ゾンビーダンス

  • 2017/03/29 10:54
  • Category: Dance
日曜日、フランスの誕生祝を近所の中華レストランでやるというので
雪だるまと二人、定刻に出頭した。

2年ほど前、そのレストランに出かけたクラスメートでコックのリン(中国人)が
「僕の勤め先と同じで、あそこは料理を作り置きしていると思う」と言っていたので
味には期待せずに出かけたのだが、案に相違して、ブッフェの割には、まあまあ食べられた。
少なくとも、しばらく前につぶれたダウンタウンの中華レストランのように
何を食べても同じ味・・・という、げんなりするような経験はせずにすんだし
作り置きされていたとは思えない、しゃきっとした歯ごたえの野菜炒めなどもあったので
もしかしたら最近、コックが変わったのかもしれない。

なんにしても、予想した以上の味で有難かったのだが、
そんなことよりこの誕生祝で面白かったのは、食後のダンス。
レストランの片隅に小さなステージが設けてあって
最初はそこでセミプロ?と思われる歌手が歌を歌っていたのだが、
途中からそれがダンスミュージックに変わって
人々が踊り始めたのである。

踊っていたのは、ラインダンス(dance en ligne)と呼ばれる
カントリーダンスの1種。
ラインダンスとはいっても、脚線美の踊り子さんたちが一列に並び
頭上高く脚を振り上げるフレンチ・カンカン風のあれではなくて
老若男女が碁盤の上の碁石のように縦横揃って並び
みーんな同じステップを踏む、集団舞踏の方である。

この「カントリーダンス」、YouTubeあたりで検索してご覧になるとわかると思うが
ステップはごくごく単純。
初めての人でも5分も練習すれば、なんとかついていける程度に簡単。
上半身の振りはほとんどないし、ターンとか派手な動きも、まずない。
そのためかどうか、実はこのダンス、このあたりでは愛好者はお年寄りばかり。
我がお散歩クラブでも、70代のマダムが数人、このダンスクラブに所属しているし
今回の誕生祝の主役であるフランス(60代)や、お義父さん(80代)も
毎週、近隣の町で開かれるダンスの会に出かけている。

なので、食後、ダンスに興じていたのも、みーんなお年寄りばかり。
ただし、フランスを始め、みな普段から踊っている人たちらしく
ステップは熟知しているようすで、
足を踏み違えてまごまごしているような人は一人もいない。
それはいいのだが、しかし、しばらく見ていたら、なんだか変な気がしてきた。
踊っている人たちが、全然楽しそうでないのである。
明るいカントリーミュージックに合わせ、身体を動かしているのに
少しも躍動感がない。
足は動いているが、上半身は動いておらず、
と言ってアイリッシュダンスのように、ぴんと伸びた背筋の凛とした美しさ
というのでも、もちろんない。
おまけに顔にも表情がない。
好きで踊っているのであろうに、嬉しそうな笑みすらない。
たとえ、いやいやフォークダンスを踊らされている中学生男子だって
もう少し表情があるぜ、と思うくらいみな無表情なのだ。
唯一の例外は、隅のテーブルから立った細身の男の人。
彼だけは楽しそうな表情で、ついでに手足の動きにも生き生きした弾みがあったが
その他の人は、踊っているというより、何か指示された動作を黙々とこなしている
という感じで、隣に座って見ていた雪だるまが、ぽつり漏らした感想は
「ゾンビーみたい・・・」

わたしも思わず吹き出してしまったが、言われてみればその通り。
どうせ踊るなら、もう少し楽しそうに踊ればいいのに、と思うが
ラインダンスというのは、仕舞同様、表情を殺して踊る/舞うものなのだろうか?




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芽が出て、葉が出て

火曜に蒔いたマリゴールド、もう芽が出てきた。
毎年、毎年、発芽にかけては超優等生のマリゴールドだが
蒔いて3日で発芽は新記録かも。


土の中から、すっくり立ち上がる双葉

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マリゴールドは種が大きくて蒔きやすいし
蒔けばほぼ100%発芽するし、
しっかり根が張るので定植しやすいし
晩春から初霜の頃まで、病気にもならずにずうっと元気よく咲き続けるし、と
ほんとに手間のかからないよい子で、園芸初心者には有難い花である。

黄からオレンジというマリゴールドの色は、見ているだけで気持ちが明るくなるので
去年までは、いかにもそれらしい黄とオレンジが混ざったタイプのを植えていたのだが
今年はちょっと趣向を変えて、クレスタ・イエローという黄色単色のと、
ヴァニラクリームというマリゴールドには珍しいオフホワイトのを蒔いてみた。

ついでに毎年の定番、パンジー、ヴィオラも、今年はミックスタイプではなく
紫は紫、水色は水色と、色別に植えられるよう単色タイプの種にした。

他に買ってみたのは、コロンバイン(おだまき)、スナップドラゴンと
Love-in-a-mist という写真で見る限りでは矢車草みたいな花。
初めて買ってみた種なので、どんなふうに咲くのか楽しみだ。


Love-in-a-mist

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園芸話のついでに報告すると、
昨年11月初めに、ぽちょぽちょと小さい葉が出てきて私を喜ばせたアフリカすみれ
その後ずんずん成長して、今では葉がぎっしり。
鉢からあふれ出そうな勢いである。
いやあ、こんなに大きくなるとは思わなかった。
カナダの室内環境が、よほど性質に合っているのか?

しかし、外は今日も雪だ。


昨年11月時点

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現在

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『TSUBAKI』

  • 2017/03/21 10:59
  • Category:
島崎あきさんの『TSUBAKI』を読み始めた。
フランス語で書かれているにもかかわらず、すらすら読めるので
少々狐につままれたような気分だ。

その前、同じくケベック在住の作家が中学生くらい向けに書いたオハナシを読んでいた時には
単語の意味は全部わかっても、文章の意味は今一つ理解できないということがしょっちゅうあったのに
この『TSUBAKI』は、単語の意味が分かると、文章の意味がするりとわかる。
初級者が外国語を読む場合、こういう経験はそうあるものではない。

なぜこんなに楽に読めるのか。
生まれながらにその言語を操れるネイティブは
自由に言葉を選び、跳躍し、破格を恐れぬ闊達さで自己表現を求めるのに対し
学習の結果その言語を操れるようになった者は
あくまで文法に則った正確な文章、すでに在り、承認された表現を中心に据えざるを得ないからか、
(ネイティブが今までにない言葉や言い回しを使えば“斬新”“クリエイティブ”と言ってもらえるが
外国人が同様のことをすれば“間違い”“そういう言い方はない”と言われてお終いである)
あるいは、島崎さんが日本人、日本語話者であるので
その文章の流れの筋道が同じ日本人である私に馴染みやすく、
無理なく追えるのでわかりやすいのか。

いずれにせよ、やっとぼちぼちフランス語の本を読めるようになった程度の私では
『TSUBAKI』のフランス語を分析して、あれこれ考えてみるなんてことはできないので
今はただ、面白い物語を楽にフランス語で読ませてもらえることに感謝。
辞書を引いても、引いても、意味がわからない・・・の連続だと
ほんと意気消沈して、道の遠さにぜつぼーしてしまうから。

それに『TSUBAKI』の次に読もうとしている本はフランスの作家の本で、
ネイティブである分、そうそう容易にはいかないだろう。
『TSUBAKI』で少し元気を蓄えて、
次の『Le Cas Sneijder』に臨まなくては・・・
マーケットプレイスで買ったので、どこから来るのかわからないのだが
3月4日に発送したと言うのだから、たぶん今週中には届くだろう。
早く来ないかな、楽しみだな。



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いろいろ

  • 2017/03/17 09:17
  • Category: 雑記
■ 今週、学んだこと:
   「たとえ道路が乾いていても、零下11度の時にふつうのスポーツシューズで散歩に出てはいけない」
   歩いている間は、お尻が冷たかったり、寒風にさらされて鼻が凍りそうだったり、
   マダムたちのフランス語を聞き取るのに苦労したりで気が付かなかったのだが、
   散歩が終わって家に帰り着き、ほっと一息ついたら、とたんに両足の指が猛烈にかゆくなって困った。
   どうやら我が足指は、防寒性のない靴の中でしもやけ寸前だったらしい。
   路肩には雪が山積みでも、道路表面は乾いてきたから普通の靴でもだいじょうぶだろうと思ったのだが、甘かった。
   優秀なブーツのおかげで、ふだん「足が冷たい!」という思いをしていなかったのですっかり忘れていたが
   冬のブーツには、防水だけでなく、防寒/保温の機能もあったのだ。
   次回は必ずブーツで行こう。スポーツシューズは気温が0度以上になるまでお預けだ。

■ 先日、「道路の穴ぼこに激突して、フレームが歪んでしまった」と書いた車輪。
   その後また電話があって、実は歪んでいるだけでなく、ヒビが入っているので修理不能と言われてしまった。
   修理できないとなれば、自転車ではあるまいし、前後1つずつの車輪では走れないから
   新しいのを買わなければならない。
   200ドル以下で直るだろうと踏んでいた雪だるまは、新しいマグ2本の値段を聞いて肩を落としていた。
   世の中、不時の出費というのは、あるものである。

■ お散歩マダムの一人が「こういう催しがあるけど」と、お試し太極拳クラスの案内をくれたので
   私も行ってみることにした。お試しなので、日曜の午前、2時間くらいの1回だけの講習会。
   講師は地元ケベックの人らしい。姓も名も、どうみてもフランス語の名前なので、中国人ではないと思う。
   太極拳は、人がやっているのを見たことはあるが、自分でやったことは一度もない。
   ふだんやっている筋力トレーニングやストレッチとは全く違う動きと思われるので、
   どんな感じになるのか、とても楽しみである。


太極拳といえば、やっぱりこんなポーズ?

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道路の穴ぼこ

水がぬるみ始めるこの時期になると、
ケベックの道路には、たくさんの穴ぼこが出現する。

昼も夜も気温は零下十数度、という冬のさなかなら
道路は一日中凍りっぱなしで融ける暇などないからいいのだが
3月も半ばになってくると、日中の気温が0度以上になる日もあったりして
そうなると路肩に積み上げられた雪が、ちょろちょろと融け始める。
そしてその融けた水は、道路の小さなひび割れや継ぎめに染み込む。
染み込んだ水は、夜間の気温低下により凍る。
水は凍ると体積が増えるので、夜の間にひび割れはじりっと大きくなる。
そしてその少し大きくなったひび割れに、昼、また水が入り込み
夜また凍り、また融けて、凍って、融けて、凍って・・・
と、これの繰り返し。
その間、ひび割れはじりじりと大きくなり続け
そこに通行する車の重みや衝撃が加わり続けると、
ある日、ばーん! ひび割れを中心に舗装が崩れ、
アスファルトがはがれて穴が出現する、という具合。
冒頭には「ケベックの道路には」と書いたが
これは別にケベックに限ったことではなく、
北国ならどこでもある現象らしい。
北海道にお住まいらしいある方は、「北国の風物詩」と言っていらした。


こういう穴ですね

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確かにたまに通るだけなら、「風物詩」として楽しむ余裕もあるが
毎日のこととなると、悠長に構えてはいられない。
何しろこの穴、小さいものは握りこぶし大くらいだが、
大きいものは50センチを超えるものまであって、
知らずにぶつかろうものならパンクも起こしかねず
けっこう危険なのである。

だからこの時期は、ふつうに前後左右や通行人に気を配るだけでなく
路面の穴ぼこにも注意を払って、できるだけ穴を避けるべく
運転しなければならない。
うちの町には2本の幹線道路が走っているが
そのうちの1本、古い方のサンキエームはことに穴ぼこが多く
ここを走るのはこの時期、ほとんど障害物競走のようである。

が、障害物競走でも、町内の知っている道はまだいい。
困るのは知らない道を、相当なスピードで走っているときである。
あっと思った時にはすでに遅く、車輪が穴に落ちて相当な衝撃に見舞われる。

実は先日、雪だるまがこれをやった。
ジェリーを迎えに行った隣の市で、思わぬところに大穴があって避けきれず
もろに穴に突っ込んでしまったのである。
その時はかなりの衝撃ではあったもののパンクは免れ、
走り続けることができたのだが
しばらくしたら、右の前輪から不気味な振動が伝わってくるようになった。
パンクしかけているか、タイヤが歪んでいるような、いやーな感じなのである。
不具合なら早く直した方がいいので、今日ガレージに持っていったら
なんと4本のタイヤのうち、前輪1本、後輪1本のホイールが衝撃で歪んでいて
即入院加療となってしまった。
代わりの車は貸してもらったが(横腹に大きくディーラー名が入った営業車)
昨年末に買ったばかりの愛車なので、雪だるまは本日、少ししょんぼりしている。

ちなみにこの道路の穴ぼこ、
ケベックでは俗に「nid de poule(雌鶏の巣)」と呼んでいる。
なんで鶏の巣なんだかよくわからないが、とにかくそう呼んでいる。
2、3年前だったか、この困りものの道路の穴ぼこを逆手にとって
パロディっぽい写真の素材にした展覧会があった。
ある写真では、穴を洗濯桶に見立て、そばに物干しラックを置いて
グラマラスな女性が洗濯に励んでいたし、
別の写真では、穴に氷を詰めてシャンパンクーラーにしていたり、
プールに見立てて、飛び込み寸前だったり、
なかなか面白い写真展だった。
探したらその時の写真が見つかったので、サンプルとして1枚。


nid-poule-photographie-creative-01.jpg


もっとご覧になりたい方は、このサイトでどうぞ。 

“抗菌石けん”という名前が紛らわしいのだ

  • 2017/03/07 11:58
  • Category: 雑記
前回書いた「 OC Cleaners」の番組を大量に見てしまったせいで
台所用の手洗いせっけんが切れた時、つい殺菌剤入りのせっけんを買って帰ったら
雪だるまに「アンチバクテリアソープは効果が実証されていない上に
人体、環境に有害な可能性もあると言われているのに、
なんでそんなもの買ってきたの?」と言われてしまった。

えー!と、今更ながらチェックすると、確かにFDA(米食品医薬品局)は去年、
「通常のせっけんより殺菌効果があるという根拠がなく、
長期使用の安全性も検証されていない」として、トリクロサンなど
19種類の殺菌剤を含む抗菌せっけんやボディーソープなどを販売禁止にしていた。
なんとまあ・・・
そうとも知らずにわざわざ抗菌せっけんを買ってきた私は、かなりのお馬鹿である。

幸い、成分をチェックすると、私が買ってきた液体せっけんには
トリクロサンなどFDAが販売を禁止した成分は入っていないようで
取りあえず手洗いに使っても問題はなさそうだが
なんだか手を洗うたびに、己が無知と阿呆さを思い知らされるようで、少々気が滅入る。

私は別にきれい好きでも潔癖症でもなく、多少の汚れやばい菌には平気の平左、
日常的にある程度の雑菌、ばい菌に接していた方が、免疫力がついてよろしい
くらいに思っているので、今まで特に殺菌や抗菌や除菌を気にかけたことがなく
よって、そうした製品やニュースに関心を向けたこともなかった。
それが今回の失敗につながったとも言えるのだが、
それにしても“抗菌剤入り”なんて書いてあると、よけい殺菌効果がありそうで
そんな石けんで手を洗うと、より清潔になるような気がして、紛らわしくていけない。
どうせなら私のような無知でおっちょこちょいの阿呆向けに、
「抗菌剤入りですが、効果のほどは定かではありません」くらいの文言を、
堂々パッケージに書いておいてくれればいいのに・・・

ちなみに、FDAの言う「長期使用の安全性が検証されていない」というのは、
1. 殺菌剤を使うことで耐性菌が増えるリスクがある
2. ホルモンの働きを阻害する可能性がある
という研究結果が報告されているからだそうである。

抗生物質の濫用により耐性菌が増えたと言われていることを考えれば
殺菌剤の大量使用が耐性菌の増加につながることは大いにありそうで
そうなると、より強い薬剤→より強い耐性菌→さらに強い薬剤と
いたちごっこというか悪循環というか、スパイラルが止まらないということになるので
ここはやはり人間、病み上がりの人や、何らかの理由で免疫力が落ちている人は別として
日常的には適度なばい菌の中で暮らしているのが一番いいのかもしれない。
私も次回は、ふつうの石けんを買おう。
買ってしまった抗菌石けんが「詰め替え用 1.18リットル入り」なので
次回がいつになるかは不明だが・・・

Obsessive Compulsive Cleaners

  • 2017/03/02 11:19
  • Category: 雑記
1週間ブログをほったらかして何をしていたかというと、
掃除をしていたのである。
きっかけは、この番組。




[Obsessive Compulsive Cleaners]

その名の通り、登場するのは強迫神経症的に掃除をせずにはいられない人たち。
何しろ“神経症”なので、並みの「きれい好き」や「潔癖」とはケタが違う。
彼らはゴミがあってもなくても、上から下まで1日に何回も掃除機をかけ、
漂白剤、殺菌剤、除菌シートで家の中のあらゆるモノを拭きまくり
トイレは使用の度毎に(あるいは使用しなくても)磨き、除菌し、
細かい調度や器具は、歯ブラシ、綿棒、デンタルフロスを使って
どんな小さな汚れも逃さず取り除く。
調度品も同様。写真立てや置物はほんの少しの埃もなく磨かれ
常に定位置に置かれる。(置く位置は数ミリずれてもいけない)
カーテンの襞は完璧に等間隔、
ソファの上のクッション、ベッドの上のシャム、ピローも
きちんと整えられてシンメトリーに置かれる。
(へこんでつぶれたクッションなど、ありえない)
中には子どもがいたり、ペットがいたりする人もいるのに
彼らはたいていはミニマリストで、モノが少ないので
家の中は常にショールームのようにピカピカである。

一方、彼らと対極にあるのが、最近の日本語でいうところの「汚屋敷」の住人。
家族/ペットの有無にかかわらず、彼らの家はモノであふれ
モノがあふれると掃除がしづらくなるので汚れがたまり
汚れがたまるとますます掃除が億劫になるので、汚れは加速度的に増殖し
同時にゴミも溜まるので、そのうちゴミとモノの区別がつかなくなってむくむくと巨大化し
気が付いた時にはゴミとモノの混合体があらゆる空間を食い潰していて
自分ではどうしようもなくなっているというのが、おおよその図式である。

番組はこの2種類の両極端の人たちを主人公に
強迫神経症的掃除魔の人が、汚屋敷の住人のところに赴いて
その屋敷を片づけ、掃除し、何とか“ふつう”の状態にもっていこうとする過程を
レポートする一種のリアリティショーで、
そうすることによって、掃除魔の人は本当に1日に何時間も
掃除に費やす必要があるのか、自らの生活を再考し、
逆に汚屋敷の住人は、適度な清潔さは健康で快適な生活につながることを認識する
というのがその趣旨である。

ま、あくまでリアリティ“ショー”なので、面白くするために作っている部分、
誇張している部分は相当あるだろうし、
各エピソードにはさまれるお涙頂戴的部分は私の好みではないのだが
しかしこの番組を見ると、俄然、掃除意欲が湧くことは確か。
汚屋敷の住人の、真っ黒に汚れがこびり付いたレンジやトイレを見れば
ぞっとして、「ああなる前に、きれいにしよう」と思うし、
掃除魔の人たちの、それぞれ徹底的にこだわった掃除法を見れば
「ははあ、なるほど。ああやるのか!」と目から鱗、さっそく試してみたくなる。

そして、この「掃除意欲が湧く」というのはどうやら万人共通のようで
動画の下のコメント欄には、同様の書き込みがあちこちに見える。
「掃除をしなくちゃならないんだけど、動く気になれない時は、まずこの動画を見る」
と書いている人もあって、笑った。

ただひとつ気になるのは、掃除魔の人たちがものすごく大量に漂白剤を使っていること。
中には1週間で2、3本使うという人もいて、びっくりする。
ウチにも漂白剤はあるが、私はあの臭いが嫌いでたまーにしか使わないので
1本買うと2、3年は持つ。
まあカナダの場合、スーパーで普通に売ってるのが3.6リットル入りで
やたら大きいせいもあるが、仮に英国で普通に売られているのが半量の1.8リットル入り
だとしても、1週間で2、3本は使い過ぎ、身体にも環境にもよくないような気がするのだが・・・
それに何より、それだけ大量に使っても目も喉も痛くならないとは、
掃除魔の人たち、よほど塩素に耐性があるに違いない。

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プロフィール

らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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