軽く、軽く

  • 2012/09/01 11:25
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最近目の調子がよく、文庫本でも30分くらい続けて読めるようになった。しかも両目を開けて。誠にめでたい。眼球への注射も次回で6回目だから、まあ多少は効果があって欲しいところだ。現状維持や悪化防止だけではなくて。

で日本で買ってきた文庫版の『銃、病原菌、鉄』を楽しく読んでいる。今、下巻を1/4くらい進んだところ。その前は宮部みゆきさんの『日暮らし』と『おまえさん』を読んでいた。こちらも楽しかったのだが(宮部みゆきさんの江戸物は以前から大好きだし)、途中ちょっと休憩をはさみ、一息入れてから読了。なんというか“いい人”しか出て来ないオハナシってのは、その善意、善人さ加減にやや食傷するというか、どこまで行ってもほどよい湯加減の風呂みたいで単調に感じられるというか、まあ要するにこちらが物事を斜に見がちなひねくれ者であるということなのだけれど、くたびれて一気には読み切れなかった。こういうものはお楽しみで読むのだから、もちろん殺伐としたものが読みたいわけでも、陰々滅々その暗さに世をはかなみたくなるようなものが読みたいわけでもないのだが、薄味の炊き合わせにも木の芽が添えてあるように、多少のピリリはあってもいいのではないか、ま弓之助ちゃんかわいいし、奥方もいい味ではあるのだけれど。

ところでひょんなことから『銃、病原菌、鉄』に関するア〇ゾンのカスタマーレビューを読んで、同書を「冗長」とか「繰り返しが多い」と評していらっしゃる方が何人かおられ、ややびっくり。まだ半分ちょっとしか読んでいないので今後読み進むにつれ私も同様な感想を持たないとも限らないが、少なくとも今までのところ「冗漫」とは一瞬も思わなかった。(冗漫というのなら、今わたしが訳している某社の紹介文の方がよっぽど冗漫だ。何しろ同じ文章が2回出てきたりするんだから) 「下巻のエピローグ30ページを読めば足りる」との評もあり、最初は「そんな身もフタもない。ホネだけじゃ、いくらしゃぶっても味がありませんでしょうに。栄養にもなりませんわよ」と呆然としたが、細切れの文章で手早く読めるケータイ小説が今の出版界の主流なら、今後はこういう感想を持たれる方がどんどん増えていくのかも。そして書物はますます軽くなっていくのか。実際の重量も、内容も。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
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