秋のにおい

一昨日からあたりに強い堆肥のにおいが漂っている。
家の中にいるとわからないが、窓を開けたり、外に出たりすると
ガン!と鼻を殴られるような臭気に襲われる。

あんまり強烈なので、お隣さんが芝生に牛糞でも撒いたのか
と思ったが、それらしい気配もなし。
しかもうちのあたりを離れ町中に向かっても、においは依然、強烈に漂っている。
なんだか町全体が、堆肥のにおいに包まれている感じである。

水曜日、例のお散歩で集合場所に集まった時もそのにおいは続いていて
マダムたちは口々に、「すごいにおいね!」と言いあっていたのだが
そのうちの一人、町の南の農業地帯に住むマダムが、
「あれは液状堆肥のにおいである」と教えてくれた。

固形のではなく液状の堆肥を農地に散布して肥料とし
来春の植え付けに備えるということらしい。
そう話してくれたマダムのところでも大豆や××や××を栽培していて
(××の部分、聞き取れず。私が知っている作物の名前ではなかった)
同様に液状堆肥を散布しているそうである。

そのマダムは「全部、ビオロジック(オーガニック)なのよ」とも言っていて
そう聞いたからというわけではないが、この堆肥のにおい、
強烈ではあるが、わたしはあまり気になっていない。
確かに物凄い強さだし、明らかに“糞臭”ではあるのだけれど
ある種の化学薬品のような、嗅いでいると気持ちが悪くなるようなにおいではないのだ。

もちろん、花や香草の匂いを嗅いだ時のような、うっとりするような感じはないけれど
繰り返し、繰り返し嗅いでいると、かすかに芳香めいた感覚に襲われないでもない。
堆肥が芳香なんて、そんな馬鹿な!と思われるかもしれないが
大昔読んだ匂いの本によれば、“大人”向け香水に欠かせないムスクやアンバー、
シベットなどの動物性香料は、もとをただせばみな動物の身体からの分泌物だったり
身体の中にできた結石だったりで、原液段階では物凄い臭気。
ただ、それを希釈してほんの少し調合に加えると、“芳香”に変わるのだそうで・・・

そしてその原液段階でのにおいを、調香師の仲間うちでは“糞臭”と呼んでいるそうである。
あんまり身も蓋もない言い方なので、間違っても外向けには使わないが。

というわけで、この液状堆肥のにおい、私はずっと中立的に“におい”と書いてきたけれど
ほんとは“匂い”と書いていいのかもしれない。悪臭を表す“臭い”ではなくて。

いずれにせよ、秋たけなわ。庭の楓の葉っぱも、だいぶ赤くなってきました

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Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
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