桂子さんシリーズ

  • 2014/03/31 21:16
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4、5日前から日本語補給のため、倉橋由美子さんの桂子さんシリーズを読み返している。
倉橋さんは10代から30代前半にかけて私が大変好きだった作家の一人で、
ことに「夢の浮橋」から始まる桂子さんシリーズは、私のお気に入りだった。

今回は「夢の浮橋」までは遡らず、桂子さんの孫である聡子さんが主人公の「シュンポシオン」から始めたが
シリーズの他作同様、制御の行き届いた文章という地の上に、いやらしいまでのペダントリ―が配されており、
人によっては登場人物たちによって繰り広げられるそうした知識のひけらかしが鼻について不快、かもしれない。
しかし私はどうせ読むのなら、過去の文化の蓄積の上に紡ぎ出された、
ある程度重みのあるものが読みたい。吹けば飛ぶような軽さのケータイ小説など読むのは
私にとっては貴重な視力の無駄遣い。益するところなし、である。

ところで「シュンポシオン」。失念していたが、これは聡子さんと明さんの談恋愛の小説でもあったのだった。
20代から何度も読んでいるにもかかわらず、私の意識からはその点がすっかり抜け落ちており
今回読み返して、あれれ?と思ったのだったが、私にとって談恋愛は余分なサカナ。
およそ興味が涌かないので、その部分は飛ばして読んでいる。
(そしてまた、談恋愛部分は私の意識から抜け落ちるのだ)

私にとって楽しいのは、登場人物たちによる書、画、音楽、文学談義。
インターネットの発達のおかげで、今は書中で聡子さんがスカルラッティを弾けば
ようつべで同じスカルラッティを探して聴け、
聞き慣れぬ「楝(おうち)」という木が出てくれば、Google Imagesで探して
その木の姿を見ることができる。
桂子さんシリーズが刊行された1970年代、80年代には、できなかった芸当である。
書中に数多く出てくる漢詩なども、探せば誰かが原音で吟じてくれているのが
見つかるのかもしれない。 不亦楽乎。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
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