で子どもにつける名前に流行があるように、当地ケベックでも子どもの名前には流行り廃りがある。こちらに来てまだ3年目の私には、どの名前が今風で、どの名前が昔風なのか、今ひとつよくわからないが、長年当地で暮らしている人、たとえば義弟ジェリーなどは、「名前を見れば、だいたいの年齢の見当はつく」と常日頃から言っている。たとえば「Maelie」(女子名)とか「Liam」(男子名)とかの名前なら、まず間違いなく20代以下の若い人で、逆に「Monique」とか「Gérald」なら、まあ40~50代以上だそうである。日本で「陽菜」とか「翔太」とかから平成生まれを、「敏子」や「勝男」から昭和も中頃までの生まれの人を想像するのと同じなのだろうと思う。

で先日ジェリーは、仕事先の予約名簿に「Frédérique et Amélie」と載っているのを見て、「ははあ、これは若いカップルのマッサージ予約だな」と思い、同僚と2人、マッサージ室に向かった。彼が働くスパには、恋人同士や友人同士、2人一緒にマッサージを受けられる“カップル・マッサージ”というメニュがあり、けっこう人気なのだそうである。で今回も当然それだと思い、Frédérique はともかくAmélieは明らかに最近の名前なので、若いカップルだろうと想像したわけなのだが、ドアを開けてびっくり。

マッサージ室でローブを羽織り、にこにこと待っていたのは、30代のお父さんと9歳の娘のカップルだった! なんでもしばらく前、パパだかママだかにくっついてスパに来たアメリー嬢は、面白半分30分のハーフタイムマッサージを受けたのだが、それがえらく気に入ってしまい、今回はお誕生日のプレゼントとして、時間が倍のフルタイム・マッサージをねだったのだそうである。

“若い女の子”というジェリーの想像が間違っていたわけではないのだが、それにしても9歳の女の子とは! ちょっと、若過ぎ・・・ しかも、どういうわけだか分担表でお父さん担当に割り振られていたのは小柄なジェリーで、アメリーちゃん担当に割り振られていたのは6フィートを超す大男のマッサージ師D。小柄なジェリーが汗だくでお父さんをマッサージする一方、大男のDがマッサージ台にちょこんと乗っかったアメリーちゃんを、指先だけでちょこちょこマッサージしている様子は、かなり滑稽だったそうである。アメリーちゃんの方は、大きなおじさんにマッサージしてもらって大変満足の様子だったそうだから、別にいいのだけれど。

アルツハイマーになる準備

先日、アルツハイマーについて検索していて行き当たったサイト。
1と2はできるし、やってもいるが、3は無理、絶対に無理。

年を取るにつれ、ますます狷介度を増している私が
“よい人”になれる可能性は、限りなくゼロに近い。
特老で皆に“超厄介者”扱いされている自分が、ありありと目に浮かぶ。

とはいえ、このアラナさんのアプローチは面白い。
5分ちょっとのヴィデオなので、ぜひご覧ください。

ここです 

『Amour』

  • 2013/12/03 22:24
  • Category: 映画
ミヒャエル・ハネケ監督の『Amour』、見るのにそれなりの心構えがいる映画であるとわかっていたので、元気な時に見ようとしばらく放っておいたのだが、先々週のある日雪だるまが“今日の1本”として夕食時に持ってきたので、観念して見た。結果としては、こういう最後が許されるなら私としては大変に救われる、これができるなら老いて行くこともさほど怖くない、と思った。

人は、生命は何よりも尊く、たとえどんな状態になろうとも人が生きていくことには意味があるというが、もともと脳内にエンドルフィンが少ない体質に生まれついたせいだかなんだか知らないが、不幸にして私にはそう思えたことは一度もない。私は、ある程度以上の状態でなければ生き続けていく意味はない、と考える傲岸不遜にして意気地のない弱虫なのである。

たとえば四肢の機能が衰え他人の介護なしには何ひとつ、食事や排泄すらもできなくなったら、1日の大半をベッドに寝たきりで過ごすようになったら、そしてそれ以上に、頭の機能が衰え、何かを考えるどころか人を認識することすらできなくなったら、それは私が私でなくなることであり、そうなったら私にとっては生きている意味はない。私にとっての“生”は終わりである。身体だけ生きていることに、一体何の意味があるというのか? だから私はこの映画の結末に救われるのだ。私はこの映画の結末を、悲しいとも不幸とも思わない。

もうひとつ思ったのは、この映画の中の夫婦が最後まで“夫婦”を最小単位として機能しているということ。“家族”でも“親子”でもなく“夫婦”。彼らは自分たちの人生と娘の人生との間にきっちり線を引き、老老介護の状態になっても娘に彼らの選択への干渉を許さない。問題に対しどのように対処するかはあくまで彼らのビジネスで、娘のビジネスではないのだ。

日本では常に、介護は子どもの世代も含めた家族の問題で、老老介護の状態になったら娘や息子が(手は出さなくても)口を出さないでいることはまずないので、この映画の中でジャン・ルイ・トランティニアン演ずる父親が「これは私たち夫婦の問題だ」と言って、きっちり娘の介入を拒絶するのが印象的だった。かくまでも誇り高き自立心、か?

お誕生日会

  • 2013/12/01 08:23
  • Category: 雑記
明日は雪だるまの誕生日で、明後日はお義父さんの誕生日。
よって明日夜は合同お誕生日会。

さっき明日の主菜にする予定だったほうれん草のパイを練習に作ってみたのだが、どうも味が今ひとつ。
なんか味が単調でインパクトに欠け、前菜か副菜にするのならOKだが、主菜にはなりそうもない感じ。
どうしよ。明日までに何か別の主菜を考えねば。

雪だるまへのプレゼントは、さっきアマ○ンに行ってギフトサーティフィケイトをメールで送る手配をして完了。
味もそっけもないプレゼントだが、DVDと本以外欲しいもののない人なので、これが一番いいのだ。
ほかに袋入りのトレイルミックスと干しマンゴーも上げる予定ではあるが、これはまあおまけ。
朝起きて、テーブルの上にプレゼントの包みが何もないのは淋しかろうから。

それにしても雪だるま家の場合、12月は1日が雪だるま、2日がお義父さん、
存命な頃は14日がお義母さんと、誕生日が目白押し。
ついでに後から加わった私も12月で、クリスマスもあるから
12月はパーティ続き。
雪深く、人肥える冬。

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プロフィール

らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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