編み物話 2

編み物話の続きだが、冬が長く、寒さが厳しい当地なので毛糸物の活躍期間は長く、「うん、手間暇かけて編んだ甲斐があったぜ」と実益を兼ね備えた暇つぶし道楽に満足の私だが、同じ毛糸物でも寒さが厳しいために却って出番が少ないものもある。たとえば手編みの手袋である。編み方を習得したかったのでミトンと5本指のといくつか編んでみたのだが、手編みの手袋はふつう一重で裏がないので、晩秋くらいまではOKだったが本格的に冬になり気温が零度を大きく下回るようになったら、寒くて単独では使えなくなった。

気づいて周りを見渡せば、当地で売られている手袋は、たとえディスカウントショップの$5の安物でも裏地付きである。よく皮手袋の内側には絹や薄手のニットの上品な裏地がついているが、あんなのではなくて、やたら伸縮性のよい、もこもこした起毛素材の裏地である。安物のは伸縮性がよすぎて手袋の中で裏地が縮こまり、ときどき指を入れる穴が見つからなかったりするくらいだが、とりあえず一応暖かい。裏地なしとは格段に違う。

裏地なしでは寒いのなら手編みの手袋にも裏地をつければいいのだが、ミトンならともかく5本指手袋の裏地に使える生地を見つけ、それを裁って縫って手袋の内側に縫い付ける――のは、私の技量を大きく超える。ならばと編んだ手袋が大きめだったのを幸い、お湯で洗って縮絨させてみたが、それでも編み目を通って冷気が染み通り、零下の気温では使えなかった。以来、手袋を編むのは止めている。使えないものを編んでも仕方がないからである。もしかしたら指先までびっしり編み込み模様がある(=編み地が二重になる)サンカみたいな手袋だったら当地でも使えるのかもと思うが、極細糸と極細針で編むあれは私の目ではたぶん編み目が見えないので挑戦していない。編めたら楽しいだろうな、とは思うが。

もうひとつ、こちらは実際に編んだわけではないが、michiyoさんの「編みやすくて心地いいニットのふだん着」で紹介されている、ラッパを2つ繋ぎ合わせたようなドルマンスリーブのカーディガン、デザインが面白いので編んでみたいと思ったが、よく考えたらここまで大きいドルマンスリーブだと、たぶん上にコートが着られない。コートなしのニット姿で外に出られるのは、どう頑張っても10月半ばまでのご当地、たとえこのカーディを編んだところで着られるのはウチの中だけ。外にも着ていきたければ、このカーディの上に着られるコート(着物コートとか?)を買わねば、と思うと、編みたい気がしゅるしゅるとしぼむ。同じく上記の本で紹介されているフードつきのロングカーディガンもデザインは素敵で、たぶん日本だったらコート代わりにこれ1枚で外に出られるだろうが、いくら地模様たっぷり厚地でも、裏地なしの一重のニットでは裏なし手袋同様、当地では出番僅少。手間暇かけるだけの甲斐がない。寒さが厳しすぎるのも、編むものを制限するのである。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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