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DAY 1

  • 2007/09/14 22:27
  • Category:
ああ、寒かった。死ぬかと思った。
具合の悪い人が集まる病院が、あんなに寒くていいんだろうか。
家に帰ってきてぬるめのお風呂に浸かって、やっと体温を取り戻した感じ。
明日はブーツにダウンジャケットで行こうかしら。
そのくらいしないと、わたしの方が病気になりそうだ。

結局、手術時間はまた変更になって、当初の夫の希望通り朝8時開始。
なので4時には起き、5時過ぎに家を出てタクシーを拾い、向かいの島の山の上へ。
噂には聞いていたが、本当に山の上で、登っても登ってもまだ上で、びっくりした。
そして中にはいると、これも噂通りホテルか比較的高級なアパートのようなレセプション。
24時間対応だけあって、朝6時前でもちゃんと受付に人がおり、にこやかに応対してくれた。
受付の後は簡単な問診と血圧、体重測定。その後病室に案内され、シャワーを浴びてガウンに着替え待つように指示される。トイレ&シャワールームは各病室についているし、ふかふかしたタオルがたっぷりあるし、シャワー内には白い大きなプラスチックの椅子も置いてあって、体調が悪くても、身体が不自由でも、自分でシャワーできるようになっている。夫も、渡された殺菌作用のあるピンクのシャワージェルを使って、自分でシャワーをした。そして7時半には手術室に降り、また簡単な問診と確認をして、ばいばい。看護師の後について、夫はひとりでひょこひょこ歩いて行った。

帰ってきたのは4時間半後。その間わたしはすることもなく、仕方なくひたすら読書。おかげで1冊読み終えた。たまに厭きて廊下を散歩してみたが、なかなかどうして結構な風景である。朝登ってくるときも随分上だと思ったが、日が昇ってから見ると、病院は島の南斜面の上に建っており、あらゆるものが下に見える。遙か下に白く霞むのは、あれは雲海? と一瞬思ったが、さすがにそこまで高くはなく、ただのスモッグで霞んだ海だった。そりゃそうだ。ピークはたかだか500メートル。3000mはありません。

夫は痛みもなくご機嫌で帰ってきたが、全身麻酔と痛み止めのせいかやたら眠いらしく、一言、二言喋ると、ぐごごごー、んごごごーといびきをかいて眠ってしまう。ご機嫌なのはよろしいが、眠っているだけの病人相手では付き添いは何もすることがない。おかげでまた1冊読み終えた。しかし午後が深まるにつれ、室内の寒さが尋常でなくなり、1時間ごとに外に出て、熱量補給。あるいは寝ている夫の身体に、両手をぴたり張り付けて暖を取る始末。端から見ると「なんて仲のいいご夫婦!」かもしれないが、実情は単に寒いから張り付いているだけのことである。

午後6時過ぎ、物理療法士がやってきて初日の運動。爪先を動かしてみたり、脚を腿から持ち上げてみたり、股関節を外側に開いてみたり。手術したばかりで傷口からはまだ出血しているし、プラスターやらガーゼやらで分厚く覆われているにも関わらず、股関節が45度以上開くと言って夫は感激している。何しろ今朝までは、30度も開かないくらいだったのだから。調子に乗って立ち上がる練習もしかけたが、吐き気とめまいのため断念。今日はここまで。
練習を終わって、またぐごごごー、んごごごーと眠り始めてしまったので、わたしも8時過ぎには病院を出た。なにしろ寒くてもうそれ以上は我慢できなかったのだ。明日は本当に重装備で行かねば。ついでに食べ物も持っていこう。夕ご飯に食堂からテイクアウトしたベジ・チキン・ハンバーガーは、本物の鶏なら100年は生きた鶏ではないかと思えるほど歯ごたえ十分だった。入れ歯では食えないベジ・チキン。
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Comment

まるゆ

ご主人様、どんどん快方に向かっているようで何よりです。
いきなりリハビリが始まるところが日本と違うような、どうなんでしょう。
病院は寒そうですね。働いている人や熱が高い人はともかく、じっとしている人には辛いかもしれません。
  • URL
  • 2007/09/15 13:48
  • Edit

loutra

日本での入院の経験がないのでよくわかりませんが
手術当日からリハビリはないような気がします。
そして3日で退院もさせないと思う。
日本の入院期間の長さは有名ですからねえ。
手術のパンフによると、1日〜4日で退院できるとありますので
中には手術当日に退院する人もいるって言うこと?
夫も「当日とはすごい」と驚ろいていました。
温度の件は、ははは。サーモスありました。
でもやっぱりわたしには寒くて、ダウン着ててちょうどよかった
ですけど。
  • URL
  • 2007/09/16 09:50
  • Edit

雪見

しかしご主人はタフな方ですね。わたしなんて、小さい手術でも前夜はすごく落ち込んでましたよ。そしてloutraさんも落ち着いて本を読むなんてすごい。わたしだったら本は持っていっただろうけど、とても集中できなかっただろうなぁ。
とにかく、無事に終わってよかったですね。
  • URL
  • 2007/09/16 10:02
  • Edit

loutra

夫の方は、5月に同僚が同じ手術をして経過が非常に良好だったので、
それが手術に対する不安をだいぶ取り除いたのだと思います。
わたしの方は、その同僚の人の話と、あと例のウェブサイトを見て
「ふーん、こんな感じかあ」とおおよその見当がついていたのが
よかったのかな。
何しろ外科の手術で、進行性、転移性のある内科の病気とは違いますから。
それにわたしどうも細やかな神経に欠けるんです。
今回も手術に関しては全然心配してなくて、夫に「きみは他人事だと思っているから・・・」と
少々怨みがましい目で見られました。
人情の機微に欠けるから、恋愛小説も読めないのですな。
感情音痴のloutraとお呼び下さい。
  • URL
  • 2007/09/17 22:42
  • Edit

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プロフィール

らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、米朝、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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