奥さま足袋

  • 2016/09/14 04:28
  • Category: 雑記
夏の間はフリップ・フロップ、俗にいうビーサンを室内履きにしており
特にTevaのは鼻緒の部分がうまくできていて、長く履いていても指の間が痛くならず
ついでにクッションが効いていて、歩きやすく疲れにくいので大好きなのだが
このところのように朝晩冷え込んできて、靴下が必要な季節になってくると、ちと困る。

靴下をはいた足では、ビーサンはうまく履けない。
靴下のつま先をつまんで股を作り、タビックス風にして履けばまあ歩けるが
しかし無理やり爪先を伸ばすことになるので、長く続けていると靴下に穴が開きそうだ。

で、ふと、4、5年前実家に帰った時に、母のタンスからタビックスもどきを
失敬してきたことを思い出した。
母と私では体のサイズも足のサイズも違うので、ふつう母のものを貰ってきたりはしないのだが
このタビックスもどきは母のものにしてはサイズが大きそうに見えたうえ
ナイロン製で伸縮性もよさそうだったので、当時まだ着物に未練があった私が
「何かの役に立つかも」と思って、失敬してきたのだった。

探してみると、ちゃんと靴下を入れた引き出しの奥にあり、まだ包装のまま。
母が亡くなったのは09年だが、このタビックスもどき、デザインや包装の仕様から見て
どうも平成の品とは見えず、懐かしの昭和のにおいが色濃く漂う。
なんたって名前が「奥さま足袋」、肌色というより肉色で、由緒正しい日本製。
「表ナイロン、裏綿 さわやかなはき心地」なんて書いてある。
製造元は、(株)ワキタ
聞いたことのない名なのでググってみたが、それらしい会社はヒットしなかった。
もうとっくに転業、あるいは廃業されたのかもしれない。

私が幼稚園の頃はともかく、後年、着物を着ることなどほとんどなかった母なので、
このナイロン製で肉色のタビックス、何かの折に買いはしたものの
結局履く機会もなくて、20年近く死蔵していたのではあるまいか。
草履や下駄で外出するのでない限り、指の股が分かれたタビックスなど
履く必要はないのだから。

それはともかく、このタビックスもどき、履いてみると結構はき心地がよい。
近年、巷で売っているカワイイ系和柄のタビックスより
親指の部分がゆったりできているうえ、伸縮性がよくて、足にぴったりと良く伸びる。
「裏綿」とわざわざ記された、裏側の肌触りも確かにさわやか。
ことほどさように結構なお品なのだが、唯一というか唯二の欠点は
足首のゴムが幅広できつめで足先の血行不良が倍加しそうなことと、
なんとも生々しいその肉色。

着物に履くにしろ、洋服に履くにしろ、この肉色はないと思うのだが
昭和の一時期、肉色の足袋でも流行ったんだろうか。
そういえば森茉莉さんも洋服に草履(?)履きのお写真が残っているけれど
その足元は暗色の足袋風靴下。
当時はこれでよかったのかもしれない。


marimori.jpg









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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
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