『The Black Balloon』

  • 2010/01/11 17:25
  • Category: 映画
出張を目前に控えての気分の落ち込みをコントロールできずに週末を過ごす。豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまいたいくらいの情けない気分。我ながらなんでこんなにいやなんだか・・・。


昨日は落ち込みと寒さのせいで、ほとんど1日中ベッドに脚をつっこみ、『Twilight』の続きの『New Moon』を読んで過ごす。ヴァンパイアと人狼の世界への逃避。日本語と違って速く読めないのがもどかしい。表意文字を使う中国語の方が、飛ばし読みには向いていると思う。


週末の映画は不作。気分が落ち込んでいるせいもあって、可もなく不可もなく程度の映画を見続ける忍耐心をもてず、見始めた5本のうち最後まで見たのは1本だけ。雪だるまには悪いことをした。
しかしこの1本は佳作。『The Black Balloon』(2008年、豪) 自閉症でADDの兄(弟?)を持った男の子トーマスの話。優しく繊細であればあるほど、“ふつう”とはちょっと違う兄弟(チャーリー)の存在は、トーマスの生活と感情を複雑に引き裂く。他の子供たちがチャーリーを苛めるのは許せないが、自分自身、“ふつう”の生活を送ることを不可能にするチャーリーを、疎ましく思わずにはいられず「朝起きたら、チャーリーがふつうになっていたら、どんなにいいだろう」と夢想する。なにしろちょっと目を離すと、下着のパンツ1枚で楽しそうに外に逃げ出してしまったり(34歳の子供なら許されるが、チャーリーは6フィート2インチもあるティーンエイジャーの男の子なのだ)、テーブルから落っこちた卵をぐしゃぐしゃ床に踏みつけて歓声を上げたり、GFが来ている間だけと思って部屋に閉じ込めたら、自分の排泄物をカーペットにぬりぬりしていたり。チャーリーは普段はハッピーな男の子なのだが、それでも家族全部が振り回される。


チャーリーを疎んじながらも、疎んじきれないトーマスの優しさとやりきれなさが、ずっしりとこちらに迫ってきて、めずらしく映画を見ていて泣きそうになった。最近人間の心の動きには相当鈍感になっていて、何を見てもあまり感動しなくなっていたのに。自分の中に、人間の感情に感動できる部分が残っていたことに驚いた。


トーマス役のRhys Wakefield、母親役のToni Collette はもちろん文句なしの好演だが(彼女が好演でない時があるだろうか?)、GF役の Gemma Wardが、目と目が離れた平目のような顔立ちながら、映画の間中、瑞々しくきらきらと光って、眩しいほどだった。
この映画はお薦め。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
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