米朝さん

  • 2017/01/16 12:00
  • Category: 雑記
このブログの左上に「私を幸せにしてくれる方々」として、
小さん、三代目金馬、枝雀の3人の落語家さんを挙げているが
最近これに米朝さんが加わった。
なんたって、この方のやわらかな上方弁で語られる落語を聞いていると、
すいすいと編み物が進み、大変に具合がいいのだ。
これが、そう言っては何だが、下手な落語家さんや
こちらの神経に障る話し方、声の落語家さんでは
いらいらして目数を間違えたり、編まなくてもいいところまで編んでしまったりして
被害甚大、ということになるので、
編み物のBGM選びには、細心の注意が必要なのである。

米朝さんの落語の何がいいのか、つらつら考えてみると
まずこの方の落語には過剰なところがない。
一部の若手落語家さんのように、むやみに大声を上げたり、
過度に色を付けた口調で語ることもないし、
大仰な身振りも、受け狙いのギャグもない。
だから地味といえば地味なのかもしれないが
その代り、いつでも、どんな噺でも、勘どころを押さえて、丁寧に語る。
その風貌と相まって、実に端正、上品であるが
しかし、きっちりし過ぎて窮屈、といったところは微塵もない。
ほどよく力の抜けた、余裕のある語り口は、
十ある力を十出し切ったような、目いっぱいの力演と違い
聞くこちらの方も、ゆったりとした気分にしてくれる。

それに米朝さんの落語には、ハズレがない。
何しろ暇なもので、YouTu〇e にアップされているのはほとんど全部聞いたが
「これはちょっとな」というのがひとつもない。
艶笑噺ですら、ほんのりと上品である。
これは人柄の故か、それとも芸か。

そのくらいだから、小さんさんの「首提灯」や金馬さんの「池田大助」
枝雀さんの「貧乏神」と「口入屋」のように
「米朝さんだったら、これ!」というようなお気に入りの噺というのは特にないが
しかし最近聞いた狐の小咄は、別格的に気に入った。
あんまり気に入ったので、米朝さんが語るそのままを
文章に起こしてみたのだが、これが全然おもしろくない。
上方弁は正確に表記しづらいという問題もあるが
それより何より、語りをそのまま文にしたものは、単なるあらすじに過ぎず
骨組みを素描しただけといった体で、味もそっけもないのだ。
人が(米朝さんが)語って初めて、何とも言えないおかしみが出るのだと
つくづく思い知った。

ご興味がおありの方は、こちらからどうぞ。3:30くらいから始まります。


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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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