『Lars』

  • 2008/06/16 13:39
  • Category: 映画
■ 金曜夜、お友達と二人でアフリカ料理のレストランに行った。行く前から「アフリカ料理とはまた、ずいぶんと大雑把な括り方ですな」という話はしていたのだが、行って実際に食べてもいったいアフリカのどこの料理かは判然としなかった。しかし客はわたしたち二人を除きすべてアフリカ人またはアフリカ人に見える人たちだったので、出している料理はアフリカ人に受け入れられる程度にアフリカ的なのだと想像する。お友達はオクラと羊肉を辛くないカレー風に煮込んだもの+セモリナ、わたしはピーナツ味のスープ、魚の唐揚げ+白米のセットを頼んだ。二人とも主食の量が山盛りだったので極限まで頑張っても食べきれず、しかも翌朝まで胃が苦しかった。客の大半があの量をぺろりと平らげているのだとすると、こちらとは胃の容積が根本的に違うか、あるいは食いだめに利用しているか。いずれにせよどこにでもある地味な素材を、手管を弄さず地味に料理したメニューで、そのあたりを“アフリカ的”と見るなら、面白いことは面白いが、格別に美味と言うにはあたらない。近年、アフリカでも輸出する資源(原油、鉱物等)のある国は経済成長著しいが、経済成長により得られた富は支配層に独占的に還元されているようで、一般大衆は相も変わらず“貧困”あるいは“飢餓”状態にある。まったくヒト(もちろん私を含め)は賢くはならないのか。ホモ・サピエンスが聞いて呆れる。

■ 週末見た映画。
『Black Sheep』 遺伝子改造された羊が凶暴化して人間を襲い始め、凶暴羊に噛みつかれた人間は、同じくに凶暴羊に変身して人間を襲い始めてしまうというB級スプラッタ・ホラーコメディ。人間より羊の数の方が多いニュージーランドで作られた映画だけに、おかしさもひとしお。この映画といい、『Bad Taste』といい、ニュージーランドの人は時々ヘンな映画を作る。おかしみの感覚が英米とは違うのだろうか。
『Illusionist』 エドワード・ノートンが出るから見た哀しい恋の物語。
『Lars and his real girl』 ラースというまじめで優しくてハンサムだが人付き合いが苦手な青年が、「人と付き合え、女の子と付き合え」という周囲からの圧力に少々失調を来たし、シリコン製の女の子の人形(昔ダッチワイフといったような)をネットで注文。この女の子(ビアンカ)を本当の女の子だと思い込んで、一緒に生活し始める。母屋に住んでいる兄夫妻や周囲の人は、最初は大いに困惑するが、内科医兼精神科医の助言や、牧師、近所の老婦人が「ラースはいつもいい青年だったよ」とまどいながらも受け入れたことが幸いして、周囲もラースを受け入れ、ビアンカを本物の女の子として扱う。そして最後はまあハッピーエンドになるのだが、一人でいること、一人でいるのが好きなことを“異常”とまではいかなくても、“問題行動”とみなしがちなアメリカ、彼氏/彼女がいないことを、大きなマイナスとみなすアメリカ(近年、日本も同様だが)では、内気で人付き合いが苦手な人が生きていくことは、なかなかしんどい。前日話題にしていたこともあって、先日の秋葉原での事件を思い出す。
『Sicho』 言わずと知れたアメリカの医療制度の問題点を告発したマイケル・ムーアの映画。先月読んだ「ルポ貧困大国アメリカ」と重複している部分もあり、内容的には目新しさはないし、引き合いに出されたカナダ、フランス、英国の医療制度にしたところで、実際はこの映画が見せたほどばら色のはずはないが、金のある人しかまともな医療を受けられず、中流にいたはずの人でさえ一度大きな病気になっただけで破産しかねないアメリカの現行制度は、余りにおかしい。私自身、次の転居先(予定)のカナダの医療制度が心配で、ことあるごとに「そのうち破綻するんじゃないか?」と雪だるまに問い質し、かつ今入っている医療保険をいかに変更するか、あるいはいっそ雪だるま同様、(どうせ保険会社は肝心な時には、何のかんの理屈をつけて保障してくれないのだから)保険に入るのは止めてその分貯金しておくべきか、大いに迷っている。どしたらよかべ。
『Dirty Mary Crazy Larry』 ピーター・フォンダ、スーザン・ジョージ主演の74年のアメリカ映画。70年代のアメリカは、こんな脳天気な映画を作れるほど呑気だったということか。
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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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