映画4本

  • 2009/12/21 16:29
  • Category: 映画
この土日は、映画がわりあい豊作。なかでも楽しかったのは『The Scarlet Pimpernel』(1982年英テレビミニシリーズ)。のどかな休日の午後にふさわしい娯楽活劇。最初題名の『Pimpernel』が何のことかわからず、雪だるまに「Pimpernelって何よ?」と聞いたのだが、彼も知らないという。「ふうん」とそのまま見始めたのだが、途中で気がついた。「これは『紅はこべ』だあ!!」


何しろ『紅はこべ』を読んだのは、はるか昔の中学生時代なので、筋なんか何にも覚えてはいないが、フランス革命当時、貴族側に付いたカッコイイ謎の男ということだけは覚えている。確か『ベルばら』にも、ちらっと出て来たような。
でまあ、筋としては様々な策略で革命派側を出し抜いて貴族をギロチンから救い出すという単純極まりないものなのだが、問題はこの紅はこべの正体である英国の準男爵パーシー卿だ。何しろ、喋る、喋る。ぺらぺらぺらぺらと、立て板に水というか、五月雨と夕立を一緒に集めて流れる最上川というか、字幕なしだったからよかったものの(ほんとは欲しいけど)、これで字幕があったら、彼が登場しただけで画面の半分が字で埋まり、他の人物が見えなくなっていたに違いない。その会話は、あっちいったり、こっちいったり、話の相手を誉めたり貶したり煙に巻いたり、ウィットと皮肉いっぱいで、ブリティッシュ・アンダーステイトメントなんて、どこの話よ?という感じ。その果てしない饒舌ぶりは、セイヤーズのピーター・ウィムジイ卿を彷彿させる。(ん?してみると、“果てしない饒舌”というのは、英国貴族のひとつの特徴なのかしら? ま、二人とも架空の人物だけど)
もうひとつ、この映画ではパーシー卿の奥方役のジェーン・シーモアが、知的な美貌でこちらをうっとりさせてくれる。この時期の彼女は、ほんとうにきれいだ。


Buddha Collapsed Out of Shame』(2007年、イラン・フランス;邦題『子供の情景』)アフガニスタン、バーミヤーンの破壊された大仏付近に住む子供たちが主人公。そのうちのひとり、6歳の女の子バクタイは、隣の男の子アッバスが教科書を読んでいるのが羨ましくて、自分も学校に行きたいと思う。アッバスに「学校へ行くには、ノートが必要だ」と言われたバクタイは、そのお金を貰おうと町に行ったお母さんを探しに出る。そしてバクタイの冒険が始まる。


垂直の岩壁をくりぬいた一間だけの家。周りはひび割れた土肌が延々と続き、植物は影すらない。湿度が全く感じられない空気の中、黄白色の砂埃が舞う。(大仏と同じ、乾燥しきったあの色)
学校は地面にイスを並べただけの青空教室。市場で卵2つを売って、やっと手に入れたバクタイのノートを取り上げる、タリバンごっこの男の子たち。両目と口と3つの穴を開けた紙袋を被せられ、人質にされるバクタイ。アッバスも捕まり、泥水を張った落とし穴に落とされる。無数の木の枝のライフルを突きつけられ、男の子たちの真ん中で両手を挙げて立ち尽くすバクタイに、泥饅頭のような姿で「死ぬんだ! 死ねば自由になれるから!」と叫ぶアッバス。
この場合の「死ねば」は、男の子たちのゲームに付き合って死んだ真似をすれば、ということなんだけれど、当然ながらそういう風には聞こえない。第一、男の子たちの表情は、ごっこ遊びには程遠く真剣だ。


こういう映画を見た後で、米国製ティーンエイジャー映画などを見ると、その落差に目がくらむ思いがする。このアメリカが、このアフガニスタンのテロ撲滅に派兵? そして復興に手を貸す? 


Le Diner de Cons』(1998、仏)前にも見たのだが、再鑑賞。週一の仲間内のパーティの趣向は、メンバーそれぞれが知り合った間抜けを“ゲスト”として招待し、誰が連れてきた間抜けが一番か競うという意地の悪いもの。当日、ピエールはぎっくり腰になってパーティには行けなくなるのだが、“ゲスト”のフランソワはそれと知らず、ピエールの家にやってくる。そして当然、とんでもない間抜け振りを発揮し始めるのだ。こういう底意地の悪い映画をうまく作るあたりは「さすが、フランス人!」と賞賛すべきか? 私的にはフランソワの間抜けさを嗤うピエールも嫌いだが、嗤われるようなことをしでかすフランソワの間抜けさも嫌いなのだ。私が好きなのはsophisticationと突っぱねるのは、気取りすぎ?


猫の恩返し』(2002年、日本)ご存知スタジオ・ジブリのアニメ。ハルちゃんとかムタ猫とか可愛いんだけど、こんなストレートに『教育的』なせりふ言わせなくてもいいのに。「自分の時間を生きるんだ!」なんてせりふ、ちょっとひねた子なら、小学生だって恥ずかしくて顔を伏せたくなる。
それはともかくムタ猫が、顔立ちも身体つきも、話し方まで、お客様のNさんに似ていて、にやにやしっぱなし。そうか、Nさんは猫だったんだな。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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