懐メロ

  • 2013/05/24 06:02
  • Category: 中国
先日、昔よく聴いていた歌がふと頭の中を流れ、なんだか無性に懐かしくなって、ようつべあたりで聴いてみたいと思ったのだが、何しろ20年も前のことなので、曲名もその歌を歌っていた歌手の名前も思い出せない。女性だったことは間違いないが、さて台湾の歌手だったか、大陸の歌手だったか、英語名ではなかったからたぶん香港ではないが、苗字すら思い出せないのでは検索のしようがない。しかし聴きたい。

そこで物は試しと覚えていた歌詞で検索したら、一発でヒット。曲名は『追夢人』でありました。ようつべで見ると、いろいろな歌手がカバーしているが、並んでいる名前を見て、私が聴いていたのは台湾の歌手、高勝美さんだったことも思い出した。中国留学前の数か月、文法の基礎と発音を教えてもらっていた杭州からの留学生、徐さんがテープを貸してくれたのだ。当然、他にもいろいろな曲が入っていたのだが、私はこの『追夢人』が一番好きで、中国語学習を兼ねてピンインを書き入れた歌詞カード片手に、テープと一緒にさんざん歌ったので歌詞を覚えていたのである。

ようつべに古代美人画入りのがあったので、貼り付けておく。『中文百科在線』によれば、この曲は“華語ポップスのゴッドファーザー”と言われる台湾のシンガーソングライター 羅大佑が、作家 三毛のために作った曲だと言うが、当時はそんなことは何も知らなかった。歌詞の意味もろくにわからなかった。それでもメロディーが好きで、ところどころ「こんな意味かな?」と思う歌詞も好ましく、だから留学先にも持って行って聴いていたのである。

もうひとつ、『哭砂』も好きだった。こちらは香港の歌手(と言っても、台湾生まれカナダ育ちだが)葉蒨文さんのCDで聴いていた。貼り付けたのは葉さんのではなく、『追夢人』と同じく高勝美さんが歌っているものだが、歌詞付きだし、歌詞に合わせた(?)海辺を歩く高さんの動画もついているので、こちらにした。

どちらの曲も90年代初めの流行歌で、私は好きだったが、華語圏における評価がどんなものかは知らない。歌詞の意味はおぼろにわかるが、その表現が使い古された陳腐なものなのか、それとも比較的洗練された、聞くに堪えるものなのかも、所詮中国語は外国語の私にはわからない。

たとえばの話、日本語ネイティブである私から見ると、演歌の歌詞は大部分、情に流され過ぎて救い難く陳腐であり、とてもではないが恥ずかしくて人前で聴いたり、歌ったりはできかねるが、香港で仕事をしていた当時、上司殿は東京に出張するたびにアメ横のCD屋に寄り込み、「演歌は歌詞が深いです」と言って、当時ですらほとんど懐メロの演歌のCDを買ったり、カラオケというと『北国の春』などを歌っていた。

それを横で見ながら私は「とほほ、なんでまた、よりによって演歌なのかね、上司殿・・・」と嘆息していたものだったが、上記2曲を含め私の好きな華語流行歌も、今の華語圏のワカモノから見れば、同じように「やれやれ・・・」の位置付けにあるのかもしれない。

かもしれないが、私にとって90年代の華語流行歌は、楽しかった中国留学時代を思い出させるものであり、その点でたとえ陳腐だろうと、古臭かろうと、やはり懐かしく愛おしいものなのだ。山口百恵さんの『夜へ』を聞くと、大学に入ったばかりの頃の春の夜道を思い出し、『インターナショナル』を聞くと、日本での仕事時代の“学習会”を思い出すのと同じだ。

ようつべのおかげで久しぶりに懐かしい曲を聞き、90年代初めの広州、広大な大学敷地内に建つ、コンクリート打ちっぱなしの留学生楼での生活をしみじみと思い出した。
スポンサーサイト

Pagination

Trackback

Trackback URL

http://gaudynight.blog.fc2.com/tb.php/1437-77fea9be

Comment

Post Your Comment

コメント:登録フォーム
公開設定

Utility

プロフィール

らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

カテゴリー+月別アーカイブ

 

FC2カウンター