バナナクレープ

今朝、朝のミルク紅茶を飲みながら、ふと外を見たら、フィーダーに集まっているチッキディーたちが、ぷくぷくに身体を膨らませている。あれ?と思って寒暖計を見ると、マイナス17度。鳥たちが身体を膨らませるはずである。

天気予報によると、今日はかなり冷え込んで午後の最高気温でもマイナス10度までしか行かないようだが、明日明後日は少しはましなようす。と言ってもケベックの12月。気温が0度以上になることはあまりないようだが。

さて、お題の「バナナクレープ」だが、これは日曜の合同お誕生日会用に作ったデザートである。懐かしヤマ○キの×××みたいなデザートにしたのは、その前のお買い物で「バナナ1袋99セント!」なんていうお買い得品を見つけてしまったからである。見切り品なので、もちろんきれいに黄色く形の整ったバナナばかりではなく、少々茶色の点々が出始めたのも混じってはいるのだが、なにしろ1袋に10本以上入っている。冷凍バナナにしたり、バナナブレッドなどの菓子にするにはうってつけ、と、2袋も買ってきてしまった。

で大量のバナナの山を前にして雪だるまと二人、「いっそ、お誕生日会のデザートもバナナにしようか?」と考えたのだが、バナナブレッドでは華に欠けるし、タルト型の中にチョコレートクリームを詰めバナナの薄切りを乗っけたソニア・リキエル風は、見栄えはよろしいが手間が面倒。間を取って「じゃあ、バナナクレープ(Crêpes aux bananes)」となったのである。

ただクレープなど焼くのは久しぶりなので、とりあえず前日、試しにいくつか焼いてみた。レシピは、ケベック(およびカナダ)で一番人気の料理研究家リカルド(Ricardo Larrivée)さん提供のをお借りした。( ←ここです。英語の方がよろしい場合は、右上のEnglishをクリックすると、英語になります) デザート用ではなく朝ごはん用のだが、まあいいのだ。

で焼いたクレープに、泡立てたクリームとバナナの薄切りを乗っけてくるくると巻き、はい一丁上がりとなったのだが、食べた雪だるまは「これは今ひとつだ」と言う。そしてもう一味こくを出すために、マッシュしたバナナをクリームに加えてはどうかと言うのである。

私は聞いたとたん、どろどろにつぶされたバナナが脳裏に浮かび、そのあまり美しいとは言えない形状と色合い、食感から「えー、それは美味しくないと思うよ」と言ったのだが、雪だるまは譲らない。「絶対その方が美味しい!」と主張する。目に強い光を宿して主張する。

なので、私としては「大いに疑わしい」「どろどろバナナがおいしいはずはない」「茶色いどろどろは××みたい」と思いつつも、翌日はバナナをマッシュした。そして「こういう風にするわけ?」と雪だるまのところに持って行くと、雪だるまは「いや、マッシュじゃなくて、もっと潰すのだ」と言い、私が難色を示すと自らバーミックスを取り出して、ういんういんと潰し始めた。そしてそれこそ離乳食みたいにどろどろにしたのを、「これをクリームに混ぜて」と私に渡した。

正直、より一層キタナラシイ形状になったバナナを前に、私は「これをクレープで巻くのか?」と大いに二の足を踏む気分ではあったのだが、合同お誕生日会は雪だるまとお父さんのお誕生日会で、雪だるまは言わば主役の一人であるので、千歩くらい譲って、それをクレープに乗っけた。ただし最後の抵抗として、そのどろどろバナナクリームの上に、さらに普通の泡立てクリープにバナナの薄切りを混ぜたものを乗っけて二色(香港的には鴛鴦?)にした。双方の主張を取り入れるという典型的妥協策である。

そしてその鴛鴦クリームクレープをラザーニャを作るような、大きな長方形のパイレックスの深皿に2層に並べ、上からさらにバナナの薄切りを散らし、メープルシロップとチョコレートソースをたらたらかけて、多少見栄えをよくした。

で食事の最後にお客さま方に供したのだが、これが大変な好評だった。叔父さんと伯母さん、フランスは1回、お義父さんは2回お代わりをし、口々に「美味しい!」と誉めそやした。お客様の言う「美味しい」は、まあだいたい話半分のお世辞であるのが普通だが、今回の場合は実際にお代わりをしているので、本当に美味しかったのであろうと思う。私も食べてみたが、雪だるまの言うとおり、どろどろバナナがほどよいこくとなって味に深みを出し、ただバナナの薄切りが入っただけのクリームより、ずっと美味しいのである。カロリーが許すなら私も2本くらい食べたかったが、最近体重増加気味なので、涙を呑んで半本で諦めた。

というわけで、(好みもありましょうが)バナナクレープはバナナ・ピュレを加えた方が、おいしいです。暇のある時、お試しください。

というようなことを書いて、たとえばニュースで香港の状況を見ると、自身が書いてることの脳天気さに忸怩となるわけだが、しかし今となっては私は“見ていること”しかできない。“見ていること”と“見て見ないふりをすること”とは、果たしてどのくらい違うのか。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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