予約が取れない 2

さて、続き。

毎日、毎日試しても電話では予約が取れないので、
「これはもう直接行くしかあるまい」と、予定通り木曜の朝8時前に
診療所に行き、入り口前に陣取った。
診療所が開くのは8時半なのだが、早めに行って順番待ちをしないと
近い日にちの予約が取れない、あるいは「今月はもう一杯です」くらいの
ことを言われて、来月回しにされてしまうのではないかと危ぶんだからである。

が、そうして朝もはよから並んだにも関わらず、
実際に診療所が開いて、当人のL君ともども受付で、
「家庭医はいないが、診てもらいたい」と申し込むと、
「電話予約なし、家庭医なしの人は診ない」とけんもほろろ。
だから、その電話予約が取れないからこうして直接出向いたのだと言っても
とにかく通常、この診療所に家庭医のいない人は診られない、とのことで
ただし来週の木、金なら家庭医のいない人でも診る。
電話で予約を取って下さいと日にちを書いたメモをくれ、
ついで、あるいは隣町の病院でもよければ、
この番号に電話すれば予約が取れる可能性がある
と別の小さいチラシをくれた。

くれはしたが、とどのつまり、どちらも電話による予約が必要ということは
つまり元の木阿弥、振り出しに戻って、電話でピッポッパを再開ということである。
その埒の明かなさはすでに十分経験済みだったので
他を試そうと、まだ朝が早いのを幸い、前日お散歩マダムの一人が
「あそこなら家庭医なしでもだいじょうぶ」と紹介してくれた
病院横の診療所に行ってみることにした。
が、ここでも「予約なし、家庭医なしの人は診ない」と、
冒頭の診療所同様のつめたーいお返事。
どうやらマダムの情報は古かったらしい。

まったくこれでは家庭医のいない病人は、座して症状悪化を待ち
救急で病院に担ぎ込まれるしか、診療してもらえる見込みはないかのようである。
あるいは私費のクリニックに行くか。

事実、先日会った雪だるまの親戚の一人も、生粋のケベッコワーズだが
別の街から今の街へ昨年引っ越してきたばかりなので家庭医がいない。
家庭医を頼みたくても、どの医師も手いっぱいで
新規の患者は受け付けてくれない、と嘆いていた。
しかも、知り合いに聞いても同様の状況の人は珍しくないそうで、
だから彼女の近所では、私費の(日本でいうなら自由診療の)
クリニックに行く人が多いそうである。
彼女が住んでいる街は、生活に比較的余裕のある人たちが多い区域だから
それでもよいが、一般的に私費のクリニックは年会費(約400~600ドル)
が必要なうえ、1回の診療に100ドル前後かかる。
普通の人が気軽に払えるような金額ではない。

となれば、仕方ない。
いつ予約が取れるかわからないが、また電話でピッポッパを再開である。
うちの町の診療所は前日の午後6時から、
隣町の病院は当日の朝4時45分(!)から電話受付開始ということで
「朝5時前に受付開始って、どういうことよ?」と思いつつも
土曜の朝、寝ぼけ眼でまず隣町の病院から試してみると、
これがなんと空きがあると言う!
私は自分の耳が信じられなくて、録音を2、3度繰り返して聞いてしまった。
そして急ぎメールでL君に連絡すると、まだ寝ていなかったL君から
折り返し電話が来て、その日の昼、一緒に隣町の病院へ行くべく約束した。

そして無事、医師に診察してもらえたのだが、
色々と検査をしてみないことには診断は下せないということで
その日は診察と採血だけでおしまい。
一応鈍痛があることを訴えたのだが、鎮痛剤の処方もなし。
L君は診てもらえてほっとしたようだし、こちらもまあ少し安心したが
どこが悪いのかはいまだわからず、今はただ腹部の超音波検査と
胃カメラによる検査の日程連絡を待つ日々である。

L君からは早速翌日の夜に「病院から連絡は来た?」と問い合わせがあったが
なんの、なんの。この辺の病院の諸検査日程は常にぎっしり詰まっており
実際に検査を受けられるのは、早くても医師による申し込みから1、2週間後。
検査によっては3、4週間待ちもざらである。

L君は「中国なら、朝行って検査して、午後には結果がわかるのに・・・」と言うが
ここはケベックなのだ。診察も検査も手術も、患者が病院で直接費用を払う
必要はない代わり、順番待ちの時間は長い。
米国みたいに基本的に自力更生、一部を除き国による保険制度はなくて
いったん重い病気に罹ったら、高額の医療費に破産もあり得るなんてのも困るが
順番待ちしている間に死んでしまうのも困る。
日本のように、一部自己負担付き皆保険制度というのは悪くない制度だと思うが
それにも問題がないわけではないし、どの制度も一長一短、
どれがいいというわけでもないのだろうか。
ただ自分が何の病気かわからず、じっと待たねばならないのは辛い。
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Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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