思い返してみれば

  • 2013/04/14 21:43
  • Category: 雑記
金曜、恒例の週一の買い物に出かけたら、1軒目のスーパーから出てきたあたりで雪が降り始め、お気に入りの2軒目から出て来た時には、車の屋根も窓ガラスも雪で完全に覆われていた。そして3軒回って家に帰り着いてみれば、この間やっと1/3くらい顔を出したと喜んでいた芝生はまたすっかり雪に覆われ、デッキもまた雪の下。またまた冬に逆戻りである。

そういえばお義母さんが亡くなった10年前の4月も春が遅く、病院への行き返りの道には雪がたくさん残り、気温が氷点下に下がることもしばしばだったのを思い出した。

お義父さんから「お義母さんの具合が大変悪い」という電話が入ったのが3月31日。翌日には2人でカナダに飛んだ。実母である雪だるまはともかく、私が一緒に行くことができたのは、その日ちょうど会社から解雇されたからである。31日の朝会社に出勤してみたら、中国から総経理が来ていて朝一で部屋に呼ばれ「大変申し訳ないが・・・」と、1か月分の給料の小切手と共に解雇を知らされた。一瞬びっくりしたが、次の瞬間「あ、これなら一緒にカナダに行ける♪」と内心にんまり。もともと将来性のなさと居心地の悪さに暗澹たる気分で働いていた会社だったので、向こうから解雇してくれたのは渡りに船。しかも自分から辞めたのでは1銭も貰えないが、会社が即日解雇する場合には1か月分の給料が貰える。ちょうどカナダへの飛行機代が出るわけで、もう願ったり叶ったり。鴨がネギしょって向こうから鍋に飛び込んできたようなものである。会社にはあっさりバイバイして、大慌てでスーツケースを詰め、その日の夜には飛行機に乗った。

それから毎日、お義父さん&ジェリーが昼間、私&雪だるまが夜間という12時間シフトでお義母さんの病室にいたが、看護はもちろん病院側がしてくれるので、私たちはただお義母さんを見守っていただけである。お義母さんは意識はあったが右半身が麻痺しており、また話すことができなかった。それでもこちらの言うことはわかっており(あるいはわかっているように見え)、スプーンでヨーグルトなど差し出せば少し食べたりもしていたが、回復することはなく、それから9日目に亡くなった。

今、週に1~2回は会っているお義父さんとは異なり、最後の入院期間中を除けば、お義母さんとはほんの数回会っただけで、長く話をしたこともなかったが、ある時一度、雪だるまの通訳で、角切りにしたスポンジケーキの周りにコーヒー味のアイシングをつけココナツをまぶす“モカ”という菓子の作り方を教わった。お義母さんは料理が上手で、菓子作りも大変うまかったのである。お義母さんの姉妹である叔母さんたちも同じレシピで料理や菓子を作るが、「どういうわけかマミーの程おいしくはない」とは雪だるまの弁。私も同様に感じるから、“マミーの味”という感傷だけが言わせているのではないと思う。

お義母さんが亡くなった後、お義母さんが若かった頃の写真数葉をお義父さんから貰ってきた。1960年代初期と思われる古い写真で白黒ばかりだが、子どもの雪だるまやジェリーと一緒に写っているお義母さんは、黒い髪と眉が印象的な、理知的な美人である。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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