お墓、遺灰etc.

  • 2015/01/05 01:13
  • Category: 雑記
妹から電話があり、日本での日程の打ち合わせなどしたのだが、その中で妹は実家のそばにある墓を、東京に移したいような話をしていた。妹の婚家の墓と一緒に東京に置きたいのだそうである。墓参りという行為がおよそ脳内にない私としては、「そうしたいなら、そうすれば?」程度の返事しかできなかったが、しかし「お墓を作っても私たち以降、面倒みられる人はいないのに」と、一言付け加えずにはいられなかった。

私と妹は二人だけの姉妹で、二人とも子どもがいない。私たちが死ねば、ウチの墓にお参りに来る人などいないのである。どんなに立派な墓を作ったところで、手入れをする人がいなくなれば、墓はあっという間に草茫々になり、見るも無残な姿に成り果てる。そうなることは目に見えているのに、なぜ手間暇かけて移すのか。無駄な費えではないか、と思ったのである。

もっともそれを言いだすと、そもそもなぜ墓など必要なのだ?という問いも出てくる。死者の復活を教義に持つユダヤ教やイスラム教の場合は、復活の際もとの身体が必要だから遺体を焼くことはできない→どこかに埋めなくてはならない→墓が必要、という図式になるのはわかるが、そういう信仰のない大方の日本人の場合、法的な規制もあって遺体はほぼ100%火葬される。火葬されれば、残るのは骨と灰。この骨と灰を土中に埋めたいと思った場合は、現行の日本の法律では墓地として許可された場所にしか埋められないから墓が必要になるが、土中に埋めないのならどこに置いてもいいのである。家の中に置いて、一向にかまわないのである。日々、故人を偲びたいということであれば、墓に入れるより家に置く方がいいような気がするが、どうだろう?(もっとも日本の骨壺は大きいから結構スペースが要り、マンション住まいだったりすると置き場所に困るかもしれないが)

また、墓はご先祖様が眠るところ、ご先祖様は日々私たちを見守っており、私たちが今こうして日々無事に暮らしていけているのはご先祖様のおかげ、といった子供の頃から何とはなしに刷り込まれる祖先崇拝の場としての墓にしたところで、私個人に限って言えば、子どもを持つことを拒否した=先祖となることを拒否した時点で縁は切れている。子孫がいなければ、祖先崇拝のしようがないではないか。古代から連綿と続く遺伝子の継続を貴重なものと思う嗜好は、私にはない。

というわけで、私に言わせると墓は要らないし、私自身も墓に入るつもりはないのだが、実際問題としては、いつ、どこで死ぬかによって選択できる範囲は違ってくると思う。カナダで、雪だるまより前に死ねば、墓には入らなくて済む。お義母さん同様、火葬の後、遺灰は骨壺に納められ、葬儀社の遺骨安置室のようなところに置かれることになると思う。実際、お義母さんの遺灰も過去10年、近所の葬儀社に置かれたままである。お義母さんはカトリックだったので十年忌のミサは教会でやったが、遺灰に何かが宿っているという考え方はしないようで、お義父さんにせよ、雪だるま兄弟にせよ(彼らは徹底した無神/反神論者だから当然だが)、葬儀社の遺骨安置室にお参りに行ったという話はきかない。私たち姉妹同様、雪だるま兄弟にも子どもはいないので、いつだったか「私たちが全員死んだら、遺灰はどうなるの?」と聞いたら、「親族が全部亡くなれば、葬儀社が適当に処分するだろう」ということだった。簡単、簡潔で大変結構。

日本で死んだ場合は、妹が生きていれば、あれはなかなか社会的慣習をないがしろにしないタイプなので、どこかの墓に入ることになるだろう。本棚の、彼女の猫たちの遺灰の隣に置いて貰っても一向構わないのだが、猫のと違い人間の骨壺は大きいので、そうもいかんかも。

カナダ、日本以外の場所で死んだ場合は、さてどうなるか。今、考えてみても、よくわからない。私がカナダ、日本以外の場所にいるということは、その時点で親しい親族はいなくなっているということだろうから、私が最後の一人。遺言で指定してみたところでその指示通りしてもらえるとは限らず、結局その地のお役所がてきとーに取り計らうことになるだろう。私が最後ならそれで結構。死んだ後のことまで気にするほど、私は神経細かくできていない。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
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