SDQとか

  • 2013/02/15 08:06
  • Category: 雑記
薬物(ここでは現在その製造、販売、所持、摂取が違法とされている薬物を指し、一般の適法医薬品は含まない)解禁に対する雪だるまとジェリーの主張は、ほぼ以下に要約される。

1. 巷では、薬物は一度でも使用・摂取すればすぐに依存性が発生して止められなくなり、それによって心身    が蝕まれるだけでなく、反社会的行為や犯罪へと発展する可能性がある非常に危険なものと認識されているが、しかし実際のところ薬物の精神的、身体的影響および依存性は、現在その製造、販売、所持、摂取が合法であるアルコール(酒)と同程度である。
たとえば精神・身体に対する影響では、アルコールの大量あるいは長期の摂取は、各種ガンの原因となったり、脳の委縮を引き起こしたり(これは少量でも起こる)する。依存症に陥った場合に、幻覚、譫妄などの症状が現れることも広く知られている。アルコールが薬物に比べ、“より少なく危険”であるということはない。
またその使用者による反社会的行為・犯罪という点から見ても、アルコールの影響下にある者によって引き起こされた反社会的行為・犯罪が、薬物の影響下にある者によって引き起こされたそれよりも少なく、軽微であるということはない。件数からいえばアルコールがらみの犯罪の方が(使用者が多いこともあって)、薬物がらみの犯罪より多いと思われるが、アルコールが社会的に容認されていることから、よほど凶悪なものでない限り看過されやすい。(たとえばバーで酔っ払い同士が喧嘩し負傷者が出てもまずニュースにはならないが、これが薬物がらみならニュースになる)

ここで筆者注) 飲酒の身体への影響については wikiの「酒」の項(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%92)などをご覧ください。また薬物とアルコールの依存性については、下記の表をご参照ください。この表は同じくwikiから無断借用した医学雑誌The Lancetによる各種薬物の身体依存・精神依存・多幸感の平均スコア尺度表(スコアは1-3)です。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%96%AC%E7%89%A9%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87


薬物      平均  多幸感 精神的依存 身体依存
ヘロイン  3.00   3.0    3.0  2.9
コカイン  2.37   3.0    2.8  1.3
アルコール  1.93   2.3    1.9  1.6
たばこ      2.23   2.3    2.6  3.0
バルビツール酸  2.01   2.0    2.2  1.8
ベンゾジアゼピン 1.83   1.7    2.1  1.8
アンフェタミン  1.67   2.0    1.9  1.1
大麻      1.47   1.9    1.7  0.8
LSD      1.23   2.2    1.1  0.3
エクスタシー  1.13   1.5    1.2  0.7


↑すみません。表だったのですが、コピペしたら壊れてしまいました。
直し方がわかり次第直しますので、暫時このままでお許しください。



2. つまり薬物が“危険”であるなら、アルコールも同程度に“危険”なのである。それに加えてそうした健康被害や犯罪によって発生する社会・経済的損失(医療費、取締りに要する費用、犯罪・暴力事件によって発生する損失etc.)も莫大な額に上り、各国政府の財政を圧迫している。したがって人類の健康・健全なる発展および社会の安寧という観点から考えれば、これらの“危険”物(薬物、アルコール、ついでにタバコ)は撲滅対象として社会から一掃、根絶されるのが最善なのであるが、しかしながらまったくもって不幸なことには人類はそれに耐えうるようにはできていない。違法だろうが合法だろうがアルコールや薬物やニコチンに対するヒトの欲望は止むことなく、市場から酒が消えればヒトは密造酒作りに励み(アル中問題に手を焼いたゴルバチョフが節酒令を出した時には、市場から靴クリームすら消えた。靴クリームからアルコールを抽出しようと、人々がクリームを買い漁ったからである)、薬物が消えれば咳止めからでも目薬からでも薬物を造り、タバコが消えればその辺の草でも葉っぱでも乾かして丸め、煙を吸引しようとする。ヒトというのはそういう自分にとって害があると十分わかっているものでも“欲しい!”となったら留まることができない、どうしようもなくお馬鹿で愚かで度し難い生き物なのである。したがって過去、こうした“危険”物を一掃しようとする試みはことごとく失敗してきた。米国の禁酒法然り、ソ連の反アルコール・キャンペーン然り(ソ連のは節酒令であって、禁酒令ではなかったが)。現在の各国における麻薬撲滅運動も結局のところ麻薬カルテルと警察のいたちごっこ。あっちをつぶせば、こっちがぽこりと際限がない。また薬物が違法であることから、その製造販売流通は主として麻薬カルテルやマフィア、暴力団など犯罪組織に牛耳られていることが多く、彼らの巨大な資金源になると同時に、薬物がらみの凶悪犯罪を多発させている。またその巨大な資金力を背景に、一部の国では本来なら取り締まる側であるはずの警察が麻薬組織と癒着するなど問題山積、取締りの現状は成功しているとは言い難い。

3. したがって(と、ここからが彼らの主張になるのだが)、薬物撲滅がほぼ達成不可能な難事業であるなら、いっそのことアルコール同様、政府による一定の管理のもと合法化してしまう方が諸問題への対応策も立てやすく、対処も容易だ。複数の民間企業が薬物を製造し始め、薬物市場に市場原理が導入されれば、禁酒法廃止後、マフィアによる密造酒が市場競争に敗れて衰退したのと同様のことが、薬物市場にも起こるだろう。粗悪で危険な密造薬物が駆逐され、品質の安定した薬物が適正な価格で供給されるようになれば、健康被害もやや減少するのではないか。そうした上で現在のアルコール依存症対策と同様、摂取者が依存症に陥らないよう教育、教化に努め、また陥ってしまった場合の治療、リハビリ施設を充実させる。これらにかかる費用は、酒やタバコ同様、薬物に課税することで賄う。酒やタバコへの課税はほとんどすべての国で実施されていることであり、なかには非常に高率の課税を実施している国もあるが、そのために酒やタバコの消費が大きく落ち込んだということはない(税率を引き上げると一時は消費が落ち込むが、また徐々に元に戻る。のど元過ぎれば、というやつである)。したがって現在、いかに酒が高かろうと密造酒に手を出す人がほとんどいないのと同様、薬物が合法化され町の店で適当な値段で薬物が買えるようになれば、密造薬物に手を出す者はほとんどいなくなり、これにより犯罪組織の資金源を断つことができると予想される。また薬物の製造販売流通摂取が合法になれば、現在これの取り締まりに割かれている巨額の政府支出と人手とを、別な方面に回すことができる。税収が増え(教育費用や治療費など支出も増えるだろうが)、犯罪組織の資金源を断つことができ、人手が浮くなら一石三鳥ではないか?

4. それにアルコールを摂取した人全員がアルコール依存症になるわけではないのと同様、薬物を摂取した人全員が薬物依存症になるわけではない。アルコールを適度に楽しむことが可能であるのと同様、薬物を適度に楽しむことも可能である。過去30年以上にわたり、薬物を適度に楽しんでいる俺(ジェリーのこと)が言うんだから間違いない。まわりにもそういう人間はけっこういる。みな仕事を持ち、家庭を持ち、普通に社会生活を営みながら、たまに薬物を楽しんでいるのである。繰り返していうが、一度でも薬物を摂取したが最後、薬物に対する依存が発生し“薬物なしでは生きていられなくなる”わけではない。当局はそう宣伝しているが、それは事実ではない。

とまあ、以上が彼らの主張である。ここまで書くのに3晩かかってしまった。ああ、疲れた。宗教とドラッグは彼らの十八番というか定番の話題で、過去1年半折に触れて何度も何度も聞かされているので、こうやって書けてしまうくらいにその主張を覚え込んでしまったが、これはあくまでも彼らの主張であって、私も同意見というわけではない。またこのあたりの人が、みな彼らと同じように考えているというわけでもない。事実、彼らは薬物の合法化に反対する叔母さんの一人と、激烈な議論になったことがある。

私はと言えば、実のところよくわからないのである。私は各種の酒の味は好きだが、体質が災いして量は飲めない。タバコは若い頃は時折吸っていたが、20代後半に気管支炎で咽喉を傷めてからは、煙を吸い込むと咳き込むのでぴたり止めた。つまり結局どちらも習慣にはならなかった。(=依存を形成しなかった) 薬物はやったことがない。ただ日本で青少年期を過ごしたため、例の「ダメ、絶対!」教育が身体にしみ込んでおり、薬物は怖いものであるという認識が頭から消えない。ジェリーやwikiに「薬物の依存性はアルコールと同程度だ」と言われても、「ほんとにぃ?」と疑いの上目遣いで見てしまう。しかし一方で薬物を規制するのは不可能であることもわかっている。合法化して、白日の下での薬物使用にした方が、本当に問題は減るのだろうか? うーん。アルコールと同様と考えれば、そうかもしれない。ちなみにケベックでは、アルコールは政府専売である。ビールやワインなどアルコール度数の低い酒はスーパーやコンビニでも買えるが、ウィスキーやブランデー、ジンなど度数の高い酒は、SAQという政府直営の店でしか買えない。SAQとはSociété des alcools du Québecの略である。当町にもウチの近所に小さいのが1軒、ダウンタウンに大きいのが1軒ある。酒に対する税率は高く、私は引っ越してきたばかりの頃、ウィスキーを買いに行って、値段がHKの倍近くしていることに仰天。HKを出る時に空港で買い込んでこなかったことを大いに後悔した。これに懲りて、去年日本に行った時にはちゃんとブランデーを仕入れてきたが、SAQでの値段を考えると勿体なくていまだに封を切れないでいる。何のために買ったんだよ、わたし?の世界である。それはともかく、ジェリーや雪だるまが“政府による一定の管理のもとで薬物を販売”という時考えているのは、このSAQによる販売システムあたりかもしれない。たとえばSociété des drogues du Québec(SDQ)とか、Société des narcotiques du Québec(SNQ)とかの店が、そこここにできるわけだ。そしてパーティとかの時は、料理に合わせたワイン、ビールと同時に、客の好みに合わせた薬物も仕入れて、パーティに花を添える、と。“適度に楽しむ”が可能なら、そういうことも可能なわけだ。ほんとにそーゆーことでいいのかどうかは別として。

ちなみに本人も認めている通りジェリーは薬物使用者だが、雪だるまは生まれてこの方一度も薬物を摂取したことはない。アルコールもタバコもまったくやらない。それでも雪だるまは薬物は合法化した方がよいと考えている。面白いものである。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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