図書館

  • 2017/07/02 10:29
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ところで、私は最近、図書館に行くことを覚えた。
日本にいた頃は、学生時代も社会人になってからも、
それこそ毎日のように通い
(大学時代は学校からちょっと坂を下るとそこが図書館だったし、
就職してからも職場から図書館は大変近く、昼休みにひょいと行けた)
本屋同様、そこにいるだけで幸せだった図書館だが
外地に出てからは、図書館に行ったところで日本語の本があるわけではなし、
外国語の本では何しろ読むのに時間がかかるし、
語の意味など書き込みをしたりもするし、
そうなれば読みたい本は買って読むしかないので
香港では歩いて5分のところに図書館はあって、しょっちゅう前を通りはしたが
結局一度も中には入らず、ケベックに来てからも、うちから車で7~8分、
自転車で15分、歩くと45分(!)のところに図書館があるのは知っていたが、
過去5年間、一度も足を踏み入れたことはなかった。

が、今年になって、お散歩マダムの一人から
何、まだ図書館に行ったことがない? あそこには本だけでなく
雑誌やCD、DVDもあるし、絵画展などしょっちゅう何かのイベントもしている。
本を読むのは大変でも、雑誌なら見て楽しめるだろう。
ぜひ行け。免許証か保険カードがあれば、カードを作るのは簡単だ。
そうだ、月1くらいで映画の上映会もある。場所は・・・等々と熱心に勧められ、
そこまで言われては、義理と礼儀上、とりあえず1回くらいは行かずばなるまい。
行かずばなるまいがしかし、私に読める本、10日なり、2週間なりの貸出期間中に
読み上げて返せる本なんか、ありますかいな?
いくら簡単でも、子ども用の童話なんか読みたくないぞ、と
行かずばなるまいとは思いつつも二の足を踏んでいたのだが
ある日ふと思った。
そうだ、図書館には手芸本があるに違いない! 

私は最近ハーダンガー刺繍を始め、
特にそれにクロスステッチを組み合わせるのが面白くて、あれこれ試しているのだが、
いかんせん、なかなかよい参考書がない。
もちろんネット上にはうっとりするような作品の写真がたくさんあり、
刺してみたいと思うものもたくさんあるのだが、
たいていの場合チャートまでは載っていないので
ハーダンガー部分はともかく、クロスステッチ部分の色の識別に悩む。
片目で見ているので、似たような色が隣り合っていると
疲れるに従い、いくら拡大しても区別がつかなくなるのである。

が、本なら(ふつうは)チャートが載っている。色番号も載っている。
悩まなくて済む。
それに、小説ではフランス語がわからなくては話にならないが、
刺繍の本なら刺し方なんか全世界共通、
写真とチャートさえあれば、説明部分がわからなくてもぜーんぜん困らない!


で、ある天気のよい土曜日、自転車に乗って、いそいそ出かけた。
そして手芸本コーナーで、しばらく前から買おうかどうしようか迷っていた
クルーエル刺繍の本のフランス語版を見つけ、
ついでにハーダンガーの本も複数見つけて、
ほくほくしながら、そのうちの2冊を借りてきた。
係の人の説明によると、1人10冊まで借りられ、貸出期間は約1か月だそうだが
まさか一度にそんなにたくさんは要らない。

ついでに、その時はちょうど水彩画の展示をしており
それを描いたアーティストも会場に詰めていて、
長閑な土曜の昼下がりのこととて、絵の番をしながら編み物をしていらしたので
他に鑑賞者がいないのを幸い、彼女と1時間以上も絵や手芸の話をした。
当地には珍しく英語を話す人だったのである。
(フランス語だったら、「すばらしい作品ですね」「それはどうも」と
会話は20秒で終わり)

彼女とはその次に行った時も会ったが、
その時は他に熱心な鑑賞者がいたので、邪魔せず帰ってきた。

当町の図書館は、ざっと見たところ蔵書数はさほどではないが、
ソファが置かれた閲覧コーナーや、子供たち用のコーナー、
喫茶室などもあって、ゆったりと明るく、感じがいい。

以来、味をしめて10日に一遍くらい、自転車で出かけている。
この前は手芸本の他に『Maisons du Maroc』というモロッコの家、
庶民の家ではなく、ホテルや建築家の家など豪壮な邸宅ばかりを写した
写真集を借りてきた。
鮮やかな色彩と精緻な幾何学模様の連続、
圧倒されるほどの量の装飾がちりばめられた部屋部屋に目がくらみそうで、
よほど強靭な神経でなければ、こんな家には住んでおられまいと思ったが
旅先での一夜なら、あるいは数ある部屋の中のひとつだけなら
こんな装飾も面白いかもしれない。
なんだかちょっと、モロッコに行ってみたくなってきた。


装飾模様を見ていると目が回りそう

maroc 1


この光と色の氾濫の中で、くつろぐ?

maroc 2

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Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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