“disarm”

  • 2011/10/31 19:56
  • Category: 雑記

香港ではフラット住まいで、当然ながら建物入口には暗証番号入力パッド、または暗証番号+管理人、エレベータには監視カメラ、フラット入口は鍵付きスチール製シャッター、その次に鍵付き木製ドア、窓は全部はめ殺しのフェンス付き(一部開閉式あり。ま、これは侵入防止というより、子供の窓からの転落防止だったと思うが)と、三重四重に守られた住居に住んでいた。そしてそれを当然だと思っていた。内側の木製ドアに鍵が1つしかないのを“不用心”と思っていたくらいだ。

 

しかしカナダの田舎に引っ越してみたら、戸建てにもかかわらず入り口ドアには閂式の鍵が1つ付いているだけ。パティオに出るフランス窓の鍵は、猫でも開けられそうなほど簡単な掛け金式。寒冷地ゆえ窓は全部二重ガラス窓だが、それでも割って侵入できないほど頑丈なガラスが入っているとは思えない。庭は道とつながっており、出入り自由。(実際、夏場は子どもが通り抜けていく。犬猫、リスに至っては季節に関係なく通り抜けていく)

 

しかも田舎にもかかわらず空き巣は頻発しているようで、先日もおばさんちが空き巣に入られた。幸い物色されただけで盗られたものはなかったようだが、気持ちわるいことに変わりはない。別のおばさんの家の近所でも夏場、3、4軒の家に空き巣が入ったそうである。(こちらは何か取られたらしい)

 

都市伝説かもしれないが、フランスの働いている病院の同僚の家では、ある晩裏庭に置いておいたBBQセットがなくなった。がっかりしたが、使い古したBBQセットの盗難を警察に届けるのも今一つためらわれ、放っておいたら翌晩、手紙付きで戻ってきた。手紙には「緊急に必要だったので無断で借用した。迷惑をかけて済まなかった。お詫びのしるしにこれを同封する」と言って、あるショーのチケットが2枚入っていた。同僚夫婦は喜んでショーに出かけた。帰ってきたら、家の中は空っぽだった。留守の間に一切合財持ち去られていたのである。

 

前置きが長くなったが、そんなこんなの状況で、防犯アラームをつけた。費用が月額3000円程度と手軽だったので、「そのくらいなら払えるねえ」と踏み切った。人が出入りできる入口にはアラーム、居間と地下室にはモーションセンサーもついている。出かける時や夜寝る時はアラームをセットし、帰ってきたら(起きたら)アラームを解除する。解除には専用の小型リモコン、あるいは暗証番号の入力が必要である。たとえ自分で鍵を開けて入ったとしても、60秒以内にアラームを解除しないと、警報が鳴り響く。

 

で今のところ就寝前のアラームセットは雪だるまの役目(奴の方が遅くまで起きている)、朝のアラーム解除は私の役目(私の方が早起き)となっているのだが、解除するたびに録音された音声が“System disarmed. Ready to arm.”と宣言するので、一瞬妙な気分になる。“arm”とか“disarm”とかいう言葉は、私の頭の中で小火器と分かちがたく結びついており、“arm”と言われると拳銃を腰の後ろに突っ込んでいる自分、“disarm”と言われるとそれを取り上げられた自分が脳裏に浮かんでしまうのだ。

 

明らかにある種の探偵小説の読み過ぎなのだが、ある言葉を聞いての連想ばかりは制御のしようがない。

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らうとら

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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
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