マンモグラフィ

病院からマンモグラフィの連絡があったので行って来た。予約なしでしてもらえる血液検査や、待ち時間が週単位の胸部X線撮影とは異なり、マンモグラフィはファミリードクターによる予約申し込みから実際の撮影まで待ち時間3か月。しかも撮影日の前日に「明日の午前10時にお出かけください」との急なお電話。こちらは暇な無職人間だからよろしいが、仕事がある人だったら予定の調整が大変だろうと思う。まあ、そういう場合は断って、次の空き時間を探してもらうのだろうが。

さてマンモグラフィ。日本にいた頃は乳がん検診に引っかかる年齢以前だったし、香港時代はそういう福利のない会社にいたので、今回が初めてである。胸はほぼ平らな私などの場合、いったいどうやって撮影するんだろうと思っていたが、実際やってみるとそれはそれで何とかなるものなんですな。むしろ肉付きが悪い分、簡単に所定の“厚さ4-5cm”にもっていくことができ、多少の圧迫感はあるものの、このあたりのご婦人方に多い、大変に大変に豊かな胸の人よりも却って楽ちんかも。しかも担当した女性がたいそう感じのよい明るい人で、若々しい彼女がふっとそばに寄るたびに微かに甘いフルーツガムのような香りがする。パウダーでもはたいているのか、手ざわりはさらさら。撮影に適した角度にするために身体をさわられても、嫌な感じがまったくしない。おかげで不快感を少しも感じることなく、15分ほどの撮影を終えることができた。

目の治療や様々な検査のために、この病院には何度も来ているが、今回のマンモグラフィに限らず、この病院の人たちはみな感じがよい。1日中、さまざまな不調を抱えた人に接したり、朝から晩まで同じ検査に明け暮れる仕事が楽なはずはないのに、苛々した顔やつっけんどんな応対をされたことはなく、こちらのたどたどしいフランス語にも辛抱強く付き合ってくれる。見ていると、患者の冗談に同じく冗談で応え、笑い合っていることも多い。患者も医者も看護師もみなご近所、というような町医者の待合室ではないのだから、全員みな知り合いのはずはないのに、日本の同規模の病院に比べ(気のせいかもしれないが)、フレンドリーというか、患者と病院側の距離が近いような気がする。日本の病院で嫌な目に遭ったことがあるわけではないが、日本の病院の人たちはもう少し中立的、親切ではあるが、距離を置いて折り目正しく患者と接している感じで、それはたぶん病院側が、患者にはそのような態度で接するのが望ましいとして指導している結果なのだろうと思う。別に日本のやり方が悪いとは思わないが、ここの病院のややくだけたスタンスの方が、患者も病院側も楽しそうではある。少なくとも私は楽しい。2日経った今でも、フルーツガムの香りがした彼女を思い出して、なんだかほんわりした気分になっているのだから。
スポンサーサイト

Pagination

Trackback

Trackback URL

http://gaudynight.blog.fc2.com/tb.php/1455-a708b3aa

Comment

Post Your Comment

コメント:登録フォーム
公開設定

Utility

プロフィール

らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

カテゴリー+月別アーカイブ

 

FC2カウンター