桂子さんシリーズ

  • 2014/03/31 21:16
  • Category:
4、5日前から日本語補給のため、倉橋由美子さんの桂子さんシリーズを読み返している。
倉橋さんは10代から30代前半にかけて私が大変好きだった作家の一人で、
ことに「夢の浮橋」から始まる桂子さんシリーズは、私のお気に入りだった。

今回は「夢の浮橋」までは遡らず、桂子さんの孫である聡子さんが主人公の「シュンポシオン」から始めたが
シリーズの他作同様、制御の行き届いた文章という地の上に、いやらしいまでのペダントリ―が配されており、
人によっては登場人物たちによって繰り広げられるそうした知識のひけらかしが鼻について不快、かもしれない。
しかし私はどうせ読むのなら、過去の文化の蓄積の上に紡ぎ出された、
ある程度重みのあるものが読みたい。吹けば飛ぶような軽さのケータイ小説など読むのは
私にとっては貴重な視力の無駄遣い。益するところなし、である。

ところで「シュンポシオン」。失念していたが、これは聡子さんと明さんの談恋愛の小説でもあったのだった。
20代から何度も読んでいるにもかかわらず、私の意識からはその点がすっかり抜け落ちており
今回読み返して、あれれ?と思ったのだったが、私にとって談恋愛は余分なサカナ。
およそ興味が涌かないので、その部分は飛ばして読んでいる。
(そしてまた、談恋愛部分は私の意識から抜け落ちるのだ)

私にとって楽しいのは、登場人物たちによる書、画、音楽、文学談義。
インターネットの発達のおかげで、今は書中で聡子さんがスカルラッティを弾けば
ようつべで同じスカルラッティを探して聴け、
聞き慣れぬ「楝(おうち)」という木が出てくれば、Google Imagesで探して
その木の姿を見ることができる。
桂子さんシリーズが刊行された1970年代、80年代には、できなかった芸当である。
書中に数多く出てくる漢詩なども、探せば誰かが原音で吟じてくれているのが
見つかるのかもしれない。 不亦楽乎。
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齧る奴ら

  • 2014/03/28 23:26
  • Category: 動物
黒リスたちがフィーダーの開口部を齧って壊してしまった。

バードフィーダーはその名の通り鳥用のエサ供給機で
私たちがそれを庭先に吊るしているのは、冬場エサの少なくなる鳥たちにエサを供給して
彼らの冬越しを助けるとともに、エサをついばみに来る彼らの姿を眺めて楽しむためなのだが
不幸にしてフィーダーは、鳥と同じくピーナツやヒマワリのタネが好きなリスたちも惹きつけてしまい
おかげでしょっちゅうリスたちの襲撃を受ける。

フィーダーによじ登ったり、飛びついたりして中のエサをかすめ取って行た間は
「まあ彼らも生きて行かねばならないことだし」と大目に見、
緊張でしっぽを大きく膨らませながらフィーダーから逆さまにぶら下がったり
勢い余って滑り落ちたりするのを見て、面白がっていたのだが
その大目に見ていたのが裏目に出て、襲撃はエスカレート。
とうとうフィーダーを壊されてしまった。

ウチ同様、フィーダーを吊るしていらっしゃる方はご存じと思うが
フィーダーの開口部には中のタネがこぼれ落ちないように、ストッパー状のものがついている。
鳥たちの頭は小さいし、くちばしもあるから、そうしたストッパーがあっても問題ないのだが
鳥と違ってクチバシがなく、頭が大きいリスにはこれが邪魔だったようで
ある日ジムから帰ってきたら、開口部のストッパーが4つとも齧り取られて
緑のプラスチックの破片が、フィーダーの下の雪の上に散乱していた。
当然、中身のピーナッツは、壊れた開口部からこぼれ落ちた分も含めて激減。


齧り取られてストッパーが無くなった開口部

IMG_4133.jpg


正しい開口部(これはエサを入れていなかった下段のもの。
しかしよく見ると左上が少し齧られている)


IMG_4132.jpg



リスは、言わずと知れた齧歯目。
英語でもRodent。
齧るのがショーバイの動物なのだから仕方がないが
フィーダーひとつお釈迦にされた我々は、かなりとほほ…な気分である。

ベンチプレスに復帰

  • 2014/03/26 09:27
  • Category: 雑記
昨日、手術後初めてベンチプレスに復帰した。1回目の手術の後は、血腫のおかげで2か月経っても傷口がふさがらず、出血もしていたので、ウェイトを上げようなんて気にはなれなかったが、2回目は血腫が発生しないようドクターが注意したせいか、3週間後の現在経過は良好。血腫なし、出血なし、まだ縫合用ストリップ4枚でぴったりくっつけ合されてはいるが、傷口はふさがっているもよう。これならウェイトを使ってもだいじょうぶだろうと、おっかなびっくりベンチに寝転がって、まずは最低重量の20ポンドから開始。

まったく20ポンドなんて、普段なら軽すぎて片手で挙げるダンベルプレスでさえ使わない重量なんだが、しかし昨日は何しろ1月初めの手術以来約3か月ぶりなので、この重量でさえ腕がふらふら。重いわけではないのだが、挙げた腕を安定させることができず、胸の上空でバーベルがゆらゆら揺れて、3か月のブランクの大きさを見せつけてくれた。まったく筋肉は何と急速に衰えることか! ああ、これでは手術前の110ポンドが再び挙げられるようになるのは一体いつのことか…と思ったが、しかし数年前のように拳上重量が下がって心底がっくり…というわけでもなし。

だって日常生活で重い物を持ち上げる必要なんて、ほとんどないのだ。わが生涯における最高拳上重量は、たぶん香港時代の140ポンド(約63kg)だが、建設現場で鉄骨を運ぶバイトをしているわけではなし、日常の家事をしたり学校へ行ったりしているくらいでは、えいやっ!と気合を入れて持ち上げるのは学校へ行くときのカバンと、直径30センチ強の厚底フライパンくらい。それだってまさか10kgはない。日本だったら20kg入りのお米なんかは結構重いが、当地ではそれもなし。ジェリー用に買っているビールは1箱24本入りだが、小瓶だからこれもたかがしれている。

つまり日常生活で持ち上げる必要があるのは、どう多く見積もっても20~30kg止まり。50kgの物が挙げられなくても、別段困りはしないのだ。

それでもジムに通って筋力運動を続けているのは、寝たきり予防のため。脚腰や腕、胸、背中の筋力を維持することによって怪我を防ぎ、骨折→寝たきりというパターンに陥らないようにしたいと思っているからだ。ついでに柔軟性も維持しようと、せっせとストレッチに励んでもいるが、ほんとはそろそろヨガとか太極拳とかを始めた方がいいのかもしれない。ゆっくりした動きというのは、あれでなかなか筋力が必要なのである。

また忘れた

  • 2014/03/24 10:34
  • Category: 雑記
昨日は昼前お義父さんから電話があって「夕ご飯を食べにおいで」とご招待を受けたので
雪だるまと二人、途中で伯母さん(お義父さんの姉上)も拾って、いそいそと出かけて行った。

お義父さんは別に特別な理由はなくても、何かおいしいものを作ると呼んでくれるので、
昨日もその手の夕食会だろうと思って、ワイン1本さげて気楽に出かけたのだったが
部屋に入ったら「ハッピー・アニヴァーサリー!」と、お義父さんとフランスにハグされ
「しまった! 何かのお祝いだったか?」と、お義父さんたちの腕の中で一瞬青ざめたが
次の瞬間「お前さんたちの結婚記念日だろう?」という声が聞こえて
「ああ、そういえばそうだった…」と雪だるまと二人、間抜けな顔をして笑い合った。
私たちは二人とも、そんなことはすーーーーーーっかり忘れていたのである。

実際、結婚記念日を迎えるのは今年で10×回目なのだが
今まで一度として覚えていた試しがない。
結婚した翌年ですら忘れていたくらいなのだから
6年とか、9年とかの中途半端な年数の時に覚えているはずはなく
10年目は確か激烈な頭痛と吐き気に襲われて寝込んでいてそれどころではなかったし
つまり未だかつて結婚記念のお祝いなんかしたことがないのである。

しかし昨日はお義父さんが、おいしいソースつきのミートローフを作ってくれた上
デザートは絶品のブレッドプディング! アペリティフにサン・ラファエルをちびちび舐めたし
お義父さんちのごはんは何から何までおいしくて、私は大変ご機嫌だった。

特にブレッドプディング!
ちょっと硬くなったようなパンを適当な大きさに切り、卵+砂糖+牛乳液に浸してオーブンで焼くだけ
の超単純なデザートなのだが、単純なものほど技量の差が露骨に現れるもの。
お義父さんのはレーズンが入っているわけでもないし、クリームをかけてこってりさせてあるわけでもないし
ごくごく単純な、最も基本のブレッドプディングなのだが、卵・牛乳液に浸されて柔らかくなった部分と
焼けてカリカリ、カラメル風味になった部分との対比が見事だし、甘さも十分甘いがくどくはないという
微妙なところで均衡を保っていて、ジェリーが「親父のが一番うまい」というだけのことはある
ブレッドプディングなのである。

もともとのレシピは、お義父さんの弟夫妻から貰ったとかいう話で
以前から雪だるまが「レシピ、ちょうだい」とねだっているのだが
まだ貰えていない。
貰えたところで、同じ味に作れるというものでもないのだけれど。
ブレッドプディングとブラウニーは、お義父さんの永久欠番になるのかもしれない。










マリゴールド発芽

暦の上では今日から春のはずなのだが、昨夜また雪が降った。
デッキの上にも、バードフィーダーの上にも、5センチほどの雪がこんもり。
そして実はこの雪はまだ降り続いている。
はらり、はらりとした降り方だし、気温も高めなので、あまり積もりはしないだろうけれど。

というように外は雪だが、室内では着々と春の準備が進行中。
日曜に種まきしたマリゴールドは、火曜にはすでにいくつか発芽し始め
木曜の現在、36マス中33マスが発芽(発芽率約92%)と大変に好成績。
マリゴールドはほんとに発芽率がよくて、病気になったり、虫がついたりもしなくて
実に楽ちんな花である。
その上、花持ちがよくて、夏の初めから初霜くらいまでずうっときれいに咲き続けてくれるのだから
言うことなし。
これで多年草なら三重丸どころか五重丸くらいなのだが、残念ながら一年草。
種まきは毎年しないといけません。


小さい芽がずらり

IMG_4129.jpg

近くで見ると、こんな感じ

IMG_4130.jpg

IMG_4131.jpg


さてこのマリゴールド。今年はちゃんと背の低いタイプを買った。
去年は間違えて草丈90センチにもなる種類を買ってしまい、
それはそれできれいだったが、私がもともと欲しかったのは
花壇のふちに植える背の低いタイプ。
今年は過たず、草丈30センチのを選択。
350mg入りのを1袋買い、36粒蒔いてみたら上記のような成績だったわけだが
袋にはまだたくさんタネが残っている。
追加でもういくつか室内で始めてもよし、
雪が融け、土が温まる5月末から6月初めくらいに直播きしてもよし。

ちなみに日曜に蒔いたのは、上記マリゴールドのほか
Coreopsis(ハルシャギク)、Gaillardia(テンニンギク)、ともに黄色系
ピンクのEvening Primrose(マツヨイグサ)、赤いMimulus(ミゾホオズキ)、
Lavatera(ハナアオイ)、Dianthus(ナデシコ)、ともにピンク系

Lavateraを除き全部多年草で、つまりちゃんと発芽してくれて
その後庭に下ろした後、元気に育ってくれれば
今後数年はその可愛らしい姿を楽しめるはず。
ナマケモノには最適の花たちである。

が、まだ全然発芽していないんだよね。
芽すら出てくれなかったら、横着ナマケモノの思惑は哀れ水泡に帰してしまうんだが…



有意な効果とはどの程度の効果なのか

当ブログのカテゴリーに、「動物」と「病あれこれ(やまい・あれこれ)」を追加してみた。
チッピーや黒リスや鳥たちのお話用の「動物」はともかく、「病あれこれ」なんて見ただけでげんなりするので
こんなカテゴリーを作るのは止めようかとも思ったのだが、50歳過ぎてからは目の調子は悪くなるわ、
乳がん検診で引っかかって手術はするわ、で何かと医療のお世話になることが多く
それ系のエピソードが増えて来たので、「なんだかなー」とは思いつつも、1項立てることにした。

それに昨日手術後の検診に行き、今回は経過良好で、執刀医殿も傷を見ながら“Très beau !”と満足そうだったが
経過良好だったおかげで、本日からホルモン療法開始となった。
これから5年間、抗エストロゲン薬(Apo Tamox)を毎日10mgずつ服用するのである。
執刀医殿が挙げた主要副作用は、更年期様症状(ホットフラッシュetc.)と血栓ができやすくなること、
薬を買った薬局で渡された説明書に挙げられた副作用は、これに加え
・嘔気、まれに嘔吐
・めまい
・脱力感
・体重の減少
だそうである。もちろんすべて「Il peut...」で始まっており、つまり「...の可能性がある」というだけで
服用すれば必ず上記症状が発現するというわけではないのだが、それにしてもやれやれ…な副作用群である。
しかもその後ネットを当たったところでは、抑鬱症状、視力の低下が発現することもあるようで
まったくもって「をいをい…」

もちろん、こうした副作用はあっても服用により有意ながん発生抑制効果が得られるから
ER+(エストロゲンレセプターポジティブ)乳がんにおける抗エストロゲン薬の5年間服用が
標準治療になっているのだろうが、有意な効果(significant effect)って、実際どのくらいよ?
昨日からネットで検索しているのだが、まだ具体的な数字を見つけられないでいる。
一度見つけたような気がしたのだが、その後また電子の海に消えてしまった。
ま、また暇なときに検索してみよう。
効果を知っていて治療するのと、知らずに治療するでは、精神的にそれこそ“有意な差異”があるだろうから。

市民権 2

市民権の話の続きだが、クラスでのおしゃべりで知ったところでは、ドラ(メキシコ)とロルデス(フィリピン)は取得した、ファラ(モロッコ)は取得に向けて努力中、マリソル(チリ)は取得しようかどうしようか迷っている、というところらしい。他のクラスメートについては、この件について話したことがないので知らないが、大部分はまだ移民したばかりで言葉を覚えたり、仕事を探したり、生活を軌道に乗せるのに忙しく、とてもではないが市民権について考えるところまではいっていないというのが実情かと思う。それにそもそも移民1~2年では申請要件のひとつ「過去4年間のうち少なくとも3年間カナダに住んでいること」を満たしていないので、申請したくてもその資格がないのである。これについては私も同様。永住権を貰ったのが2012年2月だから、2016年2月以降でないと申請権なし。申請するかどうかは別として。

さて、市民権取得に向け現在努力中のファラは取得したい理由について、夫はケベッコワ(=カナダ国籍)だし、こちらで生まれた2人の子供たちも(当然)カナダ国籍だから、今後ここで生活していくためには、どうせなら家族全員同じ国籍の方がいい。それにモロッコ国籍よりもカナダ国籍の方が、たとえば外国に旅行する際ヴィザが要らない国が多いとか、何かとメリットが多いからと言っていた。

市民権申請に関する調査やアンケートを読んだわけではないからはっきりとは言えないが、ファラが挙げた理由は、たぶん市民権申請者の大部分にあてはまる理由ではないかと思う。家族でここに住み、家を持ち、仕事を持ち、子どもを育てている人、つまり生活の基盤がここにある人、今後、自分が生まれた国に戻って生活することはないだろうと予想している人にとっては、カナダ市民権(国籍)の取得は種々の生活上の利便につながる。もちろん市民権がなくても永住権があれば、カナダに住むことはできるし、仕事もできるが、選挙権はないし、5年に1回永住権を更新しなければならない。まだ20代、30代の若い人たちにとっては、永住権保持者のままでいて、この5年に1回の更新を今後何十年も続けていくのは、けっこう面倒に思えるかもしれない。それならいっそ市民権を取得して、カナダ国籍になった方が簡単!と考えたとしても不思議はない。

それに、カナダ同様生活インフラや社会保障が比較的整った国からの移民者はともかく、政情不安な国、経済、社会保障面で恵まれているとはいえない国から移民してきた人たちにとっては、カナダという種々の面で比較的安定した国の国籍を得ることは、大きな安心と安全につながるだろう。それを安易と言って咎める権利は誰にもないと思う。

ひるがえって私自身はどうか。父が生きていた間は市民権を取ることなど考えてもみなかったが、その父は亡くなり、残る肉親は妹だけ。親戚づきあいはない。帰る家もない。日本との繋がりは、年々薄くなるばかりだ。

しかしだからと言って、カナダとの繋がりが深まっている感じも(今のところは)ない。仮に雪だるまが私より先に頓死したりした場合、一人でカナダに残る気になるかどうかは疑問だ。少なくともこのケベックでは、一人で残れるとは思えない。フランス語の壁が高すぎる。年寄りの身で、役所や税務署から来た書類を、辞書を引き引き半日がかりで読むのはしんどい。(読んでみたところで、正確に理解できるかどうかわからんし) そうなったらどこか英語圏の田舎、ケベックとの境に近いオンタリオにでも移住しようかと薄ぼんやり考えたりもするが、そうやって死ぬまでカナダに住むのなら市民権を取った方がよいが、一人になったら(その時の年齢にもよるが)日本に帰るという選択肢もあるよなあ、とも思う。そして日本に帰るなら、日本国籍のままの方が面倒がない。カナダの市民権=国籍を取得し、それによって日本国籍を喪失しても、元日本人であれば「日本人の子、Child of Japanese」として3年間滞在可能なヴィザ(延長可)が出るし、再帰化して日本国籍となることも可能だが、日本国籍のままでいれば、そうした面倒は一切ない。さて、どうしたものか。

というように、うろうろするばかりで考えが進まないのは、自分および雪だるまがあと何年生きるのかわからないからだ。まったく、ヒトの寿命がわからないのは、不便この上ない。

市民権テスト

昨夜は“Canadian Citizenship Practice Test”で遊んだ。
別に本気でカナダの市民権を取得したいわけではないのだが、先日テストを受けたクラスメートのファラが「落ちちゃった。難しかった」と言って泣いていた一方、昨年ウチに遊びに来た雪だるまの従弟のBFは「ぜーんぜん難しくないよ。カナダの首都はどこですか?次のうちから選びなさい、とかの問題だから」と、お茶の子さいさいのようなことを言っていたので、ほんとのところはどうなのだろうと興味が涌いたのである。

でまあ上記サイトの模擬試験で遊んでみたわけだが、最初何の準備もせずにぶっつけ本番でやってみた時の正答率は40%以下。カナダの首都や公用語、州(province)や準州(territory)の数くらいは知っていても、歴史上の有名人物や選挙制度についてはほとんど知識がなかったのだから、当然である。John Cabot(15世紀の航海者。ニューファンドランド島やラブラドル半島を発見)とかArthur Currie(第一次世界大戦時のカナダの将軍)なんて聞いたこともなかったし、senators(上院議員)は首相の助言により総督が任命することも知らなかった。米上院同様、選挙で選ばれるのかと思っていたのである。ついでに恥を忍んで告白すれば、ケベックの州都は?の質問に、Montreal !と元気よく答え、答え合わせで「×」を貰って、やややと慌てた。正しい答えは言わずと知れたケベックシティなのだが、なぜか私はモントリオールのような気がしてしまったのだ。そういえば昨秋、仏語教室でケベックシティに行った時には議会の建物も見学し、その壮麗な建物の前でみんなで集合写真を撮ったりもしたのに、そんなことはころり忘れていた。
我ながら情けなし。

これではいかん、あんまりだ…と思ったので、2回目以降はネット上にあった試験準備用テキストを読んでから挑戦。テキストはPDFで60ページもあったのでざっと飛ばし読みをしただけだったが、それでも読んではみるもの。結果は1回目に比べてぐっと精度が上がり、なんとか合格ラインの75%を越えられそうな雰囲気になってきた。そうなると面白いので次々とクリックしては新しいテストに挑戦。オンラインのメリットですぐに正誤がわかるので、間違ったところは極力正答を覚えるようにし、へえ?と思った事項はウィキなども読んで「ふうん」と感心し、と何度も繰り返すうちに正答率はますます向上。「おお、なかなかいけそうじゃん」と気分がよくなる。近頃、気分がよくなるような出来事は少ないので、これは嬉しい。ついでにカナダに関する知識も増えて、一石二鳥。低体温の記事の時にも書いたが、新しいことを覚えるのはいつでも面白いものである。

ちなみにこの市民権テスト、生まれながらのカナダ人にやらせてみたところ、合格率は4割を切ったそうである。学校のお勉強はよくできたはずの雪だるまですら、何人かの歴史上の人物の名を知らなかった。生まれながらの日本人が初代首相の名や琵琶湖が何県にあるか知らなくてもいいのと同様、生まれながらのカナダ人は連邦政府の責務やカナダ楯状地について知らなくてもいいのである。それが“生まれながら”の特権。

金曜顛末

  • 2014/03/11 09:32
  • Category: 雑記
金曜の会食は、なかなか楽しく進んだ。ブログを通じて知り合った方とは違い全くの初対面なので、お会いするまでは果たして共通の話題を見つけてお話をすることができるかどうか、些かおっかなびっくり出かけたのだが、とりあえず当たり障りのない世間話からお互いの話、このケベックの田舎での生活などについて、なごやかに歓談することができて、まずはめでたし。

今後オトモダチになれるかどうかは、お互いどのくらい時間を取れるかによる。お子さんのいらっしゃる方なので外出に使える時間は少なく、そうそう頻繁にお茶したりランチしたりするわけにはいかないのである。この次お会いできるのは夏休みくらいかなあ。

ちなみに小ホテルのランチはビュッフェで、お値段(税込で約15ドル)なりのお味だった。私としては、ほんとーに久しぶりに魚(鮭よ、鮭!)が食べられて満足だったので、主菜が2種しかなくても、デザートがケーキミックスで作ったようなケーキと、べた甘のタルトしかなくても、「まあ、こんなもんでしょ」と、にこやかに許せた。前回、超塩辛いフェタとフィッシュ&チップスのフィッシュのようなソール・ムニエルで25ドルだったことを思えば、前菜で鮭をたらふく食べた他にシャルキュトリも2、3種食べ、主菜で不思議なお味の鶏のマンゴー煮を試せて15ドルなら、お得と言わねばなるまい。おまけにレストランは静かで、2時間心置きなくお喋りすることができたし、誰かとゆっくり話したいときは、あのレストランは狙い目かもしれない。窓際の席を取ればサン・モーリス川と川沿いの遊歩道も眺められるし。

まあもっとも、今は川も遊歩道も雪ばかりで、2人して「1年の半分はこれだものねえ…」と長い長い溜息をついたけど。

お出かけ

  • 2014/03/08 00:58
  • Category: 雑記
今日はこれからお出かけである。隣町に住む日本人女性と、ダウンタウンにある小ホテルで、ランチをするのである。

病院から戻って以来、学校が休みなのをいいことに毎日パジャマを着替えもせず、食っちゃ寝の日々を過ごしていたのだが、今日はちゃんとパジャマを着替え、顔を洗って久しぶりに化粧もし(さすがに素っぴんでは顔色悪すぎ、生気なさすぎ)、人前に出る準備を整えた。幸い天気も大変いいので、川べりにあるホテルで食事をするのは、とても気持ちがいいだろう。

ちなみに、この日本人女性を紹介してくれたのは、クラスメートの張さんである。数年前には彼女も仏語教室に来ていたとかで、町のホームセンターで偶然再会した時、彼女から名前と連絡先を貰ってくれたのである。

同じ日本人だからという理由だけで見も知らずの人間から連絡を貰うのは迷惑かもなあ、とは思ったが、一方、張さんのせっかくの好意を無にするのも気が引け、まあいいかと連絡を取ってみたところ、幸い気を悪くされることもなく今回のランチの運びとなったのである。

というわけで今日はお出かけ。日本語で長い会話をするのは久しぶりなので、知らずに失礼なことを口走ったりしないといいのだが・・・ 以前まだ仕事をしていた頃お客様から「らうとらさんは天然だから」と言われたことがあり、これはつまり「言動が時々常識を外れている」ことかと解釈したのだが、お客様を前にしている=接客モードに入っている時ですらそうだったとすると、通常状態ではどんな顰蹙ものの言動をしているのか、自分ではわからないだけにやや心配だ。とにかく今日は言動に気をつけよう。
では、行ってきます。

今回も無事終了

今回も手術は無事終了。9:00に受付、手術室に入ったのが11:00、次に気が付いたのが午後2:20、雪だるまが迎えに来てくれたのが2:40、家に帰り着いたのが3:00過ぎという感じで、マンモグラフィによる切除位置の特定をしなくて済んだ分、今回の方が病院にいた時間は短かった。ただし、手術室にいた時間は前回の2時間に比べ、今回の方が長かった気がする。単に目が覚めなかっただけかもしれないが、目が覚めた時、前回はなかった点滴もしていたし、同じ手術でも措置が全く同じというわけではないようだ。

しかし麻酔による吐き気なし、組織切除による痛み極少なのは前回と同じ。しかも何だか左腕の可動範囲が前回より大きい感じで、日常の動作に余り不自由がない。術後3日目の今ですら、左腕が水平90度まで上がるのだ。料理などしていても傷に響く感じがしないし、なかなか快調でうれしい。

ところで今回おもしろかったのは、全身麻酔が低体温を引き起こすということを知ったこと。手術当日、家に帰ってきてひと眠りして起きたら、なんだか妙に身体がほてっている感じがする。「はて、熱でもあるのか?」と体温を測ってみたら、体温計が示した温度は34.9℃。朝、病院に行く前に測った時は36.8℃、病院受付で測った時は36.3℃だったのだから、34.9℃というのはいくら何でもおかしい。さっき水を飲んだばかりだから、それで口内の温度が下がっているのかもと思い、今度は舌下ではなく、昔の日本式に脇の下で測ってみた。そしたら何と34.2℃。以前から自分が同情心に乏しい冷たい人間であることは自覚していたが、それは感情、心情面での話で、体温は人並みだったはず。さては体温計の電池が消耗しているか?と、今度はちょうど通りかかった雪だるまに体温を測らせてみた。すると、ピピピと鳴った体温計が示した温度は36.2℃。ふつうである。なんで? なんで私の体温だけ低いの? 別に寒い部屋にいるわけじゃなし、暖かいベッドの中にいて、なぜ体温が平熱より1℃以上も低いの? と俄然興味がわき、さっそくネットを検索。するとありました、ありました、回答が。

ほとんどコピペで紹介させていただくと、
通常の状態では、身体の中枢温は37℃、四肢は30℃前後だが、麻酔により末梢血管が拡張すると四肢の血流がよくなり、上が熱くて下が冷たいお風呂をかき混ぜた時のように、中枢温は下がり、四肢の温度は上がる。
その後、血流がよくなった四肢から体温の放出が起こり、さらに体温は低下する。
一方、麻酔により体温調節中枢は抑制され、筋肉の活動も抑制されるため、熱の産生も抑制される。
これらの機序により、体温は低下する。
だそうであります。

いやー、実に論理的。わかりやすい。うれしくなるほど、すっきり。

納得してより面白くなったので、その後目が覚めるたびに体温を測ってみたが、午後9時頃が上記の34.9℃、午前0時頃が35.2℃、午前3時頃が35.6℃、午前5時頃が35.8℃と、35℃台ではあるが、確実に上昇。(全麻の影響で眠かった割には、月曜夜はしょっちゅう目が覚めていた)
そしていつものように朝6時半、外が明るくなって目が覚めた時には、体温は36.2℃と、私にとっての平熱に戻っていた。ふうん、体温調節機能が通常に戻るには、術後12時間以上かかるのか、ふうん、という感じである。

そういえば1回目の手術の時は、手術室から出たとたん目が覚め、がたがた震えるほど寒くて看護師さんに毛布を2枚掛けてもらったことを思い出した。あの時は室温が低い割に、こちらはホスピタルガウン1枚なので寒かったのかと思ったが、あれも実は低体温だったのかもしれない。

なんにしても、新しいことを1つ知って、大変おもしろかった。

ばたばた

明日からまた左腕が不自由になるので、今日は食料の買い出しに行ったり、大物の洗濯をしたり、
車を洗ったり、1日中ばたばたと過ごした。
りんごのコンポートとかスープとか、食べ物の作りだめもした。
雪だるまに料理をしろと言っても無理なことはわかっているので、
(手順が悪く見ているといらいらする上、味が私の好みにならない)
自分が食べたいものは自分で作っておいた方が、結局楽ちんなのである。

それにやつは最近仕事が立て込んでおり、休日なしでコンピュータに向かっている。
忙しいのである。
よって明日も受付での問診が済んだら、バイバイ。
手術が終わったら電話して、迎えに来てもらうことになっている。
受付は9時だが、実際の手術時間は不明だし、何時に終わるのかも不明だから
その方がいいのである。

私も2回目ともなると緊張感薄く、態度ややなげやり。
もともと明日から1週間は学校が春休みで、どこかに遊びに行こ♪とか思っていたところに
手術が入り、遊びに行く計画がぱあになったので、ぶーたれているのである。

生涯初めての入院・手術の時は、大手を振って会社を休める嬉しさに
何週間も前からうきうき、わくわくしっぱなしだったが
仕事をしていない今は、「会社を休める♪」という楽しみもなく
ただひたすら面倒くさいだけ。

自宅近くで苦労なく手厚い医療が受けられることに感謝すべきであることはわかっているのだが
人間恵まれていると、つい感謝の念を忘れてぶーたれてしまうのである。
私のような小人は特に。

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プロフィール

らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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