春のきざし1 動植物編

  • 2016/03/30 10:02
  • Category: 動物
■ 3月14日初チッピー。例年、チッピー(シマリス)が冬眠から覚め、庭に顔を出すのは4月初めなので、3月半ばというのは異様に早い。
今年は3月上旬に1週間ほど、最高気温が0度超えという暖かい日が続いたので、チッピー「春だ!」と誤解したのかもしれない。顔を出した2、3日後にはまた雪が降ったりしたのだが、チッピー冬眠には戻らなかったらしく、その後もちらちらデッキに姿を見せ、ピーナツをくわえては走り去っていく。この間は2匹が追いかけっこをしているのを見たので、どうやら少なくとも2匹、冬眠から覚めたらしい。

■ そして先週半ばからは、レッドポール(鳥)が押し寄せ始めた。毎年、雪が融け始める頃になると、スズメくらいの大きさで頭に赤い丸のあるかわいい鳥がやってくるのだが、今年も「なんだかいつになくフィーダーに鳥がいっぱいいるなあ」と思ったら、とまっているのはほとんどすべてレッドポールだった。
この鳥、かわいいのはかわいいのだが、集団で来るのが難。20羽、30羽とものすごい数で現れ、ふだんは2週間くらいもつフィーダーを、2日でカラにしていく。今も、一昨日いっぱいにしたフィーダーがすでにほとんどカラ。ジムから帰ってきたら、補給しなくては…

■ 例年になく早くチッピーが現れたのと同じ頃、今年の花の種まきをした。今年蒔いたのはジニア、スナップドラゴン、パンジー各48、マリーゴールド、アスター、ヴィオラ各24、スカビオサ、ブルーフラックス各12。このほか、昨日買い物に行ったホームセンターで、cleome(スパイダーフラワー)のタネを見つけたので、これも明日あたり蒔く。最初に蒔いた分はもうほとんど全部発芽したので、ちょっと出遅れ気味だが、cleomeは直播きしても何とかなるくらいの花なので、たぶんだいじょうぶだろう。

今年一番発芽が早かったのはジニア(百日草)で、種まきから正味5日でちょこんと緑の芽を出し始め、1週間後には48マスほとんどすべて発芽。その後もすくすくと順調に育っていて、すでに本葉も出始めた。
3年くらい前にF1系のジニア「プロフュージョン」を蒔いた時には、50%を切るくらいの発芽率でしかなかったように記憶しているのだが、今年蒔いたのはごくふつうの在来種のジニアだったので、花壇初心者の友:マリーゴールド並みの高い発芽率となったらしい。花自体は草丈約30センチ、子どもが描いた花の絵のように、ぱっと開いた花びらが並ぶ平々凡々たる姿ではあるけれど、在来種はやはり気難しくなくて育てる分には楽だ。

スナップドラゴンも、芥子粒のように細かいタネが全部発芽したんじゃないかと思うくらいわさわさと芽を出したので、一昨日泣く泣く間引きした。それでもまだ1マスに4、5本出ているので、もう少ししたらまた間引かなくては…
実のところジニアも1マスに2本くらいずつ出ていて、これも1本に間引かなくてはならないのはわかっているのだが、なかなか踏み切れないでいる。もともとケチくさい性格なもので、せっかく芽が出たのに間引いてしまうのは勿体ないような気がしてしまうのだ。間引かなければ丈夫な株にならないのは百も承知なのだが。

それにしても、こうして花々は芽を出し始めているが、庭はまだ雪。これが全部融けて芝生が顔を出すのは、たぶん4月末。でもそれで冬が終わりというわけではなくて、5月はまだ霜が降りる危険性があるから、庭に定植はできない。このあたりの人が「庭に植えてもだいじょうぶ」と言うのは6月の声を聞いてからである。ケベックの春は本当に遅いのだ。
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PC入院

  • 2016/03/25 08:50
  • Category: 雑記
今日、私のPCはジミー君のところに入院した。
昨年末に調子が悪くなったものの、年が明けたら結構持ち直して
つい2、3日前までは、時々プフっと画面が消えてしまうことはあっても
再起動すれば何とか使えていたのだが
昨日から極端に調子が悪くなり、再起動してもすぐに画面が消えてしまうので
諦めてジミー君のところへ持っていった。
そしてそのまま入院。
退院がいつになるかは不明。

今これを打っているのは、ジミー君が貸してくれたラップトップで
(貸してくれたとは言ってもタダではなくて、1カ月36ドルなんだが)
フランス語と英語しか入ってないけど、他の言語をDLしてもいいと言ったので、
早速日本語入力を追加して、こうして打っている。
ただやっぱりヒトのPCは使いづらい。
OSの言語がフランス語で、読むのに時間がかかるし、
ブラウザも、私はクロームを使っているのだが
このPCに入っているのはファイアフォックスで、ちょっと機能が違う。

だから、できれば使い慣れた私のPCに早く直って戻ってきてもらいたいのだが
運悪く明日からイースターの4連休。
それに雪だるまが修理を頼んだ時もそうだったが、
ジミー君とこは、あれで結構忙しいらしい。
商売繁盛でなによりだし、
それに大きな工場が次々と閉鎖されて、老人ばかりになりつつあるこの町で
ジミー君みたいな若い人が始めた商売が、そこそこ軌道に乗って
こうして数年続いているのは、喜ばしい限りなのだが
忙しすぎて、なかなか見てもらえないのも困りもの。
手間のかかる、複雑な故障ではないといいのだけれど。

『さよならタマちゃん』

  • 2016/03/23 11:11
  • Category:
オトモダチに電子書籍を薦められながらも今まで購入に踏み切れなかったのは、映画鑑賞より編み物より紙の読書より何より、PC画面を見るのが一番目にしんどかったからだ。画面の明度を下げてみても、調子の悪い時はまぶしくて30分と画面を見ていられない。サングラスをかけて画面を見ていたこともあるが、これだと画像や料理レシピくらいは見えるが、長い文章を読むのはしんどい。

それにそもそも、視力の心配をしながら本を読むというのもなかなか気の滅入る話で、だから読みたいなあと思う本があり、電子書籍なら今すぐ読めて、しかも送料が要らないとわかっていても、なかなか手を出せずにいた。

が、ここ2週間ばかり頭痛も眼痛もなく、目の調子もよくて、PCを見ていてもあまり目が疲れない。「お、これならいけるかも・・・」と思っていた矢先、ある方のブログで武田一義さんの『さよならタマちゃん』を知り、漫画なら小説とかより文字の量が少ないから画面を凝視しなくても読めるし、しかもいつも本を買っているhontoさんでちょうど電子書籍お試しキャンペーンをやっていて、注文1回につき500円引き。つまり本来なら540円のところ、たったの40円で読めるわけで「これは試すしかないでしょう♪」と早速買い物カゴに入れてポチ。

そしてそのままDLして読み始めたのだが、いくら漫画でも300ページ近くあるのでさすがに1日では読めず、休みながら2日がかりで読了。
かなり話題になっている漫画のようなのでご存知の方も多いと思うが、これは精巣腫瘍(睾丸癌)で闘病生活を送ることになった漫画家アシスタント(当時)の武田さんが、自身の経験を漫画にしたもの。35歳という若さでがん(転移あり)と診断された武田さんと、一応現役引退した後で早期がんと診断された私とでは深刻度が全く違うのだけど、それでも身につまされるところが多々あって、しみじみと読んだ。時々、何の脈絡もなく頭をよぎる「後がないかも・・・」という思い(もちろん次の瞬間、“だから何だ? 後がないのは、人間みんな同じだぜ。ヴァンパイアじゃあるまいし、死なない人間がいるか?”と自分で突っ込みを入れるが)とか、定期検診後、結果が出るまでの何とはなしの不安感とか、がんでなくても持病をお持ちの方なら、みな身に覚えのあることだと思う。

めそめそと自己憐憫にまみれたような闘病記など読みたくもないし、かといってやたらポジティブでカラ元気にあふれたようなのも願い下げだが、この『さよならタマちゃん』は気負いもなく、正直で、ほのぼのと可愛らしい感じの絵柄と相まって、気持ちよく読むことができた。奥さんとの、互いに支え合っている関係もいい。誰もいなくて、一人で頑張るのは本当に大変だ。


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メメント・モリよりカルペ・ディエム

  • 2016/03/21 11:05
  • Category: 雑記
さっき毛糸を注文した。
「もう毛糸は腐るほどあるのだし、いくらセールだからって
ほいほい買うことはないんじゃないの?
第一、使うチャンスがないかもしれないし・・・」とは思ったが
「なに、使い切れずに死んだら、その時はその時。
ニッターは死んでもスタッシュ(在庫糸)は残る。
死ぬことではなく、生きることを前提に日を送らねば」と思い定めて
あれやこれや6種類ばかり注文した。

齢を取って来ると、ほんと残りの年月を数えるようになって困る。
物を買う時も使える年数を数え、「買うべきか否か?」などと迷う。
甚だしくは本や旅行まで、読んでどうする?とか
行ってどうする?とか、思ってしまう。
それを生かす時間がないかもしれないのに、知識や経験を増やしてどうする?
と頭の片隅が言うのだ。
まったく消極的なのにもほどがあるというものだ。

確かに、人間、生まれた瞬間からいつか死ぬことだけは確実だが
ことに老年になったり、病気を患ったりしていると
生きることより死ぬことの方に頭が行ってしまいがちだが
それでジンセイを放棄してしまっては、あんまりだ。
メメント・モリより、カルペ・ディエム

いや、私は自分自身に言っているのです。
なかなかカルぺ・ディエムができない人間なもので。

バナナオーツクッキー

今週買った見切り品のバナナの中に、完熟過ぎて生食にはどうも・・・というのが2、3本あったので、前からちょっと気になっていたバナナ&オーツ・クッキーを作ってみた。これはバナナケーキ同様、十分熟したバナナをつぶして作るクッキーで、ピンタレストで見て以来、いつか作りたいと思っていたのだ。

人によって幾通りかの作り方があるが、一番簡単なのは完熟バナナ2本をフォーク等でつぶし、それにクイックオーツ1カップを入れてよく混ぜ合わせ、オーブンペーパーを敷いた天板の上にドロップクッキーの要領でぽとん、ぽとん落として、350°F(180℃)のオーブンで15分焼くというもの。

材料はバナナとオーツだけ。油脂も入らなければ、砂糖も入らない。かなり健康クッキー。
もちろんお好みでチョコチップやレーズン、刻んだ胡桃などを入れてもいいが、入れなくても十分おいしいと作者は言っている。私はちょっと甘く、菓子風にしたかったので、チョコチップを少し入れてみた。

結果は・・・。うーん、可もなく不可もなく。一口めは格別おいしいとは思えない。バナナの甘味はあるが、オーツが少しぼそぼそする。二口めも、特にどうということはない。まずくはないが、「おいしいね、これ♪」と思わず顔がほころぶようなこともない。何とも単純素朴な味わいで、インパクトに欠ける。

が、これ、後を引く。おいしくて止められないというような味ではないのに、つい2つ、3つと手が出る。菓子のようだが材料はバナナとオーツだけで、油脂も砂糖も入っていないという、罪悪感に駆られなくて済む組成が、手を伸ばさせるのかもしれない。

雪だるまにも出してみたが、「まあまあ」と気がなさそうな口調の割には、夕食後のデザートに5、6個食べていた。
完熟バナナまだあるので、また作るかもしれない。

BJD

  • 2016/03/17 11:27
  • Category: 道楽
少々気がくさくさすることがあり、気をまぎらわすために昨日からピンタレストで、数年ぶりに人形(BJD)の画像なんか見ている。古くからのお馴染みの方は覚えていらっしゃるかもしれないが、私は一時期人形遊びに凝って、せっせと人形を集め、人形用の洋服/和服を縫い、家具や小物を作ってジオラマ風に舞台設定し、それを写真に撮って遊んでいたのである。

人形を登場人物に、自ら想定した場面を作ることが目的だったので、私が当時対象にしていたのはある程度可動性のあるファッションドールまたはアクションフィギュアと呼ばれる人形で、飾り用のフランス人形のように手足が動かない人形には全く興味がなかった。首、肩、肘、膝の関節が動かず、立つか椅子に座るかしかできない人形では、場面設定のしようがないからである。私は人形に、人間と同じポーズを取らせたかったのだ。

でしばらくはそうやってTonnerやJason Wu、momokoなどで遊んでいたのだが、人形に人間そっくりなポーズを取らせたいとなると、行きつく先は当然BJD(Ball Jointed Doll / 球体関節人形)。でとうとう人形遊び後期には2体ほどBJDにも手を出したのだが、そうこうするうちに少しずつ熱が冷め、ついでに目が悪くなって小さい、小さい人形用の服を縫うのがしんどくなったし、退職して定収入もなくなったしで(人形遊びはあれで結構金食い虫なのである)、人形遊びからは遠ざかってしまった。

が、久しぶりにいろいろなBJDの写真なんか見てみたら、人形たち、私がご無沙汰していたこの数年間でますます進歩を遂げたようで、肘や膝がより美しく自然に曲がるようになっているし、昔は難しかった正座(あるいは床にお尻を付けての横座り)ができる人形も増えている。顔の造形やフェイスアップ(ペイント)に至ってはより精緻、巧妙になって、うっとりするようなきれいな子がたくさんいて大いに気をそそられた。

おかげでかなりの気分転換になったのはよかったが、同時にまたまた少し人形に対する欲望が目覚めてしまったのは計算外。今更人形遊びに走れるような資力はないのだが・・・

ちなみに今回特に気になったのはこの人形。写真でおわかりのとおりデフォルトは蜘蛛型ボディだが、ふつうの女の子ボディもある。


Kid doll "Elizabeth"

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人間そっくりの正統派ボディもいいが、今はこのくらいデフォルメの効いたボディに惹かれる。このDoll Chateauさんというメーカー、蝙蝠型や馬型のボディも作っているし、人間型ボディも相当に芸術的(?)で、Adult doll body 05 なんて、ほとんどジャコメッティ。実に面白い。

Doll Chateau さんのサイトはこちら→ 


こちらがアダルトボディ05
ジャコメッティというか、モディリアニというか、宇宙人的というか・・・
でもこのくらい関節があると(手首、指、足首!)、かなり自由にポーズが取れる


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adult05 2


念のために申し添えますが、BJDはこんなのばかりではなく
ごく普通に美しいのも多々あります。というか、そっちの方が普通です。
ご興味がおありの方は、pinterest か google images あたりで 
“BJD dolls”で検索されると大量の画像をご覧になれます。

ミセス・ポリファックスシリーズ

  • 2016/03/15 10:42
  • Category:
しばらく前、編み物のBGMにジャネット・イヴァノヴィッチさんのステファニー・プラムシリーズを聞いていると書いたが、7本聞いたところで「もう十分」という気分になったので、何か他に気軽に聞けるものはないかとあれこれ試聴し、結局ドロシー・ギルマンさんのミセス・ポリファックスシリーズに落ち着いた。邦訳では『おばちゃまはXXスパイ』というタイトルになっているあのシリーズである。

古本屋等で見かけてタイトルには馴染みがあったものの、今まで読んだことはなかった。第1作の発表が1966年だから、すでに50年前の作品で、したがって当然時代背景は古いのだが、その古さが今読む(聞く)と却って面白くて、けっこう楽しく聞いている。なんたって“Red China”なんて言葉が出てくるのだ。なつかしー。60年代初めというと、文革が始まる前、中ソ対立が表面化してアルバニアが話題になっていた頃と思われ、そのせいかオハナシ(第1作)の舞台にはアルバニアも登場する。

そのほか60年代後半のトルコ(第2作)やブルガリア(第3作)、70年代中頃のザンビア(第5作)とか、舞台は毎回違っていて、21世紀の今聞いていると、なんだか時間と空間、両方いっぺんに移動して旅行しているみたいですこぶる楽しい。しかもお話は、何しろ主人公がすでに孫もいる60代のご婦人CIA工作員とあって、暴力ほとんどなし、血生臭さゼロ、ほどほどに人情家で他の登場人物たちと暖かい交流があり、常にハッピーエンディングと編み物のBGMには打ってつけ。

ま、時々、文革直後の中国を舞台に、白人のCIAエージェントが中国人に化けて潜入し、新疆の労改送りになっている中国人技術者を天山山脈越えルートで密出国させる(第6作)なんてのがあって、「いやー、いくら何でも、それはちょっと無理じゃないすか?」と、編み物の手を休めてにやにやしてしまうようなこともないではないが(しかもその化け方が、目の横にテープ貼って吊り目にするっていうんだから、笑うなという方が無理)、いずれにしてもこのシリーズはコージーミステリー。シリアスなスパイストーリーではないのだから、げんなりするほどめちゃくちゃな設定でない限り、「ま、いいさ」なのである。

で今は第7作の『Mrs. Pollifax and the Hong Kong Buddha』(‘85)を聞いているのだが、のっけから、かつてセントラルにあった香港ヒルトンとか出てきて、郷愁をかき立てられる。ミセス・ポリファックスが到着する空港も赤鱲角じゃなくて、懐かしの啓徳機場だし。いろいろな地名とか、通りの名とか、ついつい懐かしくて、遠い目になってしまう。

作者のドロシー・ギルマンさんは、すでに2012年に亡くなっているので、今後もずっと新作を楽しみに・・・というわけにはいかないのが残念だが、幸いミセス・ポリファックスシリーズは全14作。今聞いているのを聞き終わっても、あと7作残っている。しばらくは楽しく過ごせそうだ。

土替え

今日は家の中に置いている鉢植え6個の植え替え、土替えをして、
ただいま少々疲労気味。
片手でひょいと持てるくらいの鉢植えなら、植え替えも大した手間ではないが
両手で抱えてやっと持ち上げられるような大物は、鉢から出すだけで一苦労。
身の丈2メートルくらいに成長してしまったユッカなど
一人ではどうしようもなくて、途中で雪だるまの助けを呼んだ。

とりあえず、残り1鉢を残して土替えは終わったが
小物はともかく、大物のユッカは大幅に根を整理せざるを得なかったので
ちゃんと元気になるかどうか、ちょっと心配。

明日か明後日には、春に植える花の種まきも始めなくてはならないし
外は雪でも、3月はやっぱり春なのだ。


関係ないけど、ゴールドフィンチの写真
紐や針金にちょんと留まって、ふらんふらん揺れている小鳥はかわいい



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ムング豆

この間から頭にインドの風が吹いていて、おかげで毎日のようにムングダルのスープやら、スパイスを効かせた野菜炒めやらを作っている。どなたもそうだと思うが、いったん何かに取り憑かれると、飽きるまでしばらくはそればっかり作るのである。

で、そうやって作っていたらムング豆(緑豆)の在庫が乏しくなってきたので、補給しようとしたのだが、これが売っていない。街のスーパー4店回ってみたが、どこも扱っていない。レンティルは緑も黄もあるし、インゲン豆系は白、赤、まだら、取り混ぜていろいろあるくせに、ムング豆だけは皮つきも皮なしも、なーんにも売っていないのである。があああん。

理由はわかっている。人口5万のこの町に、インド、パキスタン、ネパール系の人はまったくと言っていいほど住んでいないからなのである。香港時代は庶民的(びんぼーとも言う)な地区に住んでいたせいで、ちょっと道を歩けばあちこちにインド料理屋やネパール料理屋があり、パキスタン移民のおじさんたちが経営する食料品屋があって、インド系の食材確保にまったく不自由しなかったが、当地に来てからはインドの“イ”の字もなし。街で白いサルワール・カミーズを着たおじさんたちも見かけなければ、サリーをまとった美女も見かけない。だいたいこの町には中国、タイ、カンボジアなど東アジア系の料理屋はあっても、インド、パキスタンなど南アジア系の料理屋はないのである。料理屋がないくらいなのだから、より以上の購買人口を必要とする食料品店などあるわけがない。

ウチでダメなら隣はどうだ?と、隣のちょっと大きな市(人口約13万)で検索をかけてみたが、ヒットしたのはインド料理店のみで、食料品店はなし。私がうなっているのを見ていた雪だるまが「ここはケベック。英語じゃなくフランス語で検索をかけてみろ」というので、フランス語(aliments indiens 市の名前)で再度やってみたが、結果は同じ。それどころかヒットしたサイトのいくつめかには“Autochtones du Québec”なんてのがあって、よよよ・・・と力が抜けた。この“Autochtones”というのはネイティヴ、土着といった意味で、つまりインディアンはインディアンでも、アメリカ・インディアン、ネイティブ・アメリカンのことで、インドのインディアンのことではないのである。インディアン違い。やれやれ・・・

まあ隣の市になくても、モントリオールまで行けばあることはわかっているのだが、モントリオールはいささか遠い。たかだか1袋5ドル程度の豆を買うために往復300㎞も走るのは、ばかみたいである。

ただ6月には我が日本国パスポートが失効するので、それまでに更新申請に行かなくてはならない。領事館に行くついでに買い物すれば、一石二鳥ではある。雪でも融けたら、行ってこようか。ついでにアジア食品店に行って小豆も買えば、一石三鳥。300㎞走る甲斐がある。この間のあんこは、しみじみおいしかった。

黒リス君とリンゴ

  • 2016/03/09 11:14
  • Category: 動物
初めてカナダに来たとき、リンゴの種類の豊富さに
「わあ・・・」と口をぽかんと開けて感心したが、
それから10年以上経って、実際に住み始めてみると
店頭には10種類近く並んでいても
日常的に買うリンゴは、だいたいいつも同じ。
スパルタンかコートランド。

ウチの場合、リンゴは料理に使うというより
食後のデザートに生食する方が圧倒的に多いから
自然、生食に適した、小ぶりでカリリと歯ごたえのある
リンゴに手が伸びるのだ。
しかも上に挙げた2種は持ちがよく、
冷蔵庫に入れておけば、2、3週間はだいじょうぶな上、
4ポンド(1.8kg)で3ドルくらいと、値段も手頃。
そのうえ最近では、“Naturally Imperfect”という名前で
形がいびつだったり、大きさがバラバラだったりするリンゴをまとめて
1袋にしたのもあって、これだとお値段はさらにお手頃になる。

飾り物にするわけではなし、そのまま食べるリンゴの形がいびつだろうと
少々色むらがあろうと、私たち2人はまったく構わないので
この“天然不ぞろいりんご”は、ウチの食卓の常連である。


これですね。英仏両語による表記は、カナダのお約束

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で、そうやって毎日食べているリンゴだが、手のひらにすっぽり収まるくらい小ぶりなので
当然皮は剥かずに丸かじり。
そして残った芯は、デッキに放る。
ウチに毎日来る黒リス君が、リンゴ大好きなのである。
人間が食べ残したリンゴの芯でも、見つけると嬉しそうに両手で抱え
カリカリカリと夢中で食べる。
その様子がかわいいので、リンゴの芯だけはコンポストに入れずに
デッキに放っているのだ。
黒リスは2匹いるのだが、そのうちの1匹、性格が大胆な方は
最近ではデッキに何もないと、「何もないの?」というような顔をして
ガラスの向こうから家の中を覗くようになった。
と言っても、こちらがガラス戸を開ければ
もちろん大急ぎで逃げ出すのだけれど。


鼻の頭に雪を付けて、熱心にリンゴを齧る黒リス君

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雪五尺

この冬は、12月、1月は例年になく雪が少なかったので
「しめしめ、この分で行くと3月末には庭から雪がなくなるかも・・・」
なんて思っていたのだが、豈はからんや、2月中旬から雪の日が多くなり
先週の水曜など一日中しんしんと降り続けて、
場所によっては30センチくらいも積もった。

気温が低い時の雪は軽いので、風が吹く方向に吹き溜まりができるのだが
この時はいつもとは逆に、風が南から北へ吹いたのか
玄関の石段が雪で埋まってしまい、掘り出すのが大変だった。
そして庭の隅の物置は雪に半分方埋まり、ドアの取っ手が見えなくなった。

やっぱり、庭から雪が消えるのは、例年通り4月末のようだ。
あと2か月・・・
いい加減うんざりして、キューバやフロリダに2週間ばかり出かける人の気持ちが
よくわかる。


物置、半分埋まりました。左側の窓が隠れているのは、
この間雪だるまが、屋根の雪下ろしをしたから。
やわなプレハブ物置なので、雪下ろしをしないと屋根がつぶれるのです。


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庭。雪に埋もれております。

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隣近所も、道の両側はどーんとスノーバンク

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お隣さん。玄関は雪の陰

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うちのドライブウェイ横も雪の山。
雪の中に見える黄色のポールは1.6m.くらいなので、雪山の高さは2メートルくらい?


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昨日、今日はとてもいいお天気で、こうなると雪の照り返しがすごくまぶしい。
昔々、コタキナバルで読書するために買ったサングラスが活躍中。

いや、こんなにかっこよくはないんだけれども・・・


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大島渚 3本

  • 2016/03/05 11:45
  • Category: 映画
大島渚のボックスセットが届き、端から見ている。1本目の『悦楽』(’65)はコメディとしか思えなかったが(原作:山田風太郎氏らしいが、50年後の今見るとコトの成り行きが説得力に欠け、ために本来深刻なはずの場面が苦笑というか失笑を誘う)、2本目の『白昼の通り魔』(’66)と、3本目の『日本春歌考』(’67)は、面白かった。少なくとも同じ時代の吉田喜重氏の一連のよろめき映画よりは、ずっと面白かった。

ただ前衛、文芸映画というお約束のせいか、今の映画から見ると多分に観念的で、まるでお勉強のための映画のよう。たとえば『白昼の通り魔』では、主人公の一人が「恋愛は無償の行為です」なんて声高らかに宣言しちゃうし、後半では主役の女2人が、通り魔を含めた3人の関係性について延々議論しちゃうのだ。今時、登場人物たちが真面目くさって、文章語、口語とは距離のある本の中の言葉、書き言葉、で議論するような映画は、まさかない。

そして『日本春歌考』 入試会場から出てくる受験生たち。外は雪。それでも試験が終わった開放感からか、今、彼ら4人の頭の中にあるのは同じ会場にいた氷のように美しい女子高生のことだけ。妄想と観念。街では暗く粛々と進む「紀元節復活反対」の静かなデモ。(’67年、戦前、紀元節だった2月11日が建国記念の日として祝日となった)

夜、引率の先生(なんと伊丹一三時代の伊丹十三が演じている)、同じ学校の女子と共に居酒屋へ行く。先生ともども飲み過ぎて(未成年に飲ませていいのか、伊丹先生?)宿屋に泊まる高校生たち。宿屋でも男の子たちはからかい半分、女の子たちにちょっかいを出そうとするが相手にされない。そしてその夜、先生はガスストーブの不始末により一酸化炭素中毒で死亡してしまう。(伊丹先生、あっという間に退場) 

話は、4人の男子高校生のうちの一人、荒木一郎演じる中村と、小山明子演じる先生の恋人とのあれこれや、受験会場で会った美少女との再会など、男の子たちの妄想も織り交ぜ、幻燈のように続いていくが、その背景に、ギターを手に若者たちがロシア民謡や反戦歌を歌っている“うたごえ集会”らしいイベント、ベトナム戦争反対の募金を呼びかけている大学生たち、冒頭の「紀元節復活反対」のデモなど、白黒の映像の中に当時の世相が次々と映し出され、50年前とわかっていても、確かに知っている“日本”だけに、はるか遠い昔のような気もするし、つい昨日のことのような気もして、不思議な気持ちになる。

そして圧巻は、3人の女子高生のひとり、吉田日出子演じる金田幸子が、どこも見ていない目で歌う『満鉄小唄』。最初に道を歩きながら歌う時にはわからないが、後半彼女は白い韓服を着て現れ、在日であることが暗示される。ほとんどすべての濁音が、半濁音または清音に発音されて歌われる「満鉄小唄」は、朝鮮人娼婦の恨み節。当時まだ20代前半の吉田が、化粧っ気のない顔で無表情に歌うこの歌は、凄絶だ。

ちなみにYouTには、男性がふつうの日本語の発音で歌っているこの歌がいくつかアップされているが、この歌は男が歌ったのでは意味がない。きれいな日本語の発音で歌うのも、だめだ。それでは朝鮮人娼婦たちの悲哀が出てこない。(ただし、朝鮮語を母語とする人たちが、本当に日本語の濁音が発音できないかどうかは別の話だ。この発音の仕方は、日本人が考える朝鮮人風の発音と見るべきではあるだろう) 誰か吉田が作中で歌っている「満鉄小唄」をアップしてくれないかな。

突然のお電話

昨夜ご飯を食べていたら急に電話が鳴った。
発信者番号の出ない“Private caller”
「いったい誰よ?」と思ったら、これがなんと病院から。
「明日マンモグラフィをしますから、朝8時20分に来てください」と。

私は一瞬、聞き間違えたのかと思い、雪だるまに代わって
もう一度聞いてもらったが、やはり内容は同じ。
「明日、マンモグラフィ、8時20分」

言われてみれば確かに担当医のM先生から昨年末、
「次の定期検診は4月ね。あ、でもその前、1月にマンモグラフィしますから」
とは言われていたが、1月になっても、2月になっても
病院から何の連絡もなかったので、ころり忘れていた。

しかしまあそれにしても、なんと突然なこと。
たぶん急にキャンセルか何かが出て、それで急きょ私に順番が回ってきたのだろうが
検査の24時間前に通知というのは、なかなか忙しい。
私は仕事も何もないヒマな人だからいいが、
働いている人や、子どもやお年寄りなど、
世話をしなければならない相手がいる人は段取りが大変で
急に言われても困るだろうなあ、と思う。

それでもまあ、行って来た。
夜中、目が覚めた時には後頭部に頭痛が起きていて
「とほほ、こんな時に頭痛とは・・・」とげんなりしたが
朝になって鎮痛剤を飲んだら、少しはましになったので
元気よくとはいかなかったが、とりあえず時間通りに出頭。
幸い朝早い時間だったので、待ち時間も少なく
検査自体も手慣れた技師さんだったせいか、すいすい進んで
9時前には放免。

しかしいつものことながら、ほとんど平面の乳房を
むりやり圧迫板ではさんで撮影するのは、結構痛い。
ほんの数秒のこととはいえ、やっぱり痛い。
だから私はマンモグラフィが、あんまり好きではない。
そして、このあたりの年配のご婦人によく見かける
牝牛のように大きな乳房だったら
撮影も簡単で、挟まれてもあんまり痛くないのかなあ
と羨ましさ半分で想像する。

と、ぶつぶつ言ってはみても、いったんシステムの中に組み入れられてしまえば
黙っていてもこうして1年1回、感じがよく、手慣れた技師さんに(しかも無料で)
マンモグラフィをしてもらえるのは、有り難いとは思う。
ただ検査自体は快適とは言い難いので
連絡を受けると、一瞬げんなりしてしまうわけだ。
それでも時間がかかるうえに痛いバイオプシーに比べれば
ずうっとましではあるのだけれど。

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プロフィール

らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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