過剰に反応しすぎ?

  • 2009/07/10 14:44
  • Category: 雑記
もともと人付き合いに消極的で、引き篭もりオジサン&引き篭もりオバサン的生活を送っている雪だるまとわたしだが、ジョゼとブライアンが帰国したことで私たちの交際範囲はますます狭まり、HKに残る彼のお友達はデイヴィッドのみ、私のお友達は片手で足りるほどになってしまった。


だからって別に全然困ってはいないのだが(そこが引き篭もりの引き篭もりたるゆえん)、自分達だけのせまーい世界で暮していると、どうも世間の常識に疎くなるようだ。ことに私は在港日本人とのつきあいがほとんどないので、日本人としての“おつきあいの基本”を忘れがち。また“大多数の日本人の生活様式”も忘れがち。


先日久しぶりにオトモダチと食事をしていた時も、いろいろ「えーーーっ!!」なことがあった。私の常識はますます(一部)日本人社会の常識から離れつつあるようだ。具体的に言うと、わたしという現地採用の日本人が生きている世界の常識は、日本から派遣された日本人&その家族が生きてる世界の常識から離れつつあるということだ。もともと両者の間には、HKでの待遇、生活様式、日本との距離などに違いがあり、そこから種々さまざまな考え方の違いが派生するであろうことは想像していたが、いやまさかこれほどとは。


「えーーーっ!!」とびっくりした色々なことのうちトップ2は、(1)日本から派遣された日本人サラリーマンの妻たちは、ほとんど自身名義の銀行口座を持っていない(銀行カードや、クレジットカードは持っているが、夫名義だったり夫のカードに付属した家族カードだったり) (2)主として日本から派遣された日本人で構成されている某グループの、なり手のない世話役のようなもの(大変なだけで別段役得はない)に某女性が「やりましょうか?」と申し出たところ、「○×さんは女性だから」と、やんわり却下された。


(1)      
の銀行口座に関しては、HKの銀行の口座開設条件が身分証(IDカードまたはパスポート)と住所証明の提出となっているせいもある。HKには日本の住民票にあたるものはないから、普通「わたしはここに住んでいる」証明には、電話や公共料金の請求書が使われるのだが、夫名義でフラットを借り、夫名義でガスや電気や電話を契約してしまったら、妻がそこに住んでいることを証明できるものは何もない。証明がない→口座は開けない。収入がない&口座がない→クレジットカードも申請できない、となるのはやむを得ないと言えばやむを得ないが、それにしても私だったら、口座もカードもないなんて状況、まるで禁治産者になってしまったように不自由で、なんとか口座とカードを手に入れる方法を考えると思う。ジョイントアカウントだっていいではないか。少なくとも夫だけの名義ではなく、“二人”の名義になり、小切手にサインできるようになる。
だって家族だろうと何だろうと、自分の名義でない口座やカードは、いったん何かあった場合、自分の自由にはできないわけで、つまりはある日突然まったくの一文なしに転落する可能性があるということだ。冗談じゃない!
生まれてから20年我慢して、やっと親という保護者の管理から抜け出し自由になったと思ったのに、結婚したあとでまた自分の金もない不自由な状態に戻るなんて、真っ平ごめんである。


(2)       についていえば、今時「女だから」という理由で何かができないなんて、思ってもみなかった。今は明治時代じゃないんだぜー。昭和も終って、平成21年! 21世紀なのだ。信じらんねー。
いや、私だって世の中のすべてが男女平等に開かれているとは言わないし、ガラスの天井だってあるし、大相撲の土俵には相変わらず女性は入れないし、そういう種々もろもろの差別があることは十分自覚しているけれど、なんというか、たかが一般市民により結成された趣味嗜好を主とした活動団体で、「女だから」という理由である種の責任者への立候補を却下されるとは、まさか思ってもみなかった。あー、びっくりした。


私は性別を理由に何かができないと言われることに慣れていない。現実にはHKだってどこだって、陰に陽に性別による差別があるのは十分承知しているが、表立って「女だから」とか「男だから」と言われると、猛然と腹が立つ。本音はどうあれ、社会は一応、人種や性別や出自による差別をしない方向に進んでいるんじゃなかったっけ?

それなのに、ある種の日本人社会では、女性だから世話役にはなれないと平気で口に出す? なんだ、それ? 私だったらそんなこと、口が裂けても言えない。まるで「○×さんは、日本人じゃないから」とか「○×さんは、中学しかお出になっていらっしゃらないから」とか「○×さんは、△△のご出身だから」というのを理由に挙げるのと同じくらい恥ずかしい。これらの理由でさまざまなことができなかったり、困難になったりしているのは知っているが、わたしはそれに荷担したくない。そんな差別の一端は担ぎたくない。きれいごとだろうと何だろうと、担ぎたくない。

私、過剰に反応しすぎか?
スポンサーサイト

Pagination

Comment

雪見

そういえば、わたしもドイツにいた間は自分名義の口座を持っていなかったですよ。そのことを疑問にも思いませんでした。日本ではもちろん持っていますよ。駐在の人ってその国に長くいるわけじゃないし、いろんな点で普通じゃない暮らし方なんだと思いますよ。夫と妻が一心同体というか。妻の身分は全く夫に依存してるんです。夫がいないと妻がその国に住んでいる理由がないわけだから。考えてみれば異常な事態ですね。(だから夫婦がうまくいっている人たちはいいんだけど、そうじゃない人は日本に住んでいるときよりも深刻な事態になったみたい。)
世話役云々の話も根本はそこから来ていると思いますよ。おそらく同じような話が日本であったら「女性だからだめ」という発言は出て来にくいと思います。駐在中は妻ってそういう副次的な存在なんですよ。夫(=夫の会社)が絶対的な存在なんです。そして日本国は逃れようのない傘みたいなものです。今こう書きながらあらためて「変な暮らしだったなぁ」と思っています。長く続けるといろいろ変になっちゃいそうですね。
この駐在の問題は何も日本に限ったことではなくて、日本に来ているアメリカ人たちを見ても基本的には同じだと感じました。
  • URL
  • 2009/07/11 10:21
  • Edit

loutra

「世を忍ぶ仮の姿」なんてやっちゃうと
庶民に身をやつした殿様か、敵国に潜入したスパイみたいですが
駐在ってのも、そういうものなのかもしれませんね、おっしゃるとおり。
土日、考えた挙げ句の月曜の記事にも書きましたが
私は人に経済的主導権を握られることに恐怖があるので
過剰反応したのだと思います。
性別を理由に行動を制限されることが、大嫌いでもありますし。
HKでも、確か配偶者ビザで滞在している場合は働けないし
だから駐在員の奥様方の存在がいっそう副次的になるのだと
思いますが、制度上仕方がないとはいえ、いやなものです。
雪見さんの感想を読んで、つくづく「だめだ、私は駐在員の
妻にはなれない」と思いました。たとえ3年間にせよ、私は
助手席に座っておとなしくなんかしていられません。
「私にも運転させろー」とかいって横から手を出し
車はあっという間にセンターラインを超えて対向車線に・・・
という展開になりそうです。
おとなしく助手席にいる奥さんたちは、えらい!
  • URL
  • 2009/07/14 08:30
  • Edit

雪見

先日の上のコメントを書きながらつくづく「駐在の妻って変だ」と思ったのでした。わたしの場合、駐在する直前まで働いていて、給料は夫よりやや高かったし、「副次的存在」なんてもちろん髪の毛ほども思っていませんでした。でもドイツに来た途端にまわりの日本人たちのわたしを見る目が明らかに「○○さんの奥さん」なので、びっくり。そして妙に面白くも感じました。奥さんのお芝居をしてるみたいで。でもその仮の姿に慣れてしまうのは問題ですよね。駐在社員は給料・待遇もいいし、奥さま稼業は(人によってはイヤなこともあるだろうけど)楽だし、文化的に学んだりすることが多くて面白い。でも副次的な人間を長くやっているとじわじわとよくない影響が出るのだろうなと思います。あんまり長くやるものではありません。(ときどき「この国が好きだから帰りたくない」とすごーく長くいる人もいるんですけど、それはたぶん日本にある何かから逃避してるんでしょう。)
それと、わたしのときは湾岸戦争があったので会社経由で政府からいろんな指示があり、日本国政府の存在をすごく強く感じてしまい、その傘の下にいる自分がイヤでたまりませんでした。でも日本で住んでいると日本国の傘の下にいるという感じがあっという間に見えなくなったのが不思議です。
  • URL
  • 2009/07/14 09:18
  • Edit

loutra

ひえー、書いたコメントが消えちゃったよ。なんてこと!
気を取り直してもう一度。
論点がちょっとずれますが、同じ副次的存在になるのでも、いつでも主体的存在に戻れる自信と条件がある人(雪見さんみたいに)と、そうでない人では、副次的存在でいることへの感じ方も違うでしょうね。
それはたとえば、王様が面白半分に乞食に身をやつしてみるのと、ある日突然クーデターが発生して王位を剥奪され、正真正銘の乞食に成り果てるのとの違いかな。前者は楽しいだろうし余裕もあるけれど、後者は(王位にほとほとうんざりしていない限り)楽しくないと思う。
って、奥様という立場を論じるのに、たとえが乞食ではあんまりか。すみません。最近お伽噺なんか読んでいるもので。
考えてみると駐在という立場では、夫の方も夫個人より会社が前面に出る副次的存在なのかもしれませんね。呼ばれ方も「三井さん」とか「三菱さん」とか「トヨタさん」とか会社名だったりして。個人名で呼ばれるときも「トヨタの○○さん」みたいに、社名が前につくことが多いし。ということは、配偶者ビザで滞在する妻は、副次的存在のそのまた副次的存在ということ? やれやれ、ですね。
そういえば女にはもうひとつ「○○ちゃんとおかあさん」という呼称もありました。私たちはこう呼ばれる可能性はゼロだけれども(笑)
  • URL
  • 2009/07/15 08:31
  • Edit

Post Your Comment

コメント:登録フォーム
公開設定

Utility

プロフィール

らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

カテゴリー+月別アーカイブ

 

FC2カウンター