“天井”掃除

昨日ジムのあと家に帰ったら、玄関ドアに管理人からのメモが挟んであった。読むと「今日お宅の“天井”を清掃すべく、清掃担当が伺ったが、お宅は留守でした。ついては今週中に“天井”のゴミを何とかしていただきたく、まずはよろしく。お問い合わせは下記管理事務所へ」と、地下の管理事務所の電話番号が記してあった。 

一瞬、「てんじょう? てんじょうの掃除って何のことよ?」と居間の天井を見上げたが、すぐに中国語の“天井”が日本語の“天井”のはずはないと気づき、これはきっとあそこのことだろうと居間の窓の外の出っぱりを眺めた。


 このフラットは居間の窓の外に、長さ2.7メートル、幅30センチくらいのコンクリートの出っ張りがついている。出っ張りは高さ50センチほどの縁で囲まれ、つまりは窓の外に大型のコンクリートの物入れがついたような形なのだが、出っ張りの底部は居間の床と同じ高さのくせに、その前にある窓は床から50センチほど上がっている上、窓の底部50センチほどが嵌め殺しになっているため、その出っ張りを利用するためには、スツールか何かに乗った上で「よいしょ」とばかりに窓枠から身を乗り出さなくてはならない。これが1階や2階なら身を乗り出してもさほど危険ではないが、ウチは何しろ22階である。しかも窓下は片道2車線の自動車道路。たとえ命綱をつけても、身を乗り出すのはごめんだ。 

だからいまだかつてこの出っ張りを利用したことはなかったし、第一窓すら開けたことはなかったのだが、引越し以来8年、どうやら上層階から落ちてきたゴミや風に飛ばされた洗濯物が、この出っ張りにたまっていたらしい。それに久しぶりにブラインドを全開してよくみれば、引越し直後、不要にはなったものの、すぐに捨てる気にはなれずに、とりあえずこの出っ張りに出しておいた小さな棚が8年の風雨で崩れ、大きな粗大ゴミとなっていた。「おお、掃除しろというのはこれのことだな」と合点がいったので、仕方ない、今朝早く起きて掃除に取り掛かった。
 

しかしスツールに乗って身を乗り出しても、出っ張り底部のゴミには全然手が届かない。一瞬、命綱をつけて
22
階の外に出ようかと思ったが、もし万一足を踏み外し、命綱も切れてしまったら、22階下までまっさかさま。蛙のようにつぶれてしまう。リタイア後の生活も楽しめずに働いただけで一生終わるのでは、犬死もいいところだ。いやだ、外には出たくない!
 

でどうしたかというと、昨年雪だるまが股関節の手術をし、一時的に身体が不自由になった時に病院が売りつけた“お役立ちキット”の中のマジックハンドを使ったのである。崩れた棚をこれで挟んで持ち上げるのは結構骨だったし、居間にゴミが飛び散って散々だったが、大きな部分はこれで拾い、小さくバラバラになった部分や、葉っぱや飛んできたゴミなどは「ええい、面倒だ!」と掃除機で一気に吸い込んで完了。それでも朝の貴重な時間を
30
分も費やしてしまった。

 
この間、腹立たしかったのは雪だるまである。人がマジックハンドやら掃除機やらでゴミ相手に悪戦苦闘しているというのに、涼しい顔でシリアルなど食っておった。手伝ったのは、私に言われて掃除機を持ってきた時と、ゴミ袋を持ってきたときだけ。最後、掃除が完了して掃除機をしまう段になって、掃除機の分解を自主的に手伝ったが、パイプをはずす時に中に引っかかっていたゴミを床にばら撒いてしまい、却って手間を増やした。ったく、生活のパートナーとしては、女性の方がよほど有能かもしれん。ぷんぷん。
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Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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