ヒッチコック3本半

  • 2011/01/24 22:09
  • Category: 映画

この前の週末見た『北北西に進路を取れ』が予想外に面白かったので、昨日、おとといはヒッチコックを3本半見た。『裏窓』『鳥』『トパーズ』と『マーニー』を途中まで。

 

サスペンスとしての面白さというより、あの時代のファッションと、それを着たヒロインたちが面白くて見ていた。ヒッチコックのお好みなのだろうけど、『裏窓』の裕福なガールフレンド(グレース・ケリー)や『鳥』の有閑お嬢様はもちろん、ファム・ファタールであるべき女スパイや女泥棒ですら、“今”のそうした役柄に比べエレガントでクラッシィ。

 

フレンチツイストにきちんと整えられた髪、シンプルで仕立てのよいスーツ、肌色のストッキングにハイヒールのパンプス、そしていかにもハンドバッグ的なハンドバッグ! この服装でヒロインたちは、立ち居振る舞いも上品に動き回るのだ。歩く時は背筋を伸ばして直線の上をきびきびと進み、椅子には浅く腰掛けて脚を斜めに流す。『鳥』のメラニーはボートを漕ぐ時ですら、きちんと脚をそろえている!(今のヒロインならたとえミニスカートでも、がっと脚を広げて漕ぎそうだ)

 

 

こういう動きのひとつひとつが新鮮で面白い。同じようなことは、たとえば『昼顔』あたりのカトリーヌ・ドヌーブや、50年代、60年代のオードリーの映画にも言えるが、ヒッチコックのヒロインたちは(そう思って見るせいかもしれないが)ヨーロッパ的な陰影がなく、わかりやすく上品なのがいかにもアメリカ的だ。たとえて言うなら、カール・ラガーフェルドの“上品”とラルフ・ローレンの“上品”の違いというか。

 

ついでにいうなら男性陣も上品。ジェームス・スチュワートもケーリー・グラントも、なんとまあ折り目正しくジェントルマンであることか!「ほんとにいい時代でしたねえ」と感心したくなる。そういえば最近の俳優さんで、こういう風に上品な人はあまり見ない。みんなどこかに下衆っぽさがある。たぶんそうでないと人気がでないのだろう。ディカプリオ然り、ブラッド・ピット然り。女優さんも同様。上品さで売った最後の女優は誰だろう?

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ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
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