『さよならタマちゃん』

  • 2016/03/23 11:11
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オトモダチに電子書籍を薦められながらも今まで購入に踏み切れなかったのは、映画鑑賞より編み物より紙の読書より何より、PC画面を見るのが一番目にしんどかったからだ。画面の明度を下げてみても、調子の悪い時はまぶしくて30分と画面を見ていられない。サングラスをかけて画面を見ていたこともあるが、これだと画像や料理レシピくらいは見えるが、長い文章を読むのはしんどい。

それにそもそも、視力の心配をしながら本を読むというのもなかなか気の滅入る話で、だから読みたいなあと思う本があり、電子書籍なら今すぐ読めて、しかも送料が要らないとわかっていても、なかなか手を出せずにいた。

が、ここ2週間ばかり頭痛も眼痛もなく、目の調子もよくて、PCを見ていてもあまり目が疲れない。「お、これならいけるかも・・・」と思っていた矢先、ある方のブログで武田一義さんの『さよならタマちゃん』を知り、漫画なら小説とかより文字の量が少ないから画面を凝視しなくても読めるし、しかもいつも本を買っているhontoさんでちょうど電子書籍お試しキャンペーンをやっていて、注文1回につき500円引き。つまり本来なら540円のところ、たったの40円で読めるわけで「これは試すしかないでしょう♪」と早速買い物カゴに入れてポチ。

そしてそのままDLして読み始めたのだが、いくら漫画でも300ページ近くあるのでさすがに1日では読めず、休みながら2日がかりで読了。
かなり話題になっている漫画のようなのでご存知の方も多いと思うが、これは精巣腫瘍(睾丸癌)で闘病生活を送ることになった漫画家アシスタント(当時)の武田さんが、自身の経験を漫画にしたもの。35歳という若さでがん(転移あり)と診断された武田さんと、一応現役引退した後で早期がんと診断された私とでは深刻度が全く違うのだけど、それでも身につまされるところが多々あって、しみじみと読んだ。時々、何の脈絡もなく頭をよぎる「後がないかも・・・」という思い(もちろん次の瞬間、“だから何だ? 後がないのは、人間みんな同じだぜ。ヴァンパイアじゃあるまいし、死なない人間がいるか?”と自分で突っ込みを入れるが)とか、定期検診後、結果が出るまでの何とはなしの不安感とか、がんでなくても持病をお持ちの方なら、みな身に覚えのあることだと思う。

めそめそと自己憐憫にまみれたような闘病記など読みたくもないし、かといってやたらポジティブでカラ元気にあふれたようなのも願い下げだが、この『さよならタマちゃん』は気負いもなく、正直で、ほのぼのと可愛らしい感じの絵柄と相まって、気持ちよく読むことができた。奥さんとの、互いに支え合っている関係もいい。誰もいなくて、一人で頑張るのは本当に大変だ。


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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
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