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うろうろと本屋にでかけ

  • 2005/11/25 22:34
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■ 日本にいる間、夜の会食がキャンセルになったり、土曜朝のミーティングがなくなったりして、ちょろちょろ、ちょろちょろ時間が空いたので、ついちょろちょろ、ちょろちょろ、本屋に出かけて本を買ってしまった。ホテルと本屋の距離が近いのも、考え物である。最近のお気に入り内田樹先生のご著書を除いては、今回はなぜかロバート・B・パーカーが多かった。80年代初めに読み始めて以来、早20年。長い付き合いだし、20代の頃はスーザンが大好きでなめるように読んでいたので、ストーリー展開や寒いジョークなど、いまさら新味はないのだが、文庫新刊が出るとやはり買ってしまう。1974年に37歳だったスペンサーは、今年2005年には68歳のはずだが、お話を読んでいるととても60代の人間のようには見えない。軽快に走り、悪漢を倒し、まるで脂の乗り切った40代のようなご活躍。まったくたいしたものである。同様にホークとスーザンも“永遠に40代”みたいな若さを誇っており、スペンサーとともに跳んだり撥ねたりしている。スーザンなど今回は道端のレンガを取り上げて、ギャングを殴り倒しているのである。いくらジムで鍛えているからって、銃を構えたギャングを60代のほっそりした女性がレンガで殴り倒すとは…。うーん、私も見習おう。

■ 他には小泉武夫先生のご著書とか、話題の「下流社会」とか、電子レンジパンの作り方とか、せっけんのつくり方とか、夏目漱石の「坊ちゃん」とか、を買った。最後の「坊ちゃん」は、何をいまさらと思われるかもしれないが、実は私は「坊ちゃん」を読んだことがないのである。小・中学生の頃は漱石先生なんていう文部省御用達の超有名銘柄は読む気がしなかったし、その後高校の教科書に載っていた「こころ」はいやいや読んだが、その愚図な辛気臭さに嫌気がさしたし、で以来どうも食指が動かず、漱石については読んでも、漱石そのものは読まず、20数年が過ぎたわけである。

■ で、読んでの感想は、漱石先生には誠に申し訳ないが「は、これだけ?」
「こころ」の愚図愚図と内省ばかりして自ら人生をめんどくさくしている“先生”のような人物もなんだが、“坊ちゃん”のようにまったくモノを考えない人も、それはそれで困ったものである。直情径行といえば聞こえはいいが、要するに考えたことではなく、感じたことを基にぱっと行動に移っているわけで、平たく言えばお馬鹿である。しかるにこのお馬鹿がなぜにこのように長期にわたり、人気を博しているのであろうか。また、全編松山の中学校の生徒および教職員の悪口の言い放題ともいえるこの作品を、なぜにご当地の松山の人々はこのように愛して、「坊ちゃん列車」を走らせたり、坊ちゃんが2皿食べたと言う団子を名物として大いに宣伝したりしているのであろうか。私にはいまひとつ納得のいかないところである。書いたのが100年前の漱石先生だからよいが、今同じことを、他の誰かが書いたりしたらフィクションとは言え、松山の人は喜ぶまい。そして自身、大インテリでありながら、このような直情径行のモノを考えない“坊ちゃん”という主人公を創造した漱石先生は、前世紀初頭の英国で“近代的知性”というものに、よっぽどお疲れになったのだろうか。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、米朝、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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