重いパン

ところで昨日は『ペルセポリス』の話を書いて、料理にはあまり言及しなかったが、実はピタブレッドについて書きたかった。フムスを作ろうと思いついた時点で、ピタも作ろうかと思ったのだが、手持ちのレシピではドウを寝かせる時間が2時間だったので「これでは間に合わん」と、ピタは下のスーパーで全粒粉のを買ってきた。ガーデンという地元では『安かろう、悪かろう』の安物パンメーカーのピタだったのだが(だから13枚入りで10元)、トースターで軽く暖めてから食べたところ、これが予想より美味で、ちょっと得した気分になった。ウチの近所はインド、パキスタン、ネパール系の人たちが多いので、その人たちのためにナンの代わりに置いているのかもしれない。有難いことである。(冷凍でならチャパティもある。名前はインド北西部風にRotiとなっているが) 歩いて5分ほどの同系列スーパーの別の店には、ピタもロティもないので、これはやはり周辺の民族構成を考えた品揃えになっているのだろう。こういうものが手近で手に入るのは有難い。


ピタやナン、チャパティをうまいと思うのは、パンの原型のような素朴さがそのまま残っているからだ。洗練されていないところがいい。できれば粉も精製されすぎていない粉を用い、粉の風味と歯ごたえが残っている方がいい。どっしりと重みがある方が好きなのだ。毎週末フォッカッチャもどきを焼いているのもそのためだ。市販では、手ごろな値段でここまで重いパンはなかなかない。近所のパン屋のパンなどは、全粒粉のを買ってもふわふわと軽く、頼りないこと甚だしい。これではパンを食べているのか、空気を食べているのかわからん。


それで「あ」と思ったのが、先日のホームベーカリー思案。日本のN社のホームベーカリーを買おうかどうしようかと、パン作りの本をみながら思案していたら、雪だるまが横から「日本人がおいしいというパンは、私にはおいしいとは思えない」とコメント。言われて気づいたが、日本では“ふわふわでやわらかい”パンが、おいしいパンのひとつの基準としてあるのだった。某山崎製パンさんのダブルソフトなど、“みみまでソフト”なことが自慢らしい。私が好きなタイプのパンとは対極にあるパンだ。N社のホームベーカリーにしてからが、他社との比較で“窯伸びが一番いい”=よく膨らむ=やわらかい、となっている。あれま。全粒粉100%で焼けば、それなりに重いパンになるだろうが、うーん、思わぬところに落とし穴が。N社のは止めて、欧米メーカーのブレッドマシーンにした方がいいだろうか。でも日本のメーカーって、痒いところどころか痒くないところにまで手が届くような芸の細かさがあって、それが魅力だったりするのだが。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
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