くれぐれもご用心

  • 2010/06/15 17:28
  • Category: 仕事
先日「どこかの無知な善人をだますのに使われるのではないか」と危惧していた例のIPO資料、ばっちり色刷りの表になって某社サイトに載っかっていた。そして初値や上場来高値のパフォーマンスが良好な銘柄には、くるくる回る花マークなんかがついていて、私をぞおーーっとさせた。やりやがったな、Mr.G!である。


前にも書いたが、初値や上場来高値なんておおむね一瞬の数字である。そんな一瞬の数字で20%上がってようと、30%上がってようと、パフォーマンス全体から見ればたいした意味はない。上場初日にぱあっと上がって、後は急激に右肩下がりの銘柄も多いのだ。本気で投資を考えるなら、そんな一瞬の数字ではなく、せめてチャートを見てくれ。ネットで情報をあたってくれ。上場したばっかりでは年報なんかまだ出ていないかもしれないが、半年くらいたっている銘柄なら四半期決算かなんかが発表されているかもしれない。HK証券取引所のウェブサイトに行き、銘柄コードを入れれば公告やら決算報告やらは残らず出てくるから、せめて赤字か黒字かくらいは見てくれ。それで「今は赤字だけど、これから伸びる!」と思うなら、ご投資は自由。予想どおり伸びて配当でも出れば、ラッキー。予想が外れて買った値段より値下がりし、売るに売れず塩漬けになったとしても、自分の判断なら諦めがつく。しかし間違っても、誰かの口車に乗って、ろくに調べもせず、なけなしの虎の子を投資にまわしたりするのは止めよう。あれよあれよと値下がりして、株券がただの紙くず(というか今は電子化されてるから、電子のくずか)になっても、誰も責任を取ってはくれない。私はそれで1億が1000万くらいに目減りした人を知っている。まその人は大層な資産家だから「ま、しゃーないわな」と太っ腹な一言で済んだが、一般庶民はそうはいかない。


ついでにいえばこのアヤシイ投資会社は、HKのIPOにつきものの融資(マージン)制度を、まるで特別なサービスであるかのように書いているが、HKではIPO申込みに際し、銀行や証券会社が顧客に融資するのはごく普通のサービスである。融資比率は手持ち資金1に対し9。つまりレバレッジ10倍。金利は銘柄や状況により多少の差はあるが、おおむね年利1.30%〜1.80%。金融機関間の差は誤差範囲で、たとえばA社だけ極端に金利が低いということはない。
また人気銘柄などの場合、申込み倍率が100倍を超えることもさほど珍しくはないが、そうした時何株獲得できるかは、申込み株数が同じ人たちの間で完全に平等で、申込者や取り扱い証券会社による差はない。(A証券を通じ100万株申し込んだBさんの獲得株数が1万株なら、C証券を通じ100万株申し込んだDさんも、同じく1万株獲得する。差はない) それなのに、この投資会社を通じ申し込むと特別枠でたくさん獲得できるかのように書くのは、事実と異なる。それでどのくらい実害があるかは不明だが、アヤシイ投資会社にはくれぐれもご用心である。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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