下手なニッターが編むと楽しいデザインもこの有様

だんだん寒さが増してきて花もトマトも終わりに近づき庭仕事の閑散期に入ったので、この1週間ばかりはmichiyoさんの『編みやすくて心地いいニットのふだん着』(文化出版局)から、Aのヴェストを編んでいた。他にもいろいろ編みたいものはあったのだが、まずは去年ネットで買ってセーターを編んでみたものの、とろりとした糸の雰囲気とVネック、ラグランというマニッシュなセーターのデザインがどうも今ひとつしっくり来ず箪笥の肥やしになってしまっていた糸、MirasolのQINAを何か他の物に編み直してちゃんと利用するのが先と、「はろー、はろー」と私に秋波を送るMoroccan NightsFriday Againの前は目をつむって走り抜け、michiyoさんヴェストを編み始めたのである。

同本をお持ちの方や、どこかで写真をご覧になったことのある方はご存じと思うが、このヴェストはなかなかユニークなデザインで、前と後ろで身頃の幅が違う上、肩線は極端な斜め、袖開きは肘のあたりとなっている。変わったデザインではあるが、モデルさんの着用写真(アマ○ンの「なか見!検索」でご覧になれます) を見ると、肩から肘まですっぽり包まれ、ほっこりと暖かそうでなかなかよろしい。必要な糸量やゲージもQINAに合う。「おし、これにしよう!」と、さっそく左前身頃から編み始めた。

なにしろ使われている技法は表目と裏目だけ、そして簡単な減らし目があるだけなので、編みはさくさく進む。QINAはベビーアルパカ80%、バンブー20%なのでしっとりと柔らかく、手ざわり上々、ほんわりと幸せな気分で編めることも、進度に貢献した。途中、平編みでの一目ゴム編みは、私が普通に編むと呆れるほど目が揃わないことが判明したので、家鴨衛門不逞記さんが紹介しておられる“一目ゴム編みの上掛け”法を有難く借用させていただいたが、ほかはテキストの通りで変更点なし。ちゃんと数えながら編んだので目数や段数を間違えることもなく、左前、後、右前の各パーツはするすると順調に編み上がった。

そして「あとは身頃同士をくっつけて、袖口と前立てを編むだけだ♪」と、ある日の朝、勇んで肩と脇のすくいとじを始め、なにしろ並太の糸なので、すくうべき渡り糸は簡単に見つかり、やっている間は特に問題を感じなかったのだが、「さて、出来た」と身頃同士をくっつけた段階で、ちょっと羽織ってみて愕然! 直線の脇はよろしいが、長い斜めの肩線がガタガタ。ドレープ性のある糸で、重みで編み目が広がることもあって、ガタガタの綴じ目が「これでもか!」というほどはっきり目立ち、もう素人の手仕事であることが歴然の惨憺たる有様。あまりのことにもう一度やり直してみたが、結果は「さっきよりややまし」になった程度で、ガタガタに変わりはなし。

諦めて袖口と前立てのゴム編みにかかったが、こちらも短い上、輪編みにした袖口は荒が目立たないものの、ながーい前立ては拾い目した線が悲しいほどガタガタで、しかも重みでゴム編みの目がびろりと広がってしまい、とても外に着て行ける出来ではない。我ながら、己が技量の無さに思わず天を仰いだ。

考えてみると私は今まで靴下とか帽子とかトップダウンのセーターとか、綴じはぎの要らないものばかり編んでいて、綴じのあるセーターを編んだのは、もしかすると二十×年ぶり。しかも当時はごく普通の型のセーターを編んでいたので、長い脇は直線、やや斜めの肩線は短く、綴じの下手さが目立ちにくかったのだと思う。しかしこのmichiyoさんのヴェストは、減らし目で作った長い斜めの肩線同士を綴じ合わせるデザインで、技量の高低が一目瞭然。綴じの下手な初心者ニッターには過酷な1枚であった。ううう。

編み物ブログでは着画を載せるのがお約束のようだが、今回、上記↑のような惨憺たる出来であるし、そもそもたとえちゃんと編めていたとしても、私が着た写真などを載せては、それでなくても多くもない拙ブログ読者がますます減ることは火を見るよりも明らか、なので、下手なニッターが編むと楽しいデザインもこの有様ですよ、の見本に平置き画像を1枚だけ。悲しすぎるので、編み地のアップはご勘弁の程を。


IMG_3997.jpg


後日
外に着て行けない出来なので、ウチの中でぼつぼつ着ているが、うーん、このヴェスト動き回る時には向きませんな。なにしろ袖開きが肘のあたりなので、腕が上がらない。極端に斜めな肩線は、超なで肩の私にはぴったりだが、着ているとだんだんずれて、肩からするりと落ちてしまう。(これは他の方も書いていた) たっぷりした身頃は、いろんなところに引っかかる(ドアノブ、引出の取っ手、テーブルの角etc.)
しかしたとえばソファに座って編み物とか、ベッドの中で読書など、動きの少ない場面では、背中から肩にかけてぬくぬくと暖かく、大変重宝。欠点ばかりではありませぬ。第一、デザインは楽しいし。
ただ、編まれる場合、色選びは慎重に。モデル写真同様、濃いめの色の方がおしゃれかも。くすんだ灰色で編んだ私のヴェストは、お爺さんの甚平さんみたいです。
スポンサーサイト

Pagination

Trackback

Trackback URL

http://gaudynight.blog.fc2.com/tb.php/1483-3cdfb686

Comment

Post Your Comment

コメント:登録フォーム
公開設定

Utility

プロフィール

らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

カテゴリー+月別アーカイブ

 

FC2カウンター