24分

  • 2016/07/08 10:20
  • Category: 雑記
先日ある本を読んでいたら、「近年、男性が家事・育児に費やす時間が、高度経済成長期に比べ2倍に増えた」という記述があったので、「おお、なんと画期的なこと! 日本の男性も変わりつつあるのだなあ」と感心して読み進めたら、その後のくだりで、「2倍に増えた」というのは、過去12分だったのが24分に増えただけなのだと知って、がっくりと力が抜けた。

この本、別に大昔の本ではない。2008年(平成20年)発行の本である。つまり平成10年代の統計で、上記のような結果なのである。
その後ネットで、そのちょっとあと、2011年(平成23年)の社会生活基本調査(総務省)の結果を見たが、そこでも既婚と推定される30代~50代の男性の家事時間は、平均30分~40分台で、同時期の女性の2時間半~4時間半に比べると、圧倒的に少ない。

今時、日本の普通の世帯で、正真正銘の専業主婦はそうはいないと想像されるので、つまり日本の女性たちは相変わらず、仕事をした上に家事育児の大部分をも担っているのである。

“イクメン”とか“カジメン”とかの言葉が数年前から登場し始め、一人で子どもを育てている若い男性を主人公にした映画もあったりしたが、どなたかも書いていらしたように、家事や育児に“積極的に参加”しているうちは、単なるお客様。「誰か他の人の仕事」を手伝っているだけで、自分の仕事という視点はないのだ。この言葉の主語を女性に置き換えてみれば、すぐわかる。家事や育児に“積極的に参加”している、なんて言う女性はいない。(女性は逆に“社会に参加”するのだ、伝統的語法では。 “女性の社会参加”という言い方はあっても、“男性の社会参加”という言い方はないように)

両親とも働いている家に生まれ、子供の時から家事をしてきた私が思うに、家事というのは半分以上、習慣みたいなものである。お利口さんな家電があれこれある現在、ふつう程度の掃除や洗濯、料理をするのに、特別な技術は要らない。要るのは子供のころから叩き込まれて身体に染みつき、半分反射みたいになった自動的な動きだけである。たとえば部屋の隅に埃の塊を見つけたら、しぶしぶでも掃除機を持ち出す。着るものがなくなってきたら、洗濯機を回す。腹がすいたら、何か作ろうかと腰を上げる。あったかいお日様がでてきたら、「ふとんでも干すか」と押入れを開ける、そういう自動的な発想。

ごくごく当たり前のことのように思えるが、子どものころからさせられていないと、なかなかこの“自動的な発想”というやつが、出てこないようである。うちの雪だるまを見ていると、つくづくそう思う。彼は頼めば嫌がらずにやってくれるが、頼まないと「家事をする」という発想が瞬かないようで、およそ何もしない。芝刈りと鳥のえさの補充だけはするが、その他のことは彼の眼に入らず、彼の脳を素通りしていくのである。まあ、彼のお母さんは生涯ずっと専業主婦で、子どもの彼が家事を手伝う必要はまったくなかったのだろうと想像されるから、家事をする習慣がつかなかったのは、仕方がないといえば仕方がないのだが。

というわけで、次代を担う子どもたちを育てている最中のカップルには、ぜひ積極的に子どもたちをこき使い、幼いころから家事に慣れさせていただきたいものである。子どもがやったのでは役に立たないどころか後始末が大変で、二重手間かもしれないが。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
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