人形遊び

  • 2008/10/16 16:02
  • Category: 道楽
8月のある日、オトモダチといっしょに持ってもいないバービーの服を買ったのがきっかけで、およよよよ・・・という感じで人形遊びに憑り付かれてしまった私だが、なぜ人形を欲しいと思い、しかも実際に手に入れているのかは、いまだによくわからない。美人大好きの嗜好が人形の美貌に魅せられているのは確かだが、人形用の家具をそろえ、偽物の植木で戸外風景を作り出そうと画策するあたり、子どもの頃のごっこ遊び、体裁よく言えば仮想世界を作り出すことに魅せられているのかとも思うが、それにしても何でいまさら人形なのだ? 我ながらよくわからん。


もっとも実際に人形を買い始めたのは最近だが、人形に惹かれたのは実のところ今回が初めてというわけではない。数年前、ネットをうろうろしていて、偶然なるとさんや陽月さんの作る球体関節人形を発見。激しく魅せられて、仕事の合間にギャラリーを眺めてはうっとりしていたが、彼女たちの作る人形は異界への入り口、日常から完全に乖離した妖しい美しさの魔物だ。したがって、そのお値段もさることながら、とてもではないが生活感漂う我が家の居間へ持ち込めるような物ではなく、当然手に入れようとは思わなかった。


それに反し今回発見し、実際に2体ほど買ってみたTonner社の人形や、これから買おうともくろんでいるIntegrity Toy社のFashion Royaltyたちは、美貌ではあるものの妖気は漂っていない。あくまでも日常的な健全な美貌なのだ。凝った髪型や衣装など、子どもの遊び用にはいささか高級すぎるが、大人が遊ぶ分にはちょうどよく、だから買う気になったとも言える。日々の生活の中にぽんと置いてもさほど違和感はないし、精巧に作りこんだ衣装や付属品などは、ミニアチュールとしての面白さもある。


ことにFashion Royaltyたちは、バービーなどとほぼ同じの12インチ(約30センチ)サイズ。手にとって遊ぶのに、ちょうど手ごろな大きさだ。(買ってから気づいたがTonner社の美女たちは16インチなので、飾るには見栄えがよいが、手にとって遊ぶにはやや大きすぎるのだ) 事実、私は先日日本から連れ帰った12インチのSpooky Sookiを、プリンターの上に腰掛けさせたり、寝る時は机の横(=つまりは、ベッドの横)に腰掛けさせたり、手近に置いてしょっちゅう手にとって遊んでいる。膝や肘、股関節だけでなく手首や胸の下も動くので、いろんなポーズが取れるのが面白いのだ。


ちなみにこの子は日本から裸んぼで来たので、当初は着られる洋服がなかった。バービーとほぼ同サイズではあるのだが、バービーより華奢なのと、顔が少女っぽいのとで、バービーの服を着せると微妙にぶかぶかかつ雰囲気に合わない。しかし裸んぼのまま置いておくのも何なので「ええい、いっそのこと」とGIジョー用と思われるカーキのシャツと黒のパンツを着せてみたら、これが妙に似合う。髪形が黒の三つ編みのせいか、こういう汚い色の飾り気のない服を着ると、まるで文革時代の中国の女の子。今にも赤い表紙の本を掲げて「革命無罪! 造反有理!」とか叫び出しそうで、思わず一人にやにやしてしまった。



spookyアップ



芸のないポーズですみません

こうした遊びがいつまで続くかはわからないが、とりあえず2ヶ月は続いている。夫は呆れながらも静観の構えだ。ただ、人形遊びに夢中とは言っても、巷で“人形者”と呼ばれるコアな人形愛好者にはなれそうもない。他にも好きなことはあるし(喰うこととか)、人形を買うにしてもあくまでも懐と相談の上。全財産をつぎ込むほどの覚悟はない。
それに今、上で“人形を買う”と書いたが、この用語からして人形者としては失格だ。コアな人形者の方々は、“人形を買う”とは表現しない。人形は“お迎えする”ものなのだ。しかし私はどうしてもこの言葉が使えない。もって回った言い方に、背中がむずむずしてしまう。しかもこの歳になると、“お迎え”という言葉で連想されるのは、あの世からの“お迎え”。下の自由も利かなくなった婆さんが「早くお迎えが来てくれないかねえ」と、仏壇の前でチーンと鐘を鳴らしている雰囲気があって、どうもいけない。とてもではないが、バリバリメイクのFRたちに対して使える言葉ではないのだ。
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Comment

Amei

赤い表紙の本とカーキの鳥打帽(正面真ん中に赤い星付き)を早速作成すべし!
わたしの人形遊びの理由は明白。女の子を産んでみたかったがかなわなかったことの代償。でもloutraさんちにはおっさん人形とかもいるからちがうねえ〜
  • URL
  • 2008/10/17 10:20
  • Edit

loutra

赤い表紙の本は何とか作れると思うのですが、帽子はねえ。
あれは難しいよねえ。そもそもどんな帽子だっけ?
軍帽?
それにそこまで作ったら、赤いスカーフも首に巻かなきゃね。
ウチに赤い色の布地なんか、あったかなあ。
おっさん人形−そう、何を隠そう、私が最初に買った人形はアクション・フィギュアのおっさん人形。
その後また首(ヘッド)だけ買いまして、ウチには今、6人のおっさんがいます。身体は1こだけなので、一度に一人ずつしか登場しませんが。
おっさん人形を買うのって、何の代償よ? まさか、おっさんになれなかった代償?
  • URL
  • 2008/10/17 16:19
  • Edit

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らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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