ペン

  • 2014/01/28 22:15
  • Category: 雑記
ああ、もう、どうしてこう北米では、細字のゲルインクボールペンを売っていないのだろうか。ドラッグストアに行っても、文房具屋へ行っても、アマ○ン・カナダを覗いても、私好みの0.4/0.5ミリのゲルインクボールペンは、壊滅的にない! 唯一見つかったのは、パイロットのG2。それとて私的には太過ぎの0.7ミリである。そりゃあ最近、視力落ち気味の私であるから、ふつうにノートを取るだけなら0.7ミリでもいいのかもしれないが、私が日々の予定を書き込んでいる手帳は2ページで1か月。1日のスペースは1.5㎝角くらいしかない。そこにどうやって0.7ミリのペンで予定を書き込めというのか? 4~5字書いたら、マスが埋まってしまうぜ。

思えば香港時代はよかった。街には日本製の文房具があふれ、会社の帰りでもジムの帰りでも、ちょこっと文房具屋に寄り込めば、パイロットでも三菱でもゼブラでも、よりどりみどりでさまざまなゲルボールペンが手に入った。色だって、銀座伊東屋さんほどではないが、黒赤青の定番色はもちろん、ピンクでもオレンジでも黄緑でも楽しい色がたくさん揃っていた。

それが北米に引っ越したとたん、ペンと言えば油性インクのボールペンばかり。しかも太字で色も黒、青、赤くらいしかない。たまに「あ、12色セットだ!」と目を輝かせて手を伸ばせば、お絵かき用のサインペンだったりする。まったく、がっかりを通り越して、むらむらと腹が立ってくる。

いや理由はわかっているのだ。北米での筆記具の主流が太め(0.7~1ミリ)のボールペンなのは、当地で書かれる文字が構成的に超単純なアルファベットだからなのだ。漢字に比べ著しく画数の少ないこの文字は、太字のボールペンという無粋な筆記具でも、十分明瞭に書ける文字なのである。

しかし漢字はそうはいかない。たとえば「会議」の「議」。0.7ミリのボールペンで、この字をはっきり読めるように書くには、1cm角くらいのスペースが必要なのではあるまいか? それ以下では線と線がぶつかり合い、真っ黒けな塊りとなって判読不能となるような気がする。まして「鬱」という字を書かねばならない事態となったら…。私見だが手帳に書き込むのならば、0.5ミリでも危うく、0.3ミリでやっと、なのではあるまいか。

それに第一、私は油性ボールペンが嫌いなのだ。遥か昔、ワープロもパソコンもなかった時代の私は、10代の頃から万年筆&つけペンを愛用していた。水性インクのさらさらした書き心地、書き手の癖に馴染んだペン先から流れ出る細い線、インクにペンを浸しつつ書くという古風な典雅さ。当時はパイロットがまだガラス瓶入りのインクを作っていたし、美しいパッケージで有名なウィンザー&ニュートン社の絵画用インクも街の文房具店にあったので、私はありきたりの黒ではなく“Jet”、青ではなく“cobalt”、目先を変えて紫、緑など、さまざまな色で字を書いて楽しんだ。私にとっては、油性インクのあのねっとりした風合いとチープな大量生産プラスチックボディは、実用一点張りで雅趣に欠けたのだ。


wn1.jpg


Widsor&Newton社の drawing ink。私は確か上段左から2番目のオレンジと
下段一番右のブルーを持っていた。

wn2.jpg

箱だけでなく、中の瓶もきれいなのだ。


しかしそれから30年。さすがに世の中は変わり、今、つけペンを愛用しているのは漫画家かペン習字をなさる方くらいではあるまいか。私も世の中の流れに従い、いつからか万年筆、つけペンを使うことが少なくなり、ここ10年くらいは専ら書き心地が一番万年筆に近いゲルインクボールペンを使うようになってきた。だからこそ手近でゲルインクボールペンが手に入らないのは、とても困るのだ。一昨年、日本と香港に行った時、念のため何本か確保してきたのだが、それもそろそろインクが尽きかけている。うーん、どうやって次を手に入れようか…
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とらこ

いつでもお送りしますよ。住所おしえてね。
  • URL
  • 2014/01/29 10:10
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らうとら

とらこさま
やさしきお言葉、ありがとうございます。いよいよ窮しましたら、メールにてご連絡申し上げますので、その節はなにとぞなにとぞよろしく。
  • URL
  • 2014/01/30 10:41

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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
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