カラフル

  • 2014/04/27 11:02
  • Category: 雑記
3月の終わり頃だったか、近所の店で↓こんな色のパーカを買った。

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寝ぼけ眼も一気に覚めるような蛍光ピンクである。

会社に行かなくてもよくなって着る服に制約がなくなって以来、
私の服は仕事をしていた頃からの灰色~黒に至る黒子のような地味色か
それとはまったく逆のど派手な蛍光色かの両極端に分かれつつある。

どうしてそう極端に走るのかというと
ひとつには顔立ちと体型のせいでやわらかい中間色が似合わないからというのもあるが
もうひとつの、そしてより大きな理由は、カナダの冬が長すぎるから!! である。

なにしろ10月初~中旬に紅葉が終わると、あとはひたすら冬枯れと雪。
葉を落として黒い影のようになった林にしんしんと雪が降り積もり
気温は常に零下。ひどい時には、零下30度近くにまで下がる。
そして、そういう日々が延々6か月も続くのである。
これで服まで灰色や黒ばかりでは、それこそ陰々滅滅。
気分がふさいで、起き上がれなくなってしまう。

なのでつい、服を選ぶとき、派手な色に目が行ってしまうのである。
このパーカのほかにも、ジム用のスポーツブラは全部蛍光オレンジとか
蛍光グリーンとか蛍光ピンクとか蛍光色ばかりだし、
先月、救世軍のスリフトショップで買ったマフラー($1)は、真っ赤だ。
そして今、夏用のカーディガンを編もうかと考えているコットン/バンブー糸は
みかん色である。こちらに来て以来、靴下にも派手な色が増えてきた。

たとえ外はどんよりした曇っていても、こうした鮮やかな色を着ると
気分が上向いてなかなかよろしいのだが、ただひとつ誤算だったのは
このパーカの蛍光ピンクは、生地のせいかやたら目がチカチカする。
これを着て編み物をしようとすると、パーカのピンクで目がくらんで
編み目が見えないのである。
きれいな色だし、フリース風の生地でぬくぬく暖かいし、たった$5だったし
この目のチカチカさえなければ、万能パーカなのだが…
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魚 2

先日ちょっと書いたBASA fish(別名 Vietnamese catfish)にマヨネーズと粒辛子を塗って蒸し焼き風にする料理だが、イースターの食事会の時、作って出したらこれが大好評だった。不味い時は不味いと歯に衣着せずはっきり言うジェリーですら、絶賛に近い褒め方をしたので、たぶん本当に美味しかったのだと思う。

解凍した魚にタレを塗ってアルミフォイルかパーチメントペーパーで包み、オーブンで15分焼くだけというほとんど手抜きのような超簡単料理なのに、あんまり褒められたので却って困ってしまったが、簡単に作れて好評ならお客様の時には便利至極。ご興味のある方は、ぜひこちらのレシピをご覧いただきたく。BASA fish がお近くに見当たらない場合は、平目とか白身の魚で皮なし、骨なしのフィレになっているものなら何でも行けると思います。

ただ私も一緒にこの魚を食べてはいたのだが、そして確かにまあまあ不味くはないよな、とは思っていたのだが、ジェリーが言うほど美味しいとは思わなかった。と言うか、これは私が毎日食べたい味ではないのだ。蜂蜜が入ってちょっと甘めの、そしてレモンの香りがかすかに漂うとろりとしたソースは確かに美味しく、くせのない白身の魚とはよく合うし、皿に残ったソースをパンでぬぐって食べてもまた美味しかったが、しかしこの場合美味しいのはあくまでソースなのだ。フランス(風)料理によくある、魚/肉とソースが同格というか、時によってはソースの方が主役の料理は、どうも私の好みに合わない。私は魚を食べるなら、ソースではなく魚そのものを食べたい。魚の味を噛みしめたい。冷凍ののっぺらぼうフィレに魚の味なんかありますかいな、と言われてしまえば返す言葉もないが、それでも私は魚はただ焼いて塩を振っただけ、のが食べたい。それが叶わないなら、せめてソースなしのグリル。七輪はないから、次回はオーブンでグリルする料理でも捜してみるか。

アミールくん

いろいろな人がいるクラスメートの中で、パレスチナから来たアミールくんには
私は概して好感情を抱いている。10歳前後でカナダに来たらしいアミールくんの家族は全部で14人。
お父さんのモハメド氏と、アミールくんには継母に当たる彼の3番目の妻、
異母兄弟も含め兄弟姉妹が12人という構成だそうである。
ただし兄弟姉妹のうち年長の2人(#1、#2)はすでに結婚していてガザ住まい
#3、#4もすでに独立し他州で働いているので
今家に残っているのは、#5であるアミールくんを頭に
残りの兄弟8人と両親だけということらしい。

アミールくんたちはカナダに移民後、アルバータ(数年)、ニューブラウンズウィック(1年)、
モントリオール(1年)など各地を転々とし、去年この田舎町に移って来た。
各地を転々とした理由についてアミールくんは「オレ、トラブルメーカーだからさ」と
自分に非がある様子で笑っていたが、本当のところはわからない。
確かに現在19歳のアミールくんは高校を修えることなくドロップアウトしたようだし
ドラッグもやっているし、モスレムのくせに酒は飲むし、
非の打ちどころなく品行方正な青年というわけではないのだが
ではどうしようもない怠け者の愚図かというと、そういうわけでもない。

そもそも彼には、いろいろなことを斜に見る皮肉さやなげやりな視線がない。
最初彼が目に留まったのも、そのくったくのない明るさが10代の男の子には珍しく
新鮮だったからである。
若い男の子のことゆえ授業中寝ていたりもするが、起きている時は授業に積極的に参加し発言するし
教師であるジョゼに対しても敬意と好意を以て対している様子が見える。
それにだいたい彼は、かなり頭がいいのだ。
モントリオールでは英語で生活していたという彼は、フランス語はまだ今ひとつだが
理解と覚えは早いし、発音も悪くない。
英語圏のカナダに長くいたので英語は問題なく話すし(母語ではないので、
チンチラとタランチュラを間違えるなど、時々傑作なお間違いをするが
それはまあ御愛嬌ということで)、数学系のゲームなどやらせると
あっというまに正解を出す。このあたり以前は数学の教授だったという父君モハメド氏の
血を引いているのかもしれない。

そういう彼を見ていると、大学に行って数学でも物理でも、何か興味のあることを勉強しないのは
もったいないような気がするが、本人はもっと実技的なものの方が好きなようで
来月から建築デザインのコースを受講できることになったと言って
もともと大きな目をさらに大きく輝かせて、嬉しそうにしていた。

そうだ、言い忘れたが、彼はかなりハンサムな青年なのである。
細面で掘りが深く、濃眉大眼という典型的アラブ顔だが、
まだ年若い分、どこぞのテロリスト指名手配写真に見るような深刻さ、
陰々たる暗さは感じられず、溌剌として邪気がない。
遺伝か、栄養がよかったのか、背も高い。
6フィート3インチ(190cm)というから、私より30センチ以上高い計算で、
そのすくすく伸びた長い手足や背を見ていると、こちらまで伸びやかな気分になる。

ただこの背の高さと典型的アラブ顔はマイナスにも働くようで
この田舎町では、彼はどこに行っても仕事にありつけない。
彼のアパートの真ん前、クラスメートの中国人リンくんが皿洗いをしていたレストランに行って
「仕事はないか?」と聞いたが、だめ。
ウォルマートや他のスーパーに行っても、だめ。
他のバー、レストランもだめ。
よって彼は現在、この小さな田舎町ではなく、隣の大きな市のアラブ食料品店兼レストランで
週末ごとにアルバイトをしている。車を持たない彼はバスで隣の市まで行き、
夜はモスクに泊まり、翌日もう1日働いてまたバスで戻ってくるのだそうである。
で週末だけでは大したお金にならないので週日も働きたいのだが、働き口が見つからない。

しかし実は上記リンくんがバイトしていたレストランでは、一時帰国中のリンくんに代わって雇った
バイトに不満で、リンくんの母上に“リンはいつ帰ってくるのだ?”と尋ねているのである。
私はこの話を同じくクラスメートであるリンくんの母上から聞いたのだから、間違いない。
160cmそこそこで痩せっぽち、吹けば飛ぶような中国人のリンくんは怖くないから雇えるけど
190cmと大柄で、どう見ても腕力的に負けそうなアミールは、怖いから雇えないということなのだろうか?


ピーナツバター

ピーナツバターは、ただピーナツをすり潰しただけの、無加工、100%オールナチュラルタイプが美味しいと重々わかってはいるのだが、スーパーで普通のとは違うフレーバー付きのとかを見ると、つい好奇心に駆られ、ちょっと試してみたい気になってしまう。

先日も某スーパーのクラフトフェアかなんかで、ホイップタイプのピーナツバターが売られていて、そのふわふわっとした食感がなんだか目新しくて、つい買ってしまったのだが、ホイップタイプなので冷蔵庫から出してすぐ塗れる点は便利なものの、残念ながら肝心のお味の方はピーナツそのものの滋味に乏しく、薄めた牛乳のように頼りない感じで今ひとつ。

でもまあ買ってしまったので仕方なく、折に触れパンに塗っては食べていたのだが、大瓶のせいかこれがなかなか減らない。2、3か月経っても、1/3も消費できない。いい加減うんざりしてきたので、先週末、大量消費を目指して、これを材料にピーナツバタークッキーを焼いてみた。

ピーナツバター260g、無塩バター225g、白砂糖200g、ブラウンシュガー220g、薄力粉310g、卵2こ、塩小さじ1/2、ベーキングパウダー小さじ1、ベーキングソーダ小さじ1 1/2 をミキサーで混ぜ、そのままでは生地がねばついて扱いにくいので冷蔵庫で1時間ほど冷やしてからボールに丸めて天板に並べ、375°F(190℃)のオーブンで10分焼くだけ、という超基本型のクッキーなのだが、最初わたしが適当と思える大きさに丸めたら、やたら数ができる。この分量で4ダース、48枚のはずなのだが、その倍くらいはできそうな勢いでボールが増えていく。

これはいかん、あんまり数が多くては焼くのが面倒くさい、と急遽すでに丸めたボールにまた生地を足して倍くらいの大きさにし、やっと何とかレシピ通り48このボールにしたが、焼き上がってオーブンから出てきたクッキーは案の定、おやつというより食事になりそうなくらいの堂々たる大きさで辺りを睥睨していた。

Ameiさんではないが、“なんだかいろんなことがいっぺんに”わかったような気がした。

こんな大きさのクッキーを3枚も4枚もおやつに食っているから超肥満体になるのだ、北米人!

ちなみにお味今ひとつのピーナツバターで作ったクッキーは、やはり今ひとつなお味でした。
美味しくてついつい食べ過ぎてしまうのも困りものですが、せっかく作ったものが今ひとつというのもなんだかさみしい。
みなさま、ピーナツバターはやはり All Natural 100%タイプを選びましょう。
ふたを開けたばかりの時は、油分と固形分が分離したりしていてかき混ぜるのが大変ですが、毎日毎日混ぜ混ぜしているうちに、だんだん軟らかくなって塗りやすくなります。だいじょうぶです。

くまちゃんマークでおなじみのクラフト
オールナチュラルタイプは、茶色のふたが目印です。
(別に他のメーカーのでもいいんですが、
ウチの近所で売っているのはクラフトばかりなもので)



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医療の話 2

前回の話の続き。
新規移民者であるクラスメートの大部分は、主治医/家庭医(family doctor)を持っていないと書いたが、その理由はカナダの医師は勤務医も家庭医も基本的には保険医で、政府から給料が支給されているので、担当患者が増えたからと言って給料が増えるというわけではない。よってある程度の数の患者を抱え、既存の患者だけで十分忙しい家庭医は、新規の患者を受け付けたがらないためであるという。

これは別に移民に限ったことではなくて、ケベッコワでも同じ。たとえばクラスメートのペネロピの夫君はケベッコワだが、以前は数十キロ離れたV町に住んでいた。V町では家庭医がいたが、こちらに引っ越してからは家庭医を引き受けてくれる医師が見つからず、ここ2年ばかりは家庭医なし状態。当然ペネロピも家庭医なし。去年、別の町に引っ越したマリソルたちも同じ。以前住んでいた町には家庭医がいたが、今住んでいるところにはいない。2つの町の間に横たわる距離は約40km。カナダ人にとっては“ほんの隣町”の距離だが、具合の悪い時に山を越え、谷を越え40km走るのは、なかなかしんどいものがありそうだ。

私と雪だるまの場合は、まず数年前にお義父さんが自身の家庭医であるドクター・Cに「息子も引き受けてもらえないか?」と頼んでOKを貰い(当時、雪だるまは香港在住だったが、毎年夏休みに帰省してカナダで定期検診etc.を受けたりしていたので、家庭医登録の必要があった)、次に今度は雪だるまが「妻も引き受けてもらえないか?」と頼んで、これまた運よくOKを貰えたので、義弟ジェリーを含め、一家全員ドクター・Cの患者ということになっているが、これは結構ラッキーなケースなのかもしれない。

家庭医を引き受けてくれる医師を見つけるのが難しいこと、診察の予約がなかなか取れないこと、病院の救急外来での待ち時間が非常に長いこと。どれも、ここ何年も新聞その他で問題になっていることである。

診察を受けたいのに受けられないという問題を解決するひとつの案として、ケベックでは数年前から私立クリニックの開設を認めるようになったが、私立であるからもちろん有料だし、経営が成り立つ患者数が確保できなければならないから、どこにでもあるというものでもない。実際、人口13万の隣の市にはあるが、人口5万のウチの町にはない。

公立病院(無償または安価)と私立病院(有料)が併存し、患者は自身の病状の緊急度および懐具合に応じてどちらに行くか選ぶというのは香港でお馴染みの方式で、私はこれはこれでなかなか悪くない方式だと思っているのだが、雪だるまに言わせると、この方式では結局、有料の私立病院の方に優秀な人材や最新鋭の設備が集まってしまいがちで、経済力の格差が医療の格差につながってしまう。それでは問題の解決にならないと言う。

そうしてみると、日本の国民皆保険だが自己負担はあるという方式は、なかなか悪くない方式なのかもしれない。たとえ3割にしろ自己負担があるという点で、少しは自身の健康管理に気をつけるし、それでも病気になってしまった場合は病院または医院に行けば、(日本の病院での待ち時間も結構長いが)たぶんその日のうちに診てもらえる。手術、入院等で医療費が嵩めば、高額療養費の払い戻しという制度もある。国保は長年赤字だし、日本の皆保険制度も問題山積で、いつまでこうした制度を続けられるのか定かではないが、間違っても米国のようにはなって欲しくないと思う。オバマケアで多少はましになったようだが、自由診療が基本で、各個人がそれぞれ民間の保険会社と契約して高額な医療費の負担に備えるという米国の方式は、徹頭徹尾強い者に有利で、弱い者はそれこそ情け容赦なく切り捨てられておしまい。自由競争も民営化も結構だが、医の目的は営利ではなかろうに、と思わずにはいられない。

医療の話 1

そういえば手術を2回した話は書いたが、その手術が2回とも全く無料だったことは書かなかった。意図して書かなかったわけではなく、話がそっちに行かなかっただけなのだが、ケベックでは基本的に医療費は無料なので、手術も当然無料なのである。これは私のように無職で収入のない者には大変ありがたい。いろいろ弊害もあることはわかっているが、医療を受ける当事者になってみると、費用の心配をせずに治療を受けられるのは、本当に有難いと思う。

医薬分業なので医師の処方箋により薬局で買う薬は無料というわけにはいかないが、政府により価格が統制されているのか、むやみに高いというようなことはない。たとえば先月から始めたホルモン治療用のApo Tamox(タモキシフェン)20mgは、1か月分15錠で13.69カナダドル(約1300円)である。(注:毎日飲むのに1か月分で15錠なのは、私の場合1日の服用量が10mgなので、1錠を半分に割って服用しているため。そういうケースが多いのか、薬には最初から真ん中に切れ目が入っている)

そして再来週くらいからは放射線療法も始まるが、これも費用はかからないはずである。まだ詳しい話を聞いていないのではっきりとは言えないが、部位は違うが同じく放射線療法を受けた叔父さんも有料だとは言っていなかった。フォローアップのための3、4か月に1度の検診も医師との面談も、もちろん無料である。つまり私は今後、1か月約14ドルの薬代以外、特に大きな費用負担なしに治療を続けていくことができるのである。これを有難いと言わずして、何と言おうか。

ただ、この有難い制度にも問題がないわけではない。まず、緊急の場合以外、なかなか診察の予約が取れない。ケベックには特定の医師を主治医/家庭医(family doctor)として登録する制度があり、私の担当は近所のクリニックのドクター・Cなのだが、こうして主治医がいても緊急でなければなかなか即日には診てもらえない。前々回、手術の2週間後に傷口から出血し始めて慌てた時も、ドクター・Cに電話したのが月曜、予約が取れたのが水曜。担当の主治医がいても2日後だったのだから、いない場合はもっと時間がかかるわけで、というかそもそも予約が取れないので、診てもらいたければ朝からクリニックに並んで番号取りをするしかないのである。(私もドクター・Cが主治医を引き受けてくれる前は、これをやった) あるいは病院の緊急外来に行って、ひたすら待つか。

教室で喋っていて知ったのだが、クラスメートの大部分は新規移民者なので主治医がおらず、したがって具合が悪い時は直接病院の救急外来に行くそうだ。行って、診てもらえるまでひたすら待つ。そうやっている一人、近所に住む許さんによれば、前回風邪をひいて病院に行った時には、朝9時頃行って、診て貰えたのは夕方4時過ぎだったそうである。受付の際の問診、検温等により、さほど緊急ではないと判断されたためらしい。待っている途中でもう一度、大丈夫かどうか確認されたが、幸か不幸か大丈夫だったので、順番が繰り上げられることなくそのままひたすら待ち続けることになったそうで。

教師であるジョゼのお嬢さんが怪我をして救急外来に駆け込んだ時も同様で、待合室で何時間も何時間も待たされたそうである。ただしジョゼの場合は痛みでお嬢さんが泣き出しそうな様子になったので、やむを得ず隣の市の私立のクリニック(=有料)に走ったそうで、まあこれはある程度の経済力があるからできることではある。

ジョゼによれば、病院がこんなに混んでいるのは、診療が無料であるため、本来なら診療が必要ではない人まで病院に行く、あるいは健康を気遣うことなく不摂生な生活をした挙句、病気になって病院に駆け込む人が多いためで、そのために本当に医療が必要な人は医療を受けられないという憂うべき状態になっているのだという。

ジョゼの説の真偽は別として、そういえば昔日本でも病院の待合室が老人たちの社交場となり、たまに常連の誰かの姿が見えないと「あれ、今日は××さんがいないね。具合でも悪いのかね?」と言い合うという冗談があったが、ここケベックの田舎でも同様のことが起きているのだろうか?

雪だるまはベジだが、私はベジではない。
ケージの中にぎゅうぎゅうに詰め込まれ、土を踏むことも、空を仰ぎ見ることもなく、ただひたすらエサを詰め込まれ肥育される牛、豚、鶏や、目的とする魚種以外は捕るそばから海に投棄されて海洋汚染に拍車をかけ、あるいは家畜同様、劣悪な環境の中、抗生物質たっぷりのエサを与えられて無理やり養殖される魚の惨状を憂いて菜食主義に転ずるには、私は食い意地が張り過ぎている。
だから、そういう人間の食料として肥育される家畜や魚の惨状や、そうやって肥育された家畜や魚を食べることは健康によいとは言えないかもしれないという状況には目をつむって、2週間に1回くらいは豚、鶏肉や食肉加工品を買い込んで、スープのだしに使ったり、サンドイッチの具にしたりしてきた。
なんのかんの言っても北米は肉食の地なので、そうした食品が豊富で、かつ安価だったせいもある。

しかし魚は、こちらに来てからあまり食べていなかった。
ひとつには買い出しに行く先がスーパーマーケットばかりで、魚と言えば皮なし、骨なしに下ろされたフィレ状の冷凍ものばかり。こんなのっぺらぼうの、頭も尾もない状態では、はたして本当に魚なんだか、あるいは魚の形に加工された何か別の物なんだか今ひとつ得体が知れず、しかも値段は肉に比べてやや高めでは、食指の動きようがなかった。おまけにそうした冷凍フィレのパッケージに添えられた名前は、“FLÉTAN(HALIBUT)”とか“PANGASIUS(BASA)”とか、およそ聞き慣れない名前ばかりで、どんな魚なんだか全く見当がつかない。

そんなわけで過去2年半、魚ケースの前は素通りで過ごしてきたのだが、先日仏語教室で魚の話が出て以来、なんだか急に魚が食べたくなって、近所のディスカウントストアでセールになっていたのを幸い、初めてのっぺらぼう冷凍フィレを1袋買ってみた。袋に書かれた名前は“PANGASIUS(BASA)” なにしろのっぺらぼうフィレなので、最初はごく普通にパンフライにしてみたのだが、身から水分が大量に出て著しく身が縮んだうえ、軽く塩コショウしただけなのに、かなり塩辛く仕上がってしまって、失敗。2回目は塩コショウなしでパンフライしてみたが、やはり相当塩辛い。しかも身は、銀鱈を煮つけた時のように、にゅるにゅる。

うーん、これはいかん…と米版クックパッド、“Allrecipes”を当たったら、マヨネーズと粒辛子を塗って蒸し焼き風にする料理法が出ていた。簡単そうで評価もよいので3回目はこれに挑戦。各調味料の計量をかなり適当にしたうえ、レシピの中で最大量の蜂蜜を入れ忘れるという粗忽ぶりにも拘らず、これは結構おいしくできた。身のにゅるにゅるした感じも、このレシピなら気にならない。気を良くして4回目はアルミフォイルではなくパーチメントペーパーで包み、オーブンではなく電子レンジでチンしてみたが、これでもけっこう何とかなった。(オーブンではなく電子レンジにしたのは、一人分の料理にオーブンを使う気がしなかったからである。省エネ&電気代節約 ^^:)

ちなみにこのPANGASIUS(BASA)という魚、ナマズの一種でメコンデルタやチャオプラヤ川流域が原産地らしい。日本ではあまり出回っていないのか、日本語名は見つけられなかった。確かにこのにゅるにゅる感では、煮つけにはできても塩焼きには向かなそうだし、日本ではあまり人気は出ないかも。上記の料理法ではまあ美味しかったが、ご飯のおかずになるかどうかは微妙なところ。中国風に清蒸あたりにすれば、行けるかもしれないが。

ああ、しかし、私が本当に食べたいのは、イワシの塩焼きなのだ。
ああ、七輪買って、イワシを焼きたい!

ついに、ついに、春! か?

  • 2014/04/03 21:00
  • Category: 動物
日曜日はしんしんと雪が降って、風もあったのでまるで吹雪のようで
「まったく、いつまで冬が続くんだか…」とげんなりしていたのだが
1日置いて火曜日、4月1日になったら、気温が一気に上がって、突然春になった。

太陽が燦々と輝き、しかもその光が強くて
ダウン着てマフラー巻いて車の中にいたら、暑くて汗をかいたほど。
路肩に積み上げられた雪も大量に融けて、道路は一面水浸し。
そこら中に水たまりが出現し、広告にカラフルな雨靴が踊るのは
当地に春が来た印である。

おまけに昨日、水曜には、今年初めてチッピーを目撃!
ソファに座って編み物をしていたら、目の隅で動くものがある。
なんだ?と思って顔を上げたら、デッキの端でチッピーがちょろちょろ
鳥たちが落としたタネを拾っていた。
去年よく見た個体よりやや小柄で、しっぽの大変長い子だった。
うれしくなってデッキに殻付き落花生を投げてみたが
人間の出現にびっくりしたのか、チッピーはサササッとデッキの下に隠れてしまい
その後は姿を見せず。残念! 

しかし、チッピーの出現や、身体を包む空気の暖かさに元気づけられて、
昨日の午後はデッキの雪かきを敢行。
積もっていた雪を庭に落として、ルームシューズで外に出られるようにした。
これで、これからは天気さえよければ、外に洗濯物を干すことができる。
シーツとかの大物は部屋干しが難しく、つい乾燥機に頼りがちだったから
外干しできるのは、エネルギー消費の点でも、電気料の点でも◎なり。

最後
チッピーの写真は撮れなかったので、代わりに黒リスたちの写真をば。
フィーダーを壊したのは、こいつらです。

窓越しに撮ったので、ちょっとボケてますが
落花生を齧る黒リス君

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後姿
デッキの向こうは、まだ雪

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プロフィール

らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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