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Zoo Sauvage de St-Félicien

  • 2019/09/04 09:14
  • Category: 動物
編み物のお供に似鳥鶏(にたどり・けい)さんの『午後からはワニ日和』を聞いて以来、動物園というものに久しぶりに行ってみたくなって、北の方へ旅行に行った帰り、せがんで St. Félicien (サン・フェリシアン)の動物園に寄ってもらった。

ここは正式名称を Zoo Sauvage de St-Félicien (英語名: Wild Zoo of St-Félicien)というだけあって、自然の野山や川をほとんどそのまま利用したとしか見えない30ヘクタール超という広い敷地の中に、Boreal(亜寒帯)に住む動物たちが、大変にゆったりした密度で飼育されている。北に生息する動物に限っているので、園内の動物種数は80種とあまり多くなく、アムール虎はいてもライオンはいないし、ゾウもいない。キリンもいない。

爬虫類ではヘビは2種いたが、ワニはいなかったし、トカゲ類もいなかった。以前(60年代初~90年代)は、こうした exotic animals も飼育していたらしいが、その後、より自然な形態への志向や、園としての独自性を打ち立てるため、そういった動物は減らして、北に住む動物たちだけに絞ったらしい。

ライオンもキリンもゾウもいない動物園なんてアリ? つまんないじゃん!と思われるかもしれないが、そんなことはない。
まず、動物たちは自然の野山みたいなところで好き勝手に行動しているので、案内板で「このエリアには○○と××と△△がいます」と書かれていても、すぐには○○も××も△△も見つからない。じいっと目を凝らし、辛抱強く木の枝の間や草の陰を眺め渡し、目が慣れてきたところでやっと「あ、いた!」となる。そうなると今度は、あちこちで色々な動物が動いていることが見えてきて、これが楽しい。

アライグマが出てきて、もそもそ、のそのそ草の間を動き回り、小川の方へ行って水の中に何かいるのか、ぴちゃぴちゃ手で流れをかき回し、その間にヤマアラシは太った身体をのたのたと動かして木に登り、枝の一つにぺたっと貼り付いて昼寝。もう1匹も出てきて同じように木登り、昼寝。
そうこうするうちにグラウンドホッグが穴から出てきて、切り株の上にべたり、という具合で、見ていて飽きない。時間が経つのを忘れる。
おかげで私たちはこの Forêt Mixte (Mixed Forest)エリアだけで、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、1時間近くうろうろしてしまって、「しまった、こんなことをしていては全部見られなくなる!」と、後になって慌てた。


葉影に隠れているアライグマ

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出て来た。大変太っている

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この風景も園内。あちこちに川がある

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カワウソくん

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泳ぐ

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切り株の上のグラウンドホッグ

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ガンを飛ばす

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ヤマアラシ、木登り開始

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ひたすら登る

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そして昼寝

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それでその後は少し急ぎ気味に移動したが、何しろ園内が広く、各エリアをつなぐ遊歩道が長く、ついでに上がったり下がったり勾配もあるので、そうは急げない。
それに何しろ、動物はおもしろい。
ニホンザルなど、2匹で座り込んでグルーミングしたり、そばの川で遊んだりしているし、斜面に寝転がって木の枝をガジガジ齧っていたグリズリーは、その木の枝を落として、慌ててぱしぱしと手を延ばし、下に転げていく枝を拾おうとするし、遊んでいる動物を見ていると厭きなくて、ほんと移動が難しいのだ。

毛皮のお手入れ中

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彼方を見つめてじっと佇む壮年(?)のサル。
『SADA』の片岡鶴太郎さんを思い出した


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   ?

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アムール虎。ズームいっぱいでこれくらい。肉眼だとはるか下方の黄色い豆粒

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また唯一、動物を間近で見られ、触ったりもできるファミリーファーム・コーナーでは、ヤギやヒツジ、ミニブタなどの小型家畜たちが、一応それぞれ囲いはあるものの、大部分の戸は開いていて出入り自由。ブタがヒツジの囲いに入り込んでヒツジのエサを盗み食いしていたり、アルパカの後ろを鶏がコッコッ歩いて追い立てていたり、ヤギの子がちょうど給餌にやってきた飼育員さんにまとわりついて甘えていたり・・・。そんなこんなで4時間は、あっという間に過ぎてしまい、私達は時間切れ。ムースやエルク、バイソンが見られる山道遊覧列車に乗る時間はなくなり、ポーラーベア・コーナーも駆け足で通過するはめになった。入り口で渡されたリーフレットに「見学時間:少なくとも5時間」と書いてあった理由が、よーくわかった。この動物園を堪能したければ、この近くに1泊し、午前中から見学を開始するか、あるいは2日間有効チケットを買って2日かけて見るか(要予約の夜間見学というのもある)。


ヤギの母子

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ちなみにこのSt-Félicien という町は、Lac St. Jean という大きな湖に隣接し、周囲は観光スポット満載である。モントリオールからだと車で6時間くらいかかると思うが、ケベック市からならたぶん3時間くらい。ケベック州をゆったり周遊しようという旅行なら、ルートに入れて後悔はないと思う。

ただ一つ難があるとすれば、入園料。大人一人約50カナダドル(約4000円)なのだ。日本の動物園の入園料(上野、天王寺600円、旭山820円)から見るとぎょっとする高さだが、自治体等からの補助がないとすれば、これくらいにしないと園は維持できないのだろう。ケベック州内の他の動物園のサイトも見てみたが、同規模の大型動物園は、だいたいこのくらいの入園料だった。それに、4000円だとしても、東京ディズニーランドの入場料よりは安い。よくできた人工のファンタジーでの陶酔に7400円払うか、生身の動物が野山で遊んでいるのを見るのに4000円払うか、どっちを取るかは、各人の好みである。

アライグマの色違いとしか思えないレッド・パンダ

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らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、米朝、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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