『TSUBAKI』

  • 2017/03/21 10:59
  • Category:
島崎あきさんの『TSUBAKI』を読み始めた。
フランス語で書かれているにもかかわらず、すらすら読めるので
少々狐につままれたような気分だ。

その前、同じくケベック在住の作家が中学生くらい向けに書いたオハナシを読んでいた時には
単語の意味は全部わかっても、文章の意味は今一つ理解できないということがしょっちゅうあったのに
この『TSUBAKI』は、単語の意味が分かると、文章の意味がするりとわかる。
初級者が外国語を読む場合、こういう経験はそうあるものではない。

なぜこんなに楽に読めるのか。
生まれながらにその言語を操れるネイティブは
自由に言葉を選び、跳躍し、破格を恐れぬ闊達さで自己表現を求めるのに対し
学習の結果その言語を操れるようになった者は
あくまで文法に則った正確な文章、すでに在り、承認された表現を中心に据えざるを得ないからか、
(ネイティブが今までにない言葉や言い回しを使えば“斬新”“クリエイティブ”と言ってもらえるが
外国人が同様のことをすれば“間違い”“そういう言い方はない”と言われてお終いである)
あるいは、島崎さんが日本人、日本語話者であるので
その文章の流れの筋道が同じ日本人である私に馴染みやすく、
無理なく追えるのでわかりやすいのか。

いずれにせよ、やっとぼちぼちフランス語の本を読めるようになった程度の私では
『TSUBAKI』のフランス語を分析して、あれこれ考えてみるなんてことはできないので
今はただ、面白い物語を楽にフランス語で読ませてもらえることに感謝。
辞書を引いても、引いても、意味がわからない・・・の連続だと
ほんと意気消沈して、道の遠さにぜつぼーしてしまうから。

それに『TSUBAKI』の次に読もうとしている本はフランスの作家の本で、
ネイティブである分、そうそう容易にはいかないだろう。
『TSUBAKI』で少し元気を蓄えて、
次の『Le Cas Sneijder』に臨まなくては・・・
マーケットプレイスで買ったので、どこから来るのかわからないのだが
3月4日に発送したと言うのだから、たぶん今週中には届くだろう。
早く来ないかな、楽しみだな。



tsubaki.jpg


いろいろ

  • 2017/03/17 09:17
  • Category: 雑記
■ 今週、学んだこと:
   「たとえ道路が乾いていても、零下11度の時にふつうのスポーツシューズで散歩に出てはいけない」
   歩いている間は、お尻が冷たかったり、寒風にさらされて鼻が凍りそうだったり、
   マダムたちのフランス語を聞き取るのに苦労したりで気が付かなかったのだが、
   散歩が終わって家に帰り着き、ほっと一息ついたら、とたんに両足の指が猛烈にかゆくなって困った。
   どうやら我が足指は、防寒性のない靴の中でしもやけ寸前だったらしい。
   路肩には雪が山積みでも、道路表面は乾いてきたから普通の靴でもだいじょうぶだろうと思ったのだが、甘かった。
   優秀なブーツのおかげで、ふだん「足が冷たい!」という思いをしていなかったのですっかり忘れていたが
   冬のブーツには、防水だけでなく、防寒/保温の機能もあったのだ。
   次回は必ずブーツで行こう。スポーツシューズは気温が0度以上になるまでお預けだ。

■ 先日、「道路の穴ぼこに激突して、フレームが歪んでしまった」と書いた車輪。
   その後また電話があって、実は歪んでいるだけでなく、ヒビが入っているので修理不能と言われてしまった。
   修理できないとなれば、自転車ではあるまいし、前後1つずつの車輪では走れないから
   新しいのを買わなければならない。
   200ドル以下で直るだろうと踏んでいた雪だるまは、新しいマグ2本の値段を聞いて肩を落としていた。
   世の中、不時の出費というのは、あるものである。

■ お散歩マダムの一人が「こういう催しがあるけど」と、お試し太極拳クラスの案内をくれたので
   私も行ってみることにした。お試しなので、日曜の午前、2時間くらいの1回だけの講習会。
   講師は地元ケベックの人らしい。姓も名も、どうみてもフランス語の名前なので、中国人ではないと思う。
   太極拳は、人がやっているのを見たことはあるが、自分でやったことは一度もない。
   ふだんやっている筋力トレーニングやストレッチとは全く違う動きと思われるので、
   どんな感じになるのか、とても楽しみである。


太極拳といえば、やっぱりこんなポーズ?

taiji.jpg

道路の穴ぼこ

水がぬるみ始めるこの時期になると、
ケベックの道路には、たくさんの穴ぼこが出現する。

昼も夜も気温は零下十数度、という冬のさなかなら
道路は一日中凍りっぱなしで融ける暇などないからいいのだが
3月も半ばになってくると、日中の気温が0度以上になる日もあったりして
そうなると路肩に積み上げられた雪が、ちょろちょろと融け始める。
そしてその融けた水は、道路の小さなひび割れや継ぎめに染み込む。
染み込んだ水は、夜間の気温低下により凍る。
水は凍ると体積が増えるので、夜の間にひび割れはじりっと大きくなる。
そしてその少し大きくなったひび割れに、昼、また水が入り込み
夜また凍り、また融けて、凍って、融けて、凍って・・・
と、これの繰り返し。
その間、ひび割れはじりじりと大きくなり続け
そこに通行する車の重みや衝撃が加わり続けると、
ある日、ばーん! ひび割れを中心に舗装が崩れ、
アスファルトがはがれて穴が出現する、という具合。
冒頭には「ケベックの道路には」と書いたが
これは別にケベックに限ったことではなく、
北国ならどこでもある現象らしい。
北海道にお住まいらしいある方は、「北国の風物詩」と言っていらした。


こういう穴ですね

nid-poule-2.jpg


確かにたまに通るだけなら、「風物詩」として楽しむ余裕もあるが
毎日のこととなると、悠長に構えてはいられない。
何しろこの穴、小さいものは握りこぶし大くらいだが、
大きいものは50センチを超えるものまであって、
知らずにぶつかろうものならパンクも起こしかねず
けっこう危険なのである。

だからこの時期は、ふつうに前後左右や通行人に気を配るだけでなく
路面の穴ぼこにも注意を払って、できるだけ穴を避けるべく
運転しなければならない。
うちの町には2本の幹線道路が走っているが
そのうちの1本、古い方のサンキエームはことに穴ぼこが多く
ここを走るのはこの時期、ほとんど障害物競走のようである。

が、障害物競走でも、町内の知っている道はまだいい。
困るのは知らない道を、相当なスピードで走っているときである。
あっと思った時にはすでに遅く、車輪が穴に落ちて相当な衝撃に見舞われる。

実は先日、雪だるまがこれをやった。
ジェリーを迎えに行った隣の市で、思わぬところに大穴があって避けきれず
もろに穴に突っ込んでしまったのである。
その時はかなりの衝撃ではあったもののパンクは免れ、
走り続けることができたのだが
しばらくしたら、右の前輪から不気味な振動が伝わってくるようになった。
パンクしかけているか、タイヤが歪んでいるような、いやーな感じなのである。
不具合なら早く直した方がいいので、今日ガレージに持っていったら
なんと4本のタイヤのうち、前輪1本、後輪1本のホイールが衝撃で歪んでいて
即入院加療となってしまった。
代わりの車は貸してもらったが(横腹に大きくディーラー名が入った営業車)
昨年末に買ったばかりの愛車なので、雪だるまは本日、少ししょんぼりしている。

ちなみにこの道路の穴ぼこ、
ケベックでは俗に「nid de poule(雌鶏の巣)」と呼んでいる。
なんで鶏の巣なんだかよくわからないが、とにかくそう呼んでいる。
2、3年前だったか、この困りものの道路の穴ぼこを逆手にとって
パロディっぽい写真の素材にした展覧会があった。
ある写真では、穴を洗濯桶に見立て、そばに物干しラックを置いて
グラマラスな女性が洗濯に励んでいたし、
別の写真では、穴に氷を詰めてシャンパンクーラーにしていたり、
プールに見立てて、飛び込み寸前だったり、
なかなか面白い写真展だった。
探したらその時の写真が見つかったので、サンプルとして1枚。


nid-poule-photographie-creative-01.jpg


もっとご覧になりたい方は、このサイトでどうぞ。 

“抗菌石けん”という名前が紛らわしいのだ

  • 2017/03/07 11:58
  • Category: 雑記
前回書いた「 OC Cleaners」の番組を大量に見てしまったせいで
台所用の手洗いせっけんが切れた時、つい殺菌剤入りのせっけんを買って帰ったら
雪だるまに「アンチバクテリアソープは効果が実証されていない上に
人体、環境に有害な可能性もあると言われているのに、
なんでそんなもの買ってきたの?」と言われてしまった。

えー!と、今更ながらチェックすると、確かにFDA(米食品医薬品局)は去年、
「通常のせっけんより殺菌効果があるという根拠がなく、
長期使用の安全性も検証されていない」として、トリクロサンなど
19種類の殺菌剤を含む抗菌せっけんやボディーソープなどを販売禁止にしていた。
なんとまあ・・・
そうとも知らずにわざわざ抗菌せっけんを買ってきた私は、かなりのお馬鹿である。

幸い、成分をチェックすると、私が買ってきた液体せっけんには
トリクロサンなどFDAが販売を禁止した成分は入っていないようで
取りあえず手洗いに使っても問題はなさそうだが
なんだか手を洗うたびに、己が無知と阿呆さを思い知らされるようで、少々気が滅入る。

私は別にきれい好きでも潔癖症でもなく、多少の汚れやばい菌には平気の平左、
日常的にある程度の雑菌、ばい菌に接していた方が、免疫力がついてよろしい
くらいに思っているので、今まで特に殺菌や抗菌や除菌を気にかけたことがなく
よって、そうした製品やニュースに関心を向けたこともなかった。
それが今回の失敗につながったとも言えるのだが、
それにしても“抗菌剤入り”なんて書いてあると、よけい殺菌効果がありそうで
そんな石けんで手を洗うと、より清潔になるような気がして、紛らわしくていけない。
どうせなら私のような無知でおっちょこちょいの阿呆向けに、
「抗菌剤入りですが、効果のほどは定かではありません」くらいの文言を、
堂々パッケージに書いておいてくれればいいのに・・・

ちなみに、FDAの言う「長期使用の安全性が検証されていない」というのは、
1. 殺菌剤を使うことで耐性菌が増えるリスクがある
2. ホルモンの働きを阻害する可能性がある
という研究結果が報告されているからだそうである。

抗生物質の濫用により耐性菌が増えたと言われていることを考えれば
殺菌剤の大量使用が耐性菌の増加につながることは大いにありそうで
そうなると、より強い薬剤→より強い耐性菌→さらに強い薬剤と
いたちごっこというか悪循環というか、スパイラルが止まらないということになるので
ここはやはり人間、病み上がりの人や、何らかの理由で免疫力が落ちている人は別として
日常的には適度なばい菌の中で暮らしているのが一番いいのかもしれない。
私も次回は、ふつうの石けんを買おう。
買ってしまった抗菌石けんが「詰め替え用 1.18リットル入り」なので
次回がいつになるかは不明だが・・・

Obsessive Compulsive Cleaners

  • 2017/03/02 11:19
  • Category: 雑記
1週間ブログをほったらかして何をしていたかというと、
掃除をしていたのである。
きっかけは、この番組。




[Obsessive Compulsive Cleaners]

その名の通り、登場するのは強迫神経症的に掃除をせずにはいられない人たち。
何しろ“神経症”なので、並みの「きれい好き」や「潔癖」とはケタが違う。
彼らはゴミがあってもなくても、上から下まで1日に何回も掃除機をかけ、
漂白剤、殺菌剤、除菌シートで家の中のあらゆるモノを拭きまくり
トイレは使用の度毎に(あるいは使用しなくても)磨き、除菌し、
細かい調度や器具は、歯ブラシ、綿棒、デンタルフロスを使って
どんな小さな汚れも逃さず取り除く。
調度品も同様。写真立てや置物はほんの少しの埃もなく磨かれ
常に定位置に置かれる。(置く位置は数ミリずれてもいけない)
カーテンの襞は完璧に等間隔、
ソファの上のクッション、ベッドの上のシャム、ピローも
きちんと整えられてシンメトリーに置かれる。
(へこんでつぶれたクッションなど、ありえない)
中には子どもがいたり、ペットがいたりする人もいるのに
彼らはたいていはミニマリストで、モノが少ないので
家の中は常にショールームのようにピカピカである。

一方、彼らと対極にあるのが、最近の日本語でいうところの「汚屋敷」の住人。
家族/ペットの有無にかかわらず、彼らの家はモノであふれ
モノがあふれると掃除がしづらくなるので汚れがたまり
汚れがたまるとますます掃除が億劫になるので、汚れは加速度的に増殖し
同時にゴミも溜まるので、そのうちゴミとモノの区別がつかなくなってむくむくと巨大化し
気が付いた時にはゴミとモノの混合体があらゆる空間を食い潰していて
自分ではどうしようもなくなっているというのが、おおよその図式である。

番組はこの2種類の両極端の人たちを主人公に
強迫神経症的掃除魔の人が、汚屋敷の住人のところに赴いて
その屋敷を片づけ、掃除し、何とか“ふつう”の状態にもっていこうとする過程を
レポートする一種のリアリティショーで、
そうすることによって、掃除魔の人は本当に1日に何時間も
掃除に費やす必要があるのか、自らの生活を再考し、
逆に汚屋敷の住人は、適度な清潔さは健康で快適な生活につながることを認識する
というのがその趣旨である。

ま、あくまでリアリティ“ショー”なので、面白くするために作っている部分、
誇張している部分は相当あるだろうし、
各エピソードにはさまれるお涙頂戴的部分は私の好みではないのだが
しかしこの番組を見ると、俄然、掃除意欲が湧くことは確か。
汚屋敷の住人の、真っ黒に汚れがこびり付いたレンジやトイレを見れば
ぞっとして、「ああなる前に、きれいにしよう」と思うし、
掃除魔の人たちの、それぞれ徹底的にこだわった掃除法を見れば
「ははあ、なるほど。ああやるのか!」と目から鱗、さっそく試してみたくなる。

そして、この「掃除意欲が湧く」というのはどうやら万人共通のようで
動画の下のコメント欄には、同様の書き込みがあちこちに見える。
「掃除をしなくちゃならないんだけど、動く気になれない時は、まずこの動画を見る」
と書いている人もあって、笑った。

ただひとつ気になるのは、掃除魔の人たちがものすごく大量に漂白剤を使っていること。
中には1週間で2、3本使うという人もいて、びっくりする。
ウチにも漂白剤はあるが、私はあの臭いが嫌いでたまーにしか使わないので
1本買うと2、3年は持つ。
まあカナダの場合、スーパーで普通に売ってるのが3.6リットル入りで
やたら大きいせいもあるが、仮に英国で普通に売られているのが半量の1.8リットル入り
だとしても、1週間で2、3本は使い過ぎ、身体にも環境にもよくないような気がするのだが・・・
それに何より、それだけ大量に使っても目も喉も痛くならないとは、
掃除魔の人たち、よほど塩素に耐性があるに違いない。

再度LとR

  • 2017/02/21 11:07
  • Category: 言葉
先日、仏作文の練習をしていて“タイトル”という語を綴る必要に迫られた。
「本のタイトル」とか、映画の字幕「サブタイトル」で、“タイトル”という語はおなじみ。
特に考えることもなく、“title”と綴ったのだが、LとRの違いにはからきし弱い私のこと。
ふと心配になって、一応辞書を当たってみた。

すると、なんと“title”という語は、仏語辞書にはない。
「そんな、馬鹿な!」と、今度は和仏で「タイトル」と当たってみると
綴りはなんと“titre”!

「えー、私は今の今まで“タイトル”は“title”だと思い込み、
過去40年以上そう綴ってきたが、あれは全部間違いだったのか?
きゃー、なんてぇこったい・・・」と、学生時代からお仕事時代にかけて作成し、
諸方面に提出したり、発送したりしてしまった数々の書類の中にちりばめられた
ミススペリングの数を思って、一度は「きゃー」と赤くなった顔が
次にはサーッと紙のように白くなる思いだったが
それにしても私の耳と頭は、40年以上勉強し続けてきたこの年になっても
いまだにLとRを区別できないのかと思って、つくづく情けなかった。
何しろ私はその少し前にも、“Link”と“Rink”を間違え、
“ゴルフリンク”の“リンク”は“Link”なものだから、
“スケートリンク”も“Skating Link”のような気がして、
そう綴って雪だるまに大笑いされていたのである。

だからこの時も、「またお馴染みの間違いをやらかしてしまった」と
LとRの混同自体には驚きはしなかったものの、間違えた語が
“タイトル”という超基本語であったので
「こんなのすら間違えて覚えていたとは、情けなさ過ぎて涙が出る・・・」と
つくづく自分に愛想が尽きる思いだった。

で、仏作文の添削に雪だるまのところに行ったとき
「さっき、“タイトル”でもLとRを間違えちゃったよ。
私、今の今まで“タイトル”はLだと思い込んでいたんだよねー」と愚痴ったら
雪だるま「titreはRだよ」と言った後で、「でも英語のtitleは、Lだけど」と付け足した。

私、愕然。
「え、じゃあ何かい、“タイトル”はフランス語ではRで、英語ではLなのか?」
と質したら、その通りだと言う。
(注:厳密には、titreは“ティトル”といった発音で、“タイトル”ではありませんが)

まったく、再度「なんてぇこったい!」である。
どうして、語源が同じ(どちらもラテン語の titulus から来ている)で、同じような意味を持つ単語が
フランス語ではRになって、英語ではLになっているのか?
まるでLとRを区別できない日本語話者を惑わすために
いつかの時点で、わざと綴りを変えたかのようである。

それでなくてもフランス語と英語には、carotte(仏)と carrot(英)とか
adresse(仏)と address(英)とか、recommander(仏)と recommend(英)とか
意味はほぼ同じで綴りだけ微妙に違う単語がごろごろし過ぎている。
それだけでも厄介なのに、その上さらに当方には区別できないLとRまで
入れ替えられている単語が存在するのでは、こちらはお手上げ、バンザイ、降参である。

ああ、誰か、LとRを聞き分ける機能が付いた補聴器でも
発明してはくれないものか。
ついでにスペイン語話者等向けには、BとVの識別機能、
中国語話者等向けにはDとT、BとPの識別機能を付ければ、売れるぞ、これは。



風呂

  • 2017/02/16 00:07
  • Category: 雑記
最近、時々某サイトに行っては眺めているのが、これ。


bathtub.jpg


いかにもな女性モデルがいるのが、画像としては少々邪魔なのだが
要するにこれは風呂桶。ポータブル・バスタブというやつである。
右上に見える電動ポンプがついていて、空気で膨らませて使う。
よって、使わない時は小さくしてしまっておける。

子ども用プールを小さくしてカバーと頭支えをつけたようなもので
デザインといい、作りといい、お値段(CAD100以下)といい
明らかに中国製で、「ほんとに、だいじょうぶかいな?」と思わないでもないのだが
ア〇ゾンなどのレビューを見ると、そこそこ使えるらしい。
カバーがついているので湯が冷めにくく、おまけにカバーの上に雑誌など置いて読書も可能。
ついでに飲み物ホルダー(モデルの右手側に見える穴がそれ)もついていて
便利至極だそうである。
したがって、デザインに目をつぶれば、極楽気分が味わえそう。

なんて書いていると、うちを知る方には、
「あれ、お宅にはバスタブがあるのでは?」と言われそうで
実際うちのトイレ兼洗面所兼浴室には、白くて四角い大きなバスタブが
浴室のまん真ん中に、でーんと鎮座ましましているのだが
このバスタブ、実のところ大きすぎて実用に適さない。
だいたい給湯タンクの容量より、バスタブの容積の方が大きいのだ。
満タンに湯を張ろうにも、7割方湯を満たしたところでタンクはすっかり空になり、
後はシャワーを使おうにも出てくるのは水ばかり。
次に湯が出てくるのは、いったいいつになることやらという始末では、
おちおち湯に浸かってもいられない。
バスタブに張った湯にしたところで、表面積が大きい分冷めるのも早いから
あっという間にぬるま湯になるだろうし、そうなると当地の湯船には
日本のような追炊き機能はないから、いったん入ったが最後
出るに出られず、肌寒いような湯の中で震えていなくてはならない。
極楽とは程遠い。

そこで、このポータブル・バスタブの登場である。
置くのは当然、役立たずの大型バスタブの中。
バスタブの中に設置すれば、湯を張るにも便利だし、排水も簡単。
こちらは暖かい湯にぽっちゃりと浸かって、ぬくぬくと読書や音楽を楽しみ、
くつろげるという寸法である。

まあ普段はシャワーで充分で、実際、旅行に行ったとき以外、
過去5年半、風呂には入っておらず、それで別段支障はないのだが
たまに古い日本映画などを見て、登場人物が銭湯でがやがやと喋っていたり、
旅先の薄暗い宿で、もうもうと湯煙の上がった湯船に浸かっていたりするのを見ると、
なんだか無性に懐かしくなって
「ああ、そういえば、お風呂ってものがあったねえ」と
俄然、たっぷりとした温かい湯に首まで浸かれたら気持ちがいいだろうなあ
と夢想してしまうのだ。

本当はビニールのポータブル湯船なんかではなくて

こんなのとか

bt 2


こんなのとか

bt 3


こんなのとかだったら

bm bath


もっと気持ちいいだろうなあ、とは思うのだが、
こんなゴーカなのは、夢のまた夢。ただ画像で見て楽しむだけである。

ちなみに一番下のは、ベット・ミドラーさんのマンハッタンのペントハウスの
バスルームだそうで、シンプルな作りに、檜(と思われる)の湯桶がすてきである。





しゃがむ

  • 2017/02/10 11:26
  • Category: 雑記
ところでラティ君が棲んでいる(と思われる)デッキ下だが、
実は去年の夏の終わりに、ジェリーと二人で潜り込んでみた。
夏に私を2回も刺した例のマルハナバチが、
まるでホーバーリングをするようにデッキの床付近を飛び回り
ついでスピードを落としてデッキの床板と床板の間の隙間から
すううっとデッキ下に入っていくので、
「これはこの下に巣があるのではないか」と、ジェリーと二人興味津々だったのである。

しかし、いくら興味津々でもハチが盛んに飛び回っている間は
危なくてそばに寄れないので
秋風が吹いてハチがいなくなったのを見定めてから
二人でデッキ下に潜り込んでみた。

ちなみにデッキの下部は清水の舞台のように吹きさらしというわけではなく、
トレリスのような斜め格子で覆われているのだが
横手の一部がドアのように開いて、中に入れるようになっている。
高さは155cmの私が、しゃがんで頭が付くか付かないかという程度。
両手、両膝をついた四つん這いの姿勢なら、体はどこにもぶつからないが、
いかんせん下が石混じりの砂利で手をつくと痛いので
私はしゃがんだ姿勢のまま、ちょっと頭を下げ気味にして、よちよちと前に進んだ。

そしてハチたちが盛んに下りて行ったデッキ右端の下あたりを
懐中電灯片手に、あちこちきょろきょろと覗きまわってみたのだが
ハチの巣らしきものは、影も形もなし。
落ちているのは、風で舞い込んだらしい枯れ葉と
鳥やリスたちが食べこぼしたヒマワリの種やピーナツの殻くらいで
床を支える柱に何かがくっついていた痕跡もなければ
地面に何かが作られていたような穴も、跡もなし。

床下に潜れば、スズメバチの巣のような大きな造形物が見つかるのではないか
と期待していた私とジェリーは、なーんにもなかったのでかなりがっかり。
「骨折り損だったな」と言い合ったのだが、その後、ふと真顔になったジェリーが
私を見て「それにしても、どうしてあんな格好で移動できるんだ?」と聞いた。

何のことだ?と聞き返すと、「さっき、しゃがんだ姿勢のままで前に進んでただろ?
しゃがむだけでもしんどいのに、その上、足を動かして移動するなんて
人間技とは思えん。少なくとも俺にはできない」と言う。
言われてみれば確かに、ジェリーは軍手をはめ、膝あてを付けて、
四つん這いの姿勢で床下を移動していた。
私より背が高く、しゃがんだだけでは頭がつっかえるから
四つん這いになっていたのだろうと思っていたが
彼が言うには、もちろんそれもあるが、たとえ頭がつっかえなかったとしても
彼にはしゃがんだ姿勢のまま足を動かして移動するなんて芸当はできない。
そもそも上手にしゃがめない。
映画や街の映像などで、アジア人たちが道端にしゃがみこんで“くつろいで”
いるのを見るのは、ほんとに驚きだ。
股関節の柔軟さが違うのか、膝と足首の動きが違うのか
理由はわからないが、とにかく俺たちにはあんな姿勢はできない。
むりやりしゃがんだりしたら、3秒と経たないうちに後ろにひっくり返るか
前につんのめるか、いずれにせよ、あの姿勢で“くつろぐ”なんてありえない。
と言って、ついでに実にぎこちない動きで、「しゃがめない」実演をして見せてくれた。
ジェリー以上に体の硬い雪だるまに至っては、はなから「無理」と言い切って
実演すら拒否。

私にしたところで、椅子の生活に慣れてしまって、
しゃがむ姿勢は楽とは言えないし、
ことに膝を付けた状態で、踵を床に付けてしゃがむことはもうできない。
(膝を開けば、踵を付けてしゃがめるが、あまり美しい姿勢とは言えない)
そういえば2、3日前に見た香港映画『阮玲玉』で、主演の張曼玉が
「駆け出しの頃は、よくこうやってしゃがんで、ずっと出番を待ってたわ」と
ほっそりした旗袍の裾をきれいにたくし込みながら
膝をそろえてしゃがんでみせたが、あれは彼女がヒールのある靴を
履いていたからできたことで、ぺたんこの布靴ではああはいかなかったろう。
ヤンキー座りだって、画像で見る限りみんな膝は開いているし
身体の柔軟さでは定評のある猫だって、座るときは膝、開いているものね。
(って、関係ないか。ハチの話が、なぜか猫で終わる)

ラティくん

  • 2017/02/06 11:09
  • Category: 動物
この冬、うちの庭の動物軍団に新しい仲間が加わった。
ネズミのラティ君である。
ラティというのは要するに ratty で、まんま rat なのだが
シマリス(チップモンク)がチッピーで、黒リスがブラッキーで、
茶リスがブラウニーなら、ネズミ(ラット)はラティでいいだろうと雪だるまが言うので
そういうことにした。

このネズミくん、ラティという名前の通り、毎年冬が近くなると家の中に入り込んでくる
ハツカネズミ(mouse/souris)の2~3倍、茶リスとほぼ同じくらいの大きさで
だから私は、ある雪の日の早朝、まだ薄暗いデッキの上をサササッと茶色いものが移動した時
茶リスが朝ご飯に来たのかと思ったのだが、走り去る後姿を見たら、しっぽが細長い。
茶リスならふさふさした太いしっぽのはずなので「あれ?」と思ったら、それがラティくんの初登場だった。

彼はどうやら、うちのデッキの下に巣を作ったらしく、
雪をかぶった生け垣を抜けてサササッとデッキの上に上がって来ては、
鳥たちが食べこぼしたピーナツやヒマワリの種を拾って食べ、
またサササッとデッキの下に戻っていく。
最初のうちは警戒していたのか、まだ薄暗い早朝か、
夕方、日が暮れてからしか来なかったのだが
誰も追い立てず、また猫や犬など彼を捕まえて取って食おうというものもいないとわかってからは
白昼堂々デッキに現れ、大胆にエサ漁りをするようになった。

(以下、ネズミの画像があります。この手の齧歯類が苦手の方は、どうぞ飛ばしてください)


最初に現れた頃のラティくん。早朝なので画像もぼんやり
(左上の白いものは雪、ラティくんの下はデッキに敷いてあるビニールシートです。
鳥たちが食べこぼすので、シートを敷いておかないと春の掃除が大変)


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しだいに慣れ、真昼間に登場。日向ぼっこ中か

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こうして見ると、しっぽが長い

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そして目が小さい

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今のところ、うちのデッキ下に棲んでいるのはラティ君1匹だけと思われるが、
何しろネズミのこと、そのうち家族連れで現れる可能性、無きにしも非ず。
そうなるとコトはちと面倒だし、いずれにせよ、ラティ君をうちの庭に置いておけるのは冬の間だけ。
春になって雪が融ける頃になったら、捕まえて森にでも放さなければならないとは思っている。
いくら可愛くても、ネズミはネズミ。はっと気が付いたら昔のケベック並みの大家族になっていて
うちの庭中、ネズミだらけ、というは、さすがにちょっと困るのだ。
ラティ君がカトリックの修道僧よろしく生涯独身を通し、デッキ下に引きこもって
禁欲生活を送るというなら、引き続き棲んでくれても構わないのだが
じいさんネズミならともかく、若い(と思われる)ラティ君にそんなことしろって言っても無理だろうなあ。


ひとごと

クリスマスから新年にかけてのお休み期間が終わり、
1月の第2週から、またお散歩が始まった。
雪道にも負けず、零下の気温にも負けず、
マダムたちはお散歩を続けている。

私も、話が聞き取れなかったり、言いたいことが言えなかったりで
楽しいことより、意気消沈することや自己嫌悪に陥って「ばかばかばか・・・!」と
自身を罵りながら帰ってくることの方がずっと多いのだが
ここで止めるわけにはいかないので、重い足を引きずって
相変わらず週2回、出かけている。
ほんとは週3回あるのだが、3回通うだけの気力は、私にはない。
自己嫌悪にまみれ意気消沈するのは、週2回で充分だ。

で、お散歩会へは月曜と水曜に出かけることにしているのだが
今週の月曜は、例のケベック市での銃乱射事件の翌日。
私はてっきり、お散歩会はその話題で持ちきりだろうと思っていたのだが
豈図らんや、事件の話はちらりと出ただけ。
メンバーのうち一人は、その週ケベック市に出かけており
週末も市内に滞在していたにもかかわらず
話に出たのは、天気が非常によくて、外を歩いていてもあまり寒くなかったこと、
おかげで楽しく買い物や観光ができたこと、
食事をしたレストランが美味しかったこと、等々だけだった。

不思議だったので、一応「ケベックでは事件があったのでは?」と
話を振ってみたのだが、もう一人のマダムともども、もちろん事件のことは知っていたが、
さほど関心があるとは思えない様子で、「昨夜からずっとそのニュースばかり。
メディアはちょっと大騒ぎし過ぎだと」といった意味のことを言って
他の話題に移って行ってしまった。

これはもちろん、小学校低学年よりまだひどい私のフランス語力で聞き取れた範囲の話であるから
ものすごく誤解している可能性もあるのだが、しかし話の細部はわからなくても
何について話しているかくらいの見当はつくし、
言葉の調子や話すときの態度、表情で、関心があるのかないのか
くらいはわかるから、「関心なさそう」と感じた私の印象が大間違いである可能性は
まあ50%以下で、当たっている可能性の方が高いと思う。

リタイア後の悠々自適の奥様方の、社会的事件に対する関心度なんて
その程度でしょう、と思われるかもしれないが、
隣国でトランプ氏が当選した時には、メンバーたちはあれこれ言い合って
結構大騒ぎだったのである。
普段話していることを聞いていても、みなリタイア前は何らかの職業に就いて働き、
かつボランティア活動などもしていたような人たちで
政治や社会には全く関心がないという人たちではない。

それなのに、ケベック市での事件に対しては通り一遍の関心しか示さないというのは
これはやはり、移民ではない、生まれた時からのケベッコワーズにとっては
オルタナ右翼の青年が、モスクで銃を乱射し、モスレムたちを殺した
という今回の事件は、どう見ても他人事、自分たちには起こりそうもないこと
としか思えないからだろうか。

乱射した青年はケベッコワだが、報道によれば、彼はジョージ・W・ブッシュ氏やトランプ氏、
仏のマリーヌ・ル・ペン氏等を信奉し、外国人排斥、反移民、白人至上主義、
反フェミニズムなどに同調する反動的保守主義者とのことで、
どうみても「普通の学生」、自分たちの周りにいる甥っ子たちや孫たちと
同じ人間とは思えない。
そして乱射された側、被害者たちはと言えば、移民で、モスレムという異教徒で
女たちは、ここカナダに来てさえ、頭にスカーフをかぶり、夏でも長袖長ズボン/スカートという
周囲から浮きまくりの服装を変えず、これまた自分たちと同じ人間とは思えない。関係もない。

自分とは異なる人間が、自分とは関係ない人間を殺したとなれば
これは「他人事」。関心が薄いのも、道理と言えば道理だ。
モスレムではないけれど移民ではある私とは、感じ方が違うのも無理はないのかもしれない。


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プロフィール

らうとら

Author:らうとら
ドロシー・L・セイヤーズ、ローリー・R・キング、P.D.ジェイムズ、ディック・フランシス、水村美苗、高村薫、戸塚真弓、ヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリング、ソフィ・マルソー(40代以降に限る)、ヘレナ・ボナム・カーター、アンジェリーナ・ジョリー、三代目金馬、小さん、枝雀、エンヤ、クイーン、ドゥルス・ポンテス、マドレデウス、J・S・バッハ、ちあきなおみ、トケイ・ピノ・グリ、アール・グレイ、自転車(冬季を除く)、あらゆる犬と猫
以上、私を幸せにしてくれる方々(敬称略)

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