どうせならもっと人の役に立つ職業に就くがよろし

  • 2017/06/14 11:33
  • Category: 雑記
先週の水曜、いつものようにネットで調べ物をしていたら
突然、画面いっぱいに「あなたのコンピュータ内に、ゼウスウィルスが発見されました。
このウィルスはコンピュータ内のデータやソフトウェアを破壊する可能性があります。
コンピュータをシャットダウンしてはいけません。すぐに下記のマイクロソフト・サポートセンター
(通話料金無料)に電話してください」というポップアップが現れた。

「はあ?」と思って、一応そばにいた雪だるまに見せると
「電話しろというのだから、マイクロソフトに電話してみなさい」という。
英語で、あまりよくわからないコンピュータ用語を聞きながらやりとりするのはめんどくさいなあ
とは思ったが、PC内のデータがなくなったり、壊れたりするのも困るので
仕方がない、指示された番号に電話した。

すると、南アジアなまりの英語を話す若い男の人が応えて
「どうしました?」と聞くので、PC内にウィルスが発見されたというメッセージがポップアップした。
マイクロソフトのサポートセンターに電話しろというから電話したと言うと
「ではこちらからあなたのPCにアクセスし、問題を調査して解決法を探します。
アクセスするためにはあなたの許可が必要ですので、これからこちらが言う通りに
コンピュータを操作してください」と言って、ウィンドウズ・ロゴ+r から始まる一連の操作を
次々とこちらに指示してきた。

私は聞き取りにくい電話の声を聞きながら、わけもわからず相手の指示のまま
コンピュータを操作するという作業の面倒くささと、
コマンドの羅列で自分が一体何の操作をしているのか皆目わからないという、
目隠しされたまま迷路の中を引き回されているような心許なさに相当苛々し、
「こんな作業は英語ネイティブで、しかも私よりは余程コンピュータに詳しい雪だるまに
代わってやってもらいたいものだ」と思ったが、
生憎ちょうどお義父さんたちが「こんばんはー!」と訪ねて来て、
私に代わってPCの前に座ってもらうわけにもいかない。

そうこうする間にも、電話の相手はこちらを煙に巻くかのように画面にさまざまなタブを表示し
そのうちの一つはウィルスアタックの履歴で、それによると我が愛しのPCは昨日以来、
ほとんど分刻みでアタックを受けていて、そのあまりの数の多さにほとほとげんなりした私が
「つまり、PCショップとかでクリーニングしてもらわない限り、私はPCを使えないわけですね?」と言うと
電話の相手は、「いいえ、街のPCショップではだめです。この状況を解決できるのは、
公認のオンラインエンジニア(つまり彼だ)だけです」と言い切り、その料金を提示してきた。

それによると、クリーニング料金はUSD149.99、ついでに私のPCには全くアンチウィルスソフトが
インストールされていないので、仮にアンチウィルスのサポートを希望するなら、
1年USD180、2年でUSD210等々。(注:この辺の数字はうろ覚え)
そう言っては何だが、結構高額である。

なんだか胡散臭くなってきたなあと、それでも一応、お義父さんたちと歓談中の雪だるまにその表示を見せると
「スペルミスだらけのひどい英語だ。マイクロソフトがこんなひどい英語を出すはずがない」と言うので
私もこれ幸いと「そんなお金はありませんから」とサービスを断った。
すると相手は「では仕方がありません」と、にわかに今まで画面に表示していた様々なタブを次々と閉じ、
あっという間に過去20分間の痕跡をきれいさっぱり消して、真っ黒な画面だけ残して消えて行った。
残された私は、ただの黒い箱になってしまったPCを前に、声も出ず。

振り返ってコトの顛末を眺めてみれば、これは明らかにマイクロソフト・サポートを騙った詐欺である。
PC使用中に「ウィルス発見!」などとポップアップが出れば、みな一応ぎょっとするし、
マイクロソフトに電話しろと指示されれば、電話する人の方が多かろう。
(ネットで本当にマイクロソフトの番号かどうか確かめようにも、画面はフリーズしているのである)
まったくよくできた引っ掛けである。

それでも英語ネイティブなら、相手とのやり取りの中で、その話し方や言葉の使い方などから
「何だか怪しい」といった嗅覚が働くだろうが、いかんせん私は非ネイティブ。
表情、態度の見えない電話で、声と話し方だけで相手の資質を判断するのは相当難しいのだ。
おかげで最後まで引っ張られてしまった。
ケチな根性が幸いして金を払うところまではいかなかったが、PCを壊されたのは大損。

翌日私はお馴染みのジミー君のところへPCの修理を頼みに行ったが
彼もそれは詐欺だろうとの意見で、騙されて彼らにサービスを頼んだりすると
また別なウィルスを植え付けられ、カード情報や銀行情報など盗まれることになりかねないと言う。

まったく、生きていくためには金が必要で、金を稼ぐためには何らかの仕事に就かねばならないのはわかるが
コンピュータウィルス詐欺にしろ、振り込め詐欺にしろ、なにもわざわざ人を騙して金を取るような職業に就かなくとも
よさそうなものを。
人を騙せるだけの話術とコンピュータ技術があるのなら、もちっと人の役に立つ職業に就き給えよ、青年!


えー、というわけで、読者の皆様、今後同様の状況に遭遇されることがありましたら
間違っても偽の“マイクロソフト・サポートセンター”などにはお電話なさらず
信頼できるコンピュータショップにご相談ください。
ちなみに今回使われたウィルスの名前は“zeus virus”でした。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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