SYTYCD

  • 2014/08/23 04:52
  • Category: 映画
雪だるまが米FOXの人気シリーズ、『So You Think You Can Dance』のDVDを買った。シーズン1から10まで全10巻、全米各地でのオーディションから始まる全ての放送が収められているので各シーズン5、6枚のCDがあり、毎日2~3時間ずつ見ていても、いっかな見終わらない。すでに1週間以上見続けているが、いまだにシーズン2。やっとトップ10に絞られたところで、果たして今週中にファイナルまで行けるかどうか。別に仕事で見ているわけではないし、期限があるわけでもないのだから、気長にゆるりと見ていればいいのだが、大好きなDanny君とNeil君が出ていてお気に入りのroutineも多いシーズン3が早く見たくて、ちょっと気が急いている。

ご存じの方はご存じだと思うが、『So You Think You Can Dance』というのは『American Idol』とか『XX ‘s Got Talent』とかのコンペティション系リアリティ・ショーのダンス版である。全米各地でのオーディションで選ばれた男女各10人がペアを組んで、毎週くじで引き当てたジャンルのダンスを踊る。くじだから何が当たるかは、開けてびっくり。ストリート出身のBボーイ/ガールがフォックス・トロットなどのボールルーム・ダンスを引き当ててしまうこともあるし、逆にバレエ・ダンサーが全く畑違いのヒップ・ホップとかを引き当ててしまうこともある。それでも引き当てたからには、何とかかたちにしなければならない。練習時間はせいぜい2、3日、長々練習している暇はないのだから、いくらトップダンサーを目指す腕に覚えのある人たちとは言え、自分の専門外のダンスを引き当ててしまった時には、かなり悪戦苦闘の様子である。それでも最後には最低、“何とか見られる”程度には仕上げてくる。見上げたものである。

そしてその悪戦苦闘の対象である肝心の振り付けは、Sonya Tayeh、Mia Michaels、Dan Karaty等の人気の振付師たちが、毎週この番組のために創作する。たまにはあまりピンと来ないのもあるが、だいたいは“なかなか結構”な出来だし、たまには息を呑んで見つめ、何年経っても覚えているような見事な作品が出てくることもある。ダンス好きには堪えられない番組である。

ただこの番組、コンペティションとは言っても、純粋に“一番うまいダンサー”を選ぶ番組ではない。優勝者のタイトルは “America's Favorite Dancer”であって、“Best Dancer”でも“Top Dancer”でもないし、それを選ぶのもまたダンサーたちの技量を正確に判断できる審査員たちではなくて、全米の視聴者たちなのだ。確かに審査員はいる。しかし彼らが審査に関わるのはコンペティションの前半部分だけ。後半は全米の何十万という視聴者たちが、電話またはネット経由で自分の好きなダンサーに投票する方式が取られる。そして得票数の少ないダンサーから、順次切られていくのだ。したがって、たとえダンスは今ひとつでも視聴者に気に入られれば、生き残りは可能だ。ヒップ・ホップ以外は全滅に近いようなBボーイが、何でもこなすコンテンポラリー・ダンサーを差し置いてトップ6に残っていたりするのはそのためだ。この辺が単なるオーディションではなく、“ショー”である所以である。

私たちは5年ほど前からこの番組を見ているが、今回シーズン1から見始めて、やっとこの辺りの機微が明瞭に見えてきた。各地のオーディションでナイジェル・リスゴーを始めとする審査員たちが選んでいるのは、単なる“うまいダンサー”たちではない。一定以上のテクニック、能力があることはもちろんだが、それ以上に「そのダンサーがいることによって番組が面白くなるか否か」が、選考基準のようだ。ドキュメンタリーではないのだから、単に上手いダンサーを上手い順に選んでいくだけでは、ショーにならないのだ。当たり前のことだがリアリティ・ショーはあくまでリアリティ“ショー”であって、そこにはディレクターたちの明確な制作意図がある。意図に沿って出演者(トップ20)を選び、意図に沿って毎回のショーを演出していくのだ。そういう部分、私には少々うるさく感じられたりもするが、まあテレビ番組なのだから仕方ない。それに、そのひっかかる部分を補って余りあるほど、毎回のダンスは面白い。だからこそ雪だるまもDVD全10巻を買ったわけで。

ところで、おかしかったのはシーズン1のオーディション参加者たち。当然ながら番組放送前に行われたオーディションなので、参加者たちもどんな番組なんだか、どの程度の技量が要求されているのか、はっきりしたコンセプトがない。それどころかダンス番組だという認識すらない参加者もいたようで、ステージで突然アクロバットが始まり、審査員3人、そろって口をあんぐりという場面があったりして、かなり笑った。そして毎回のことながら自身の技量の程がまったくわかっていない参加者たちも多数。世の中にヴィデオというものが出来てからすでに半世紀は経っているような気がするのだが、この人たちは自分のダンスを見たことがないのだろうか? それとも、見てもなお自分のダンスに絶対の自信を持っているのだろうか? いくら考えてもわからない謎である。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
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