教育が進めば

  • 2014/06/30 11:57
  • Category: 雑記
遠くはイラク・シリア国境地帯やウクライナでのごたごた、お祭り騒ぎのW杯とそのしわ寄せを食う人々の問題から、近くはボートから湖に放尿している人たちに対しジョゼが「ここの水は飲料水になるのだから」と注意したら、逆ギレされて「ブルジョア!」(環境問題なんぞに関心を払うのはブルジョワジーの道楽という意味か)だの何だのさんざん罵声を浴びせられたという話まで、このところヒトという種の質的平均値の低さにつくづくとペシミスティックになり、未来というものに関心を失っている。

どうして平均値としての人間はこうも愚かなのか?と嘆く私に雪だるまは、問題の多くは教育の欠如が原因だ。紛争、貧困、政府の腐敗や社会の機能不全など、種々の問題を抱える国/地域の多くではまともな教育(たとえ制度的にどんなに完璧であろうと、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教など絶対神への崇拝を根本においた教育を、雪だるまは“まともな教育”とは認めていない。よって中東の多くの国の教育は、雪だるまに言わせれば“まともな教育”ではないことになる。米国もまた然り)が行われていない。まともな教育が行われていなければ、そこの国民/住民は長じても正しい判断をすることができず、問題の解決に愚かな手段を選択したり、愚劣な指導者あるいは甘言を弄する指導者に簡単に扇動されたりする。そしてますます問題が拡大する、と言う。

確かに民主主義を機能させるために最も重要な基盤は教育であり、教育ある国民/住民無くして民主主義は成り立たないというのは常識だが、しかし人を教育することの、なんと難しいことか。

まずシステムの問題がある。人を一つの場所に集めて、一定の期間集団的に教育する学校という制度は、最も合理的かつ安上がりに均質な教育を施せる制度だろうが、何しろ常に“集団”なので、集団になった時のヒトの問題点が、さまざまな面で浮き彫りになる。ことに経済的に豊かで社会に余裕のある国においては、学校が教育機関としては十分機能しなくなり、むしろ集団生活の中でのいじめや登校拒否など、別の問題を生み出す場と成り果てている例が少なくない。

それにたとえ機能している学校であったとしても、そこにいる生徒が学んでいるとは限らない。馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできないという例え話の通り、人を学校に放り込むことはできても、何かを無理やり学ばせることはできない。学ぶか否かはまったくその人個人にかかっているのだ。資質の問題もある。いくら詰め込み教育といったところで、胃に無理やりエサを詰め込むフォアグラよろしく、生徒の頭をぱかりと開いて、そこに知識を詰め込めるわけではない。(そうできたらどんなにいいだろうと私などは思うが。ああ、フランス語の動詞活用表をぽこり頭に投げ込むことが出来たらどんなに楽か!) ある事象を同じ言葉、同じ表現で説明したとしても、人の記憶力、理解力はそれこそ千差万別。同じ結果にはならない。

ペシミストの私は上記のようなことをくどくどと述べたのだが、私と違ってどこかで楽天的な雪だるまは、それでも教育は重要だと言う。たとえ学校というシステムがうまく機能していなくても、そこで生徒が学んでいなくても、better than nothingだ。教育が進めば進むほど、社会はましになると楽観的見方を崩さない。私もそれくらい楽観的になれればいいのだが。
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アライグマ君

  • 2014/06/27 11:11
  • Category: 動物
そういえば先日盗まれたスエット・ホルダーは、その後ウチの庭の隅で見つかった。アライグマ君は裏の林まで持って行く手間を惜しみ、庭の隅で中身だけほじくり食って、ホルダーそのものは「もう要らん」とばかりに放り出したらしい。雨上がりにじっとり濡れた状態で見つけた時には、すでにナメクジが2匹ばかり穴に入り込んでいてやたら気持ち悪かったが、そのまま捨て置くのも勿体ないので、拾ってきれいにしてまた使っている。キツツキにしろ他の鳥にしろ、スエットさえたっぷり入っていれば、ホルダーがどんな状態だろうと気にしたりはしないので、だいぶみすぼらしくはなったが、まだあと1、2年は使うつもりである。

さてそのアライグマ君だが、スエットも砂糖水も夜は家の中に入れるようになって選択肢が減ったためか、ある夜はウチのフィーダーの中で一番大きい金属製3本チューブのフィーダーに取り付き、吊るしているポールごとガタンガタンとデッキにぶつけて大奮闘していた。夜中の2時半過ぎ、その騒音で目を覚ました私があたふたと庭に降りて見回った時には、ポールはすでに斜めにかしいで倒れる寸前、3本チューブフィーダーは大きくて重いので無事だったが、その反対側に吊るしてあった小フィーダーは中の油糧種子が全部こぼれて中身は空っぽ。まったく、次から次へと悪さの絶えないアライグマ君である。夜中の騒音に懲りた私が、その日から夜はすべてのフィーダーを家の中に入れるようになったことは、言うまでもない。


これがその3本チューブフィーダー
今まさにエサを盗まんとしているのは、黒リス君
リスとの比較でフィーダーの大きさがお分かりいただけるでしょうか


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そうしてウチの庭にはもう食べ物はなくなったはずなのだが、アライグマ君はその後もウチの庭に出没している。つい2、3日前には、彼のものと思われる液状排泄物をデッキの隅で見つけた。液状といっても尿ではなく糞である。スイカのタネのようにぷちぷちと小さく可愛らしいシマリスの糞とは似ても似つかぬ黒い泥状の糞。アライグマも普通はころころした塊り状の糞をするらしいから、この時は何か悪いものを食べて下痢気味だったのか、ま、その辺はわからないのだが、ともかくウチのデッキの上にでーんと排泄してあった。強烈な悪臭、というわけではなかったが、デッキの上に置かれたのでは肥料にもならないので、速やかに水で洗い流した。


アライグマ君のものと思われる排泄物

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そして昨夜はとうとう、ウチのコンポストを襲撃していたそうである。コンポストのすぐ横に地下室の窓があるので、夜、地下で仕事をしていた雪だるまがすぐにその物音に気付いたが、懐中電灯を持って庭に出た時には、アライグマ君はもう逃げ去った後だった。

ウチのコンポストと垣根を挟んだ向こう側には隣家のゴミ箱もあるし、エサを漁るアライグマ君がこれらに目を付けるのは理の当然ではあるのだが、そうは言っても歓迎する気にはなれない。しかしフィーダーと違って、まさか底のないコンポストを「夜は家の中へ」というわけにはいかないし、うーん、どうしよう?

Alpenglühen

夏休みに入った金曜から、これ(↓)を編み始めた。


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(よく見ると、ゴム編みの目がころんでますな。ははは・・・)

alpenglühen
by Isabell Kraemer




じりじりと暑い夏がこれから始まろうという時に、何もウール100%の糸で、ぷっくりと厚いケーブル模様のカーディガンを編まなくても・・・と思われるだろうが、夏の短い当地、6月末でもまだ朝晩は10℃前後まで冷え込むから、毛糸を扱っていても別段汗だくになったりはしないのである。

それに私はRaverlyをうろうろしていて見つけた、このIsabell Kraemerさんデザインのカーディガンに一目惚れしてしまった。ケーブル模様のカーディは他にもいろいろあったのだが、どれをとってもこの alpenglühen にかなうものはなく、「これが編みたい! どうしても編みたい! これじゃなきゃいやだ!」と他のデザインに目がいかなくなってしまったので、4.90ユーロ(約7.50カナダドル)という値段に些かひるみ、4日間くらいうじうじ迷いはしたが、結局DLして編み始めてしまったのである。

それで正解。以来、毎日楽しく編んでいる。BGMは昨日からはクリスティの「The Murder of Roger Ackroyd」。ようつべにオーディオブックがアップされているとはついこの間まで知らなかったのだが、ひとたび気づいて検索してみれば、あるわ、あるわ。編み物のBGMに聞くにはぴったりの軽いお話がうじゃうじゃある。モノによっては頻繁にCMが入るのがややうっとうしいが(上記アクロイドも最初の1時間くらいは7分ごとにCMが入って、ほんとに「をい、をい・・・」という感じだった)まあタダなんだから仕方がない。著作権の問題はどうなっているのだろう?と些か疑問な点はあるが、当方は単なる鑑賞者。当該問題は著作権保持者とアップした方との間で解決していただくとして、こちらはしばらく無料で楽しませていただくことにする。

ちなみに Isabell さんのデザインでは、「on the beach」とか「driftwood」とか「poolside」なども人気である。特に前者2つはどちらもフリーパターンなので、たくさんの人がいろいろな糸、いろいろな色で編んでいて、プロジェクトページの作品群を見るだけで楽しい。興味のある方は下記ボタンをクリックして、作品ページへどうぞ。そしてついでに cast on !

on the beach

driftwood

poolside

夏休み

  • 2014/06/20 20:17
  • Category: 雑記
昨日でフランス語教室が終わった。
ラジオセラピーのせいもあって後半かなり疲れていたので、正直、学校が終わってほっとしている。

昨日は最終日ということで、学校から車で1時間ほどのナショナルパークに、カヌー漕ぎとハイキングにでかけた。
最初20人近くいた生徒も、仕事やら諸般の事情やらでどんどん減って、最後の1か月は多くても5人、
誰かが休むと2、3人で授業というこじんまりしたクラスになってしまったが、
そうなると各人の性格や、発音におけるそれぞれの母語の影響なども明瞭に見えて、それはそれで面白かった。

つぎに学校が始まるのは、たぶん10月。
それまで3か月の夏休みである。


ナショナルパークの東端を流れる St-Maurice
パーク内には湖もたくさんあって、カヌーやカヤックで遊べる


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カヌーで Lac Wapizagonke を横断し、岸辺の砂地でお弁当

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最後に寄った川の早瀬

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ホルダー、盗まれる!

  • 2014/06/15 22:21
  • Category: 動物
一昨日の晩、我が家の軒先からスエット・ホルダーが消えた。盗まれたのである。

スエット・ホルダーというのは1種のバードフィーダーで、いろいろなデザインがあるが、ウチのは木製、直方体で各側面に2つずつ、計8個の穴が開いていて、そこにスエット(牛脂に雑穀やヒマワリのタネなどを混ぜ固めた鳥のエサ)を詰めて使うタイプ。特にキツツキがこのスエットを好むので、ウチでは年間通してデッキの梁から吊るし、大小のキツツキが来てはこれを突くのを楽しく見ていた。


これです。これは新しいのですが、古いのも全く同じ形。

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それが一晩のうちに消えたのである。実はその前から、ハミングバードフィーダーの中の砂糖水が一晩で空になるという事件も起きていた。最初の時はちょうど激しい雷雨があった晩だったので、風でフィーダーが揺れて中の砂糖水がこぼれ、空になってしまったのかと思ったが、その次の晩は穏やかな夜で、雨もなければ風もなかった。それなのに夕方いっぱいにしたフィーダー2つが2つとも、翌朝には空っぽになっていたのである。

ハミングバードフィーダーはその名の通りハミングバード用なので、ハミングバードの針のように細いくちばしが入る程度の穴しか開いていない。したがって他のくちばしが大きく太い鳥は飲むことができないし、リスやシマリスがフィーダーからぶら下がって舌で舐めとるのも難しい。となると犯人は、フィーダーを傾けて穴に口を添え、砂糖水を飲むことができる器用な手を持った動物、しかも砂糖水がなくなっているのは夜なので、夜行性。この条件に当てはまる動物といえば…
「アライグマだ!!!」

アライグマはずいぶん前に一度、庭の隅をうろうろしているのを見たことがあるだけで、その後ちらとも姿を見かけなかったのだが、どうやらまたウチの近くに出没し始めたらしい。林や森が点在する田舎住まいの身では、野生動物の出没、徘徊を阻止する手立てはないが、しかしまさか毎日、毎日、アライグマ(?)のために500mlの砂糖水を用意する気にはなれない、ということで、その日から夜はハミングバードフィーダーを家の中に入れることにした。

そうした矢先、今度はスエット・ホルダーを盗まれたのである。デッキの梁から吊るした紐にS字フックで引っかけてあるホルダーを外して持ち逃げできるのは、これまた自在に動く器用な手を持った動物しかありえない。手のない鳥には不可能だし、リスやシマリス、隣家の猫にしたところで、まさか30cmくらいもある木製のホルダーを口にくわえて逃げるとは思えない。(シマリスなんか、大きさの比較で言えば人間が30階建ての高層ビルを背中に担いで逃げるようなものである。そんなことができる人がいたら、お目にかかりたい) 

アライグマ君、砂糖水が飲めなくなったので、代わりに栄養たっぷり、高カロリーのスエットを持ち去ったのだろうが、それにしてもホルダーごと持って行かなくてもいいのに。まさかホルダーまで食べたはずはないから、どうせ裏の林のどこかに落ちているのだろうが、木がいっぱい、蚊もいっぱいの裏の林に入ってホルダーを捜すのは骨だぜ。やれやれ。


Racoonよ、犯人は君だろう、ネタは上がっているのだ。速やかにホルダーを返したまえ。

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終わったぜ、いえーい!

ラジオセラピーが終わった。いえーい!

途中ちょっと疲れてだるだるになったとはいえ、毎日一人で車に乗って隣の市まで行くのは結構楽しかったし、病院の看護師さんたちもみな明るくて親切だったし、セラピーに出かけていくのはいやではなかったが、そうは言っても放射線を浴びるのなんか少ないに越したことはないので、終わったのはやっぱり、いえーい! である。なんだかふつふつと嬉しい。

照射は16回だけだったから、標準らしい25回(2グレイ×25日=50グレイ)よりも9回ほど少なく、そのせいか上記の疲労感を除けば、治療期間中は大した副作用はなかった。やれ、めでたやな。

しいていえば、先週くらいから照射部分の皮膚が赤くなってきて、暑い日にはチクチクしてやや不快だが、肌につかない服に着替えたり、風を入れたりすれば、チクチクはすぐ治まるので、余り気にならない。ちなみに照射部分が過敏になっているのは皮膚が乾燥しているせいとかで、一昨日の担当医の検診の時にクリームを処方された。Glaxal base creamとかいう名前の保湿クリームで、放射線治療による皮膚のトラブルだけでなく、アトピーや極端な乾燥肌の人にもお勧めのクリームらしい。白色、無臭、軟らかくてしっとりとしているがワセリンのようなべたつきは全くない、なかなか使い心地のよいクリームである。1日2回、朝と晩に照射部分に塗りなさいとのことで、私は「はい、はい」とおとなしく、言われた通りに塗っている。まだ3日目なので格別過敏さが薄らいだ感じはしないが、皮膚のカサカサした感じは多少治まったような気がする。ま、なんたって保湿クリームだし。

このクリーム、私は処方箋をもらったので病院の帰りに薬局で処方してもらったが、50gで9.99ドル(無税)だった。高価とは言えないが、私が普段使っているニベア(200ml 約9ドル)よりは高い。おまけに家に帰ってから“Glaxal base cream”で検索してみたら、ウォ○マートで同じ名前のクリームを売っていて、値段はほぼ同じ(9.97ドル)だが、量は倍(100g)。ウォ○マートで買うとたぶん税金(15%)がかかるのだが、倍量入っているならたとえ税金払ってもそちらの方が得だった計算で、なんだか少し損した気分なのだが、ウォ○マートで売っているのは、名前が同じだけで多少成分が違うクリームなのかもしれず、よくわからない。まあ放射線で過敏になっている皮膚に塗るのだから、たとえ高くても安全な薬局処方の品を使っておいた方が無難は無難。それにすでに使い始めてしまった処方薬を返して、ウォ○マートの品と取り替えられるわけはなし。考えるだけ無駄なので、深く考えるのは止めた。

副作用と言えば、服用し始めて3か月になる抗エストロゲン薬 Apo Tamox(タモキシフェン)も、今のところ大した副作用は出ていない。確かに以前より頻繁にホットフラッシュが起こるようになったが、何しろ寒さが厳しく長いカナダなので、冬の間は一時的にせよ身体が熱くなるのは「望むところだぁ!」だったし、夏になればなったで、これまた暑くなったり発汗したりするのは当たり前なので、あまり気にしていない。また、エストロゲンが減ると気分が落ち込みやすくなるようだが、これもまた今のところ特に鬱々とはなっていない。もともと抑鬱気分に陥りやすい性格なので、薬の影響でそれがますます助長されてはかなわないと最初の頃は戦々恐々としていたのだが、3か月経ってもあまり影響が出ていないので、正直かなりほっとしている。このままあと4年間9か月、何事もなく過ぎてくれればいいのだが。

ついでにタモキシフェンの副作用として、日本語のサイトには「体重の増加」、英語のサイトには「体重の減少」が載っていたが(同じ薬でなぜ正反対の副作用が現れるのか不思議。食生活の違いからか?)、痩せるのはともかく、これ以上太るのは不愉快だし、今ある服が着られなくなって不経済なので、特に痩せたり太ったりしないよう毎朝体重を測ってコントロールしている。よって体重の変化もなし。まあ無事に過ぎている。あとは放射線治療も終わったことだし、週3回のジムを復活させて筋力の回復に勤しむのが課題。来週には学校も終わるし、時間はたっぷりある。カナダの夏は、楽しいのだ。

窓ガラス拭きなんか大嫌い

私は窓ガラス拭きが大嫌いだ。これくらい面倒な割に報われない仕事もないと思っている。たとえば他の掃除や皿洗い、洗濯はやればやっただけきれいになり、成果が明らかに見えて気分がよいが、窓ガラス拭きはやったからといってきれいになるとは限らない。どんなに丁寧にやったつもりでも、必ずどこかに拭き残しや乾拭きの跡などが残り、太陽の光でも当たろうものなら、いやになるくらいはっきりとその不出来ぶりを見せつけてくれる。それに苛立ち、むきになって力任せにこすったりすると、タオルの毛羽立ちまでガラスに付着したりして、本当に目も当てられない。努力の程度と成果が正しく比例しないのが、ガラス拭きなのだ。

おまけに徹頭徹尾、人力だ。この100年、家事労働は著しく機械化が進んで、掃除は掃除機あるいはお掃除ロボット(ルンバちゃん)、洗濯は洗濯機&乾燥機、調理は(したくなければ)種々の冷凍食品や半調理品、出来合いのお総菜やお弁当を電子レンジでチン!など、人がやることといったらそれぞれの機械のスイッチを押すだけ、と言っていいほど目覚ましい勢いで省力化が進んでいるというのに、窓ガラス拭きだけは相も変わらず100年前のまま。“人間”が“手”で、1枚、1枚拭いている。ほとんど産業革命以前である。そもそも現代技術の象徴のような超高層ビルですら、窓拭きは人力ではないか。例のドバイのブルジュ・ハリファですら、一部清掃用無人機械があるものの、基本的にはゴンドラや吊り籠に乗った清掃人が人力で拭くのだそうである。建築技術は21世紀でも、窓拭き技術は中世(あるいはもっと前)のままというところか。

さてその人力による窓ガラス拭きだが、その方法としては「濡らした新聞紙で拭くのが最良」とか、「半乾きのタオルがベスト」とか、「スクイージ+タオル 1分で完了!」とか、さまざまな“これがベスト”な拭き方が、さまざまな家事サイトに載っているが、実際に試すとどれも今ひとつ。やり方が悪いのか、はたまた私には先天的に窓ふきの才能が欠けているのか、拭いている間は「お、きれい、きれい」と思えても、拭き終わってからちょっと離れて見てみると、あちらこちらにうっすらと拭き跡が透かし見え、心底がっかりする。

第一この記事にしてからが、今朝デッキに出るフランス窓、夏場ウチの中でもっとも頻繁に使用する出入り口、のガラス拭きを始め、やってもやってもきれいにならないのにうんざりして書き始めたのである。今日使ったお道具は薄い洗剤液とスクイージ、タオルだったが、拭いても拭いてもどこかに拭き跡が残り、すっきりしない。実に腹立たしい。

それに寒さの厳しい土地ゆえ当地の窓はみな二重窓なのも、面倒さに一役買っている。上記フランス窓も例外ではない。私は昔、二重窓というのは内側と外側に1枚ずつ窓があるのかと勘違いしていたが、少なくとも今、当地で一般的な二重窓は、窓枠に内、外2枚のガラスを嵌め込む形式で(2枚のガラスはぴったりくっついているわけではなく、1cmほど開いている。複層ガラスというそうである)、窓が2枚あるわけではない。この窓枠に嵌め込まれた2枚のガラスは当然嵌め殺しで、個別に動かせるわけではないから、それぞれ外側は拭けても内側は拭けないということになる。嵌め殺しの2枚の窓ガラスの内側など汚れるはずはないので、それで問題ないはずなのだが、どういうわけだか時々、パッキングの隙間から雨水や汚れが入り込むことがあり、内側に染みを作る。こうなると、もういけない。掃除できない内側にできた染みは、こちらを嘲笑うかのように永遠にそのまま。手が届かない口惜しさに、窓拭きの度に苛々することになる。まったく腹立たしい。

もうひとつ、嵌め殺しの窓が多いのも当地の特徴だ。日本と香港でしか暮らしたことのなかった私は、「窓は開くもの」と思い込んでいたが、当地に来て開かない窓の方が多いことにびっくりした。当地では窓は採光のためのものであって、換気のためのものではないらしい。たとえばフランス窓の両側の窓は2つとも嵌め殺しで、まったく開かない。主寝室の窓も、窓自体は3m×2mと大きいが、開くのは端の1か所だけで、40cmほどの幅でドアのように外側に向かって最大90度開くだけである。浴室、客用寝室も同じ。

こうなると1階はともかく、2階の窓は内側しか拭けないということになる。2階の窓に届くほどの梯子はウチにはないし、あったとしてもそんな高い梯子に登って窓を拭くのなんか絶対にいやである。この窓の構造は他のうちでも同じと思われたので、叔母さんの一人にいったいどうやって窓の掃除をするのかと聞いてみたら、2階の窓まで届くよう水圧が強くなるようなホースヘッドをつけて、外からシャーシャー水をかけて洗うのだそうである。確かに一般家庭ではそれ以外、妙案があるとは思えない。もっとも引っ越して約3年、私はこの方法を実行したことはないのだが…
なんといっても冒頭に書いた通り、私は窓ガラス拭きが大嫌いなのである。届きもしない窓なんか、3年くらい拭かなくたって死にはしない。

だるだる

 先週の金曜は病院の帰り石拾いに行って、バケツに4、5杯、石を拾ってくるくらい元気だったのだが、今週は月曜からやや疲れ気味。毎日朝から何となくだるく、ジムに行っても力が出なくてウェイトが挙がらないし、すぐ疲れる。たぶん放射線照射の影響だと思うのだが、しかしもしかしたらそれを口実にした単なるナマケ病かもしれない。いずれにしても照射もあと4回で終わり。説明によれば、照射による疲労感やだるさは治療終了後数週間で消えるそうなので、まあそのうち元に戻るだろう。

 病院への行き帰りの道にも慣れ退屈になって来たので、毎日何か違うことをして変化をつけている。ここ3日ばかりは病院の駐車場を使うのを止め、病院のそばの住宅街の道に車を停めて、病院まで歩いている。日本でもそうだが、当地でも病院の敷地は広いので、すぐ隣の住宅街とは言っても7、8分は歩くのだが、ほとんど人通りのない閑静な住宅街で、それぞれ前庭にはきれいに花が植えられていたりするので、歩くのは楽しい。
まったくもって身勝手な言いぐさだということはわかっているが、病院の周りは手入れの行き届いた静かな住宅街が広がっている方が、毎日通う者にとっては有難い。治療に行くにせよ、見舞いに行くにせよ、荒廃した街並みの中を毎日通うのでは、それだけで気が沈んでくる。ほんとに手前勝手な物言いではあるけれども。

 庭のルバーブ、薹が立ちそうになって来たので、夕方茎を収穫。全部で1kgちょっとあった。洗って切って砂糖を入れて煮てジャムにした。ウチのルバーブは色が今ひとつで、そのまま煮ると汚い黄緑色のジャムになるので、色付けに冷凍ベリーミックスも少し入れた。ベリーミックスにはラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリーなどが入っているので、1カップも入れればきれいな赤い色がつくのである。

 今年はパンジーとヴィオラで花篭を作った。このヴィオラ、深い紫と淡いラヴェンダーの配色がいかにもすがすがしく、そこだけ涼風が吹いている気配。

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2014年春 動物編

  • 2014/06/03 22:32
  • Category: 動物
初チッピーは、4月の初めだった。まだ庭に大量に雪が残っていた頃だったが、冬眠から覚めたらしい寝ぼけ眼のチッピーが、彼の棲み家と想定される庭石のそばの雪の間から、ちょこんと顔を出してあたりを見回していたのである。4月とはいえ、まだまだ暖房なしではいられなかった室内からそれを見ていた私と雪だるまは、たとえまだ雪が40cm近く積もっていようとも、気温が零下であろうとも、とうとう春が来たのだと実感した。


4月初め 雪の中のチッピー

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チッピーが現れた!となれば、準備すべきはピーナツである。殻付き、塩なしの純正ピーナツ。まあほんとは、塩さえついていなければ殻はついていてもいいのだが、私と雪だるまの場合、嵩張る殻付きのピーナツをチッピーが無理やり頬袋に詰め込み、頬をぱんぱんに膨らませて駆けていく様子が可愛いので、鳥用には殻なしを買っても、“チッピーには殻付きピーナツ”と決めている。

この今年のチッピー、去年の子に比べ物怖じしないようで、最近は頻繁にデッキに姿を現し、ピーナツをねだるようになった。特に雪だるまには慣れて、するするっと彼の膝に登り、背伸びして雪だるまの手からピーナツを取って行く。なんとも愛らしい。
またいつだったかは、開け放してあったフランス窓から家の中に入り込み、階段を下りて地下の雪だるまの仕事部屋まで行き、ぐるりと探検して帰って行った。網戸に登ってエサを要求した2012年のチッピー・ザ・頑皮ほどではないが、この子もなかなか冒険心旺盛と見える。


雪だるまの膝に乗りピーナツを頬張る(お見苦しい腕と脚が見えていてすみません)

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そして最近、2匹目のチッピーがいることも発見した。上記チッピーよりいくぶん大柄、年も取っているようで、頭の後ろの毛の毛艶が悪く、ややみすぼらしい。よってこの子はラッティ(ratty=みすぼらしい)と命名された。犬と違い個体差が少ないシマリスなので、チッピーとラッティを遠目で見分けるのは困難だが、近寄ればわかる。また性格も違う。ラッティの方がより慎重で警戒心が強く、間違っても膝に登ってきたりはしない。

チッピーのほかに我が庭によく出没する動物と言えば、ブラッキー(黒リス)3兄弟がいる。ほんとは兄弟かどうかは不明なのだが、よく3匹連れ立ってやって来るので、ブラッキーブラザースと呼んでいる。黒リスは食べる量が半端ではないし、庭を掘り返したり、チッピーをいじめたりするので歓迎はしていないのだが、冬眠しない彼らは冬の間も休むことなく出没する。そして鳥のエサをかすめ取って行く。厚顔なる泥棒たちである。


どうみても、コソ泥の顔

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もうひとつ、ごくたまにだが灰色リスの姿を見ることもある。この間見かけたのは、まだ子供なのかチッピーと黒リスの中間くらいの大きさで、色も灰色と茶色の中間のような色だった。


フィーダーポールに登る灰色りす君

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そのほか隣家の飼い猫も時々出没するが、猫は黒リス同様、鳥をいじめたり(というか、獲ったり)、チッピーをいじめたりするので、我が家では歓迎されていない。見かけると雪だるまが激しく追い払う。英語で「出て行け!」とか何とか言っているようだが、当地の猫に英語が通じるかどうかは疑問である。みんなフランス語で躾けているのではないかしらん。私自身は猫が好きなので少々残念なのだが、チッピーを食われては困るので、私も見かければ出て行ってくれるよう(日本語で)お願いしている。

そして哺乳類以外の動物では、以前にも書いたようにさまざまな鳥が、さまざまにやって来る。何しろ鳥好きの雪だるまが、あれこれ中身の違うフィーダーを7個も設置している。エサは常に豊富である。水が飲みたければバードバスもある。裏には雑木林もあり、遊び場&お休み処には不自由しない。天気の良い日、デッキに座ってぼーっとしていると、チッキディー、ナットハッチ、キツツキ、パープルフィンチ、ゴールドフィンチ、グラッコー、各種のスズメ、ロビン、ダヴ、ピジョンなどが三々五々やってくる。5月に入ってからは、ハミングバードも来るようになった。

お、と書いているうちに、またチッピーがデッキに現れました。フランス窓に手をかけ、こちらを覗きこんでいます。ピーナツの要求と思われます。さっき8個、あげたばかりなのになあ。もう食ってしまったのだろうか? それともどこかのキャッシュに貯め込んだのか。まあいいや。給食おばさんに変身しますので、今日はここまで。

2014年春 花・庭木編

とらこさんからワイルドフラワーのその後についてお尋ねをいただき、去年の写真を捜してみたのだが
残念ながら去年はワイルドフラワーコーナーの写真は撮らなかったようで、ひとつも見つけることができなかった。
唯一見つかったのは、一昨年のもの。
ワイルドフラワーのタネはいろいろな花のミックスで、ひとつひとつの花はよく見るときれいなのだが
ぱっと見はつつましい。そのつつましい花が混ざり合ってランダムに咲くので、
写真に撮ろうとすると、どう切り取ってもなんだか全体にぼんやりしたインパクトのない印象になってしまい
“絵”として面白くないので、確認の時点で削除してしまうことが多いのである。
結果、はっと気づくと記録写真の1枚すらないというありさま。

2年前の古い写真で恐縮だが、まあこんな感じでしたということで一応アップ。

黄色いのはたぶんカリフォルニア・ポピー

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青いヤグルマソウ(bachelor's button)

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こちらは暗い紅色。まわりはカスミソウみたいなピンクの花

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シャーレイ・ポピーのつぼみ

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そして今年はワイルドフラワーのタネは蒔かなかった。
なぜかというと、どう頑張っても庭の雰囲気と合わないことが一昨年と昨年でわかったからである。
うちの庭は前オーナーが庭石と花木を中心に完璧にランドスケープを考えて造った庭で、
そもそもあまり手を加える余地がない。
それなのに私が自分好みの草花を植えたい一心で、芝生を掘り返し無理やり花壇を作ったので
それだけでも調和が崩れてしまっているのに、そこに植えられている花が風に吹かれ自由に咲き乱れる
ワイルドフラワーでは、もともとの庭とあまりにも不調和で、せっかくの花がまったく美しく見えないのである。
なので今年は少しは調和ということを考え、元々の庭の雰囲気に合うよう“きちんと”咲く花を選んで植えた。

大部分タネから育てた多年草なので、今年の夏はたいして咲かないかもしれないが
来年には大きく成長し、立派に花を咲かせてくれるものと期待している。
庭の雪が消えてまだ1か月だが、すでに水仙、ムスカリ、チューリップは終わり
今は白いフロックス(芝桜)、オダマキ、ブリーディングハート、マリゴールドなどが咲いている。
オリエンタル&カリフォルニア・ポピー、ナスタシウム、ナデシコ、イブニング・プリムローズなどは
ただ今鋭意成長中、である。

今年の新顔 ペレニアル・チューリップ

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これは去年の生き残り。アンジェリーク

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白い八重の水仙。White on White という白い水仙ばかり集めたミックスのうちの1種

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ムスカリ。2年目に入り、だいぶ数が増えた

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美しくない花などないが、なかでもムスカリの青は、本当にきれいだと思う

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プロフィール

らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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