もっと光を!

  • 2011/10/09 09:51
  • Category: 雑記

サーバの故障で、814日以降のデータが全部消えたそうだ。ちと残念だが、まあ仕方ない。

 

70年代に欧州の室内装飾について書かれた本を読んだとき「日本では、どの部屋も天井から吊るした蛍光灯で、真昼のように照らすのが主流だが、これはいただけない。欧州の家庭では部屋全体を蛍光灯で煌々と照らすことはまれで、代わりに部屋の各所に置いたフロアランプやテーブルランプの柔らかく温かみのある明かりで、陰翳とくつろぎを演出する」というような意味の記述があり「へえ」と思ったが、その後移動した中国と香港では、蛍光灯ではないにしても日本同様“天井からの灯りで煌々と”という照明が主流であり、これはこれで風情はなくとも便利ではあるので、その無粋さなど別段気にしてはいなかった。雪だるまも、人が来たときなど部屋の灯り全部を点け、昼間より明るいくらいにしていたし。

 

しかしカナダのこの家に移り住んで、事情は一変。夜は常にうす暗がりの中で過ごすこととなった。何しろどの部屋にも、“ひとつで部屋全体を照らす”タイプの照明がないのだ。あるのは部屋の一部を照らす部分照明のみ。しかも照度はかなり低め。設置されている照明全部をオンにしても、昼間のような明るさには程遠く、否応のない“陰翳礼讃”状態だ。

 

この風情のある照明、人と話したり、ゆっくり音楽を聴いたり、映画を見たりするにはよいが、いったん何か作業をしなければならないことになると、たちまち往生する。先日の夜も、仕事が一段落して暇だったので、着物を引っ張り出して着付けの練習を試みたのだが、練習していたベッドルームの照明が暗くて、細部が見えない。ベッドルームには大型天井扇に付随した天井灯と、壁一面のクロゼット前に、2つの照明がついているのだが、全部点けても部屋はほのかに柔らかく照らされるばかりで、姿見に映る我が姿はうすぼんやり。「おはしょりの衽線と、上前の衽線は一直線になるよう合わせること」と着付けの本に命じられても、その衽線が見えないのだ。見えないものを、いったいどうやって合わせろと?

 

あんまり見えないので、部屋の天井と四方の壁をじいっと眺め、追加の照明を付けられそうなところを探してみたが、天井に穴をあけて電気の配線をするのは素人には無理だし、と言ってクリップ型の照明を付けられそうな棚も出っ張りもない。この部屋を作業ができる程度に明るくするには、スポットライト型強力フロアランプでも設置するしかなさそうである。やれやれ。(ちなみにベッドサイドのランプも、当初は7W!の電球しかついていなかった。これでは本どころか雑誌すら見えないので、引っ越してすぐに60Wのに変えた)

 

もっともこの部屋は照明が付いているだけまだましなのだ。居間に至っては、もともと付いている照明はゼロ。フロアランプかテーブルランプを置かないと、夜は真っ暗闇である。ファミリールームだった地下室は、壁沿いに小型スポットライトが6個ほど付いているが、これもまた全部点けても本を読めるほどには明るくない。食卓の上の明かりも同様。食事には十分だが、本を読むにはやや暗い。台所だけはさすがに調理ができる程度に明るく、実のところ楽に本が読めるのはこことトイレくらいなのだが、しかしレンジの前に突っ立って読書に励むってのも・・・。

 

ついでに言えば、この家はDK部分を除き、昼間も十分には明るくない。窓は大きいのだが、そのせっかくの大きな窓の前にほとんど動かせないパネル型のカーテンが下ろされて、光を遮っているのだ。昼間暗いのが大嫌いな私は、この鬱陶しいパネルカーテンを撤去しようとしたのだが、レールも金具も外れないうえ、雪だるまの強硬な反対にあって挫折した。雪だるまはこのスタイリッシュなカーテンがお気に入りなのだ。

 

この昼の直射日光不足と夜の暗さは、ときどき私を気違いじみたイライラに突き落とし、私を爆発させる。そのたびにパネルカーテンをバッサバッサと鋏で切り落とし、燦々と降り注ぐ陽の光を浴びて「ざまあみろ!」と雪だるまに舌を突き出してやりたくなるが、一筋残る理性がそれを押しとどめ、代わりに電球買いや照明買いに走らせる。9月に爆発した時はデスクランプを買い、10月に爆発した時(つい昨日だ)は、電球が2個付くフロアランプを買った。

 

しかしさっきフロアランプを点けてみたところ、たとえ2つの電球を点けても、広大なマスターベッドルームの暗がりには焼け石に水であることが判明。さすがに手元だけは明るいが、光源から2メートル離れると、もう定規の数字が読みづらい。まったくこの部屋で夜間、ストレスなく裁縫や手工芸に励むには、いったいいくつ照明を足せばいいんだか。風情なんかなくてもいいから、会社や工場みたいな天井に一列に並んだ蛍光灯が欲しかった。

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Comment

legalcat

どうもおかしいと思っていたら、サーバーの故障でしたか。
本当に西洋のホテルは暗いですね。夜、メールを打つのもままならない。どこかつけ忘れたところはないかと探し回るほど。
おじゃまするころにはフロアランプがいくつになっているのでしょうか。
  • URL
  • 2011/10/10 08:29
  • Edit

loutra

フロアランプ買ったんですけど、あくまで作業用でデザインがいまひとつなので、普段はウォークインクロゼットに隠しておくよう、雪だるまに言い含められております。従いまして今後いくつ照明を買い足そうと、お客様が発見なさる恐れはございません。くすん、くすん。
ほーんと暗くて、いやになります。これで冬、雪に閉じ込められたらどれだけ陰鬱になるんだか。もともと鬱っ気のあるわたくし、先が案じられまする。
  • URL
  • 2011/10/10 09:36
  • Edit

雪見あらため、とらこ

データが消えるなんて、ずいぶんひどいブログですねー。
日本人の瞳は黒いんだから、欧米人よりも部屋を明るくしないと目が悪くなりますよ。ご注意を。
冬もきっと楽しいことがいろいろありますよ。わたしはドイツではがらくた市を毎週のように訪ねたなぁ。地域の情報に気をつけて、楽しいイベントに出かけてみてはいかがでしょう。
あとお菓子を焼いたりするとかは?
  • URL
  • 2011/10/10 20:05
  • Edit

loutra

うーん、会社組織ではなく、お一人で管理運営されているようなので、種々のトラブルはある程度やむを得ないかと。こちらは無料で使わせていただいているわけですし。その割には広告少なくて、画面すきり、快適ですし。
冬になったらクロスカントリースキーとか始める予定なんですけど、さてあれはどのくらい体力、脚力が要るんでしょうね? お菓子は実は今でも危険なほど焼いてまして、これ以上焼いては夏に減らした体重が、あっという間に逆戻り!でございます。あぶない、あぶない。今日も夕方、足袋猫が遊びに来てくれたので、あまり鬱々しないよう、なんとか頑張ります。
  • URL
  • 2011/10/14 11:11
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らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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