夕食会顛末

  • 2013/10/25 10:13
  • Category: 雑記
火曜日、客人たちはいろいろなビールが入った段ボール1箱と、レタス1玉を抱えて定刻1時間遅れで登場した。待っても待っても来ないので「どこぞで事故にでも遭ったのではないか」と心配し出したところだったので、全員無事に現れてほっとした。オンタリオから来た従弟とそのBFだけでなく、お義父さんちの近所に住む叔母さん夫妻(雪だるまの母、従弟の父、叔母さんが11人兄弟姉妹のそれぞれ#3、#7、#10にあたる)も招待しており、叔母さんたちはいつも早めにやって来るので、定刻を過ぎても誰も現れないのがよけい不思議だったのである。

叔母さんたちによると、その日は1日、教会やらアートセンターやら自然公園やら地元の名所旧跡観光をし、最後にSという町にある弱小ブルワリー(一応リンクしてみましたが、すみません仏語だけです。ああ、ケベック…)に寄って、そこのビールを1箱仕入れて来たらしい。このブルワリー、ちょっと変わった名前と味とラベルのビールを作っていて、このあたりではけっこう有名。なかでも面白いのはこれ。


beershs.jpg




ラベル右側の色眼鏡の人物はカナダの元首相ジャン・クレティエンで、このS町出身なのである。そしてその下に(よく見えないが)赤字で“Shawinigan Handshake”と入っているのは、彼が首相だった1996年当時、某式典の会場で貧困絶滅活動家に進路を阻まれたクレティエンが、その活動家の首と顎をつかんで地面にねじ伏せ、歯を1本折るという事件があり、これが“Shawinigan Handshake”(シャウィニガン式握手)として有名になったから。よく見るとこのラベルのクレティエン氏も、隣の悪魔の首を絞めてます。こっちの方が見やすいかな。


beershs2.jpg


味の方は、私はビールを飲まないのでよくわからないのだが、従弟によれば「なかなか面白い」そうである。ちなみに持ち込んだビール1箱の上に乗っていたレタス1玉は雪だるまへの手土産で「ベジタリアンへの手土産は何がいいのかよくわからなかったから」というのが従弟の弁。実際、アイスバーグレタスは雪だるまの好物なので、有難く頂戴して冷蔵庫に入れた。

この従弟、レタスを手土産にするあたりからもわかる通り、なかなか皮肉の利いた楽しい人物だが、その皮肉の下に神経の繊細さが見え隠れするあたり、夏にトロントで会ったK氏にも似て、話していて大変面白かったし、一方、彼のBFの方は皮肉っぽいところなど微塵もない、暖かく柔らかな人物で、介護士として働いているというのが素直に納得できるような人だった。(従弟の方は2年前から葬儀場/funeral homeを経営している。これもまた“納得”というべきか)

話によると、BF氏は十何年か前にスロバキアからカナダに単身移民し、2年前にカナダの市民権を取得したそうだ。雪だるまによれば英語に少し訛りがあるとのことだが、私にはわからなかった。今スロバキアから、と書いたが、彼が生まれた当時はまだチェコスロバキアで、生まれたのはスロバキア領だがプラハで教育を受けたし、両親の片方はスロバキア人で、もう片方はチェコ人だそうだから、国籍はスロバキアでも、実際のところは正真正銘のチェコスロバキア人というべきなのかもしれない。ただし徴兵制を採っていた当時のチェコスロバキアで強制的に軍隊に入れられたものの、同性愛者であるため“精神疾患者”として軍隊から放り出されたそうで、その他もろもろの理由もあって共産主義国家だったチェコスロバキアには何の未練もないそうである。

近年、いろいろな国で同性婚が認められるようになるなど、同性愛/同性愛者に対する差別は減りつつあるが、そうは言っても差別や偏見が完全になくなるまでには、まだまだ何十年もかかるだろう。私自身はヘテロでもホモでもバイでもどうでもよく、どうでもいいので周りの人たちがそのどれに属するのか、あるいは属さないのか、およそ関心の外だが、中にはヘテロセクシャルだけが正しい人の道であると考え、信じている人たちもいるようで、ゲイ・バッシングはなかなかなくならない。人が誰を愛するかはその人の勝手で、他人が口を出すことではないと思うのだが、なぜ他人の問題として放っておけないのだろう? 誰が誰を愛そうと、誰と誰が一緒に暮らそうと、仲良く暮らしている限り放っておけばいいのである。他人の愛情生活は、あなたの問題ではない。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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